RPAとは?DXや業務効率化に具体的な役立て方までを解説

RPAとは?DXや業務効率化に具体的な役立て方までを解説

RPAとは定型作業を自動化できるツールであり、業務効率化を図ることができます。

この記事ではRPAの仕組みやRPAが得意なこと・苦手なこと、導入する際のポイントなどについて解説していきます。

 

目次

RPAとは

 

RPAとは「Robotic Process Automation /ロボティック・プロセス・オートメーション」の略語で、ホワイトカラーの定型作業(デスクワーク)をAIやルールエンジンなどの技術を備えているソフトウェアのロボットが代行して自動化することを意味しています。

コンピューターの画面上における人間の操作を模倣して、システム間で発生するやりとりを自動化することでロボットが処理を行う技術のことです。

RPAはパソコン上で人間が行う作業や操作を代行し、「正確」かつ「高速」で処理することを得意としており、プログラミング言語によるシステム開発よりも迅速に導入することができるツールです。

RPAで作業を自動化するには「画面上のどの場所で」「どのような操作を」「いつ行うか」の指示を一つ一つ指定する必要がありますが、こういったロボットへの指示を作成する開発ツールをはじめ、実行して処理を行うロボットや管理ツールの全てを総称して「RPA」と呼びます。

 

RPAの仕組み

先程も説明しましたが、RPAはパソコン上で自動化させたい作業を記録する必要があります。

フローチャート化されている作業のプロセスを「ドラッグ&ドロップ」という簡単な操作で編集を行い、ロボットを作成していきます。

最後にロボットが作業を開始するタイミングをスケジュールで指定すれば、その時間に複数のツールやアプリケーションを操作して自動で定型業務を実行していきます。

 

RPAが注目を集めている背景

RPAが注目されるようになった理由には主に3つの要因が考えられます。

 

生産年齢人口減少で人手不足

現在の日本は少子高齢化社会となっており、生産年齢人口(1564歳までの労働力となる年齢の人口)が減少し続けている状況に陥っています。

現状の生産年齢人口は7300万人程度となっており、人口全体の6割を割り込む状況下にあるため、企業や組織は「人材確保」が難しい時代となっています。

その足りない人材の穴を埋めるために「RPA」を活用する企業が増えてきています。

 

労働生産性が低下

現在の日本は一人当たり労働生産性がG7の中でも最下位となっており、2010年代後半の実質労働生産性上昇率は-0.3%でG7で唯一のマイナスとなっていました。

生産年齢人口の減少も進む中で労働生産性の向上が急務の課題ですが、RPAが定型業務をカバーすることで人間が付加価値の高い業務にシフトしていくことで、労働生産性の向上を迅速に進めることが期待されています。

 

働き方改革・DXの実現が望まれている

企業や組織の国際的な競争力を高めていくことが重要となる昨今では、「DXの推進」が不可欠といえます。

DXの取り組みを比較すると、日本企業は33.9%、米国企業は14.1%の企業が取り組んでいないという結果が出ており、日本企業の取り組みが遅れていることが分かります。

変革を担う人材の量が不足していると回答した企業が日本の場合は76.0%、米国の場合は43.1%という結果になっており、日本のDX推進において「人材不足」が大きな課題となっています。

さらに労働年齢人口の減少に加えて2019年に「働き方改革法案」が適用されているため、「労働生産性の向上」が重要となってきます。

RPAを活用して労働生産性の向上を図ることができれば、DX推進だけでなく社内の「働き方改革」も進めることができます。

 

RPAが対応できる事

RPAは基本的には定型業務の自動化を得意とするツールになります。

「繰り返しが多い」「時間が掛かる」「人間が行うと面倒に感じる作業」などのバックオフィスの定型業務に適しています。

 

 

RPAが得意なこと

 

RPAが得意とする作業は「データの記載」「システム管理」「データの集約と加工」「自動送付」「異常の検知と報告」などになります。

以下で詳しく解説していきます。

 

データの記載

事前に作成したデータを他のアプリケーションに繰り返し入力するような作業を得意としており、人間が作業を行うと都度入力の内容が間違っていないかを確認しないといけませんが、RPAが処理した場合にはその必要がありません。

具体例を挙げるとするなら「請求書」「経費の処理」「発注・受注」「納品」などの業務が該当します。

 

システム管理

社内や社外システムに接続を行い、操作・連携などを行なう作業も得意としています。

SFA(営業支援システム)やERP(基幹業務システム)へデータを入力する作業であったり、金融機関のWebバイキングを操作する作業などが該当します。

 

データの集約と加工

RPAWeb上から業務に必要な情報を集めていき、集めた膨大なデータを一定のルールに基づいて集約・加工する操作を自動化で行えます。

集約・加工の作業はシステムから収集したデータに対しても行うことができます。

データのクレンジング等、時間が掛かる作業を自動化で素早く作業できるだけでなく、有人で対応するときとは違い「ミス」がありません。

株価調査や競合製品の価格調査などが該当します。

 

自動送付

情報を収集して送付することもRPAの得意分野になります。

「必要な情報を収集して回答を行う」「定期的に情報を収集してレポートにまとめて送付する」などの作業を自動化できます。

ニュース関係者に送付する作業などがこれに該当します。

 

異常の検知と報告

システムデータを24時間監視を行い、定期的にデータを取得し、「異常」を検知した場合にはユーザーに報告する作業を自動化することも得意分野になります。

異常による問題対応の遅れ、定期的にデータを確認する手間を省くことができます。

 

RPAが苦手なこと

 

得意な分野が多いRPAですが、「非定型作業」は苦手分野となります。

個別の判断が必要な作業・変更が多い作業・ルールが多い作業・そもそもデータが存在しない作業などは対応できません。

紙業務のために自動化できない。

データが取得できない。

データが社内に溜まっていない。

人の判断が入ることが多く、ルール化が難しい。

上記の場合ですと、RPAの自動化が難しいと判断できます。

しかし最近では「AI」との連携によりRPAと組み合わせて「非定型作業」に対応できる事例が増えてきています。

 

RPAツールの種類と費用の相場

RPAのツールの種類は「デスクトップ型」「サーバー型」「クラウド型」の3つがあります。

デスクトップ型のRPARDAと呼ぶことがあり、場合によってはRPAと区別することがあります。

 

  デスクトップ型 サーバー型 クラウド型
インストール場所 自社パソコン 自社サーバーとパソコン インストール不要
初期費用 10100万円程度 100万~2,000万円程度 1万~10万円程度
企業規模 中小・大企業 大企業 中小企業
オススメの企業 オフラインの作業の自動化、新規導入の企業等 他社のRPAを利用して使用方法等を把握している場合 オンライン作業の自動化、新規導入の企業等

 

・デスクトップ型

デスクトップ型のRPAはそれぞれのパソコンにインストールを行い、使用する「オンプレミス」のシステムとなります。

RPAツールを利用する予定のパソコンにのみ導入する方法になるため、導入費用が10万円程度とコストが低いのがメリットです。

自動化の範囲を広げるためにはサーバー型やクラウド型に切り替える必要があります。

・サーバー型

サーバー型のRPAはサーバーおよびパソコンにインストールを行う「オンプレミス」のシステムとなります。

サーバーを通じて各パソコンのRPAツールを管理できるため、大きい規模でRPAを活用する際に適しています。

デメリットとしては費用が高額になる点と導入までに時間がかかってしまう点です。

・クラウド型

クラウド型のRPAは提供先企業のサーバーにインストールされているシステムをオンラインで利用していくサービスになります。

メリットとしてはリモートワークでも活用できる点と導入の手間やコストが掛からない点です。

大規模での活用を検討している場合にはサーバー型の方が「費用対効果」が高くなる場合もありますので、しっかりと比較・検討をして導入してください。

 

 

 

 

 

 

他のツールとの違い

RPAと他のツールの違いについて詳しく解説していきます。

 

RPAとマクロ

RPAとマクロはパソコン上の定型作業を自動化するという「目的」は同じですが、マクロは基本的にExcelMicrosoftOfficeソフトウェアのみに対応しています。

それに比べてRPAはパソコン上の作業であれば殆どの業務に対応できます。

またRPAが自動化したい作業を記録する際に専用のソフトウェアを使用して操作を行うのに対して、マクロは「マクロ記録開始」ボタンを押して作業を行い、「マクロの記録中止」ボタンを押すことで作業を記録できます。

 

RPAと通常のシステム

RPAと通常のシステムでは導入コストが圧倒的に違ってきます。

結論から言えば、「RPA」の方が圧倒的に低コストで導入できるケースが多いといえるでしょう。

これについては「通常のシステムで対応することが難しい業務を自動化するためのコスト」を双方で比較した際の場合です。

その他にも通常のシステムの開発はプログラミングの知識が必要となりましたが、RPAについてはプログラミングの知識が無くても開発を行うことができます。

 

RPAAIの違い

RPAAIの大きな違いといえるのが「学習能力の有無」であるといえるでしょう。

RPAはルールベース、AIは判断ベースのテクノロジーと言われていますが、RPAは記録した定型作業を処理していくだけになるのに対して、AIは定型作業であっても繰り返し作業を行うことで自律的に学習を行い、処理の精度・速度が向上していき、効率的な処理も行えるようになります。

 

RPAとチャットボット

RPAとチャットボットは業務を自動化する点については同じですが、担当する業務の内容が異なってきます。

RPAは主に定型作業や計算等の作業を自動化するシステムになりますので、経費の集計などの単純な事務業務に対応できます。

チャットボットは会話を担う役割を果たしており、「Webサイトに訪れたユーザーへの接客や問い合わせ対応」「FAQページへの誘導」「社内ヘルプデスクの問い合わせ対応」などの業務を自動化できます。

チャットボットとRPAの違いとは?併用すると相乗効果がある2つについて 

RPAを導入するメリット

RPAを導入すると主に4つのメリットが期待できます。

以下で詳しく解説していきます。

 

DX化の推進

RPAを導入して業務効率化を図ることができれば、DX化を推進することができます。

DXの目的はRPAをはじめとする「デジタライゼーション」によって生じたリソースの余裕を活かして企業全体の変革を行い、新しい価値を提供することですが、IT部門の人材でもロボットを作成できるRPAを導入すれば、社内のさまざま業務改善や効率化を進めることができ、結果としてDXが推進されていきます。

 

コスト削減

有人で対応するべき業務をRPAが代行して作業してくれるため、その作業の処理に掛かっていた人件費を削減することができます。

特にRPAが担当するような単純作業は有人で行うと、非常に時間と手間が掛かる作業が多くなりますが、自動化できるだけでなく有人で対応するよりも速く処理することができるようになります。

また単純作業は人間が対応すると非常にストレスを抱えることが多く、やりがいを感じにくい業務になるため、退職してしまう従業員も出てきてしまうかもしれません。

RPAが代行することで従業員の満足度が向上していき、離職率を下げることができれば「人材確保」のコストを削減することができます。

 

ヒューマンエラー削減

人間が作業を行う際には慎重に行ったとしても、必ずミスが発生してしまいます。

特に単純作業を継続して行う際には、集中力が落ちてきてしまいミスが発生しやすくなります。

作業ミスが発生した場合にはその後の業務が遅れてしまう結果になり、顧客満足度を下げてしまうことに繋がりかねません。

RPAであれば決められた手順に従って正確な業務を進めることができるため、ヒューマンエラーを防ぐことができます。

 

従業員の生産性と満足度の向上

RPAがテキストのコピー&ペーストやファイルの移動といった単純作業を代行してくれることにより、従業員はクリエイティブな仕事に集中して取り組めるようになります。

単純作業は担当する従業員にとって非常に負担が多い作業となりますが、RPAが代行することで業務効率化を図れるだけでなく、従業員の満足度の向上にも繋がります。

 

RPAを導入する際のポイント

RPAを導入する際のポイントを5つ解説していきます。

 

自社開発かベンダー利用か

RPAを自社開発するのか、ベンダーを利用するのかを決める必要があります。

自社開発を行う場合にはRPAの知見を有したエンジニアが必要となりますし、自社エンジニアのITスキルが不足している場合には外部セミナーや研修サービスを利用して教育を行う必要があります。

「エンジニアの合計作業時間×時間当たりの人件費」が必要な費用となります。

メリットとしてはコストを抑えられる点ですが、RPAの専門家からアドバイスがもらえないというデメリットもあります。

一方で外部ベンダーに開発を委託する場合には、「常駐エンジニアを活用」する場合と「開発を全て委託する」場合で費用が変わってきます。

常駐エンジニアを活用する場合には1カ月で60万~150万円程度の費用が掛かり、全ての開発を委託する場合にはロボット1体につき30万円程度の費用が掛かってきます。

障害が発生した際に業務が停止してしまうほどの影響を与えてしまうようなコア業務を担当する場合には、高い専門性を持つ外部ベンダーに委託した方が良いといえます。

 

導入規模に見合うか

自動化する業務の数・導入を行うロボットの数・RPAを導入する部署の数などの規模に合うツールを選ぶ必要があります。

RPAを導入する場合には最初は一部の部署などで小規模でスタートさせ、後から規模を大きくしていく方法が効果的と言われています。

 

社内システムとの親和性

今現在利用している社内システムを使った業務の自動化を検討している場合には、そのシステムと相性が良いツールを選択する必要があります。

企業の多くは1つの業務を進める際にも複数のシステムをまたがって操作を行う場合があるため、様々なシステムで安定して動作するツールを選択する必要があります。

そうすることでエラーが減少していき、メンテナンスも楽になるといえるでしょう。

またGUIによる自動化とAPI連携による自動化の両方を組む合わせることで、より柔軟な開発を行えるようになります。

 

環境構築の方法

RPAには「クラウド環境で導入するツール」「オンプレミスで導入するツール」の2パターンが存在しています。

クラウド環境での導入の場合には、パブリッククラウドやプライベートクラウドなどで導入する方法も選択できますので、しっかりと検討して自社に合った構築環境を選択していきましょう。

 

セキュリティやメンテナンス

複数のRPAロボットが社内で実行される場合には、それらが安全に問題なく稼働しているかを管理する必要があります。

「稼働状況やエラーのモニタリング」「ライセンスやユーザー情報の管理」などが行える機能を備えたツールを選択することで、後に規模が大きくなった際にセキュリティやメンテナンスの負荷を最小限に抑えることができるようになります

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