消費者にとって身近な小売業界でチャットボットはどのように活躍できるのか
チャットボット導入を検討している企業は先ず考えるのが、どのように活用できるのかであろう。
各業種によって使い方は変わってくるが、ユーザーにとって身近にある小売業界で今回は考えてみたい。
小売とは、小売業者(リテーラー)が消費者に商品を売ることであり、消費者の購買意欲が常に変動している業界であるため、小売業者は消費者の趣味嗜好などを敏感に捉えなければならない。
「商品を売る、商品を買う」という行動の間に、チャットボットというコミュニケーションツールを加えるとどのような活躍が見込めるであろうか。
小売業の業態種類とは?
一口に小売と言っても、数多くの業態がある。
それぞれの業態に合わせたチャットボット構築が必要ではあるが、一番重要なのは消費者にとって、ストレスなく、早く購入することができる今以上に便利なツールであること。結果的に購買をこれまで以上に上げることに繋げていく。チャットボットはそれらが期待できる。
●食料品
人間として毎日欠かさず摂らなければならないため、最も消費される品目である。食料品購入とチャットボットを組み合わせるとどうなるのか。
●衣料品
衣料も人間として当然なくてはならないものだ。いわゆるアパレル業界にてチャットボットを活用すれば、自分にあった衣服を提案してくれるかもしれない。
●書籍・雑誌
その人が求めている本や雑誌などは、書店のみで探すであろうか。あるいはネットで探しているであろうか。書店とネットの間でチャットボットを活用するとどうなるであろうか。
●家具・インテリア
自宅の家具も、最近ではおしゃれアイテムとして品目がかなり増えている。様々な種類の家具選びをチャットボットがアドバイスしてくれることを期待したい。
●医薬品
医薬品は、薬品名や成分、どのような効果があるのか、そして自分に合っているのか、それらを総合的に判断してくれるチャットボットがあると嬉しい。
●電機・家電
電機や家電製品の専門的な名称やソフトウェアなど、家電量販店スタッフに聞かなければ分からない情報をチャットボットが回答してくれると製品を探す手間も省けるだろう。
アパレル業界でのチャットボット活用
アパレル業界でのチャットボット活用は、顧客囲い込みのための様々な問題を解決してくれる。
例えばユニクロのように店舗には常に人がいて、混雑している状況において、チャットボットは欠かせないだろう。直接店員に尋ねなくても、スマートフォン片手に質問するだけでチャットボットが回答してくれる。そして、チャットボットが店員に代わって接客してくれる点も、人材確保が難しい、特に小売業では最大の効果を発揮するであろう。
アパレルでは、接客ツールとしても活用できる点が見込まれ、またECサイトと連携することで来店しなくても手軽にどこでも購入できる点も非常に魅力である。
ユニクロのAIコンシェルジュ「UNIQLO IQ」
出展:ユニクロ
※2018年4月頃、ユニクロのアプリ内でサービス開始予定
まだ試験段階ではあるが、ユニクロはアプリサービスの1つとして、導入を目指している。
このユニクロのチャットボットは、買い物中に発生する質問を自動応答するだけでなく、おすすめのコーディネートやトレンドアイテムなどを配信する機能を設ける予定だ。
さらに、チャットボット上で欲しい商品を見つけたら、カラーやサイズを選んで購入することが可能になる。
接客だけではない!チャットボット導入の活用方法とは?
小売業界でのチャットボット活用方法は、ユニクロのような接客ツールだけではない。
店舗と本部とのコミュニケーションツールや、教育研修ツールとしての活用も注目していただきたい。
日々、店舗と本部とのやり取りが発生していると思うが、店舗側の発注や操作方法、故障トラブルなどをチャットボットで行なうことにより、時間や場所を選ばずに済む。
また、教え方により個人差が出る教育方法をチャットボットを利用することにより、均等に教育でき、且つ最短で成長できる教育ツールになるはずだ。
小売業界でのチャットボット活用ポイント
●接客ツール(コミュニケーションツール)としての活用
●社内問い合わせツール(発注、操作方法)としての活用
●教育研修ツールとしての活用
まとめ
小売業界でのチャットボット導入事例はほとんどない。
しかし、ユニクロのように接客ツールを兼ね備えたチャットボットは小売業界を大きく変える可能性がある。
誰もが受け入れてくれる接客を目指すのではなく、接客方法の幅をチャットボットによって拡げることで、それまでアクティブではなかったユーザーを取り込むことが期待される。なぜならイチイチ店員に尋ねなくても自分が聞きたいタイミングでチャットボットに質問すれば回答してくれるからだ。
最も消費量が多い小売業界でチャットボットは非常に受けれやすいコミュニケーションツールではないだろうか。したがってチャットボットどう小売業界で活躍するかを、この先創っていかなければならない。
それは「商品を売る・商品を買う」という行動の間に注目し、それぞれの小売業界、それぞれ企業に合わせたコミュニケーションを実装し、新たな購買へ繋げていくということだ。
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