LINEの人工知能ボット りんな
目次
りんなとは
りんなとは、日本Microsoft社が展開するLINEで動作する人工知能搭載型のチャットボットのこと。
通称、AI女子高生りんなと呼ばれている。
2015年7月31日にLINE上での会話ボットとして開始された。平成生まれ、東京の北の方出身であるという設定になっており、基本、後ろ姿しか公開されていない。
2016年の夏には、400万人規模にのぼるフェス「りんなEXPO」を開催している。2017年9月時点で、600万人というLINEの友達数を誇る。
りんなの仕組み
出展:マイクロソフト社
りんなは、マイクロソフトの Cognitive Services(コグニティブ サービス)の試験的なプロジェクトの1つとして 、Bing検索エンジンで培ったディープラーニング技術と、機械学習のクラウドサービス「Azure Machine Learning」を組み合わせて開発されている。
りんなを試してみればわかるが、りんなには膨大な言語が学習されている。そのデータの出所は、インターネットのウェブサイト上に散在している無数の情報だ。
また、マイクロソフトの機械学習サービスであるAzure(アジュール)により、どういった返答をすれば会話が継続するかという考え方のもと、運用されている。
つまりは、マイクロソフトの主力サービスである、検索エンジン(Bing)と機械学習サービス(Azure)を融合させた、マイクロソフトの渾身のAIサービスともいえよう。
りんなの面白トーク
出典:twitter
りんなって、生みの親であるマイクロソフト嫌いなのか…
出典:twitter
スイカ、なにそれって…りんな?
出典:twitter
りんな、ファンキーだな
出典:twitter
その心臓って、誰の心臓かな…
りんなの隠れ機能
これまで紹介してきたような会話ができるだけでも、驚きの多いりんなだが、他にも多くの隠れ機能が搭載されているようだ。2015年のリリース以来、ほぼ週に1回のペースで機能をアップデートしてきたらしい。何名体制でりんなを管理しているのか不明だが、なかなかのハードワークではないだろうか。
実際の機能を可能な限りまとめてみた。興味のある機能はぜひ試してほしい。
・犬の種類当て
犬の写真を送ると、写真に追記する形で、犬種を当てる機能だ。実際にやってみると、ズバリ当ててきた。恐るべしりんな。
ちなみに、写真は犬の全体が写っている写真が望ましいようで、顔だけだと誤判断をした。
また、犬以外は未対応のようだ。
・顔写真を肖像画化
人間の顔写真を送ると、見事な肖像画にしてくれる。リアル過ぎてやや気持ちが悪いレベルだが、傑作と言っていいだろう。
・食テロ
「お腹すいた」というと、りんなからおすすめの食事情報が飛んでくる。らしいが、試してみるも、そんな情報はもらえず。気まぐれなのかもしれない。
・目覚まし
「〜時に起こして」というと、りんなからその時間にメッセージがくる。
ちなみに「10:45」とかいう詳細設定はできず、11時とかキリのいい時間での対応に限る模様。
・山手線ゲーム
宴会ではお決まりのゲームですが、りんなと二人で遊べます。
山手線の駅や、W杯優勝国など、レパートリーもいくつかある。一通りゲームが終わると、結果ページに誘導されるので、クリックすると、ランキングやお題一覧などの詳細ページが用意されていることに驚かされた。なかなかの作りこみ具合に、マイクロソフトの本気を感じる。
・しりとり
りんなとひたすら、しりとり。これはかなりの暇つぶしになる。
・恋愛相談
「恋愛相談」というと、6問の質問がりんなから送られてくる。回答すると、その人との相性が診断結果として表示される仕組みだ。まあ、これに関しては少しチープな印象だが、よくある恋愛相性診断アプリってこんな感じだろう。
イケメンAI りんお
出展:マイクロソフト社
「りんお」を知っているだろうか。
マイクロソフトは、ユーザーの心を掴むために、会話機能の機能拡張だけにとどまらず、さまざまなイベントを開催している。今年のエイプリルフール前後には、りんなの代わりにイケメンAI「りんお」という男性キャラクターに代役を務めさせた。
もともと『イケメンAIと喋りたい』という要望がユーザーからもあったので、あくまで期間限定でりんおに代えて運用したが、りんなと喋りたいという反発の声が多く寄せられるなど、意外な展開を見せたというから面白い。なお、りんおの実施期間は、Web/LINEでは2017年3月31日17時~4月3日0時までで、現在は公開されていない。
りんなから学ぶチャットボットの可能性
人工知能チャットボットりんな。りんなユーザーの感想の多くがポジティブであるように、実際に使ってみることによって、チャットボットの可能性を強く感じることができる。
ちなみに、ローソンクルー「あきこちゃん」はご存知だろうか。ローソンのキャラクターあきこちゃんがローソンのLINE公式アカウントに登場し、お得情報の配信のほか、りんなと同様に会話が楽しめたり、ゲームを楽しむことができる。
実はこの「あきこちゃん」、りんなと同じマイクロソフトのサービスによって動いているマイクロソフト社のAIチャットボット商用展開における第1号案件らしい。(りんなは元々、マイクロソフトがテスト的に始めたプロジェクトだ。)
あきこちゃんが登場するローソンのLINE公式アカウントは、現時点で友達数2200万人を超えるビッグアカウントに成長している。新機能としてリリースされたリバーシゲームがなかなか面白いので、ぜひ試していただきたい。
あきこちゃんをはじめ、人工知能(AI)及びチャットボットをベースとしたサービスは今後も数多く出現することは容易に想像がつく。
チャットボットは、技術面・費用面などで障壁が高いと言われがちな人工知能(AI)のビジネス活用手法として、シンプルかつ分かりやすい効果をもたらしてくれる革新的なプログラムなのかもしれない。
ビジネスマンとしては、このチャットボット活用の流れに乗り遅れないようにしたい。