LINE BOTをどう活用するか?防災×テクノロジー最前線

LINEボットをどう活用するか?防災×テクノロジー最前線

2020年現在、着実に市民権を得てきた「チャットボット」。今や、チャットボットを活用したLINE BOTは民間企業だけでなく政府や市町村などの行政においても利用され始めている。
LINE BOTが役立つのは特に災害時だ。この記事では、災害時に活用されたLINE BOTなどの紹介を通じて、防災×テクノロジーの最前線をお伝えしたい。

※LINE BOTについて詳しく知りたい方は、はじめにLINEボット(LINE BOT)とは?の記事を読んでいただきたい。

部局横断の「防災×テクノロジー」タスクフォース

2020年2月13日に、政府は防災とITを組み合わせた政策を進めるため、内閣府防災部局や科学技術、IT、宇宙政策をそれぞれ担当する部局や関係省庁からなる「防災×テクノロジー」タスクフォースを設置した。中心は内閣府防災部局となるが、最新技術を取り入れるために部局を横断、さらには大学や民間企業、自治体なども参加する。このタスクフォースは台風や大雨といった災害への対応を高効率・的確に実施するためのもので、AIやテクノロジーを活用した施策を検討する。

タスクフォース設置の背景にあるのは「激甚化する災害」だ。

2019年は台風15号や台風19号などの大きな大型災害に見舞われた年であった。台風15号によって千葉県のゴルフ場の鉄柱が倒壊したことは記憶に新しい。また、台風19号は「令和元年東日本台風」と命名され、台風としては初の特定非常災害の適用が行われるほどの被害をもたらした。
「防災×テクノロジー」タスクフォースは激甚化する災害に、ICT(情報通信技術)で対応していくために立ち上げられたのだ。

参考:FNN PRIME ONLINE
「防災×テクノロジー」激甚化する災害にITで立ち向かう省庁縦割り打破で新たな取り組み

LINE BOTを活用した防災・災害対応事例

政府でもタスクフォースが立ち上げられるほど災害対応は大きな課題となっており、その解決手段としてLINE BOTの利用が進んでいる。

「なぜLINE?」という疑問が浮かぶかもしれないが、理由はその圧倒的なシェアにある。LINEは2020年3月現在、国内で8,300万人が利用するチャットアプリだ。全国民の70%が利用している計算となる。マスメディア離れしている若者も含めて多くの人が利用するアプリを使って発信を行うことで、着実に情報を届けることができるようになっているともいえよう。

さて、ここでいくつか防災・災害対応目的で作成されたLINE BOTの紹介をしたい。

千葉県市川市「市川市 2019台風 被災者支援」

2019年10月に発生した台風19号(令和元年東日本台風)は、甚大な被害をもたらすことが事前に予想されていた。
市川市は以前よりLINE株式会社と『地域ICT化推進事業に関する包括連携協定』を結んでおり、両者協議に基づいて台風上陸予測から2日間で当アカウントを開発。上陸直前に公開された後、1日で17,000名の市民が利用した。

当アカウントは国や市町村などが出している災害関連情報を集約し、アクセスを容易にしている点がポイントである。災害は情報が錯綜しがちな中、LINEを使えば信頼できる情報源にリーチできるのは住民の安心に繋がるだろう。

 

り災証明書のダウンロードもできるようになっている。

 

開発ベンダー:hachidori

兵庫県伊丹市「防災チャットボット」(実証実験)

株式会社ウェザーニュースと表保険伊丹市は、「防災チャットボット」を用いた新たな被災状況集約・安否確認モデルの実証実験を行った。
台風発生を想定して行われた当実験では、Twitter上で発信された被災状況を知らせるツイートを元に市職員が災害現場調査を実施し、その被害状況を「防災チャットボット」を利用して報告した。

 

 

 

 

 

 

 

 

また、「防災チャットボット」を用いて安否確認メッセージを一斉送信し、訓練参加者からの返信メッセージを受信。チャットボットが自動応答するとともに安否情報を受動で抽出するなどの実験も行われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出典:ウェザーニュース

福岡県福岡市LINE公式アカウント(実証実験)

福岡市LINE公式アカウントでは、平常時の備えから災害時の対応までをサポートする「避難行動支援」を搭載した実証実験を行っている。「平常時モード」では現在の警報・注意報や近隣の避難所情報などを確認できる。災害時に利用可能となる「災害時モード」では、災害時に福岡市から避難指示や勧告が出された際にとるべき避難行動をチャットボットで確認し、自身が避難を開始したことを家族や友人に伝えることができる。

モードの切り替えを活用したアカウント運用が新しい。普段利用している公式LINEアカウントで災害時の情報も受信できるため、ユーザーにとっても非常に優しい設計といえるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

出典:LINE、開発ベンダー:モビルス

 

今後も拡大が予想される

政府でタスクフォースが立ち上げられるほど災害対策におけるテクノロジー活用の熱は高まっており、今後も防災・災害対応のLINE BOTは今後も利用が拡大していくだろう。
今後大きな地震が起こる可能性も高いと言われている。台風はいつ発生するか予測が難しい。もしこの記事を読んでいる方の中に自治体等の関係者がいればもちろんだが、いち市民としてもこの分野には常にアンテナを張っておきたい。

プログラミングなしで内製可能なチャットボットのご相談はhachidoriまで