子育て支援チャットボットとは?東京都の新年度予算案を探る

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子育て支援チャットボットとは?東京都の新年度予算案を探る


誰しもが周知している少子高齢化などの大きい枠ではあるが、子育てや高齢化対策において、都民ファーストとも言うべき、今後変化するであろう都民の生活に対応する予算案の中で興味深いものがあった。都民による事業提案制度において、都民が投票した事業案の結果に応じて予算に盛り込まれるというものだ。

その中の子育て支援事業に関する内容が実に興味深く、子育て支援事業の中に、AIチャットボットも盛り込まれているのだ。子育てというテーマの中で、東京都が抱えている問題として、待機児童問題やライフワークバランスなど様々ある中で、子育て支援チャットボットはどう活躍できるのか。

目次

子育て支援とは?

すべての家庭が安心して子育てすることができ、子どもたちが笑顔で成長していくために、平成27年(2015年)4月から「子ども・子育て支援新制度」がスタートした。この制度では、子どもの年齢や親の就労状況などに応じた多様な支援を用意し、必要とするすべての家庭が利用できる支援を目指している。
出典:政府広報オンライン 詳細はコチラ

待機児童問題など、子育てにおいて様々な課題を抱えている日本にとっては取り組むべきことであり、国はもちろんのこと、各自治体が安心して子育てすることができるコミュニティ作りをしていかなければならない。そんな中でチャットボットという技術をどのように活かしていくことができるのであろうか。

子育て支援チャットボットに期待できること

都民による事業投票制度の中にある投票対象事業一覧に、「子育てチャットボットの開発」という事業案があり、概要は「AI技術を活用して、子育てに関する行政サービス案内するシステムを構築」とある。
出展:東京都 詳細はコチラ

そして、2018年1月に小池都知事の来年度予算案発表において、この都民提案事業制度において初の予算化と話題になった。実際に子育て支援チャットボットが予算案に盛り込まれているのは定かではないが、子育て支援においては都民もAI技術に注目しているということがうかがい知ることができる。

この子育て支援チャットボットに期待できることを考察してみる。当然、子育て支援チャットボットのエンドユーザーは小さな子供を育てる若い夫婦だ。ただ単純な子育てに関する豆知識を自動で答えるというだけでなく、事業投票制度の概要にも記載してあるように「行政サービスを案内」が重要になってくるだろう。
つまりチャットボットを利用することで、これまで知り得なかった行政サービス情報を子育て夫婦が取得し、自分たちの子育てに活かしていく、このような動線を構築する必要がある。そして、その流入経路の1つとして日本で最も多いユーザー数を誇るLINEを活用し、チャットボットと接続させることで、双方間のコミュニケーションが生まれ、ユーザービリティが高くなる。

渋谷区の子育て支援チャットボット

2017年には実証実験ではあるが、渋谷区が「ProactiveAI」というアルベルト社のチャットボット技術を用いて、子育て支援チャットボットの提供を開始している。LINEと連携しており、小さな子供がいる若い主婦層のユーザビリティは高く、「子育て日本一」を掲げ、子育て支援事業を積極的に推進している渋谷区にとってチャットボットという技術は不可欠なはずだ。現在では公式に公開しており、渋谷区のHPからQRコードを読み込めば、子育て支援のLINEチャットボットを体験することができる。

渋谷区子育て支援チャットボット出典:渋谷区 詳細はコチラ

渋谷区の子育て支援チャットボットの内容

渋谷区では、子育てに関する疑問や行政サービス案内などをLINEチャットボットを通じて、エンドユーザーに提供している。チャット感覚で自由に発言したり、選択式によってユーザーを遷移させていき、最終的に最適な回答や案内を出す仕組みになっている。

渋谷区子育て支援チャットボット

上記は渋谷区の子育て支援チャットボットのLINE上での見え方だ。様々なカラーにより少し確認しづらいが、下方にLINE特有のリッチメニューを設けることによって、ユーザーにとって探しやすいコンテンツとなっている。それぞれをタップすることで、そのサービスな情報を案内することができる。

渋谷区子育て支援チャットボット 渋谷区子育て支援チャットボット

また通常のチャットトークでも、自動応答する。上記の場合、最初に「子育て」と発言し、そこから話が進んでいく仕組みだ。最終的にはこのチャットボットを行なっていくことでユーザーにとって最適な案内を出すことで、問題解決に繋げていくことができる。

子育て支援チャットボットまとめ

子育て支援事業の中には、チャットボット以外で取り組むべきことがその他多く盛り込まれており、チャットボット技術を利用した子育て支援事業は一部にしかすぎない。しかし、保育士等の労働人口の減少や、超高齢者社会を迎える日本にとって、チャットボットなどの自動化システムやAI・人工知能の技術は必要不可欠なものであると都民の中ではすでに現実味を帯びているのではないか。それが都民からの投票という形で事業を予算化することに成功し、取り組んでいくという新たな形が垣間見れた瞬間のように筆者は感じる。

子育て支援チャットボットは共働き夫婦にとって助けになるか、必要としない夫婦もいれば、必要とする夫婦もいるはずで、むしろ非常に自然な形で使われるケースがもっとも理想的だと考えている。それはどういうことかと言うと、初めから子育て支援チャットボットを利用しようと思って、利用されるケースは少ないと考えており、幼い子どもを抱えている夫婦のその場でのリアルタイムの困りごとを、すぐその場で確認・解決できるツールとして利用されるケースが最もユーザビリティが高いと考えられるからだ。つまり、日常生活の中で当たり前のようになくてはならないものが、子育て支援チャットボットであり、子育て支援事業の中で、その他取り組むべき事業は多くあるはずだ。最低限なものを当たり前のように実装し、都議会議員にはじっくり時間をかけなければならない他の事業に集中してもらうために、子育て支援チャットボットというものが最低限当たり前のインフラになることを願う。

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