士業におけるチャットボットの活用は有効?具体的な活用法から効果まで

士業におけるチャットボットの活用は有効?具体的な活用法から効果まで

企業のWebサイトやLINE公式アカウントなどに導入されている「チャットボット」ですが、「士業」の業界でも活躍が期待できます。

この記事では、よくある課題やチャットボットの活用方法、チャットボットの導入の際のポイントや注意点を解説していきます。

目次

チャットボットとは 

チャットボットとは「チャット(会話)」と「ボット(ロボット)」を掛け合わせた言葉であり、人間相手ではなく自動で返信してくれるロボットと会話ができる技術・サービスのことをいいます。

主に「LINE公式アプリ」「Webサイト」などに導入されて活用されています。

チャットボットとは?AIとの違い・種類・選び方など、総まとめ

 「アイペット損害保険株式会社」ではLINE公式アカウントに「hachidori」のチャットボットを導入して、顧客満足度の向上のために活用されています。

LINE公式アカウントでは「契約書類の不備連絡のために通知メッセージを配信する」「リッチメニューを使用してマイページ・優待サイトへの導線やお見積りシナリオ・申込ページの導線を表示する」などのサービスを展開することで、「クレジットカード支払い」で不備となった際の書類返送率が12%上昇し、公式アカウントの友だちが50代以上の方が多い傾向にある中でも月のブロック率を2%に抑えることができています。

 

「神戸市」はWebサイトに「hachidori plus」を導入して「問い合わせ件数」の削減を目指しました。

主に健診(検診)に関わる問い合わせに対応していますが、健診には健康診査とがん検診など様々な種類がありますので、電話を受けた担当者がお尋ねになりたい「健診(検診)」の種類を確認し、内容に応じて担当窓口に繋ぐ必要がありました。

チャットボットを導入することで「年齢」「健診(検診)内容」「受診券の有無」などの項目を選択して頂き、お客様に該当する健診に関する手続きのご案内や回答を提示しています。

結果として1時間に34件ほどあった問い合わせの電話が23時間に1件程度にまで抑えることができたため「業務効率化を図る」ことができ、尚且つ電話が混雑することで発生していた「クレーム」の数が大幅に減少しました。

 

士業でもチャットボットは活用されている

 

士業は弁護士をはじめ、税理士・弁理士・司法書士・行政書士・公認会計士などの専門知識やノウハウを元に人々の悩みや問題を解決している職業のことを指しますが、こうした専門家の元には一般企業と同じように「似た内容のよくある質問」が多く寄せられることがあります。

こうした問い合わせに対しては事務所の若手社員が電話で対応するケースが多い現状があり、問い合わせの業務に時間が取られてしまい「生産性」が高い業務に着手できない事態に陥っています。

こうした現状を踏まえて一般企業でも「業務の効率化を図る」成果が期待されるチャットボットの導入する事務所が増えてきているといいます。

「よくある質問(定型的な質問)」に対してはホームページ上のチャットボットから自動回答させることで「業務の効率化」を図ることができています。

また、チャットボットの種類によってはチャットボットの回答で対応できない場合には友人対応に切り替えることができるため、電話連絡や問い合わせフォームに誘導していき、専門家が直接対応することで利用者の満足度を向上させています。

 

士業に良くある課題

士業に良くある課題としては他の業種よりも「マーケテイング戦略」や「IT関係の導入」の遅れが挙げられます。

チャットボットを導入する前は問い合わせの対応に「有人で電話対応していたこと」や「LINE公式アカウントなどのツールを使用してこなかったこと」が問題となっている現状が明確となってきました。

他の業種の企業では早い段階で「業務効率化を図る」ためにチャットボットを導入するなどの対策を講じてきましたが、「士業」はそういったIT部門の対応が遅れている印象を受けます。

先程も少し触れましたがお客様からの質問や問い合わせの内容が被るのであれば、WebサイトやLINE公式アカウントにチャットボットを導入することで、簡単に業務効率化を図ることができるはずですが、未だに導入していない事務所も少なくないのが現状です。

またコロナ禍の影響により「外出を控えるお客様」の傾向を理解し、LINE公式アカウントを活用して潜在ユーザーの友だち数を増やしていくなどのマーケテイング戦略を考えていくことも重要となります。

 

業務における問合せ対応の割合

士業従事者に「事務所の全体の業務量のうち、どの程度を問い合わせ業務が占めてしまっているのか」をアンケートで確認してみますと、「1%~9%が20.8%」「10%~19%が17.9%」「20%~29%が10.4%」「30%~39%が15.1%」という結果となり、そのうち「定型的な質問の数」を確認しますと、全体の21%の事務所が「何度もある」、43.2%が「少しある」と回答しています。

64.2%のうち定型的な質問の内容を聞いてみたところ、「経理処理関係が50.8%」「事務所のサービス費用の見積もり等が42.6%」「その他のサービス内容の詳細が37.7%」となっています。

64.2%のうち問い合わせ対応が原因で業務の生産性が落ちていると感じるかの質問をしてみたところ、「とても思うが37.8%」「少し思うが31.1%」と業務への負担を感じている事務所が多い結果となりました。

その中でも「AIチャットボットを導入して効率化を図りたいか」という質問に関しては、「とても思うが40.5%」「少し思うが33.3%」となり、導入の理由が「問い合わせ業務量の削減が71.0%」「業務スピードの向上が61.3%」と多くの方が回答しており、「士業業界」の課題が数字で明確となりました。

 

士業のチャットボット活用方法

士業でチャットボットを導入して活用する方法ですが、主に「会社設立に関する問合せの自動化」と「財務に関する問合せの自動化」の2つで活用できます。

 

会社設立に関する問合せの自動化

士業に寄せられる「起業」に関する問い合わせは以下の通りです。

起業に使用できる助成金についての質問

個人事業主から法人化の際の手続きについての質問

会社創立時の資本金額についての質問

以上が起業の際に業界に関係なく多く寄せられる質問や問い合わせになります。

チャットボットでは対応できないような複雑な内容であれば、行政書士・弁理士・税理士などの個別の対応が必要とはなりますが、「定型的な問い合わせ」についてはチャットボットでも十分に対応が可能となり、「業務効率化」を図ることができます。

起業を検討している方も本業に集中したいため、問い合わせする時間が短い方が助かりますので、「選択肢式」のチャットボットを導入しておくことで、利用者はすぐに回答にたどり着けるようになります。

 

財務に関する問合せの自動化

公認会計士の事務所には以下の問い合わせが多く寄せられていました。

賞与引当繰入額の予算計上について詳しく知りたい

弁護士顧問料は業務委託費で処理することができるのか

タクシーチケットは事務費雑費で処理してよいのか

上記のような問い合わせは以前の対応を調べるのに手間が掛かってしまうため、同じ顧客から何度も問い合わせを受けることもあります。

チャットボットを導入してまずはチャットボットに質問をしてもらうように促していくことで、問い合わせの対応工数を削減する効果が期待されます。

 

士業がチャットボットを導入する際のポイント

士業にチャットボットを導入する際のポイントや注意点について解説していきます。

 

利用目的を明確化する

チャットボットを利用するお客様がどういった「課題」や「ニーズ」を抱えているのかを把握しておくことが重要となってきます。

事務所に寄せられる「問い合わせの内容」をしっかりと調査していき、定型的な回答文で解決できる内容をチャットボットに反映させることでどんなお客様でも利用できるようにしておきましょう。

 

シナリオ、選択肢を準備する

チャットボットに登録する「よくある質問」をリストアップできましたら、自動で回答するための「想定回答集」であるシナリオを設計していき、複雑な質問や個別対応が必要となる際には「電話対応」や「問い合わせフォーム」を表示できるようにしておきましょう。

チャットボットは導入したら終わりというシステムではないため、導入後も運用を重ねる中でシナリオの調整など徐々に改善していく必要がありますので、導入後の運用にも手を抜かないようにしてください。

 

選択肢の例

「選択肢」を利用することで利用者に労力を掛けずに回答にたどり着いてもらうことができます。

一度に35つ程度の回答を表示して階層化していくことで、ユーザーが求める回答にたどり着きやすくなります。

以下のような事例を元に階層化していきましょう。

起業の手続きについて

  • 必要な書類について
  • 印鑑の作り方について
  • 事業計画書の作成の仕方について

起業の際のお金について

  • 資本金について
  • 会社設立の際の必要となる費用について

助成金について

  • 大阪府で使用できる助成金について
  • 中小企業の経営者が使用できる助成金について

 

専門用語を使わない

「士業」の分野は一般企業の分野に比べると非常に専門的な内容となってきます。

しかし、利用者は士業従事者と同じように専門の知識を持った人は殆ど居ないため、チャットボットの回答に「専門用語」を使用してしまうと、内容を理解してもらうことができないため、「電話の問い合わせ」が減らないという事態になりかねません。

できる限り「専門用語」を使用せずに分かりやすい言い回しにする必要がありますが、回答段階ではある程度の専門用語を使用するのは仕方ない部分もあるため、「選択肢型」で回答に誘導するまでは極力専門用語を避けるようにして分かりやすくしていきましょう。

 

専属担当を付ける

やはり専門分野である士業ではチャットボットを使用しても適切な回答にたどり着けない利用者も一定数居るため、個別対応が必要な質問であってもチャットボット上で適切にフォローしてあげる必要があります。

例えばチャットボット上で「その質問の回答は提示できません」と表示してしまった場合には利用者に「不親切な対応だな」という印象を与えてしまいます。

利用者がチャットボットから回答を得られなかった場合にも顧客満足度を下げない工夫をする必要がありますし、チャットボットで対応できないケースには電話対応や問い合わせフォームに誘導していくことを忘れないようにしましょう。

チャットボットならhachidori

hachidoriは、以下のような多岐に渡る用途で利用できるチャットボットです。  

  • マーケティング成果アップ
  • 業務の効率向上
  • LINE上でのチャットボット運用

このように、hachidoriの最大の特徴は多様なプラットフォーム(LINE、ホームページ、Facebookなど)上で、様々な活用方法での利用が可能な点になります。

導入例もソフトバンク株式会社や東京都を中心に、多くの著名な企業などで利用されています。

アンケートや予約機能、プッシュ配信など多様な機能を備えており、LINEの認定パートナーでもある非常に評価の高いチャットボットです。

チャットボットは便利なものではありますが、決して魔法の杖ではありません。チャットボットの成果をしっかり出すためにはプランニング・設計・PDCAに基づいたチューニングも非常に重要です。

hachidoriでは、経験豊富なコンサルタント・カスタマーサクセスが貴社のビジネスに伴走する形で支援します。

この記事を読んでチャットボットに興味を持たれた方は、ぜひhachidoriサービスサイトよりお問い合わせください。

チャットボット開発ツールhachidori
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