「デマンドジェネレーション」とは、BtoBの企業でマーケティングを行っている部門にとって、見込み顧客の増加のために非常に重要な概念になります。
そこで、こちらの記事では以下のような内容についてご紹介していきます。
- デマンドジェネレーションについて
- デマンドジェネレーションの3つのプロセスについて
- デマンドジェネレーションの構築にあたって押さえておきたいポイント
こちらの記事を読んで、見込み顧客を増やして、利益の向上に努めていきましょう。
デマンドジェネレーションとは
デマンドジェネレーション(Demand Generation)とは、直訳すると「生成を要求すること」という意味です。
専門用語としては、「営業案件の創出」という意味であり、見込み顧客を集め、育てていき、ふるい分けを行うまでの一連の流れにおける活動のことを指します。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。
- 展示会(オンライン、オフライン)への参加
- メルマガの送付
- 画などのコンテンツの発信
上記のような活動を通じて、自社サービスの価値を感じてもらうことで、購買や契約に繋がりやすくなります。
このように、デマンドジェネレーションとは見込み顧客を増やし、購買意欲を高め、利益に繋げていく一連の流れを指す単語であり、顧客のニーズを分析したうえで、適切な方法で行っていく必要があります。
特にBtoBで重要な概念
デマンドジェネレーションは、BtoBでは特に重要な概念です。
BtoBの企業では、見込み顧客が契約や購買まで到達し、顧客となるまでの期間がBtoCに比べて長いため、購買意欲を高めるためのマーケティング活動が非常に重要になってきます。
加えて、競合他社に見込み顧客を奪われないようにするためにも、顧客の購買や契約までの動向を意識したうえで、適切な対応を行っていく必要があります。
このように、検討期間が長く、競合他社も多いBtoBではデマンドジェネレーションは顧客の獲得のために重要な考え方です。
デマンドジェネレーションが重要な背景
デマンドジェネレーションが重要な背景には、見込み顧客の大半がすぐに商品を購入するわけではなく、かつ、競合他社の製品と比較検討するためです。
そのため、競合他社に見込み顧客を奪われないためにも、デマンドマーケティングの重要性を理解したうえで、ある程度時間をかけて自社製品やサービスの強みを理解してもらう必要があります。
それでは、デマンドジェネレーションが重要な背景について、より詳しく見ていきましょう。
大半がすぐには購入しない
見込み顧客の大半は、すぐに製品の購入をするわけではありません。
具体的には、およそ8割程度の顧客が購入検討段階、あるいは関心を持っている段階のどちらかに分類されます。
そのため、購買意欲を高めていき、購入意欲が高く、購買や契約に至る可能性の高い段階へと持っていく必要があります。
基本的には比較検討される
BtoBの企業で購入や契約を行なう際には、比較検討を踏まえて最終的な決定が行なわれます。
そのため、すぐに商品がサービスの購入に至るという訳ではありません。
具体的には、購入や契約の際も、情報収集を行なう人部署内の決定者→社内の最終決定者のように、複数人による比較検討を踏まえて、最終的な判断が下されます。
このように、複数人による比較検討フェーズが存在するため、デマンドジェネレーションを通じていずれの人物にもアプローチを行なっていく必要があります。
デマンドジェネレーションの3つのプロセス
デマンドジェネレーションは大きく分けて以下の3つの段階に分けられます。
- リードジェネレーション
- リードナーチャリング
- リードジェネレーション
リード(lead)とは、「糸口」や「きっかけ」という意味の英単語であり、マーケティングにおいては「見込み顧客」を指す単語です。
それぞれの段階について、詳細は各段階ごとに説明していきます。
リードジェネレーション
リードジェネレーションとは、見込み顧客の獲得という意味であり、デマンドジェネレーションにおける最初の段階に当たります。
顧客を増やしていくためには、購買意欲がありそうな顧客の情報を集めなければなりません。そのために、具体的には以下のようなことをする必要があります。
- 展示会への参加
- セミナー(オンライン、オフライン)の開催
- ホワイトペーパーの作成
上記のような手段を通じて、顧客になる可能性の高いターゲットに対して、アプローチを仕掛けていくことで営業のチャンスに繋げていきます。
このように、リードジェネレーションとは自社サービスを知ってもらい、見込み顧客になってもらう段階を指します。
リードジェネレーションに関して、詳しく知りたい方はこちらをご覧下さい。
リードジェネレーションとは?顧客獲得のための方法を解説 – HummingBird
リードナーチャリング
リードナーチャリングは、見込み顧客の育成という意味であり、デマンドジェネレーションにおける第2段階に当たります。
見込み顧客に自社商品やサービスについて関心を持ってもらった後に、関心を深めていくために以下のような方法で情報の発信を行っていきます。
- オウンドメディア(自社サイト、ブログなど)の運用
- SNSでの情報発信
上記のようなコミュニケーションを通して、顧客との関係性を深めていき、顧客が離れていかないようにします。
このように、リードナーチャリングとは、見込み顧客の関心を深め、自社についてや、自社商品やサービスに関心を深めてもらう活動を行う段階を指します。
リードナーチャリングに関して、詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
リードナーチャリングとは?手法や事例、ツールまで解説 – HummingBird
リードクオリフィケーション
リードクオリフィケーションとは、見込み顧客のふるい分けという意味であり、デマンドジェネレーションにおける最後の段階に当たります。
具体的には、スコアリングという方法を用いて、顧客の行動を以下の様に数値化したうえで、点数を算出していきます。
- メルマガのリンクをクリックした→1点
- 資料請求をした→5点
- お問い合わせが来た→10点
数値の合計を基に、特に関心が強い見込み顧客をふるい分けしたうえで、営業へと引き渡して契約や購入に繋げていきます。
このように、リードクオリフィケーションとは確実に顧客を増やしていくために絞り込みを行っていく段階を指します。
リードクオリフィケーションに関して、詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
リードクオリフィケーションとは?概念から効果的な方法までを解説- HummingBird
デマンドジェネレーション構築のポイント
それでは、これからデマンドジェネレーションを構築していく企業向けに、押さえておきたいポイントをいくつかご紹介していきます。
以下のような点に注意して進めていきましょう。
ユーザー像(ペルソナ)の明確化
画像引用 【DL可】カスタマージャーニーってどうやって書くの?簡単に書けるテンプレート配布します! | ラクプレ
最初に、ユーザー像(ペルソナ)を明確にしておく必要があります。
ペルソナとは、自社サービスや商品を利用してくれそうな人物のイメージを指します。
このペルソナが、どのような流れで購入や契約に至るか、予測した上でデマンドジェネレーションにおける段階ごとの施策を検討していかなければなりません。
このように、ペルソナを明確に設けた上で、適切な施策を練っていく点が成功の鍵です。
ユーザーシナリオの設計
画像引用 【DL可】カスタマージャーニーってどうやって書くの?簡単に書けるテンプレート配布します! | ラクプレ
ユーザーの種類に合わせて、上画像のようなカスタマージャーニーをベースにシナリオを複数作成しておくのも重要です。
ペルソナにも、何種類かのパターンが想定されます。そのため、ペルソナごとにカスタマージャーニーと呼ばれる筋書きを設計しておくと、デマンドジェネレーションの成功しやすさが大幅に向上するでしょう。
また、見込み顧客の行動に応じて以下のように、施策を変えていくのも効果的です。
- Web広告からランディングページにアクセスした際、ユーザーの媒体や検索キーワードに応じて遷移するページを変える
- セミナー参加者へ送るメールと、セミナーに参加したことのない人へ送るメールの内容を変える
このように、ユーザーの行動に応じて、シナリオをいくつか設けておいて、マーケティング施策を使い分けるのがポイントになります。
中長期的なアプローチが必要
デマンドジェネレーションのシナリオ設計にあたって、注意したいのは中長期的なアプローチが必要になる点です。
その背景には、以下のような理由が挙げられます。
- 数社による比較検討を踏まえて、購入や契約に至る分、時間がかかるため
- 購入や契約に至らなかった見込み顧客から、期間を置いて連絡が来るケースがあるため
前の項目でも説明した通り、BtoBの企業では複数人による検討を踏まえて、最終決定が行われます。そのため、一度案件に繋がらなくても、後から連絡が来て顧客になる…という場合も多いです。
このように、特にBtoBの企業でデマンドジェネレーションを構築していく場合、接点を持ち続けるために中長期的なアプローチを行なうシナリオを設計する必要があります。
正しいツールの活用
正しいツールを活用していくのもデマンドジェネレーションの構築には重要です。
具体的には、以下のようなツールが挙げられます。
- MAツール
- チャットボット
- CRM(顧客管理ツール)
- SFA(営業活動自動化システム)
SFAは営業部門の活動を支援して業務効率化を実現するツールです。具体的には、以下のような機能があります。
- 営業活動の進捗管理
- スケジュール管理
- 売り上げのグラフ化
また、CRMは顧客関係管理を行うツールです。具体的には以下のような機能があります。
- 条件を設定した上での、マーケティング(メルマガ配信、クーポンの送信など)の実施
- 顧客情報の管理
- 顧客の分析
CRMに関しては、詳しくは以下の記事をご覧ください。
crmとは?基本からメリット、具体的な活用方法まで – HummingBird
MAツールとチャットボットについて以降の項目で、より詳しくご紹介していきます。
上記のようなツールを活用することで、以下のようなことが可能になります。
- 営業とマーケティング部門の連携
- 顧客データの部門間を越えた共有
- 販促活動の自動化、効率向上
このように、正しいツールを活用することでデマンドジェネレーションを成功に近づけられます。
MAツールとは
MA (Marketing Automation) ツールとは、直訳すると「マーケティング自動化ツール」であり、以下のような機能を搭載しています。
- リードの情報管理やスコアリングの自動化
- メールの自動配信機能
- 流入経路の分析
上記のような機能はデマンドジェネレーションに非常に有用です。メールの自動配信機能を用いれば、顧客の関心の度合いに応じて配信するメールを変える「ステップメール」の配信が可能になります。これは、リードナーチャリングで効果的な施策になります。
また、スコアリングの自動化によってリードクオリフィケーションを効率的に進められるようになります。
このように、MAツールを導入すれば、デマンドジェネレーションを効率よく進められるだけでなく、一人一人の顧客に最適な方法で販促活動を行えます。
MAツールの導入や機能について関心のある方は以下の記事をご覧ください。
MAツールの導入に掛かる費用は?相場から期間までを解説 – HummingBird
チャットボットとは
画像引用:hachidori(ハチドリ)| プログラミング不要のチャットボット開発
チャットボットとは、チャット(chat)とロボット(robot)を組み合わせた単語であり、ロボットがHP上などで自動で対話してくれるサービスになります。
チャットボットを設置しておくことで、以下のようなことが可能になります。
- 顧客の情報収集(見込み顧客の獲得)
- 問い合わせ、資料請求の対応の自動化
- 問い合わせの敷居を下げられる
そのため、リードジェネレーションにおいて重要な顧客の情報収集や、リードナーチャリングの効率化が可能となります。
このように、チャットボットを導入することで、リードジェネレーションやリードナーチャリングのフェーズを効率よく進められるようになりますよ。
チャットボットやその種類、選定方法に関して気になる方は以下の記事を参考にしてください。