営業活動をしていて、以下のような悩みを感じることはありませんか?
- 顧客を増やすためにどのようなアプローチをしていけばいいのか分からない
- 効果的なマーケティングの施策が分からない
そこで効果的なのが「リードナーチャリング」になります。こちらの記事では、以下のような内容についてご紹介していきます。
- リードナーチャリングについて
- リードナーチャリングが重視される背景と、メリットについて
- リードナーチャリングで使える手段について
こちらの記事を読んで、ぜひともリードナーチャリングの重要性を理解したうえで、力を入れて取り組んでいきましょう。
リードナーチャリングとは
リードナーチャリングとは、「見込み顧客の育成」になります。
「リード」という単語と、「ナーチャリング」という単語を組み合わせた言葉であり、オウンドメディアなどのWEB上でのマーケティングが盛んになったことにより、重要視されるようになってきました。
具体的には、以下のような活動がリードナーチャリングの例として挙げられます。
- メルマガやLINE公式アカウントなどを用いた情報配信
- 企業SNSでのコンテンツの発信
- WEBセミナーの実施など…。
このように、見込み顧客の育成という意味を持ち、オンラインなどで様々な働きかけを行なうことで、購売意欲の向上や知名度のアップといったメリットが得られます。
マーケティングの一連のフロー
マーケティングの流れは、大きく分けて「リードジェネレーション」、「リードナーチャリング」、「リードクオリフィケーション」の3つの段階に分かれています。
簡単に言えば、見込み顧客の獲得→見込み顧客の育成→見込み顧客の選抜 といった流れになります。
それでは、リードジェネレーションとリードクオリフィケーションの2つも含めて、マーケティングの流れについて詳しく理解していきましょう。
リードジェネレーション
リードジェネレーションとは、見込み顧客を産み出すという意味であり、マーケティングの第1段階にあたります。
顧客を増やしていくためには、まず自社の名前やサービスなどを知ってもらわなければなりません。
そのために、具体的には以下のようなことをしていく必要があります。
- 展示会への参加
- 広告を出す
- ホワイトペーパーの作成 など…。
このように、まず自社のサービスを知ってもらい、見込み顧客になってもらう、最初の段階をリードジェネレーションと言います。
リードナーチャリング
次に、リードナーチャリングを通じて見込み顧客の育成を行なっていきます。
自社のサービスやプランドに好感を抱いてもらうことで、購売意欲を高めたり、関心を持たせる段階になります。
マーケティングにおける第2段階にあたり、この部分でしっかりと見込み顧客を増やしていくことが重要になってきます。
こうして、自社サービスに興味を持ってもらったところで、次の段階へと移行します。
リードクオリフィケーション
リードクオリフィケーションとは、見込み顧客のふるい分けという意味であり、マーケティングにおける最後の段階にして、売上に直結する部分になります。
見込み顧客の中でも、特に購買意欲が強い層を選抜して、以下のような方法で契約の成立に繋げていきます。
- セグメンテーション(見込み顧客の分類分け)をした上で顧客の分析を行う
- スコアリング(見込み顧客の行動を踏まえて、購買意欲の高さを数値化する)
これらの手段を用いて、確実に顧客を増やしていくために絞り込みを行っていく段階をリードクオリフィケーションと呼びます。
この過程でふるい分けをしたうえで、営業へと引き渡し、契約や購入に繋げていくのです。
リードナーチャリングが注目される背景
それでは、リードナーチャリングがなぜ近年注目されているのか、昨今のマーケティングの事情を踏まえて理由についてご説明していきます。
SNSの普及により能動的に情報を調べるように
SNSが普及したことにより、自分から情報を調べる人が増えた点が一つの理由です。
以下のようなSNSを多くの人が利用するようになり、自発的に情報を探すようになったことに加えて、受動的に情報を得られる機会も増加しました。
- Facebook など…。
このように、SNSユーザーの増加に伴い、情報を自発的に獲得しにいく人が増えた点は背景の一つとして挙げられます。
情報過多による購入までのリードタイムの変化
インターネット上の情報が爆発的に増加し、購入に至るまでの過程が複雑になった点も理由の一つとして挙げられます。
SNS以外にもオウンドメディアや動画、インターネット上の広告などさまざまな経路で情報が得られるようになりました。
そのため、購入に至るまでの検討段階で、候補となる競合が増えてしまい、その分リードタイム(商品やサービスを購入、契約するまでの時間)が長くなってしまったのです。
このように、顧客が購入に至るまでにかける時間が長くなった点も背景の一つになります。
休眠顧客の増加
休眠顧客と呼ばれる、元見込み顧客が増加している点も背景の一つです。
特に歴史の長い企業では、購入や契約に至らなかったお客様は多いでしょう。しかし、以下のような理由で、再度アプローチをかけられないのが現状です。
- 人員の不足
- 休眠顧客に対するアプローチ方法がない
このように、業務における様々な課題を抱えているために、顧客になりうる存在が放置されてしまい、休眠顧客が増えてきている点も背景の一つになります。
リードナーチャリングを行うメリット
それでは、リードナーチャリングを行うメリットは何なのでしょうか?その理由について、いくつか例を挙げてご紹介していきます。
見込み顧客の育成に価値を見出せない、とお悩みの方はこちらをぜひご覧ください。
安価にターゲットを絞り再アプローチが出来る
ターゲットを絞り込んだ上で、コストパフォーマンス良くアピールできる点が、強みの一つとして挙げられます。
一つのリードを獲得するために必要な費用(CPL)はまちまちですが、日本ではおよそ8000~13000円程度が目安とされています。
リードナーチャリングでは、SNSやオウンドメディアなどの自社に既にあるものや、無料のサービスを使って行えるため、展示会に参加したり、パンフレットを印刷して送付するリードジェネレーションに比べてコストを抑えられるようになります。
このように、費用を抑えてアプローチを行える点はメリットとして挙げられます。
顧客離反の防止
顧客がサービスから離れていってしまうのを防げるのもメリットの一つです。
顧客離反の原因には、以下のような理由が挙げられます。
- 顧客に対するサポートの不足
- 競合他社の商品やサービスへの切り替え
現代のマーケティングの背景でも述べた通り、情報過多かつ購入までのプロセスが長期化していることもあり、新規顧客へのアプローチに集中してしまうことで、上記のような原因を招いてしまいがちです。
そのため、顧客に対してのサポートやアプローチを怠らないためにも、リードナーチャリングを実施していくことで、既存顧客の関心を維持し、顧客が離れていくことを防げるのもメリットとして挙げられます。
営業効率や受注率が上がる
営業効率や受注率がアップする点も魅力になります。
リードナーチャリングを実施していくことで、サービスの関心を深めて行ったり、自社ブランドの価値を高めていくことで、契約に繋がりやすいお客さんを増やしていけます。
その結果、次の段階であるリードクオリフィケーションへと確実に繋げられるようになるのです。
このように、営業効率や受注率の上昇というメリットもあります。
新規顧客開拓よりも効率的な営業活動が行える
新しい顧客を開拓していくのに比べて、効率が良いのもリードナーチャリングの強みです。新規顧客を開拓していくための営業活動としては、以下のようなものが挙げられます。
- 訪問してアプローチを行う
- テレフォンアポイントメント など…。
上記のような方法は、非常にコストパフォーマンスの悪い手段です。このような手段で顧客との契約までに辿り着くためには、約5倍ものコストが必要になります。
そのため、リードナーチャリングを実施して、顧客との関係性の維持や、休眠顧客を顧客にする、関心を持っている層にアプローチをかけることで、従来の営業活動より、効率の良い営業活動を行える点もメリットとして挙げられます。
仕組み化する事が出来る
社内で仕組みを作っていける点もメリットの一つになります。
背景でもご説明した通りで、商品の購入やサービスの契約までにかかる時間は長期化してきています。そのため、同じ顧客にアプローチしている間に、社内の人事異動や、営業担当の変更などの理由で同じ人が担当し続けることが難しくなってきました。
リードナーチャリングの運用方法をルール化して組み込む事で、営業活動の属人化を解消し、営業担当が交代しても同じ仕組みに沿って、顧客へのアプローチを継続できます。
このように、リードナーチャリングは仕組み化可能な点もメリットの一つです。
リードナーチャリングの手法
それでは、リードナーチャリングに使える手段をご紹介していきます。もしも見込み顧客の育成方法に悩んでいる方はこちらを参考にしてみてくださいね。
SNS
画像引用 ニューノーマル時代、企業はSNSをどう活用すべき?「新型コロナがもたらした【新しい生活様式】における消費者のSNS利用実態調査」結果発表
企業アカウントの活用は有用な手段の一つです。
アライドアーキテクツの消費者のSNS利用調査実態調査によれば、消費者のうちおよそ6割程度が企業公式アカウントからの情報収集およびコミュニケーションを実施していきたいと思っているということが分かりました。
加えて、SNSの利用頻度は増えていることもあり、企業SNSから発信される情報を目にする機会も増えるでしょう。そのため、SNS上でコンテンツを発信することで、知名度アップや会社のブランド価値の向上といったメリットが得られます。
このように、SNSの活用は顧客の育成に有用な一つの手段と言えます。
メール
メールを用いた手段も効果的な方法になります。
具体的には以下のような手段が挙げられます。
- 定期的なメールマガジンの送付
- 数日おきにステップメールを配信する
- ペルソナを設定したうえで、セグメントメールを配信する
ステップメールとは一定期間おきに情報を段階的に配信していく手段になります。また、セグメントメールはターゲットの属性(性別、年齢、住所など)を絞り込んだうえで、該当するユーザーにのみ送付数メールです。
上記のような手段を用いてユーザーにとってお得だと感じる情報を配信することで、好感度の向上や、メールが定期的に目に入ることで会社の認知度の維持が可能です。
このように、メールを利用するのも方法の一つになります。
オウンドメディア
オウンドメディアと呼ばれる、自社ブログを中心としたコンテンツの発信も手段の一つとして挙げられます。
具体的には以下のようなメリットが得られます。
- 一度作成したコンテンツは残り続ける(資産として蓄積していく)
- 会社の取り扱う商品やコンテンツに合わせたコンテンツ作成して、見込み顧客にアプローチ可能
ただし、オウンドメディアでリードナーチャリングを成功させるためには、時間や専門知識が必要です。そのため、専門の人材の育成や会社全体で力を入れていく必要があるでしょう。
このように、オウンドメディアを運営してコツコツと情報を発信していくことで、見込み顧客の発掘や宣伝などを実施可能です。
ウェビナー
ウェビナー(Webセミナー)を開催するのも有能な手段の一つになります。
ウェビナーの開催には以下のようなメリットがあります。
- zoomなどのツールを用いて簡単に開催可能
- 遠方から展示会などのイベントに参加できない人たちと関係の構築ができる
- 録画しておいて、いつでも見られるようにしたり再度同じ内容のセミナーを開催できる
加えて、カメラ機能を活用すれば相手の顔を見ながらコミュニケーションを取ることも可能です。
このように、オンラインセミナーの開催を通じて遠方の人に向けて情報を発信していくのも効果的な施策と言えるでしょう。
web広告(リターゲテイング)
web広告を用いて、サイトを途中で離脱してしまった顧客をターゲットにして宣伝するのも方法の一つになります。
リターゲティング広告は、以下のようなメリットがあります。
- 関心の強い相手に向けて、宣伝を行なえる
- ユーザーの頭の中に残りやすい
そのため、他の方法に比べて、購入や契約に近い相手をターゲットに絞り込んで宣伝が可能です。
このように、ターゲットを興味を持ってくれた対象に向けて宣伝ができる手段です。
LINEチャットボットを使ったナーチャリングも
また、最近では「LINEチャットボット」を活用したリードナーチャリングも効果的な手段として挙げられます。
LINEチャットボットとは、LINE公式アカウントと呼ばれる企業の運営しているLINEアカウント内に組み込める機能の一つになります。
チャットボットとは
引用 hachidori(ハチドリ)| プログラミング不要のチャットボット開発
チャットボットとは、チャット(chat)+ロボット(robot)を組み合わせた単語であり、会話する感覚でロボットとやり取りができるサービスを指します。また、LINEにも手軽に導入可能です。
LINE公式アカウントにチャットボットを導入することで、以下のようなことが実現可能です。
- キーワードに反応して自動でユーザーに返信を行なえる(対応の自動化)
- 24時間365日対応可能のFAQサービス
- ゲームや占いなどの遊び機能
このように、自社のブランドを活かしたコンテンツを実装可能です。
加えて、作業の効率化や今まで人件費を割いていた作業の負担を軽減可能なため、会社的にも大きな恩恵を受けられます。
チャットボットを導入するメリットについて、詳細はこちらにまとめられております。
チャットボット導入のメリット・デメリットとは? | HummingBird
また、チャットポットを導入することで以下のようなメリットが得られます。
- 顧客対応の効率向上
- ユーザーの満足度アップ
- ユーザーとの距離を近づけられる
そのため、見込み顧客の育成には非常に効果的であると言えます。
加えて、LINEのユーザー数は2022年6月時点のLINE公式調査結果によると、アクティブユーザー数9200万人と非常に多いため、幅広い層にアプローチ可能なチャンスがあります。
このように、LINEにチャットボットを導入することで、多くのユーザーに自社を知ってもらえるチャンスが得られるだけでなく、ユーザーとの親密な関係の構築が可能です。
まだ活用していない方は、ぜひとも導入を検討してみてはいかがでしょうか。
チャットボットに関して、さらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。