皆さんの中でOMO、という単語を聞いて正しく理解できる人は果たしてどれくらいいるでしょうか?
OMOは中国を中心に流行している新たなマーケティングの方法ですが、 日本ではあまり流行していません。
そこで、こちらの記事では以下のようなことについて説明していきます。
- OMOについて、及び似たような用語との相違点について
- OMOの導入例とメリット、デメリットについて
- 日本におけるOMOの将来について
こちらの記事を読んで、マーケティング方法の知識をつけたうえで、 自社のサービスをより販売できるようにしていきましょう。
OMOとは?
OMOとは、Online Merges with Offline の略称であり、「オンラインとオフラインの融合」という意味の単語になります。
現代のようにほとんどの人間がスマートフォンを携帯している現代社会では、インターネットやアプリを通してほとんどのことが可能になっています。 わかりやすいサービスには以下のようなものが挙げられます。
- UberEats、出前館のような宅配サービス
- アプリから予約して借りられるシェアサイクルサービス
- 無人スーパー、コンビニ など。
このように、本来はオンラインでしか、オフラインでしかできなかったようなことがその境目なく可能になったサービスの総称になります。
中国が最もOMOが進んでいる
OMOの手法が最も進んでいる国は中国です。
そもそも、このOMOという考えを発案したのが元中国googleのCEOであり、現シノベーションベンチャーズという企業の会長で、もある李 開復という人物になります。
この考えは彼によって提唱されたのち、イギリスの新聞である「The Economist」誌によって取り上げられたことがきっかけに広まっていきました。
実際に、中国都市部の大半の人々がスマホを用いた決済方法を利用しており、併せてそのための技術の導入も様々な店舗で進んでいます。
また、中国はITの発展が他国と比べて進んでいることも理由の一つと言えるでしょう。
なぜOMOが注目されるのか
OMOが日本で注目されるようになった理由としては、スムーズな購買活動の需要が高まったことや、スマートフォンの普及率が大きく向上したことなどが挙げられます。
特に、どれだけスムーズに、円滑にやりたいことができるかが非常に重要視されるようになってきたため、国内におけるOMOの需要は大きく高まってきました。
また日本でも多くのモバイル決済サービスが導入されて、普及率も高まってきたことで、OMOはますます注目度が上がっています。
OMOとO2O、オムニチャネルの違い
OMOと似たような単語に「O2O」と「オムニチャネル」という用語があります。
それぞれ、O2Oは Online to Offline (オンラインからオフラインへ誘導)、オムニチャネルは英語にするとomni channel となり、あらゆる販売経路という意味を持ちます。
OMOとO2Oの違い
OMOとO2Oはオンラインとオフラインが切り離されているか、融合しているかという点で異なっています。
具体例を挙げると、OMOはオンラインで注文したものがオフラインで来る、のように本来実際にお店に行かないと受けることのできないサービスをオンラインで可能にしたサービスになります。
一方で、O2Oの場合、オンラインで注文してオフラインで店舗に取りに行くと割引になる、のようなサービスになります。
OMOとオムニチャネルの違い
また、OMOとオムニチャネルも、OMOとO2Oと同様にオンラインとオフラインの関係性が切り離されている、という点で異なっています。
オムニチャネルは様々な経路を設けたうえで、どの経路を使っていいというものです。一方でOMOは経路に関してはオンラインからオフライン、に限定されています。
OMOの施策
それでは、OMOの考え方に基づいて、現在導入されている施策について具体例をいくつか見ていきましょう。
チャットボットの活用
OMOの施策が導入されている例の一つに、チャットボットが挙げられます。
チャットボットとはECサイトに導入することで。サービス提供者側で設定したよくある質問などの対応を行ってくれるシステムになります。
オンライン上でスムーズな対応を可能にする、という点ではわざわざ電話を掛けたり、実店舗を訪ねたりしなくても、疑問を解決できるという点でOMOの考えが生かされているといえるでしょう。
また、チャットボットの中でも人工知能が導入されたものでは、OMOによって入手した情報をより活かすことができるため、多くのメリットをもたらしてくれるでしょう。
チャットボットとは?AIとの違い・種類・選び方など、総まとめ
サイネージの利用
また、OMOの導入例の一つとして、サイネージが挙げられます。
駅や店舗などに飾られている、広告の表示されるパネルのようなもののことです。
例えば、サイネージに商品画像と合わせてQRコードを表示することで、円滑に商品情報を獲得できるようにしたり、購入したりできるようにすることで、スムーズな情報の獲得などが可能になります。
OMOのメリット・デメリット
それでは、OMOを導入することでどのようなメリットを受けることが可能なのでしょうか。
また、どのようなデメリットが存在しているのでしょうか。 その点について見ていきましょう。
OMOのメリット
OMOのメリットとして、以下のような点が挙げられます。
- 顧客数の増加を図れる
- 顧客データの総数の増加
OMOを導入することで、従来のオフラインからの情報に加えて、オンラインからの情報を獲得できるようになるため、顧客データの総数を増やせます。
また、これらのデータをもとに分析・計画を行うことで、顧客増加を図れるようにできるのです。人工知能の普及が盛んな現代では、OMOによって集めたデータを元に、より精度向上に繋げられます。
OMOのデメリット
一方で、OMOには以下のようなデメリットも存在しています。
- 成果を上げるために長期期間を要する
- 維持費がかかる
例えばチャットボットの場合、月ごとに払う費用や管理を行う社員の人件費などがかかります。
そのため、ある程度予算が必要になってきます。
また、情報獲得のためにはサイトやサービスを利用してもらう必要があるため、ある程度の成果を上げるためには一定期間を要するため、注意が必要です。
OMOを行う上で必要なこと
それでは、OMOを導入していくにあたって必要なことについて説明していきます。
データベース
OMOはオンライン、オフラインそれぞれの経路から情報を集めるためのものになります。
そのため、各種情報を保管するためのデータベースを準備しておく必要があります。
マルチチャネル
また、OMOを上手に活用するためにはオンラインから多くの情報を獲得するための経路を用意する必要があります。
ECサイトやSNS、アプリ、広告など様々なチャネル(経路)を用意したうえで、アクセスしてくれるような工夫を取り入れるようにしましょう。
システムの整備
システムの整備も重要な要素の一つになってきます。
特にデータベースを上手に活用するためには、保守・点検をしっかりと行っていく必要があります。
獲得した情報を無駄にしないようにするためにも、各種システムの整備やコンテンツの質の向上は怠らないようにする必要があるでしょう。
OMOの事例
それでは、OMOを導入して実際に成功した事例について、いくつか見ていきましょう。
導入を検討している会社は、こちらをぜひ参考にしてみてください。
Luckin Coffee
Luckin Coffeeは中国のコーヒーを扱うチェーン店になります。
こちらの会社では、コーヒー購入時にアプリのインストールを必須化・アプリ上でのキャンペーン展開を行うことで、顧客の増加および店舗数の大幅な拡大に成功しました。
現在では国内に3000店舗以上が展開される、大型チェーン店となっています。
Amazon GO
Amazon GOはLuckin Coffeeと同様に、購入時にアプリを必須としたAmazonの経営する無人コンビニエンスストアになります。
アプリを通して獲得した情報をもとに、陳列や品物の種類を変更していくなど、OMOを生かして獲得した情報をもとに、利益向上を図っています。
BEAMS
また、国内でのOMOの成功例として挙げられるのがアパレルブランドのBEAMSになります。
バラバラに分かれていた公式サイトのドメインの一元化を実施して、オンライン購入の円滑化に成功しました。
加えて、スタッフたちがBEAMSの服を使ったコーディネート例を掲載することや、オンライン上で様々な情報を発信することで、売り上げの向上に成功しました。
Alibaba
中国の大手IT企業の1つである「Alibaba」の経営するスーパーマーケット、「盒馬鮮生」でもOMOを導入しています。
フードデリバリーサービスの実施や、店舗のバーコードをスキャンすることで商品に関する情報を取得できるシステムなど、買い物をより円滑にするための工夫が導入されています。
このように、OMOの施策としてスマホアプリを活用して便利に買い物ができるようなシステムを導入している例の一つになります。
OMOの今後
それでは、今後OMOは日本でどのように活用されていくでしょうか。 今後の動向について予測していこうと思います。
OMOにより期待されること
OMOでは、消費者目線でよりよいサービスかどうか、という視点が強く問われてきます。
そのため、OMOの普及によって、様々なサービスがより消費者のニーズに合ったものに最適化されていくかが期待されます。
そうすることで、利益やサービス品質の向上の実現が可能になります。
日本での浸透は
日本での浸透率はいまだに高くはなく、オフライン(店舗)での購入がメインになっているのが現状です。
しかし、現代の日本ではIoTの普及が盛んなこともあり、OMOの考え方を活用することで情報の収集収集効率はより向上するでしょう。
そのため、今後浸透率が高くなっていく可能性が見込まれます。
特に注目される業種
OMOは、キャッシュレス決済普及しており、かつ無人サービスが今後展開されていくであろう、サービス業(特に接客業)で注目されることになるでしょう。
中国での成功例もスーパーやコーヒー店といった飲食業が多いことから、これらの業種では注目度は今後高くなり、普及していくことになるでしょう。
OMOを行うためのツールとして
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