スーパーアプリとは?ミニアプリとの違いや特徴を徹底解説

スーパーアプリとは?ミニアプリとの違いや特徴を徹底解説

今現在、アジア圏では生活のあらゆる場面で活躍できる統合的なアプリである「スーパーアプリ」の需要が急速に伸びています。

従来のネイティブアプリとは違い、一つのアプリで多くの機能を利用できるなど、様々なメリットがあり、ユーザーの心を掴んでいます。

この記事では、そんな「スーパーアプリ」についてメリットやデメリット・実際に普及している世界のスーパーアプリの事例などについて詳しく解説していきます。

 

目次

スーパーアプリとは何か?

それぞれが独立した複数のアプリが統合され、プラットフォームのような役割を果たすだけでなく、様々な機能を持っているアプリが統合されているため、日常のあらゆる場面での活躍が期待できます。

こういった複数のアプリが統合されているものを「スーパーアプリ」といいます。

例を挙げて説明しますと、日本でよく利用されている「LINE」ですが、電話やチャットなどがメインの機能になりますが、その他にも決済をはじめ、友人にギフトを送ることができたり、漫画やゲームなどのサービスを利用できるアプリが一つのアプリの中に搭載されています。

 

スーパーアプリとミニアプリの違い

スーパーアプリはミニアプリを搭載したプラットフォームの役割を果たしているアプリになります。

一方でミニアプリはスーパーアプリの一部であり、ダウンロード不要で起動できるアプリのことをいいます。

スーパーアプリは他のネイティブアプリと同様に、通常のアプリストアでダウンロードすることができます。

例で説明しますと、「LINE」は「スーパーアプリ」の役割を果たしていますが、LINE内で提供しているお店のクーポンアプリやタクシーの配車アプリは「ミニアプリ」になります。

 

スーパーアプリが必要とされる背景とは?

今現在、数え切れないほどの種類があるアプリですが、その殆どがダウンロードされていない現実をご存じでしょうか。

アメリカではスマホユーザーの半数以上が1カ月以内に新しいアプリをダウンロードしていない結果が出ていますし、毎日使用されるアプリは平均で8個程度であることが分かっています。

ダウンロードされない原因ですが、アプリを追加する度にIDとパスワードの設定・クレジットカードの登録などが必要になるため、その工程が面倒に感じてしまい、ダウンロードを行わないユーザーが増えているからです。

そのため、一つのアプリで多くの機能が完結できるスーパーアプリが必要とされてきているのです。

 

既存のスマホアプリに潜む課題について

既存のアプリでは、以下の3つの課題があります。

アプリごとにユーザー情報をはじめ、支払い方法の登録・管理をしないといけない。

複数のアプリをダウンロードする必要があり、それぞれを起動しないと利用できない。

スマホの容量により、ダウンロードできるアプリの上限がある。

スーパーアプリで簡単に解決できる内容が問題となってくるため、既存アプリの需要が減ってきているのは必然的な流れであるといえます。

 

アジアでスーパーアプリが誕生した背景

アジアでスーパーアプリが誕生したのには様々な背景があります。

中国ではアメリカ企業が開発したアプリを規制した上で、既に確立されているビジネスモデルやサービスを模範することで、WeChatAlipayなどのメッセージアプリ、配車サービスなどの仕組みを作り上げました。

ユーザー側は近年、PCよりもモバイル機器でのインターネット接続が主流となってきており、低価格の性能の低いスマホでは容量の関係から数多くのアプリをダウンロードできない状況になっています。

こういった背景があり、アジアでもスーパーアプリが誕生し、需要が伸びているのです。

 

スーパーアプリ事例

実際に世界で利用されているスーパーアプリについて詳しく解説していきます。

 

WeChat(中国)

WeChatとは簡単に説明すると、中国版のLINEのようなアプリになります。

中国のほぼ全ての国民が使用していると言われているアプリであり、メッセンジャー機能とSNS機能の融合が特徴といえます。

世界で初めてスーパーアプリやミニアプリの仕組みを導入したアプリであり、その数は2019年の時点で100万個を超えています。

買い物をはじめ、チケットの予約、決済、税金の申告、オンライン診療などをアプリ内で行うことができ、近年では新型コロナウイルスの感染状況を確認できるようになっています。

 

AliPay(中国)

AliPayは中国のアリババ・グループが提供しているキャッシュレス決済サービスであり、アクティブユーザーが10億人以上で東アジアで最も利用されている決済サービスとなっています。

スマホアプリを通して、QRコード決済や幅広いオンライン決済に対応しています。

AliPayに関してもスーパーアプリ化が進んでいき、バイクシェアリングサービスやタクシーの呼び出し、信用スコア診断、資産運用といった様々なミニアプリが利用できます。

LINE(日本)

日本で使用されているLINEもスーパーアプリになります。

LINEというアプリをプラットフォームとして、送金・決済・クーポン・ゲーム・音楽などをミニアプリで立ち上げ使用ができるようになっています。

また、「LINE公式アカウント」の機能はミニアプリとは違い、公式アプリと友達になったユーザーに対して、メッセージ配信やチャットボットの回答を送るなどの行い、商品やサービスの宣伝を行うことができます。

 

GoJek(インドネシア)

GoJekはインドネシアのオンラインタクシーや配車を行うためのアプリです。

ジャカルタに本社を置く GO-JEKがバイクタクシー予約のためにコールセンターとしてスタートしたことから始まり、今ではインドネシア国民にとって必須のアプリとなっています。

その他にも、映画のチケット購入をはじめ、ハウスキーパーの手配、バイク便、デリバリーなどを行うことのできるミニアプリも使用できます。

アプリ内の表記は基本的にインドネシア語か英語になっています。

Grab(シンガポール)

Grabはマレーシア発の配車サービスアプリであり、アプリ内では車の手配・行き先を相手に伝える・支払いなどが全て完結できます。

配車サービスの他にも、キャッシュレス決済をはじめ、事業者向けの少額ローン・フードデリバリー・自動車保険と多くのサービスを利用できます。

こういったサービスを一つのアプリで統合した結果、東南アジアで最大となる配車アプリとなりました。

日本国内のスーパーアプリ市場は?

東南アジアや中国で急成長しているスーパーアプリの市場ですが、日本国内の需要は伸びているのでしょうか。

日本は昔からPCを使用したインターネットなどのWebサービスが数多く存在していた現状があるため、スーパーアプリが開発・提供されたとしても、Webサービスを利用する人が変わらず多く存在する可能性が高いため、東南アジアや中国のように大きく発展していくとは考えにくいです。

欧米も日本と同じく、スマホのアプリができる前からWebサービスが多く存在していましたが、実際に東南アジアや中国と比べるとスーパーアプリが発展しているとはいえません。

日本も欧米と環境が近いため、同じように需要が伸びない可能性が高いと判断できます。

ですが、国内でもスーパーアプリ化を進めている企業が出てきているため、今後の動向に注目していかないといけません。

国内でスーパーアプリ化を進めている2つのアプリについて詳しく解説していきます。

 LINE

日本でも多くの人が利用している「LINE」。

20209月の時点でアクティブユーザーが8,500万人となっており、国民の半数以上が利用していることになります。

20207月にLINEアプリ内にて「ミニアプリ」をリリースし、美容院や飲食店の空き状況の確認や予約が行えるサービスが始まりました。

世界の状況と比べると後れをとってはいますが、今後のスーパーアプリ化を期待できるといえます。 

Paypay

Paypay株式会社が運営しているスマホ向けのキャッシュレス決済サービスである「Paypay」もスーパーアプリ化を進めています。

201911月、Paypay内でミニアプリの提供を開始し、加盟店がそれぞれ自社で提供しているサービスをアプリ内で利用できるようになりました。

現在ではオンラインショッピング・タクシー配車サービス・ボーナス運用・ふるさと納税などの複数の機能が利用できます。

Paypay株式会社は、Paypayを決済アプリからスーパーアプリへと展開させていくビジョンを掲げており、今後の展開に注目です。

 

スーパーアプリの事業者目線でのメリット

事業者の目線でのスーパーアプリのメリットをいくつかご紹介します。

 

ユーザーを囲い込める

スーパーアプリは複数のサービスを一つのアプリで行うため、ターゲットとなるユーザーのニーズに幅広く対応ができるため、ユーザーの囲い込みができます。

スーパーアプリにてカバーできるサービスの幅が広くなるほど、他社サービスにユーザーが流れてしまうことを防ぐことができ、安定した利益を維持することができます。

 

様々な事業展開ができる

スーパーアプリで提供できるサービスは、登録できるミニアプリの数だけ拡大することができるため、事業者にとっては様々な機能のミニアプリを開発・提供することができます。

さらにミニアプリで開発を行えば、ネイティブアプリに比べると格安で開発ができ、新しい機能が増えるとユーザーも増えていくため、多彩な事業展開が行えるようになります。

 

開発費を抑えることができる

「ネイティブアプリ」を開発する際には、iOSAndroid2つのユーザー向けのアプリケーションを開発しないといけませんが、ミニアプリの場合、スーパーアプリ上で動くアプリを開発すれば、どちらのOSでも対応できるため、開発費を半額程度で抑えることが可能となります。

また、基本的にミニアプリは「HTML5」というプログラミング言語で開発されているので、別のスーパーアプリに搭載する際にも、移植がしやすくなります。

 

アプリが削除されにくい

多くのユーザーは利用しなくなったアプリを削除しますが、機能が多いスーパーアプリは利用しなくなった機能があったとしても別の機能も搭載しているため、削除されにくくなります。

また、多くのユーザーは削除の理由に「ホーム画面をスッキリさせるため」という内容の理由を挙げていますが、スーパーアプリは一つのアプリで済むため、ホーム画面を埋め尽くすことがありません。

 

アプリ内課金決済手数料が不要

ネイティブアプリの場合、アプリ内の課金には30%程の手数料をプラットフォーム側に支払わないといけなかったですが、ミニアプリの場合には決算代行業者の34%程の通常の決済手数料を支払うだけで良いため、アプリ提供者のコスト削減に繋がります。

 

スーパーアプリの消費者目線でのメリット

先程まで事業者にとってのメリットについて解説していきましたが、消費者にとってのメリットについてもいくつかご紹介します。

 

アプリをDLする手間を省ける

スーパーアプリは一つのアプリで様々な機能を利用できるようになるため、それぞれのネイティブアプリをダウンロードする必要がありません。

ダウンロードをしなくて済むだけでなく、機能ごとにアプリを起動しなくて済むため、ユーザーの利便性を高めることができています。

 

会員登録の手間を省ける

ネイティブアプリを多くダウンロードをしてしまうと、その度に「会員情報」などを登録する必要がありますが、スーパーアプリは一つのアプリで完結するため、認証・決済手続き・個人情報の登録なども一度で済みます。

ユーザーにとってアプリごとの「会員登録」の手間が省けるため、気軽にダウンロードしやすくなります。

 

スマホの容量を気にせず利用できる

ネイティブアプリをそれぞれダウンロードしていると、その分のスマホの容量が必要となり、多くのアプリをダウンロードできない場合があります。

スーパーアプリは一つのアプリで多くの機能を利用できるため、多くのアプリをダウンロードしなくて済みます。

そのため、スマホの容量を気にせずに利用することが可能となります。

 

スーパーアプリのデメリット

スーパーアプリのメリットについて説明してきましたが、勿論デメリットもあります。

まず、セキュリティ面の話からしますと、もしもスーパーアプリのアカウントが乗っ取られてしまった場合には、一つのアプリから様々な情報が漏洩してしまう危険性があります。

その他にも、企業が自分達で自由にアプリの開発や取り組みを行うにしても、スーパーアプリに依存しないといけない状況になることがデメリットの一つといえます。

結局のところ、スーパーアプリをダウンロードして使用しても、目的のミニアプリにアクセスできるかはスーパーアプリのユーザービリティ次第ということになります。

LINEで説明しますと、元々LINE Payをアプリ内で利用することを前提に開発されていましたが、しばらくすると別のアプリとして利用できるようになってしまいました。

 

ミニアプリを開発する方法

現在の日本では、ミニアプリを開発できるスーパーアプリの数は決して多くありません。

スーパーアプリを提供する企業が各種ベンダーに自分で打診している状況となっています。

 

LINEミニアプリを開発する方法

20207月よりLINE株式会社がミニアプリ開発のエントリー窓口を開設しており、LINE株式会社の審査が通れば、LINE公式パートナーを通さなくても開発が行えるようになりました。

現実問題として、パートナー経由でしか使用できない機能も多くありますし、開発自体も非常に複雑になります。

技術力に自信のない方はパートナー企業に開発を依頼する方が無難であるといえます。

 弊社はLINEの公式パートナーのため、ご相談に乗ることが可能です。

導入を検討していない相談ベースのご相談でも、こちらよりぜひご相談ください。

WeChatミニプログラムを開発する方法

まず、前提としてWeChatは中国の担当者とやり取りを行う必要があるため、開発の依頼をするためには中国語のコミュニケーションスキルが必要となります。

自社開発を行って申請する方法もありますが、テンセント社からの修正依頼などを中国語で対応しないといけなくなるからです。

また、実績・開発力についても各項目を満たしていないと申請できません。

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