業務効率化を目指してチャットボットを導入したものの、業務改善が見られない、利用率が上がらないといった課題を抱える企業も多いのではないでしょうか。
せっかく費用をかけて導入したチャットボット。利用をやめてしまう前に改善できる方法はあります。
ここでは、導入したチャットボットの成果が出ない時の改善方法について、課題の見直しと具体的な解決方法、回答精度を上げるための方法まで、詳しくご紹介していきます。
チャットボットは前提として継続的な改善が必須
チャットボットを導入すると、日々繰り返される質問に対応していくために、質問内容や現状の回答内容、離脱率などをモニタリングし、ブラッシュアップしていかなければなりません。
チャットボットでは毎回の質問と回答のログが残ります。
それらを分析し、定期的な更新を続けていきましょう。
これを繰り返していくことで、回答精度の高いチャットボットの運用が可能になります。
KPIにすべき正答率
業績に関わる最終目的までの中間目標であるKPI。
その一つとして、「正答率」の指標が挙げられます。
正答率とは、簡単に言うと「ユーザーの質問に回答し、その回答がユーザーの課題を解決できた件数の割合」のことを指します。
チャットボット終了時の「この情報は役に立てましたか?」という質問を見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。
「はい」の回答数は正答率の算出に役立ちます。
正答率の目安
導入してすぐは、チャットボットも学習期間となるので、正答率は低くなります。
まずは正答率60%程度を目指していきましょう。
3ヶ月ほど運用して、定期的にブラッシュアップを重ね、正答率80%程度を維持できると、チャットボット導入による効果を期待できます。
なぜ100%ではないのでしょうか。
正答率100%を目指すには、とても大きなコストと労力がかかります。
専門的に限られた範囲をチャットボットに任せる場合は100%を目指してもいいかもしれません。
ですがそうではない場合、一つの質問に対してブラッシュアップし続けると、回答できる質問数(分母)が減り、チャットボットが対応できる範囲も狭くなり、結果的にプラスの効果が得られなくなってしまいます。
なぜ?チャットボットの成果が出ない原因
チャットボットを導入した後、そのまま何もしていない、ということはありませんか?
チャットボットの成果が出ない原因として、チャットボットの回答精度が低い、導入時の準備不足が考えられます。
導入前に試験的に運用し、ある程度の質問に対する回答を準備するために、ユーザーの声をヒアリングして、回答の幅を広げておくと良いでしょう。
ユーザーからの質問は毎度異なり、想定外のものも多く出てきます。
質問内容の違いもありますが、同じ質問でユーザーの質問の仕方が異なる場合でも、それに対応したストーリーを設定しておかなければ回答には辿り着けません。
また、回答内容も「お答えできません」で終わってしまうと、ユーザーは途中で離脱してしまい、次回以降の利用を躊躇してしまう可能性があります。
では、どうすれば回答精度を上げることができるのでしょうか。
以下、成果改善で見るべきポイントを具体的にご紹介していきます。
チャットボットの成果改善で見るべきポイント
チャットボットの成果改善として、回答精度を上げるためにチェックすべきポイントはこちらです。
- 有人チャットとの併用も視野に入れる
- 回答範囲を制限する
- 利用されやすいチャットボットへの動線になっているか
- チャットボットが回答できなかった場合の動線
- 専任担当の有無
- チャットボットの離脱率
それでは詳しく見ていきましょう。
有人チャットとの併用も視野に入れる
画像引用元:hachidoriの機能・サービス
有人チャットとは、チャットの相手がボットではなく人であり、オペレーターがチャットを通じてユーザーとやりとりを行うものです。
ある程度の質問まではチャットボットで解決してもらい、より専門的かつ複雑な質問であれば、そこから有人チャットに切り替えるという手法も有効的です。
さらにこの有人チャットへの切り替えは、その後のチャットボットの回答精度を上げるための重要な情報として有効に活用できます。
例えば、どのような質問で有人チャットが必要なのか、チャットボットの質問の分岐点になるのはどこのポイントかなどを知ることができます。
回答範囲を制限する
チャットボットの回答できる範囲を制限し、「このチャットボットは〇〇についての専門チャットボットです」と、前提としてユーザーに明示しておくことも一つの手です。
明示しておけばユーザー側もどこに問い合わせをすればいいのかが分かりやすくなります。
専門となっているもの以外の質問に関しては、有人チャットや窓口を案内されていると、ユーザーの手間もかからず、企業側も用意する人員の判断がしやすくなります。
利用されやすいチャットボットへの動線になっているか
そもそもチャットボットがどこにあるのかが分からなければ、利用されることはありません。
ウェブサイトを開いたときに、ページの端にチャットボットのアイコンがあるのを見かけたことはありませんか?
「お困りの方はこちら」というような案内があれば、どのページからもチャットボットへ誘導できます。
※チャットボットの設置場所について詳しくはこちら
チャットボットが回答できなかった場合の動線
先にも述べていますが、チャットボットで回答できない質問に対し「お答えできません」だけでは、ユーザーは離脱してしまいます。
チャットボットでの回答が難しい場合、「これから学習し回答できるようにします」などの前向きな返答と合わせて、有人チャットへの切り替えやコールセンターへの誘導など、ユーザーの問題解決への動線をしっかり作り込みましょう。
専任担当の有無
チャットボットを運用するには、回答精度を上げるため、回答内容を定期的にブラッシュアップする必要があります。
これができなければ回答精度は上がりません。
日々の業務と兼任して行うと、アップデートが滞ってしまうため、選任の担当者を置くことをおすすめします。
ただし1人に決めてしまうと属人化してしまうため、担当者の退職などで管理ができなくなってしまうので、必ず複数人でノウハウを共有して担当するようにしましょう。
チャットボットの離脱率
チャットボットの離脱率とは、回答に辿り着く前にチャットボットが中断されてしまう割合のことです。
なぜ離脱されてしまうのでしょうか。
原因として、「欲しい情報が得られなかった」「回答内容が理解できなかった」というような理由が考えられます。
対策として、チャットボットにはログが残るので、回答のどの部分で離脱したかなど細かく分析していきましょう。
内容によって、説明をわかりやすく書き換えたり、図や表を使って説明するなどの工夫をするとなお良いですね。
まとめ
チャットボットを導入した後、なかなか成果が見られないとお困りの場合、上記のようなことに留意して、改善を試みてみましょう。
それでも回答精度が上がらず、結果が見られない場合には、チャットボットの提供企業を見直す必要性もあるかもしれません。
モニタリングとブラッシュアップは、チャットボットの運営に必要不可欠です。
hachidoriでは、成果改善を含めた企業に寄り添ったチャットボットの提供が可能です。
ぜひ、この記事を参考にして、まずは成果改善方法を試してみてくださいね。