ECサイトを運営する上で、「集客」は売上に大きく影響します。
集客を増やすためには、ECサイトに合った集客方法を選ばないといけません。
集客方法を間違えてしまうと、コストだけが掛かってしまい、売上の増加に繋がりません。
この記事では、ECサイトにおける集客の重要性の説明をはじめ、ECサイトの主要な集客方法・低予算、無料で行えるECサイトの集客方法・集客のポイントなどについて詳しく説明していきます。
ECサイトにおける集客の重要性
(引用:マルイのネット通販 マルイウェブチャネル (0101.co.jp) )
ECサイトを運営していく上で、商品の仕入れ・商品登録・在庫管理等、重要な要素がいくつもあります。
その要素の中でも、売上に大きく影響する要素が「集客」といえるでしょう。
ECサイトの売上は「集客×客単価×購入率」で決まります。
「客単価」についてはキャンペーン企画・セット売り等の施策で上げることができますし、「購入率」についてはついで買いの促進・カゴ落ち対策等で高めることが可能です。
ですが、客単価・購入率を上げる努力をしても、「集客」が少ないとトータルの売上の向上を図ることができません。
ECサイトの訪問ユーザーをどうやって増やすのかを検討することが重要となってきます。
つまり、ECサイトの運営をする上で、最も重視するべき項目といえるでしょう。
ECサイトの主要な集客方法
ECサイトの主要な集客方法は、「SEO」「web広告」「SNS」の3つの方法が挙げられます。
以下で詳しく説明していきます。
SEO
どんなサイトであっても必ず対策しておかないといけないのが「SEO対策」といえるでしょう。
「検索エンジンの最適化」という意味を持ち、ユーザーがGoogle・Yahoo!等の検索エンジンでキーワードを入力すると、表示される検索結果の画面になります。
検索結果からサイトを訪問することを「自然流入」をいいますが、SEOはこの検索結果の画面の上位にサイトを表示する施策のことを指します。
検索エンジンでは、ユーザーが求める最適の答えを提示するために、どのようなサイトを上位常時させるかのルールが決まっており、その精度は定期的に改善されています。
SEO対策では、このような「アルゴリズム」と呼ばれているルールに従ったサイトの改良を行っていきます。
難しく感じるかもしれませんが、簡単に説明すると「このサイトはユーザーが求めている情報がちゃんと掲載されていますよ」と検索エンジンにアピールしていくことをいいます。
SEO対策の具体策としては、検索キーワードのカバー・関連性の高い情報の掲載等を行います。
web広告
広告と聞くと思い浮かぶのはテレビのCMや電車の中吊り広告だと思いますが、ECサイトを運営する上で重要となるのは「Web広告」になります。
パソコンやスマホが普及した現在では、Web広告は「多くの人の目に触れる広告」といえるでしょう。
Web広告は直接サイト内のページへリンクを貼れますので、流入にも直結する広告といえます。
勿論、広告を出すためには費用が掛かります。
また、初めて広告を利用する場合では効果測定は困難になります。
そのため、商品単価の低いサイトの場合ですと、期待した費用対効果を得られないケースも存在しますので、自社に合った選択を行う必要があります。
リスティング広告
リスティング広告は、検索エンジンの検索結果に表示する広告となります。
Googleで検索しますと、検索キーワードにもよりますが、検索結果の一番上の方に「広告」と表示されたリンクが表示されます。
ここで表示されている広告が「リスティング広告」です。
検索結果で上位に表示されるサイトと似た内容で表示されますので、一目では広告と分かりにくいため、ユーザーに必要以上に警戒されることもありません。
自分で検索を行うようなアクティブなユーザー層へのアプローチが可能となります。
バナー広告
バナー広告はWebサイトにバナーを表示する広告のことです。
バナー広告の多くは画像形式ですので、テキストよりも視覚的な情報で届けることができ、ユーザーの印象に残りやすい特徴があります。
バナー広告を出稿するサイトによって値段が変わりますので、場合によっては広告費が高額になるケースもあります。
動画広告
動画広告とは、動画形式の広告を配信する広告のことをいいます。
YouTube等の動画サイト、またはInstagram等のSNSで活用されている広告です。
メリットとしては、動画形式なので多くの情報を伝えることができる点が挙げられます。
制作費が高額になるというデメリットもありますので注意が必要です。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告は、個人ブログ等に広告を出稿して商品が売れるたびに紹介者にアフィリエイト料金を支払う形式の広告のことです。
紹介者は商品を紹介することで収益を得ることができますので、積極的に商品を紹介して購入を促してくれます。
SNS広告
SNS広告とは、Twitter・Facebook・Instagram等のSNSに出稿する広告のことです。
タイムラインに表示されますし、年代・地域等で細かくセグメントできる等のメリットがあります。
先程紹介した「動画広告」と相性の良い手法であるといえるでしょう。
SNS
国内のSNSの利用者は2020年末の時点で7,975万人と言われています。
LINE・Facebookのようなコミュニケーションを主体とするもの、Twitter・Instagram・Pinterest・YouTube・Tiktok等のエンタメや情報の収集・発信目的で使われるものなど、SNSは幅広い層の消費者・ユーザーの生活に根差しているといえるでしょう。
拡散力の高いSNSを活用すれば、自社の商品・サービスを知らない層へも情報を届けることができます。
その他にも、近年では多くの消費者が商品を購入したり、飲食店の店を決める際に口コミを参考にする傾向が強く、「消費者のリアルな評判は信用できる」という意識を持っているからであると考えられます。
その口コミの検索にもSNSは利用されています。
自社商品やサービスに合ったSNSで情報を発信することで、知名度を高めることができ効果的な集客に繋がります。
それぞれのSNSについて以下で詳しく説明していきます。
SNS運用で活用されやすいSNSの1つがFacebookです。
Facebookの特徴は以下の通りです。
①30~40代のユーザーが多い
②基本的に実名での登録が必要になる
上記の特徴のため、比較的信憑性が高くなり、ビジネス向けのツールであるといえるでしょう。
写真・動画を使用しながらテキストを中心にできる点がメリットといえます。
またユーザーのいいねで、ユーザーのフォロワーに拡散されますので、投稿を広めてもらえるのも特徴の1つです。
https://www.instagram.com/fluke_gourmet/
20代の女性が最も多いSNSはInstagramです。
そのため、若年層・女性を中心に宣伝したい場合にはInstagramを活用すると効果的です。
Instagramの特徴は以下の通りです。
①視覚的イメージでアピールできる
②クオリティが重視される
投稿には写真・動画が必要になりますので、視覚的イメージでの宣伝効果を期待できるSNSになります。
投稿のユニークさ・オシャレさ等のクオリティにより、宣伝効果が大きく異なってきますので、注意が必要になります。
Instagramのプロアカウント(企業用アカウント)とは?作り方から活用方法までをご紹介
LINE
LINEは国内で最大のユーザー数を誇るSNSです。
幅広い世代が活用しているため、積極的に活用していけば多くの層のユーザーに宣伝することができます。
企業の場合、ビジネス公式アカウントを作成しますと、ユーザーが公式アカウントを友だちに追加することで、直接アプローチを行うことが可能になります。
【企業向け】LINE公式アカウントの作り方と基本的な設定を解説!
10~30代のユーザーが多いSNSがTwitterになります。
Facebookよりも利用しているユーザーの年齢層は若く、比較的若い世代へ宣伝を行う場合には効果的といえます。
Twitterを活用するメリットは以下の通りです。
①リアルタイムでの情報発信が可能なのが強み
②投稿の拡散性が高いSNSである
③幅広いユーザーへのアプローチが可能
1つの投稿の文字数制限がありますが、拡散性が高いSNSとして有名です。
Tiktok
若年層を中心に多くのユーザーに利用されているSNSがTiktokです。
最近は40代男性等の働く世代のユーザーも増加しています。
ショートムービーに特化したSNSであり、15秒~3分の短尺動画を作成・投稿できるSNSです。
Tiktokで配信できる広告の種類は以下の3つになります。
①#チャレンジ
ユーザーの投稿を促すことで拡散を狙った広告手法になります。
指定のハッシュタグを用いたキャンペーン告知・Tiktokクリアエイターによる投稿を行うことで、ユーザーが投稿動画を真似た動画を投稿し、アプリ内・その他メディアへ拡散していきます。
②起動画面広告
ユーザーがTiktokアプリを起動した際に表示される広告になります。
③インフィード広告
フィード内に出稿できる広告になります。
予約型の場合、おすすめフィード内で早い段階で指定表示させることができたり、あらゆるタイミングで表示させることができます。
運用型の場合、管理画面を用いた入稿作業を通じて配信と運用を行い、効果の最大化を目指すメニューになります。
低予算、無料で行えるECサイトの集客方法
低予算・無料で行えるECサイトの集客方法として、「コンテンツマーケティング」「動画マーケティング」「メルマガやLINE等でのCRM」などの3つの方法が挙げられます。
以下で詳しく説明していきます。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、コンテンツを用いたマーケティングになります。
単に製品の購入ページを用意するということではなく、その製品の持つ魅力・活用方法等を自社ブログや画像・動画を使って説明していきます。
自社商品のユーザーの関心が高い事柄を配信するのも効果的といえるでしょう。
基本的に「成功体験をイメージさせる」ことが重要となります。
実際の購入事例・導入事例等をインタビュー記事で掲載するなどの方法が挙げられます。
「自社製品を使用すると自分の理想に近づける」と思わせることが重要です。
顧客が製品を通してメリットを得る、それにより再度購入に繋がっていく。
顧客を成功に導いて、結果として自分の利益を作り出すことをカスタマーサクセスといいます。
動画マーケティング
(引用:防水スプレー 1本(420mL) モノタロウ 【通販モノタロウ】 (monotaro.com) )
動画コンテンツの需要が年々増加しています。
5Gの到来により、従来よりも動画等のデータの重いコンテンツが見やすい環境が整いました。
また新型コロナウイルスの流行により、対面営業・実店舗での接客に制限が出ていた中、動画であれば商品・サービスの魅力を的確に伝えることができますので、需要が増加していきました。
既に大手のサイトでは動画を上手く販促に活用している事例もあります。
メルマガやLINE等でのCRM
顧客情報を蓄積・管理できるCRMを活用して、メルマガやLINE等で販促を促す方法があります。
メルマガの開封率が低い状態になっている場合には、顧客に合わせてメールの内容を変更するOne to Oneマーケティングにシフトすると効果を期待できます。
ある企業では、CRM上で管理している顧客ごとの購買情報に合わせてストーリーを作成して、サンクスメール・クロスセルに繋げるメールを配信しました。
多くの顧客に「有益な情報」であると判断されたことで、メールの開封率が向上しました。
開封率のことで話を進めますと、LINEを活用する方がメルマガよりも高い開封率を期待できます。
LINE公式アカウントを使用すれば、友だちに追加して頂いているユーザーをCRMの情報を元にセグメントで分けていくことが可能になり、配信内容に合わせて配信を行うユーザーを選択することができます。
自分に関係のない情報が何度も届いてきますと、ユーザーにブロックされてしまう可能性がありますが、セグメント配信を行うことでブロック率を下げることができます。
セグメント配信は、ブロック率を下げながら自社商品・サービスの販促を促すことができる効率的な配信方法といえるでしょう。
ECサイトの集客を成功させるためのポイント
ECサイトの集客を成功させるポイントとして、「ターゲットを定める」「予算やリソースの確保」「効果が出るまでに一定期間必要なことを理解する」などの3つのポイントが挙げられます。
ターゲットを定める
ECサイトで売上を向上させていくためには、ユーザーが訪問する機会を増やしたり、訪問したユーザーが自社の商品やサービスに興味を持ち、最終的に購入して頂かないといけません。
この流れを作るためには、まずサイトを訪問するユーザーの数を増やしていく必要があります。
集客を伸ばす方法を考える上で必要になる項目は、「ターゲット層」を決めていくことです。
20代の顧客をターゲットする場合と50代の顧客をターゲットにする場合では、適した集客方法は大きく異なります。
メインのターゲット層を決めた上で、どのような集客方法が適しているのかを検討していく必要があります。
予算やリソースの確保
また自社のECサイトに合った集客方法を決めるためには、使用できる予算や人的リソースの確保を行う必要があります。
予算・人材によって可能になる集客方法は異なってきます。
予算・人材の制限の中で実現可能な集客方法を検討して、実行していかないといけません。
効果が出るまでに一定期間必要なことを理解する
効果的な集客方法を考えていく上で忘れてはいけないことは、効果が出るまでに一定期間必要になることです。
場合によっては、すぐに効果が出る方法もあれば、効果が出るまでに時間が掛かる場合もあります。
最初は予算を割いてすぐに効果が出る方法を実施しながら、同時進行で中長期的な集客方法を実施するのも1つの手です。
効果が出る時期を考慮しつつ、どのような形で集客を目指すのが適しているのかを考えていきましょう。