ごみ分類、若者相談、住民票申請。自治体でも進むLINEチャットボット活用
LINEを活用している地方公共団体(地方自治体)が増えています。市民に対する純粋な情報発信手段としてはもちろん、ユニークな機能が搭載されたものも存在します。LINEの裏側で市民との双方向コミュニケーションを支えているのが「チャットボット」で、LINEにチャットボットが組み込まれたものを「LINE BOT(LINEボット)」と呼びます。
この記事では、自治体におけるLINE(LINE BOT)活用事例をいくつか紹介します。なお、チャットボットやLINEボット自体をご存知ない方は、それぞれチャットボットとは?、LINEボット(LINE BOT)とは?の記事を是非ご覧ください。
記事提供は、プログラミング不要(NoCode)のチャットボット開発ツール『hachidori』です。
目次
・地方公共団体は「LINE公式アカウント」が無償で利用可能
・ごみ分別|熊本県熊本市「熊本市LINE公式アカウント」
・悩み相談|愛知県名古屋市「名古屋市子ども・若者総合相談センター」LINE公式アカウント
・住民票申請|東京都渋谷区「渋谷区LINE公式アカウント」
・自治体におけるLINEチャットボットの今後
地方公共団体は「LINE公式アカウント」が無償で利用可能
事例に進む前に、LINEと地方公共団体の関係について簡単に紹介しおす。
地方公共団体は、2019年5月よりLINE株式会社が提供している「地方公共団体プラン」に申請をすることで「LINE公式アカウント」を無償で利用することができます。特定の住民に対するターゲティングメッセージの配信や、One to Oneコミュニケーションも可能となっています。地方公共団体向けのマニュアルもあるとのことなので、現在LINEを使っていない場合は是非確認いただきたいです。
出典:LINE株式会社
LINE、地方公共団体を対象に「LINE公式アカウント」を無償化 新プラットフォームにおける「地方公共団体プラン」を5月より受付開始
ごみ分別|熊本県熊本市「熊本市LINE公式アカウント」
熊本市では、市のLINE公式アカウントで情報発信を行っています。熊本市のホームページや防災サイトにリンクできるようになっているほか、質問が多いごみ分別に関しては処分したいものをフリーワードで検索することが可能です。
また、「受信設定」では、自分の居住校区に合わせた情報を受信する設定が可能となっています。同一市内といっても広い中で、身近な情報を中心に受信できるのは市民にとっても非常に嬉しいでしょう。全体としてシンプルなLINE BOTではありますが、必要十分であると言えます。
開発ベンダー:transcosmos online communications
悩み相談|愛知県名古屋市「名古屋市子ども・若者総合相談センター」LINE公式アカウント
愛知県名古屋市が運営する「名古屋市子ども・若者総合相談センター」LINE公式アカウントでは、電話で相談しにくいことをLINEで相談できる機能を搭載しています。
「今すぐLINEで相談する」を選択すると、チャットボットで居住区や年齢、性別、相談したい内容などを入力する画面が出てきます。入力を終えると、月曜日から土曜日の17:30-21:30の対応時間内であれば有人オペレーターに繋がります。チャットボットで事前に相談者の基本情報を取得していることにより、適切な有人オペレーターに繋げることを可能としています。
同様のフローを辿り、保護者が相談をすることも可能です。特に若者はLINEをはじめとしたチャットに慣れており、電話に抵抗があることも多いです。LINEで手軽に相談ができるのは若者心理に適っていると言えます。
開発ベンダー:hachidori
住民票申請|東京都渋谷区「渋谷区LINE公式アカウント」
渋谷区のLINE公式アカウントでは、住民票の写しをLINEで申請することができる。チャットボットの案内に従って入力を行い身分証明の写真を送るだけで手続きが完了となり、開庁日の12時までに申請した場合は翌開庁日の夕方までに発送されます。事務手数料1通300円、郵便手数料は2020年9月30日までキャンペーンにより送料無料となっています。※支払いはLINEPAYのみ
住民票の取得のために役所に行かなければいけないのは面倒ですよね。この取り組みは非常にすばらしいです。また、区役所職員にとっても、フォーマットに沿ってもれなく情報が入力されていれば手続きの負担も軽減されるでしょう。
開発ベンダー:ALBERT
自治体におけるLINEチャットボットの今後
この記事では3つの自治体におけるLINEボット活用事例を紹介しましたが、これらはほんの一例です。LINE公式アカウントを利用している自治体や、その中に基本的なチャットボットを導入する自治体数はどんどん増えており、その中でも名古屋市や渋谷区のようにユニークな取り組みを始めているところはやはり目立っています。
LINEもチャットボットも、導入の目的は市民サービスの向上や自治体職員の負担軽減が主でしょう。LINEという多くの市民に利用されているプラットフォームを活用することで、多くの市民に情報を届けることができます。また、もし受電問い合わせが減少すれば自治体職員にとっても便利なはずです。テクノロジーを上手に活用して、より良い日本社会を作っていきたいですね。
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