メルマガの開封率は最終的な目標であるKGIを達成するために、とても重要な項目となります。
この記事では、メルマガの解説をはじめ、メルマガの開封率の定義・平均開封率・開封率を上げるポイントなどについて詳しく解説していきます。
メルマガとは
メルマガとはメールマガジンの略称のことであり、メールを使用したメールマーケテイング手法の一つです。
企業・団体がプロモーションツールとして、自社サイト・店頭のポスター等で購読者を集客し、登録を行った人に対して定期的にメールを配信して情報発信を行います。
メルマガは、日本でITバブルが起った1999年に世間に広まりました。
当初はパソコン向けのテキストメールだけだったのが、iモードの普及で携帯向けのメルマガに始まり、HTMLメールやデコメールを使用したメルマガなど、技術の発達と共に表現方法の幅が広がりました。
現在のメルマガは、自由なデザイン・レイアウト・発想で知りたい情報を自由なタイミングで発信できます。
メルマガの開封率の定義
メルマガの開封率とは、そのメルマガがどの程度の読者に開封して頂けたかを表す指標になります。
計算式は以下の通りです。
・メルマガ開封率=(開封数÷有効配信数)×100%
配信数が多いのに読者に開封して頂けていないと、メルマガの効果が発揮できていないといえるでしょう。
メルマガの開封率は、メルマガの効果を上げていくために必ず参考にしないといけない指標の一つだといえます。
開封されない理由
メルマガが開封されない理由には、「タイトルが不適切」「配信頻度や時間帯の問題」「迷惑フォルダへ振分け」などの3つに理由が考えられます。
タイトルが不適切
メルマガの購読者が多くても、メルマガのタイトル(件名)が多くの人の興味を引くタイトルでなければ開封率は下がってしまいます。
その他にも、タイトルを見て本文の内容が分からない場合にも開封率が下がる傾向にあります。
そのため読者がタイトルを拝見した際に、「自分に向けた内容のメルマガ」だと思わせないといけません。
読者に対してメルマガを開封するメリットや本文の内容を簡潔に伝えるように工夫するだけでなく、限定・お得などの特別感を持たせる工夫を行いましょう。
配信頻度や時間帯の問題
メルマガのタイトル・内容が良いにも関わらず、開封率が悪い際には配信頻度や時間帯に問題がある場合があります。
具体例を挙げますと、「配信頻度が多すぎる」「配信時間が深夜帯である」「読者が忙しい時間帯に配信を行っている」などの理由が考えられます。
配信頻度が多すぎると、読者から「しつこい」「鬱陶しい」と感じられてしまい、メルマガの受信を拒否またはメルマガのアドレスをブロックされてしまう危険性があります。
つまり、メルマガは配信者側の都合ではなく、読んで頂けるお客様の読んでもらいやすいタイミングを考えて配信を行うべきだと断言できます。
迷惑フォルダへ振分け
例えば、メール配信ツールによって一度に大量のメールが配信された場合、「スパムメール」と判断されて受信者の迷惑メールフォルダに振り分けられてしまう可能性があります。
一度迷惑メールフォルダに振り分けされてしまうと、その後も自動で迷惑メールとして振り分けられてしまうため、開封して頂ける確率が極端に低くなってしまいます。
「スパムメール」扱いされないように配信を行うことは非常に重要な項目といえるでしょう。
メルマガ開封率の計測方法
メルマガ開封率の計算式は以下の通りです。
(開封数÷有効配信数)×100%
開封数は開封されたメルマガの数、有効配信数は対象ユーザーに届いたメール数を指します。
配信を行ったが、エラー等で届かなかったメールは含みません。
送信数・有効配信数は同じではないため、注意してください。
☆開封率の計算例
開封数:3,000通 |
送信数:15,000通 |
送信エラー数:2,000通 |
有効配信数=15,000通-2,000通=13,000通
開封率=3,000通÷13,000通×100=約23%
という計算になります。
メルマガの平均開封率
ある調査結果によると、メルマガ開封率の平均は2020年9月時点で17.16%程度となっています。
業界により若干の差はありますが、多くの業界では15~20%程度という結果です。
また同じ企業の調査によると、2020年9月時点の平均クリック数は8.87%でした。
こちらについても、業界によって若干の差がありますが、平均で5~10%という結果になっています。
クリック率とクリックスルー率は同じ意味の用語となります。
ユーザー層ごとに開封率は異なる
メルマガの開封率は以下のように「ユーザー層」で異なることを把握しておきましょう。
ユーザー層 | 開封率の目安 |
一般的なセグメントユーザー | 15~25% |
ロイヤル=優良ユーザー | 20~30% |
休眠・興味の薄い新規ユーザー等 | 5~10% |
メルマガの開封率以外のKPI
メルマガの配信は継続的に行うことが重要となります。
計画・実行・検証・改善のPDCAサイクルを繰り返していくことで、成果が徐々に出てきます。
また、KPIを設定することでPDCAサイクルが回しやすくなるといえます。
KPIは「重要業績評価指標」のことであり、最終目標であるKGIを達成するために必要な中間目標のことを指します。
メルマガの場合の主なKPIは以下のものが挙げられます。
・配信数
・到達率
・開封率
・URLクリック率
KPIを設定する場合はKGIから逆算して考えることができます。
以下の例をご覧ください。
KPI | 平均実績 | 目安件数 |
CVR | 5% | 10件 |
クリック率 | 10% | 200件 |
開封率 | 20% | 2,000件 |
到達率 | 83% | 10,000件 |
配信数 | 約12,000件 |
成約率=CVRを10件と設定した場合に逆算した結果になります。
メルマガの開封率を上げるポイント
メルマガの開封率を上げるポイントを詳しく解説していきます。
開封されやすい件名
メルマガでは、開封率はタイトル(件名)によっても左右されることを説明させて頂きましたが、メルマガを作成する際には「開封されやすい件名」を意識して作成することをおすすめします。
やはり本文の内容がどれほど魅力的なものであったとしても、タイトルで興味を持っていただけないと開封してもらえません。
先程の内容と被りますが、読者にとって開封したいと感じるタイトルは「自分(読者)にとって重要だと感じるタイトル」になります。
例を挙げるなら「10代女子限定!」や「新社会人必見!」など、ターゲットの属性を踏まえておくと効果的といえるでしょう。
その他にも、「期間限定で半額」のようなお得感を感じさせるタイトルであったり、「あまり知られていない〇〇の法則」など好奇心を刺激する方法もあります。
またメルマガの配信元アドレスの名前を設定しておくことで、相手側にメールアドレスのまま届くことがなくなるため、fromアドレスに企業名・サービス名を設定しておくようにしましょう。
どこからのメールなのかが分かるようになれば、迷惑メールだと勘違いされる確率も下がります。
ターゲットに合わせた配信日時設定
ターゲットに合わせた配信日時を設定することも重要となります。
メルマガは現在ではパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットなどでも読まれています。
ターゲットになる読者の生活時間を考えて配信を行うことで、開封率が向上する可能性が高くなります。
例えば、会社員向けであれば朝や夜の通勤時間、主婦向けでは平日のお昼~午後の時間が有効的だといえるでしょう。
火曜日~水曜日に配信するメルマガの開封率が高い傾向にあります。
一方で金曜日の夜は開封率が下がる傾向にあるのを覚えておきましょう。
主婦向けの場合では、休日に開封率が下がる傾向にあります。
こういった情報を元にして、ターゲットに合わせた日時に配信設定を行ってください。
メーリスの定期メンテナンス
メルマガの配信対象となるメーリングリストについては、定期的にメンテナンスを行い、常に最新の状態を保つようにしましょう。
一度エラーメールになっているアドレスに対して毎回配信されていないか、相手側の役職が変わっていないか等も定期的に確認する必要があります。
担当者の名前の漢字間違い・代表アドレスに対して既に退職した担当者で記載して配信している場合には、読者側の信頼低下にも繋がりかねません。
メルマガは不特定多数に一斉配信を行う手法ではありますが、読者が不快に思わない配慮を行う必要があります。
個人が送ったような設定をする
先程も少し触れましたが、fromアドレスに送信者名を記入するようにしてください。
メールサービスでは、fromアドレスに送信者名(=会社名・担当者名・サービス名)を設定できるようになっています。
fromアドレスが設定されていないと、相手側にはメールアドレスのまま表示されるため、受信側はすぐに誰からのメールなのかを判断できませんし、最悪の場合では迷惑メールフォルダに移されてしまう危険性があります。
送信者が分かれば、「〇〇社からのメール」が届いたと判断できるため、開封して頂ける確率が高くなります。
Gmailでは顔写真の設定も可能ですので、より一層親近感を感じて頂けるようになるため、更なる開封率の向上が期待できます。
KPIに対してPDCAを回す
メルマガ配信を行っていく上で、KPIを設定してPDCAサイクルを回していくことが重要となります。
先程も少し触れましたが、メルマガで設定できるKPIには「配信数」「到達率」「開封率」「URLクリック率」などが挙げられます。
KPIは最終目標であるKGIを達成するために必要な中間目標であり、これらを設定して改善を行うことで、メルマガの効果を高めていくことが可能です。
より開封率の高いLINEチャットボットも要検討
メルマガの他に今現在開封率が期待できるツールとして挙げられるのが、「公式LINEアカウント」を活用した配信方法です。
公式LINEアカウントにチャットボットを導入することで、友だち(ユーザー)から商品・サービスに関する質問等のコメントが来た際にも、日時に関係なくすぐに回答することができます。
また、公式LINEアカウントからメルマガのような内容の配信を行うことで、メルマガ以上の開封率を期待できます。
メルマガの到達率や開封率は業界によって異なることは解説しましたが、受信ボックスに届くのは約50%、開封率は約20%、クリック率は約2%と言われていますが、公式LINEアカウントで配信した場合では到達率約100%、開封率約60%、クリック率約20%という検証結果が出ています。
勿論、この結果が全ての公式LINEアカウントで出すことができるとはいえませんが、メルマガよりも効果が期待できるといえるでしょう。
差が出る理由としては、日本国内でのLINEの普及率の高さが要因といえます。
国内の月間アクティブユーザーは8,900万人を超えており、人口の約70%以上の人が利用しています。
基本的に公式LINEアカウントでの配信を行うためには、公式LINEアカウントを友だち登録していただく必要がありますが、アクティブユーザー数が多い分、新規で友だち数を増やすことも期待できます。
そのため、メルマガ以外にもより開封率の高い公式LINEアカウントの運用を検討することが重要といえます。