コマース21はECパッケージ業界においては、過去の大手導入実績ナンバー1の企業です。
コマース21を使用している企業の割合は、ECの総売上高が上位500社の中で、100位以内の企業数が16社も存在しています。
EC売上高上位500社の総売上高が訳3兆円で、その中でもコマース21を使用している顧客の総売上高は3,200憶円を超えて、全体の約1割を占めています。
このコマース21は大手のECパッケージ会社であり、大型案件などが発生した場合は、必ずと言っていいほどコンペに参加する企業です。
今回はこのコマース21についての細かい解説や、その料金プラン、機能、特徴などについても紹介していきますので、是非最後までご覧ください。
コマース21とは?
コマース21はパッケージ型ECサイトの構築サービスで、1999年からそのサービスを開始しました。
各事業者からの信頼も絶大で、国内パッケージサービスの中でも長い運用実績を誇っております。
サービスの利用により構築されたECサイトの総売上高は3,200憶円以上で、この数字はマーケット全体の10%を超えており、コマース21の凄さが伺えます。
国内ECサイト上位100社の中で、12社がこのコマース21使用していることもコマース21の影響力の大きさを感じることができます。
このコマース21は2016年にヤフー株式会社に買収され、これによって同社はヤフーの完全子会社となりました。
ヤフーの狙いはEC関連にて、長年の運営スキルと高い技術力を持つコマース21を子会社化することにより、EC関連事業を強化することです。
この吸収合併によりヤフーは非常に大きなメリットを得ることができたと言えます。
コマース21は独自のサービスとして、Yahoo!ショッピングの出店者向けのツール「B-Space」を発表し、新たなこのサービスをヤフーと連携して取り組むという新たな一歩を踏み出したのです。
コマース21の特徴
続いてコマース21の特徴について見ていきます。
自由度が高く、カスタマイズ可能
コマース21は、カスタマイズ機能がとても充実しており、これがパッケージ型サービスの強みであるとも言えます。
ECサイトを運営している場合、ユーザーのニーズ、トレンドなどに合わせて新たな機能を追加することが不可欠ですが、カスタマイズ機能が弱いサービスでは、臨機応変なサイト構築ができません。
その点において、このコマース21であれば豊富なカスタマイズ機能が搭載されている事などから、とても自由度が高いカスタマイズが可能で、サイト設計においてはとても便利なツールとなります。
また、ソースコードが公開されていることにより、自社でセキュリティーを構築することができるのも魅力の一つです。
ECサイトは個人情報を大量に取り扱わなくてはならない為、セキュリティー対策は必要不可欠事項です。
セキュリティーサービス会社に任せるだけではなく、自分たちでも対策を考える事が重要な課題であると考えられています。
大規模EC向け
大規模EC構築に強い点もコマース21の特徴です。
大規模ECの運営には多くのアクセス、商品データの取り扱いに対応可能な高度な技術力が必要不可欠と言えます。
コマース21のサービスは、このような大量のデータを取り扱える技術力を持っている為、事業規模がとても大きいサイトの構築にも簡単に対応が可能です。
以前にも100億円の総売り上げ規模を所有するECサイトの構築に参加するなど、ECサイト事業におけるノウハウを完全に熟知している強みもあります。
実績多数
コマース21の特徴の一つとして、現在までに多くのECサイトの導入実績があるという点です。
ECサイトでは、実店舗営業とは違う店舗設計(サイトのデザイン)やマーケティング戦略が必要不可欠になります。
その為、コマース21が数多くの成功事例を手掛けた実績は大きな強みです。
簡単に言えば「どうすれば売れるサイト構築の方法を知っている」という事です。
また、運営において様々なトラブルが発生する為、その都度高い対応力が必要で、更に失敗による損害を最小限にして迅速に元の状態へ戻すことが重要だと言えます。
コマース21では、長年蓄積してきたノウハウにより、様々なトラブルにも柔軟に対応が可能で、安心してサイトを運用するための心強い味方になるに違いありません。
コマース21のパッケージと機能一覧
次に、コマース21の機能について見ていきます。
Commerce21 SELL-SIDE SOLUTION(セルサイドソリューション)
「セルサイドソリューション」は、コマース21の基本的なパッケージで、ECサイト構築に関する機能がほとんど備わっていることが特徴です。
具体的に言うと、フロント業務機能(ホットセール・注文・会員登録・商品展示)や、バックヤード機能(受注・配送・決済処理・店舗管理・展示構成管理・使用者管理)なども備えています。
ECサイト運営に必要な機能全てを搭載した、素晴らしい製品です。
Commerce21 S5「コマース21 S5」
同社の製品「セルサイドソリューション」の導入にかかる初期費用が2000万円以上という数字に対して、この「コマース21 S5」の導入費用は1000万円以下で、今後成長が見込める中規模事業者でも導入可能と言えます。
従来の製品であれば早くても納品までに半年以上かかってしまうケースが多いが、このサービスであれば早い場合は3ヶ月程度でECサイトの構築が可能です。
予約販売やセット販売、ギフト機能、まとめ買い機能、再入荷を知らせる機能などアパレルのECサイトに必要不可欠な機能はほとんど搭載されております。
ECo2(エコツー)
エコ2は、EC事業の売り上げ増加に比例して発生するサイト運用おける負荷や、システム運用の負荷の軽減が可能です。
自社でシステム運用や、サイト運営を行うことで不安を抱えている事業者や、ECサイト運用に手間がかかってしまいます。
その為本業に力を注ぐことが難しい等の悩みを抱えている事業者の不安を解消することができます。
可用性・利便性・拡張性を探求したカスタマイズ、システムの連携などが可能で、開発工数の削減と、中期、長期システムの投資を可能にした、クラウド基盤に構築されているタイプのオートスケール対応型のSaaS型フルマネージドECプラットフォームサービスです。
コマース21が20年以上ECサイト構築に携わってきた技術を生かし、マネージド(安心)・セキュア(安全)・スピーディー(迅速)と言うコンセプトを実現した新しいサービスと言えます。
コマース21のECパッケージにはマーケティング機能も付けられる
マーケティング機能も持っているため、集客にも活かせます。
Commerce21 検索エンジン
「検索エンジン」は、ECサイト内のカテゴリや商品を迅速に検索する機能で、欲しい商品を手早く検索することができます。
オプションとしてサジェスト機能も用意されているので、関連性の高いキーワードを合わせる事で、購入機会の増加が期待できると言えます。
サイトのユーザーアビリティーの向上により、離脱率の減少や、コンバーション率の向上などの期待が持てます。
Commerce21 レコメンドASPサービス
レコメンドASPサービスとは、ユーザーの行動履歴などからそこに関連性の高い商品を表す、レコメンド機能の利用を可能にしたサービスです。
コマース21の高度な技術力があってこそ開発ができた商品で、商品の購入点数や、単価の向上に非常に役立ちます。
また、カスタマイズ性がとても高い為、運用時は自社製品に適応させての使用が可能です。
Commerce21 モバイルソリューション
主にフィーチャフォン対応型のオプション製品です。
現在は、スマートフォンの使用が当然のようになってきましたが、シニア層などにおいては、いまだにフィーチャーフォンによるアクセスも多い業態があります。
このような層を獲得するためにも、本体のECサイトと管理画面の共有等も可能で、PC,スマホ、フィーチャーフォンとマルチチャンネルにて一元管理の実行が可能です。
Commerce21 CRM
ECサイトの顧客情報、アクセス情報を結合し、ビッグデータを活用してプライベートDMPを可能にしています。
ユーザーの行動を分析、解析するマーケティング・オートメーションをビッグデータ活用により実現しています。
コマース21の料金プラン、価格は?
ここではコマース21の大まかな料金プランをわかりやすく表にまとめてみました。
推定価格 | |
初期費用 | 数千万円から |
月額費用 | 数十万円から数百万円 |
追加カスタマイズ費用 | 数十万円から |
最近、S5と言う低価なパッケージもありましたが、基本サービスは大規模ECサイト向けですので、システムインテグレーターや、ワークスアプリケーションズと同ランクの高額パッケージである為、高価であると言えます。
コマース21の導入事例
実際にコマース21を利用したECサイトを見ていきましょう。
導入事例その1「アダストリア」
アダストリアはカジュアルテイストの雑貨や、アパレル商品を取り扱うサイトで、コマース21が手掛けているECサイトの1つです。
アダストリアの総売上高は333億円で、ECサイト売り上げランキング38位にランキングされるなど、ファッション系のECサイトを代表する企業と言えます。
カジュアルな商品を主に取り扱うため、サイトのデザインはオシャレでしかも敷居が高すぎない「近親感」を表現しています。
ターゲットになるユーザー層へのブランディングを丁寧に行っており、商品のランキング、レコメンドカテゴリー、検索機能等も充実させ、機能的に優れたサイトに仕上がっていると言えます。
導入事例その 「コジマ」
コマース21の導入事例の1つに、大手家電量販店のコジマのオンラインショップも挙げられます。
家電製品の通販における需要は年々増加傾向にある為、現在家電メーカー各社ともECサイトの強化を推進しています。
コジマの売上高は、同業他社と比べると多少低めの223憶円ですが、前年よりも17.4%の増加となり、今後も増加傾向にあると言えます。
サイトデザインも、「検索しやすさ」を追求した家電通販らしいシンプルな作りになっています。
家電通販を検索するユーザーは、ある程度購入する商品を決めてサイトを検索する傾向がある為、欲しい商品がすぐに見つかるサイト構築は大きな強みと言えます。
導入事例その 「トイザらス」
子供向けのおもちゃの販売で有名なトイザらスも、コマース21が手掛けているECサイトの1つです。
トイザらスのサイトは、とても華やかで明るいデザインを使用し、商品ジャンルで素早く検索ができる上に、年代や性別などでも素速く検索ができる点など、その機能性の高さも好評です。
おもちゃは扱う商品数が非常に多いため、サイト運営においても高度な技術力が大切ですが、コマース21の高い技術力を活用して、魅力的なサイトに仕上がっています。
コマース21とよく比較されるサービス
コマース21とよく比較されるサービスについて見てみましょう。
ecbeingについて
Ecbeingは大手企業が導入するパッケージ製品で、パッケージをベースにカスタマイズを行い、ECサイト構築を行うサービスです。
ebisumart(エビスマート)について
Ebisumartは「ASP」でも「パッケージ」でもないカスタマイズが可能なクラウドECです。
このebisumartはシステム連携やカスタマイズが可能であるのに、ASPのようにシステムが古くならない等の、ECパッケージとASP両方の長所を持っているクラウドECシステムの事を指します。
ぜひコマース21導入の際の比較に役立ててください。
EC運営に合わせて確認したいこと
EC運用に合わせてSNSの運用は出来ていますでしょうか?
ECにおいて、SNSの活用は必須です。
LINEやInstagramをECに活用した事例を下記にてまとめていますので、併せてぜひご覧ください。