対話型AIとは?チャットボットとの違いや導入メリットまで

対話型AIとは?チャットボットとの違いや導入メリットまで

AIの中でも特に注目されているものが対話型AIです。多くの企業が導入を進めており、顧客対応で高い効果を期待されています。しかし、対話型AIが従来のチャットボットと具体的にどんな違いがあるのか理解していない人は多いです。

本記事では、対話型AIとは何かを説明します。対話型AIとチャットボットの違いや対話型AIを導入するメリットについて詳しく説明します。

目次

対話型AIとは

対話型AIとは、AI技術を活用して人と自然な会話ができる技術のことです。自然な会話を実現するための技術が盛り込まれています。人と会話を重ねていく中で機械学習により精度を高めて自然な会話を実現できるのが特徴です。

対話型AIは実際にさまざまな企業が導入を進めています。たとえば、Androidのスマートフォンなどに搭載されている「Googleアシスタント」は対話型AIの実用例です。iPadやiPhoneで使われている「Siri」も対話型AIの技術が使われています。

対話型AIは、人とテキストや音声を用いて自然なやり取りができるのが特徴です。そのため、あらゆる場面で利用できる技術として注目されています。企業がユーザーの問い合わせに対応するために対話型AIを導入する事例は増えているのです。

対話型AIが注目される背景

対話型AIが注目されているのは、SNSの普及と技術の進歩が背景にあります。対話型AIが注目される背景について、以下で詳しく説明します。

SNSの普及

SNSの普及でテキストによるやり取りが浸透したことが、対話型AIが注目される理由の1つです。近年、SNSを多くの人が利用しており、社会に普及しました。TwitterやLINE、Facebookなどを日常的に利用している人は多いです。テキストにより他人とやり取りをすることがプライベート・仕事を問わず一般的になりました。企業がユーザーとやり取りをする際にも、テキストでコミュニケーションを取ることが受け入れられています。

企業が問い合わせなどにテキストで対応するケースは珍しくありません。そこで、テキストによるやり取りを対話型AIに任せようとする企業が増えています。対話型AIを用いてユーザーと自然なやり取りができれば、人件費の削減や業務の効率化などメリットが大きいです。

技術の進歩

技術の進歩も対話型AIが注目される理由の1つです。IT技術が進化したことで、従来よりもAIの精度が高まりました。対話型AIによって、より自然で早いやり取りが可能になったのです。対話型AIが実用レベルに達したため、企業が抱える多くの課題を解決できると期待されています。

将来的に対話型AIを活用するのが当たり前の時代になることは確実です。そのため、多くの企業が将来に備えて対話型AIの動向に注目しています。

対話型AIとチャットボット

対話型AIとチャットボットは混同されることが多いですが、それぞれ異なるものです。対話型AIという技術があり、その中の1つとしてチャットボットが存在します。そのため、対話型AI=チャットボットと認識するのは誤りです。

対話型AIを大別すると以下の2種類に分けられます。

  • チャットボット
  • ボイスボット

また、チャットボットにはAI型の他にシナリオ型と辞書型があります。チャットボットのすべてが対話型AIではないです。現在、注目されているのはAI型のチャットボットであり、従来用いられていたものはシナリオ型や辞書型のチャットボットに分類できます。

それでは、チャットボットとボイスボットについて詳しく解説します。

チャットボットとは

チャットボットは、「チャット(会話)」と「ボット(ロボット)」を組み合わせた言葉です。ロボットが人と会話をする技術やサービスを総称してチャットボットと呼びます。

チャットボットを大きく分けると以下の3種類です。

  • シナリオ型
  • 辞書型
  • AI型

シナリオ型と辞書型は、人間が設定した単語やテンプレート、選択肢をもとにしてユーザーと会話を進めるチャットボットです。多くの企業サイトでシナリオ型や辞書型のチャットボットは導入されています。ただし、シナリオ型や辞書型は不自然な回答をするケースが多く、別途人による対応が必要な場面が多かったです。

一方、AI型のチャットボットは、対話型AIの技術を用いたチャットボットを指します。機械学習により精度を高めることで自然なやり取りを実現できるのが特徴です。

チャットボットについて詳しく知りたい方は以下のURLの記事を参照してください。

チャットボットとは?AIとの違い・種類・選び方など、総まとめ

シナリオ型

シナリオ型のチャットボットは、人が用意したシナリオに沿った回答をするのが特徴です。たとえば、ユーザーの問い合わせ窓口で活用されます。「ユーザーがaを選ぶとAと回答する」などシナリオを用意しておき、ユーザーに選択肢を選ばせて会話を進める仕組みです。

シナリオ型は、ユーザーが自分の望んだ回答に自然に辿り着けます。あらかじめユーザーがよくする質問と回答のデータを収集・分析しておけば、適切なシナリオの設定が可能です。

ただし、シナリオ型では事前に用意した選択肢以外の質問に回答できません。シナリオ型のチャットボットで対応できない場合は、人が対応する必要があります。

辞書型

辞書型のチャットボットは、あらかじめ単語を登録しておき、ユーザーの入力した質問に相応しい回答を辞書から探して回答を表示するのが特徴です。たとえば、「東京に店舗はあるか?」という質問を受けると、東京に存在する店舗の住所や連絡先などを画面に表示します。

辞書型のチャットボットは、ユーザーの質問に含まれるキーワードと辞書に登録されたキーワードが一致すれば、正確な回答が可能です。しかし、辞書に登録されている単語やテンプレートによる回答にしか対応できません。あらかじめ膨大な量の単語やテンプレートを登録しておく必要がある点が辞書型のデメリットです。

AI型

AI型のチャットボットは、人工知能によりユーザーの質問に回答します。機械学習によりチャットボットが学習を進めることで回答の精度を高められるのがメリットです。

AI型には自身で学習する仕組みが備わっているため、フリーワードによる質問にも回答できます。また、ユーザーからの質問に言葉の揺らぎが生じたとしても、機械学習により回答の精度を保持できるのも特徴です。異なる言い回しや誤字なども学習をして、正しい回答を導きます。

AI型は導入の手間がかからない点もメリットです。辞書型やシナリオ型のチャットボットを導入するには、シナリオや辞書の作成や登録といった作業が必要になります。AI型の場合は、最初にAIのシステムを構築すれば、後は機械学習で自動的に学習を進めることが可能です。

ただし、AI型のチャットボットも万能ではありません。あらかじめインプットされていないデータや学習していないことには回答できないです。

また、AI型は自身で回答の良し悪しを判断することはできません。そのため、定期的にチューニングを行い、回答を軌道修正する必要があります。

ボイスボット

ボイスボットとは音声によりユーザーとやり取りをする対話型AIです。やり取りをする手段が音声かテキストという違い以外は基本的にAI型のチャットボットと仕組みは共通しています。ボイスボットはユーザーとの会話を重ねることで自動的に学習ができ、より精度の高い回答ができる仕組みです。

ボイスボットはコールセンターの顧客対応などで実用化が進められています。予約の受付や手続きの案内などが可能です。人件費の削減や業務の効率化、夜間対応など多くのメリットがあります。

ボイスチャットは顧客満足度を高められる点もメリットです。従来は問い合わせをしたときに音声ガイダンスを聞いて番号ボタンを押すという作業が必要でした。ボイスチャットであれば、ガイダンスを聞かずにすぐに要件を伝えられるため、ユーザーは問い合わせをする時間の短縮ができます。

対話型AI導入のメリット

対話型AI導入のメリットは以下の通りです。

  • 年中無休24時間常に対応できる
  • 業務効率化が出来る
  • 人件費の削減
  • 顧客満足度の向上

対話型AI導入のメリットをそれぞれ詳しく解説します。

年中無休24時間常に対応できる

対話型AIを導入することで、年中無休24時間常に顧客対応できる点がメリットです。顧客対応を人力で行うと稼働時間が限られます。一方、顧客は休日や夜間などに問い合わせをしたいと考えることは珍しくありません。

対話型AIを導入すれば、どんなタイミングで顧客が問い合わせをしても対応可能です。営業時間外の問い合わせで翌営業日まで顧客を待たせることがなくなります。顧客はすぐに疑問を解決できるため、企業にポジティブな印象を持つ可能性が高いです。企業イメージの向上の効果も期待できます。

業務効率化が出来る

対話型AIの導入で人が対応する場面を減らすことができ業務効率化を実現できます。これまでは自社製品やサービスに関する問い合わせが多いと、担当者が本来の業務に集中できない点が問題視されていました。そこで、対話型AIを導入すると、実際に担当者が対応するケースを減らすことができます。顧客への対応に時間を取られなくなり、本来の業務に注力できるようになるのは大きなメリットです。無駄な時間を削減して重要な業務に割ける時間が増えることで現場の生産性が向上し、企業の利益創出に繋がります。

人件費の削減

対話型AIの導入は人件費の削減につながります。コールセンターのオペレーターなどの人員を削減できるからです。コールセンターで多くのオペレーターを雇うとかなりの人件費がかかります。対話型AIにコールセンターの業務を任せれば、オペレーターを雇う必要がなくなり、人件費の大幅な削減が可能です。また、対話型AIの活用により、人員不足の解消もできます。

顧客満足度の向上

対話型AIの活用により顧客満足度の向上が可能です。既存のコールセンターに対して不満を抱いている人はたくさんいます。コールセンターについては、待ち時間の長さや電話が繋がらない点などが不満点として多いです。対話型AIであれば、問い合わせにすぐに対応できます。対話型AIを導入していれば、同時に多くの問い合わせにも対応できるため、話中で電話がつながらないケースを減らせるのもメリットです。

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