アップセル・クロスセルとは?顧客単価を上げLTVを最大化するポイント

アップセル・クロスセルとは?顧客単価を上げLTVを最大化するポイント

アップセルやクロスセルの施策を行うことで顧客単価を上げることができ、最終的にはLTVの向上に繋がります。

この記事では、LTVや顧客単価が重要な理由についての解説をはじめ、LTVの計算方法・アップセルやクロスセルの内容や具体的な施策の方法・アップセルやクロスセルのポイントなどについて詳しく解説していきます。

目次

 LTVが重要な現代では顧客単価が重要

現在の日本では少子高齢化の影響により新規顧客開拓が厳しい社会体制にあります。

そのため、従来の営業活動以外に「顧客単価」「LTV(顧客生涯価値)」「カスタマーサクセス」が重要視されています。

SaaSをはじめとするサブスクリプション型のビジネスモデルについては、LTVの向上が利益の拡大・事業の成長に繋がっていきます。

カスタマーサクセスの一環としてBtoB領域でもアップセルやクロスセルが注目されるようになってきています。

LTVの計算式

LTVとはLifetime Valueの略語であり、先程も説明しましたが日本語では「顧客生涯価値」という意味を持ちます。

顧客が生涯にわたって、どれだけの商品・サービスを購入して頂けるのか?

そのトータルの売上の合計金額がLTVになります。

LTVの代表的な計算式は「LTV=顧客の平均購入単価×年間平均購買頻度」になります。

 具体例で説明していきます。

・売上合計47,000

・顧客数5

・購入数8件の場合、

47,000円(売上合計)÷5人(顧客数)=9,400円(顧客の平均購入単価)

8件(購入数)÷5人(顧客数)=1.6回(年間平均購買頻度)

9,400円(顧客の平均購入単価)×1.6回(年間平均購買頻度)=15,040円(LTV

という計算になります。

 顧客単価を上げる2つの方法

顧客単価を上げる方法には、アップセルとクロスセルの2つの方法があります。

以下で詳しく解説していきます。

アップセルとは

 

アップセルとは、顧客が購入した・購入しようとしている商品よりも、上位の商品・商材を提案していき、購買に繋げていくことを意味しています。

目的としては「顧客の単価向上」です。

サブスクリプション型のビジネスにおいてLTVの考え方が浸透してきた結果として、売上を伸ばす手段として注目されています。

10万のパソコンよりも高機能な15万のパソコンを購入して頂くこと、無料のクレジットカードからゴールドカードに変更して頂けることがアップセルに該当します。

 クロスセルとは

クロスセルとは、ある商品の購入を検討している顧客に対して、別の商品・商材もセットで購入、もしくは単体で購入してもらうためのセールス方法になります。

スマホの購入時にスマホケースや傷防止シートを合わせて購入頂くように促したり、Amazonのレコメンド機能はクロスセルを狙った販促方法です。

クロスセルの利点はアップセルと同様に、新規顧客を獲得するよりも低コストで売上の向上を図ることができる点です。

アップセル・クロスセルの具体的な方法

アップセルとクロスセルの具体的な方法について詳しく解説していきます。

 アップセルの具体的な施策

アップセルを成功させるためには、顧客に「上位の商品・商材を選んだ方が、結果としてお得になる」と考えて頂くことができるのかが重要になります。

その際に、より上位の商品・サービスに興味を持ってもらうための「きっかけ」が必要となってきます。

自社商品・サービス・業界の特色に合った方法で取り組んでいき、効果検証を繰り返す必要があります。

具体的な方法については以下をご覧ください。

お試し版または無料デモ期間の提供

上位モデル購入時の割引やキャンペーン等

上位モデル限定のサービスの提供

上位モデルを使用することで全体的なコスト削減に繋がる提案

 クロスセルの具体的な施策

クロスセルを成功させるためには、「今後必要になるから一緒に購入しておいた方が良い・安い」「より効果を高めるために一緒に購入した方が良い」と考えて頂けるかが重要になります。

つまり、顧客の課題を解決するためのオプションを提案するということです。

クロスセルは「関連商品・商材の提案」「補完的な商品・サービスの提案」の2つに分けることができます。

具体的な方法については以下をご覧ください。

まとめ買いのキャンペーン

関連商品・周辺商品のおすすめ、セット販売

顧客の課題を解決するためのオプションの提案

商材ごとに併買されてる商品を分析

商材ごとに併買されている商品・商材を分析しておくことが大切です。

商品Aと商品Bを一緒に購入している顧客が多い場合、顧客が同じ場面や目的で使用しているケースが多いことが分かります。

併買されている商品を分析しておき、商品Aを購入する顧客の目の届くところに商品Bを陳列するなど、クロスセルを促す方法を行っていきましょう。

例を挙げますと、ECサイトの商品・決済ページに「こちらの商品を購入した方は、この商品も一緒に購入しています」という紹介を載せたり、ドラッグストアで風邪薬の横に栄養ドリンクを陳列するなどの方法がこれに該当します。

アップセル・クロスセルのポイント

アップセル・クロスセルを行っていく際のポイントについて、以下で詳しく解説していきます。

売り込むのではなく顧客ニーズに寄り添う

どうしても在庫を処分したいなどの売り手都合の無理な提案を行ってしまうケースが多く見受けられます。

顧客の視点から考えますと、今より価格の高くなる商品やサービスを購入するメリットまたは購入後の利用シーンをイメージできなければ、購入を考えません。

アップセルやクロスセルの成功率を高めるための需要なポイントは、顧客がお得だと感じるのか・商品の利用シーンにおいてどんなメリットがあるのか等、売り手の都合で売り込むのではなく顧客ニーズに寄り添う発想を行う必要があります。

サブスクリプション型のビジネスでは、既存顧客の信頼性・関係性が重要とされていますので、顧客に対する「ごり押し営業」は絶対に行わないようにしましょう。

顧客を分類してそれぞれコミュニケーションを設計する

アップセル・クロスセルを成功させるためには、顧客を分類して実施対象を見極める必要があります。

基本的に「ロイヤリティの高い顧客」が成功割合は高くなりますので、そういった顧客に優先的にアプローチを行わないといけません。

顧客ロイヤリティを見極める際に、顧客に対してアンケート調査を実施し、満足度などを調べたりする方法があります。

顧客のセグメントを行った上で、ターゲットを選定していきましょう。

またそういった顧客に対して、月次の定例会等、顧客との密なコミュニケーションを行い商品の魅力・改善ポイントを把握していくことが重要となります。

よりニーズに応えたサービスの改善を行うことで、顧客満足度が向上し、さらに顧客ロイヤリティを向上させることに繋がります。

顧客が「今欲しいと考えている商品やサービス」を提供することで、結果的にアップセルやクロスセルを成功率が向上します。

アップセル・クロスセルの成功事例

アップセル・クロスセル成功事例として、「ヤクルトスワローズ」の事例をご紹介していきます。

ヤクルトスワローズ

ヤクルトスワローズは顧客ロイヤリティを向上させて、大幅なアップセルを実現した成功例の1つになります。

ヤクルトスワローズは「Swallows CREW」という球団ファンクラブを運営しています。

そのファンクラブの会員が抱える課題を明確にして、少しでも顧客満足度を向上させる施策を検討していくためにNPS調査を導入しました。

ファンクラブにはプラチナ会員・ゴールド会員・レギュラー会員・キッズ会員・ライト会員・無料会員の6つのグレードに分かれます。

調査の結果では、ファンクラブに入会した際に貰える記念品の中でもユニフォームを頂けるとロイヤリティの向上に繋がると判明したため、プラチナ会員に入会すると記念品の中からユニフォームを選択できるようにしました。

その結果、プラチナ会員に入会するファンを大幅に増やすことができました。

この事例はまさしくファンクラブ会員に寄り添って課題を解決し、結果的にアップセルに繋がった事例といえるでしょう。

チャットボットの利用で顧客ニーズに合わせた提案を

チャットボットを利用してアップセルやクロスセルの提案を行う方法もあります。

多くの企業がLINE公式アカウントにチャットボットを導入して、ユーザーから疑問や質問に解答する施策を行っていますが、その際にチャットボットから商品やサービスのアップセル・クロスセルに繋がる提案を行うことは非常に効果的といえるでしょう。

そもそも、LINE公式アカウントに質問や問い合わせをしてくる顧客は、基本的に購買意欲の高い見込み顧客であったり、既存顧客の可能性が高いため、質問に解答しながらも新しい提案を行うことで購買に繋がりやすくなります。

またチャットボットで蓄積したユーザーとの会話のログを分析し、アップセルやクロスセルに繋がる提案を行うための参考にすることも可能です。

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