チャットボットの費用対効果の出し方は?費用対効果はどれくらい?導入事例を用いて

チャットボットの費用対効果の出し方は?費用対効果はどれくらい?導入事例を用いて

チャットボットの導入を検討する場合には、「問い合わせ対応」「売上向上」などの目的に対してどの程度の費用対効果が期待できるのかを調べておく必要があります。

この記事では、改めてチャットボットの説明をはじめ、チャットボットの活用方法・導入するメリット・導入に掛かる費用・導入事例・チャットボットの費用対効果・費用対効果を高めるポイントなどについて詳しく説明していきます。

目次

そもそもチャットボットとは

チャットボットとは、「会話(チャット)」と「ロボット(ボット)」を掛け合わせた言葉であり、人間相手ではなくロボットと会話ができる技術やサービスのことをいいます。

公式LINEアカウントにメッセージを送ると自動で返信が返ってきたり、Webサイトを見ていると「吹き出しマーク」と「チャット画面」が出てくることがあると思いますが、そのようなシステムの裏側にチャットボットが導入されています。

問い合わせ対応・マーケティング支援に使用する企業が多く、カスタマーセンターでは顧客から寄せられる質問に回答したり、社内ヘルプデスクでは他部署の従業員からの質問に回答するなどの対応を行えるため、担当者の業務負担が軽減されます。

チャットボットについてさらに詳しく知りたい方は、以下のURLの記事をご覧ください。

チャットボットとは?AIとの違い・種類・選び方など、総まとめHummingbird (humming-bird.info)

 チャットボットの活用方法

チャットボットの活用方法は以下の通りです。

  • コンタクトセンターやカスタマーセンターでの問い合わせ対応を自動化できる。
  • 社内ヘルプデスクに寄せられる他部署の従業員からの質問に自動で回答できる。
  • インターネット上での予約の自動対応ができる。
  • 巨大な施設で案内役として活用できる。
  • チャットボットに寄せられた質問を分析することで、顧客のニーズを把握することができる。
  • ナレッジマネジメントとして活用できる。

 

チャットボットを導入するメリット

チャットボットを導入することで得られるメリットには、「問い合わせ業務に掛かるコスト・業務負担を軽減できる」「24時間365日対応可能になる」「電話以外の問い合わせができるため、気軽に連絡しやすくなる」「会話のデータを蓄積・分析できる」「顧客満足度が向上する」「売上増加が期待できる」の6つのメリットが挙げられます。

問い合わせ業務に掛かるコスト・業務負担を軽減できる

コンタクトセンターやカスタマーセンター、社内ヘルプデスクなどにチャットボットを導入することで、顧客や他部署の従業員から寄せられる質問に対して自動で回答できるため、問い合わせ業務に対応する人件費の削減を行うことができます。

これまでコンタクトセンターなどでは電話対応・メール対応などで人員と工数が必要となりましたが、チャットボットを導入しておくことで、窓口に頻繁に寄せられる「よくある質問」などに対してチャットボットが自動で対応してくれます。

また、今まで電話対応などを行っていた従業員の負担を軽減できますので、本来取り組むべきコア業務に時間を使うことができるようになります。

コンタクトセンターとコールセンターの違いとは 

24時間365日対応可能になる

チャットボットはコールセンターや社内ヘルプデスクと違い、24時間365日いつでも問い合わせを行うことができます。

コールセンターの場合では、顧客が質問をしたいと考えていてもコールセンターが営業していない時間には問い合わせすることができませんし、メールで質問を送っても返信が返ってくるまで待たされることになります。

その間に顧客の購買意欲が低下してしまって、購入に至らないケースも存在します。

社内ヘルプデスクの場合でも、他部署の従業員がすぐに問い合わせしたいと考えても、対応時間外の場合には待たされてしまい、業務が進まずに滞ってしまう可能性があります。

チャットボットであれば、時間に関係なく顧客のタイミングでいつでも問い合わせを行うことができますので、顧客の購買意欲を落とすことなく購入に繋げることができます。

電話以外の問い合わせができるため、気軽に連絡しやすくなる

顧客の中には電話での問い合わせに対して、ハードルが高いと感じてしまう方も一定数いらっしゃいます。

元々電話が好きではない方も居ますし、電話で問い合わせるほどでもないと考えて、購入を断念するケースも考えられます。

チャットボットを導入しておけば、ロボット相手に質問を行うため、電話で問い合わせを行う場合よりも気軽に問い合わせを行うことができます。

実際にチャットボットを導入してから問い合わせ件数が増えた事例なども存在します。

 会話のデータを蓄積・分析できる

チャットボットを運用することで、ユーザーとの会話ログのデータを蓄積することができますので、実際の顧客の生の声をデータとして収集することができます。

ロボット相手のチャット形式だからこそ、問い合わせのハードルが下がり、以前までに集まることのなかった意見も集まりやすくなります。

これらの会話データを元に分析を行い、企業のマーケテイング活動に活かすことができます。

顧客満足度が向上する

問い合せ対応などにチャットボットを活用した場合、最終的な顧客満足度が向上することが分かっています。

電話・メールでの対応時の顧客満足度は60%程度と言われていますが、チャットボットを活用した場合には90%近くまで上がると言われています。

顧客満足度が向上する理由としては、以下の3点が考えられます。

時間・場所に関係なく、すぐに問い合わせができる。

電話・メールと違い、気軽に問い合わせができる。

短文でも質問が可能で、レスポンスが早い。

売上増加が期待できる

ECサイトなどでは実店舗のようにユーザーに対して丁寧な接客を行うことができません。

ネット上での買い物については、説明文や画像だけで商品・サービスの詳細を把握するのが難しい場合も多いため、中々購入に繋がらないケースがあります。

チャットボットを導入しておけば、ユーザーに質問や疑問に対してすぐに回答ができますので、購入の後押しをすることができ、最終的に売上増加を期待できます。

また公式LINEアカウントに導入することで、ユーザーに合った訴求を行うことができますので、ブロックリスクを排除しながら広告効果を最大化させることができます。

 

チャットボットの導入に掛かる費用

チャットボットの導入に掛かる費用には、「初期費用」「ランニングコスト」の2つが挙げられますが、AIを搭載しているかで金額感が変わってきます。

以下で詳しく説明していきます。

 

AIの搭載有無で金額感が変わる

チャットボットはAIの搭載の有無によって金額が異なります。

格安なチャットボットですと、初期費用が0円、月額1万円程度で導入できますが、AI搭載型になりますと初期費用で10万円以上掛かりますし、月額10100万円と高額になる場合もあります。

AIチャットボットとは?シナリオ・ルールベース型との違いも 

初期費用

チャットボットを導入する際には、初期費用が掛かります。

先程も説明しましたが、AIを搭載しているかで金額が異なります。

AI非搭載:05万円程度

AI搭載:1050万円程度

 

ランニングコスト

初期費用の他にもランニングコスト、つまり月額費用が掛かります。

こちらもAIを搭載しているかで金額が異なってきます。

AI非搭載:15万円程度

AI搭載:10100万円

 

チャットボットの導入事例

チャットボットの導入事例について、「問い合わせ対応での導入事例」と「売上向上のための導入事例」の2つを例に挙げて説明していきます。

問い合わせ対応での導入事例

問い合せ対応の導入事例として、株式会社エアトリの事例をご紹介していきます。

エアトリは、オンライン旅行事業を展開している企業です。

チャットボットの導入を検討した理由は、お問い合わせの対応が煩雑になっていたからです。

コールセンターだけでなく、本社にもお客様からの航空券に関する問い合わせが殺到していて、電話対応は逼迫していました。

さらに、自社のコールセンターに寄せられる質問の内容の過半数が「定型的な内容」でした。

そのため、チャットボットの導入によって電話対応の負担を軽減したいと考えました。

hachidori」のチャットボットに決めた理由は、導入コストが安く、導入までのスピードも早かったからです。

その他にも、お問い合わせ対応の自動化だけでなく、チャットでの航空券検索などの販促面でも活用したいと考えていましたが、hachidoriであれば実現できると判断しました。

チャットボットを導入した効果として、業務負担が3割軽減できています。

運用後のチューニングが出来ていない状況で3割の削減ができていますので、今後チューニング行っていけば、業務負担をさらに軽減できると考えています。

事例の詳細はこちら 

売上向上のための導入事例

 

売上向上のための導入事例として、アイペット損害保険株式会社の事例をご紹介します。

アイペット損害保険株式会社は、ペット専門の保険業を展開している企業です。

hachidoriのチャットボットは、契約書類の不備連絡のために通知メッセージ配信をメインに活用しています。

またLINEリッチメニューは、ご契約者様向けのメニューとご検討中の方向けのメニューに切り替えることができるようになっており、ご契約者様にはマイページや優待サイトへの導線、ご検討中に方にはお見積りシナリオや申込ページの導線を表示しています。

他部署と分担・連携しながら設定や配信を行っています。

顧客リストを預かっている部署で書類不備となったリストを抽出して、通知メッセージの配信設定まで行い、不備がないかをダブルチェックしています。

配信後も効果測定を行い、数値・お客様の声をフィードバックして配信内容を改善しています。

通知メッセージと充実のコンテンツにより、ユーザー満足度が向上しているため、公式LINEアカウントの友だちが50代以上の方が多いにも関わらず、月のブロック率は2%に抑えられています。

また、LINEからマイページ流入数も月4,000件を越えており、申込みのCVR14.5%と高い水準を保っています。

事例の詳細はこちら 

チャットボットの費用対効果

チャットボットの費用対効果を検証していきたいと思います。

問い合わせ対応の用途で導入する際には、「問い合わせ対応が1件減ると、どの程度の時間を削減できるか」で割り出すことができます。

売上向上の用途の場合では、チャットボットに掛かる費用と導入後のCVR率・CPAの向上率と比較することで費用対効果を明確にすることができます。

 問い合わせ対応の用途での導入

社内ヘルプデスクにチャットボットを導入した場合の費用対効果を検証していきましょう。

一般的に社員が1つの質問・疑問を解消するのに、30分程度の時間が掛かると言われています。

社員が調べる・問い合わせをする時間:15

担当部署が対応する時間:15

社員の時給が2,000円の場合では、1件の問い合わせに対して1,000円のコストが掛かる計算になります。

チャットボットですと、1件の質問に対して1分以内に解決できるケースが多いため、問い合わせ1件に対して1,000円のコスト削減に繋がります。

 

130件の問い合わせがある企業の場合】

①1ヶ月で約700件程度の問い合わせ対応時間を削減(稼働日24日で計算)

②700×1,000円=70万円のコストを1ヶ月でカット

③1年計算ですと、70万円×12ヶ月=840万円のコストカットが可能

 

現状のコストを把握する

コスト削減を実現するためには、現状のコストを把握する必要があります。

社内ヘルプデスクで掛かっているコストを考える場合、「問い合わせ対応コスト」「問い合わせコスト」「アイドリングコスト」の3つのコスト足して計算する必要があります。

問い合わせ窓口に関係する現状のコストを算出することで、チャットボットの導入費用と比較してどの程度コストカットが可能なのかを把握することができます。

 

売上向上のための導入

(画像引用:BULK HOMME|カンパニーサイト )

チャットボットは売上向上のために導入しても、費用対効果を期待できます。

メンズスキンケア製品の企画・販売を行っている株式会社BULK HOMMEの事例をもとに解説していきます。

導入前の課題としては、インフィード広告全体のパフォーマンスに課題があると考えており、中でもLINE広告を改善しないといけないと感じていました。

チャットボット広告ジールスを使用することで、従来のLINE広告よりもトライアル期間だけでもCPA257%の改善を達成できました。

LINE広告→LINEチャットボット→LPサイト購入」のフローにすることで、ニーズの浅いユーザーに「自分ごと化」してもらうことが可能となり、LPサイトのCVRも向上しました。

チャットボットの導入・運用などのコストを考慮しても、売上向上に繋がっているため、費用対効果があったと判断できます。

 

チャットボットの費用対効果を高めるポイント

チャットボットの費用対効果を高めるポイントには、「導入目的の明確化」「運用体制の構築」「KPIを明確にする」「目的に合わせたチャットボットツールを選ぶ」の4つのポイントが挙げられます。

 

導入目的の明確化

チャットボットで費用対効果を高めるためには、導入目的を明確にしておく必要があります。

導入目的が曖昧なまま導入してしまうと、必要な機能が備わっていないツールを選択してしまう危険性があります。

導入目的の明確化を図り、目的に合ったツールの導入を行うようにしてください。

 

運用体制の構築

チャットボットを導入する場合には、導入準備・運用中の分析などにリソースを割くことのできる運用担当者が必要になります。

運用体制が構築できていないと、チャットボットを導入したとしても、チャットボットの効果・メリットを最大限に活かすことができなくなります。

 

KPIを明確にする

チャットボットを導入する際に設定するKPIには「回答率」「正答率」「解決率」などの種類があり、問い合わせ対応業務の工数削減に繋がる数値をKPIとして設定する必要があります。

KPIを設定し、その都度数値を確認しながら継続的に運用していくことで、チャットボットの効果を最大限に活かすことが可能となります。

チャットボットの導入効果を測るためのKPIとは?成功事例と一緒に

目的に合わせたチャットボットツールを選ぶ

先程、チャットボットの導入目的を明確にしておく必要があると説明しましたが、導入目的が明確になっていますと、その目的に合った機能を搭載しているチャットボットツールを選択できるようになります。

折角、チャットボットを導入しても機能が足りずに目的が達成できない場合、導入・運用のコストが無駄になってしまうので、必ず目的に合わせたチャットボットツールを選択できるようにしましょう。

 チャットボットツールの選び方

チャットボットツールは以下の5項目を確認しておくことで、最適なツールを選択することができます。

  1. 種類
  2. 自社の課題解決・目的達成に必要な機能が搭載されているか
  3. 費用
  4. サポートの有無
  5. 無料トライアルの有無

上記の項目をチェックして、チャットボットツールの選定に失敗しないようにしましょう。

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