医療介護支援の医療SNSとBOTとAIが築く新しい未来

医療SNS

医療介護分野を支援する医療SNSとは?BOTとAIの連携とは?


2018年3月7日、KDDIが医療介護支援事業に参入すると発表された。そこで登場したのが、「医療SNS」である。KDDIは医療現場向けにSNSを展開している株式会社日本エンブレースに出資し、SNSを活用した新たな医療サービスの創出を目指すとのことだ。(出展:日本経済新聞)
KDDIが参入する医療介護支援事業参入のきっかけとなった、この日本エンブレースの「医療SNS」とは一体どのようなものなのか?

 

目次

医療SNSとは?

日本エンブレースが提供している「医療SNS」は、医師・看護師・薬剤師や患者本人とその家族、介護士など、目的に応じたコミュニティを作成することができ、そのコミュニティ内でコミュニケーションが取ることができる。特定の疾患コミュニティや医薬品の使い方のコミュニケティなどの目的別に分けることができ、コミュニティ内のコミュニケーションを通じて治療やケアを支援することができるSNSだ。この医療SNSの名前は「メディカルケアステーション」という。

メディアカルケアステーション

この医療SNS「メディカルケアステーション」は、医療現場のニーズに対応するべく、スマートフォンなどのモバイル対応にしており、医療関係者であれば誰でも、且つ無料で利用できる。タイムライン形式で情報共有、セキュリティに配慮した「完全非公開型」SNSなどの技術を駆使して開発され、病院・クリニック・介護施設・薬局など医療関連施設のための、医療に特化したソーシャル医療連携プラットフォームだ。2018年3月現在、このメディカルケアステーションは医療関係者含めて6万人もの利用者がいる。

医療SNS出展:日本エンブレース社 詳細はこちら

医療SNSのマーケティング戦略

KDDIは今回の日本エンブレースへの出資により、医療現場でのIT化支援に乗り出し、この医療SNS「メディカルケアステーション」の利用拡大を目指す。特定のコミュニティでコミュニケーションされた内容は非常に濃いものであることが想像できるが、果たしてどこで収益を得ているのか。この医療SNSは完全無料で提供されている。利用者はもちろん、導入している医療機関も無料で利用している。
先にも述べたが、この医療SNSでのコミュニケーションは非常に濃いものだ。そこで取られたコミュニケーションの情報は医療業界にとって大変貴重なものと言えるだろう。つまり、この情報を医療の分野に関わる研究機関や製薬会社などへデータ提供することで収益を獲得していく。まさにビッグデータの活用である。

医療SNSマーケティング

上記の図のように、患者と医療関係者との医療SNS利用は無料提供。この医療SNSのコミュニティでのやり取りなどの情報を収集し、集まったデータを活用したい医療機関や研究機関、製薬会社などに販売することで、収益化を目指している。日本エンブレースは運営コストに関しては、利用者からは取らないスタンスであり、あくまでもアプリパートナーやその他のサービスから収益を得ている。

このマーケティング戦略は、まさに医療支援において有効に働くと筆者は考える。当たり前だが、医療というものは病気を患っている人が対象だ。しかし、この医療SNSで得られる情報を活用したい医療機関、研究機関、製薬会社などの協力を得ることで、病気を患う前段階の予兆を探し出すことができる可能性があるのではないであろうか。それが実現すれば医療支援という形でのマーケティング戦略は大きな成功と言えるだろう。

医療SNS×BOT×AI

これまで述べてきた医療SNSだが、チャットボット(BOT)や人工知能(AI)と連携することでどのような効果が期待できるのであろうか。まさに医療の現場では、必要不可欠となった、このBOTとAIが果たす役割とはどのようなものなのであろうか。

医療SNS×BOT×AI

医療SNSにはBOTの技術も格納されている。利用者に対して、医療に関わるリマインドやアラートを知らせ、必要事項などの情報入力などの促進も行なってくれる。さらにBOTとAIの連携が可能で、より利用者に密着した医療SNSに進化することができるという。
今後、期待できることは、AIの機械学習により利用者の個人特性を把握、医師とのコミュニケーションがメインではあるが、定型的な内容をAIがリアルタイム対応することで、利用者にとっては場所や時間を気にする必要もなくなり、ストレスが軽減。さらに医師や看護師などの手が離れることで生産性向上にもつながる。

BOT×AI×遠隔医療

遠隔医療とは、患者と医師が距離的に離れている状況においても、インターネットを利用して診察する医療のことだ。当然、現在でも遠隔医療は存在するのだが、さらにBOTやAIを利用することで、その遠隔医療の生産性が格段に上がると感じている。先にも述べたが、定型的な診察に関してはBOTが対応する。そして、BOT対応範囲を超えて、医師の診察が必要になった時に有人に切り替える。
これら実現することで、1日に数多くの患者を遠隔で診察することができるであろう。医師不足の問題も、このBOTとの共存により解消できるはずだ。このようにBOTやAIを活用することで遠隔医療そのものも成長することができる。

医療SNSのまとめ

残念ながら、一般的には公開されていないSNSで筆者は体験することができなかった。しかし、そこからの拡張性を考えるのであれば、病気だと感じていない個々人の自覚をこの医療SNSで引き出すことができるかもしれない。つまり病気にかかっていない人が医療SNSを利用することで、「それはある疾患の初期症状」「それは将来この疾患につながる可能性が高い」など、日々の生活の中で見つけることができるのではないか。今まで本人は普通に生活していたつもりが、医療SNSによって、重大な疾患の恐れを理解することができる。これが生活改善や、医療機関に通うことなく重大な疾患を未然に防ぐことにつながることができるであろう。さらにBOTやAIを活用することで、より生活に密着したツールになるはずだ。
医療とSNSとBOTとAIが築く新しい未来はそう遠くない。その鍵を握っているのがKDDIなのだろうか。

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