チャットボットの導入準備は何が必要?導入手順や作成のポイントを解説

チャットボットの導入準備は何が必要?導入手順や作成のポイントを解説

最近、AI(人工知能)やディープラーニング(深層学習)などが急速に進化し、大企業からスタートアップ企業まで多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメション)に注力しています。その中で、チャットボットは様々なビジネスシーンで利用できることから注目されています。

チャットボットはECサイトの問い合わせサポートに利用されたり、宅配便の配送日の変更をチャットボットが代替して手続きをしたり、あらゆる場面で活躍しています。これからチャットボットを導入を検討する企業も増加する傾向です。しかし、チャットボットを導入するために企業がどのような準備をしなければいけないか分からない方も多いため、チャットボットを導入するに至らない企業も数多くいるのです。

この記事では、これからチャットボットを導入する方向けに、チャットボットを導入するために準備しておくべきことやチャットボットを作成するポイントを詳しく解説していきます。

目次

チャットボットとは

チャットボットとは、一言でいうと、ユーザーと会話を行うアプリケーションです。会話は短い内容のやり取りで行われ、まるで人間の振る舞いをするかのような形で作られています。

チャットボットはECサイトのWebサイトにある問い合わせページやメッセージングアプリなど、あらゆる場面で使われているのです。コロナ禍でテレワークやオンライン会議などが進むなか、チャットボットを導入する企業や利用シーンが増えつつあります。

チャットボット導入の効果やメリット

チャットボットを導入することで得られる効果やメリットは以下の3つが挙げられます。

  1. ユーザーからの問い合わせやFAQ対応の工数削減
  2. 従業員からの社内システムの使い方や社内の稟議•承認フローなどの業務の簡略化
  3. インサイドセールスとしてのマーケティング活動の自動化

ユーザーからの問い合わせやFAQ対応の工数削減

ECサイトでユーザーが商品を購入する際にメールや電話での問い合わせが多々あります。カスタマーサポートの担当者が問い合わせを1件ずつ対応すると、問い合わせ対応業務に集中しなければなりません。チャットボットにユーザーからのよくある問い合わせやFAQを事前に回答を実装しておくことで、チャットボットがいつでもユーザーからの問い合わせに対応ができます。

チャットボットがカスタマーサポートの役割を担うことで、ユーザーからの問い合わせやFAQ対応の工数削減を実現できるのです。

従業員からの社内システムの使い方や社内の稟議・承認フローなどの業務簡略化

チャットボットは社外だけでなく、社内で業務システムと連携している企業も増加しています。例えば、社内システムの操作方法や社内で申請や手続きをする際に、チャットボットを従業員からのヘルプデスクとして利用されるケースです。

また、社内稟議の承認や不備があったときの差し戻しをチャットボットを経由して行う企業も増えつつあります。チャットボットを導入してヘルプデスクやオンライン手続きによって業務の簡略化を図るなど、チャットボットは幅広い場面で活躍しています。

インサイドセールスとしてのマーケティング活動の自動化

最近では、チャットボット側が目的を持たせてリード顧客に話しかけるマーケティングが行われています。例えば、チャットボットがオンラインショップの店員として、自主的にセールスを行います。時間的にも件数的にも人間にとって難しい対応もチャットボットであれば業務を行うことが可能なのです。

24時間365日いつでもチャットボットがWeb上でインサイドセールスとして、マーケティングを自動で行えることが実現できます。

チャットボット導入の全体像

チャットボットを導入するにあたって、全体像を知ることが必要です。チャットボットを導入する手順の全体像はこちらです。

  1. 導入目的・KPIの明確化
  2. チャットボットに求める機能の洗い出し
  3. チャットボットの設置場所の選定
  4. チャットボットツールの比較
  5. チャットボットのシナリオ構築
  6. チャットボットの導入

それでは、1つずつ解説していきます。

導入目的・KPIの明確化

チャットボットを導入する目的によって仕様が大きく変わります。例えば、カスタマーサポート対応のチャットボットの場合、「質問に回答する」といった目的を達成するための仕様になります。一方、雑談を目的としたチャットボットであれば、ユーザーの話を聞くことを目的とした仕様になります。

導入目的によってチャットボットの仕様が異なるので、チャットボットで課題をどのように解決していきたいのか明確にすることが大切です。KPIを明確化することでチャットボットを導入して失敗を未然に防げます。導入目的がズレてしまうと、機能の洗い出し方法もズレてしまいます。チャットボットに関する情報収集をした上で、導入目的を明確にすることが大事になります。

チャットボットに求める機能の洗い出し

チャットボットを導入することは決まったものの、「チャットボットにどのようなメッセージをユーザーに送信するのか」などの仕様を決めなければなりません。

チャットボットに求める機能の洗い出しをするためには、「チャットボットをどのシステムと連携してどのタイミングでメッセージを送信するか」などの業務フローを作成することをおすすめします。業務フローを作成することで、業務の全体を把握することができます。チャットボットの機能を洗い出すことに役立ち、漏れやダブりを未然に防げます。

導入目的を明確にしなければ、チャットボットに必要な機能を洗い出すときに、時間が大幅にかかるので導入目的をきちんと固めてから始めるのをおすすめします。

プラットフォームもしっかり検討しよう

AWSやMicrosoft Azureなどのクラウドによるプラットフォームを利用する企業も増えてきました。チャットボットを導入することをきっかけに、プラットフォームを慎重に選ぶことが重要です。

プラットフォームによってコストやできる範囲が限定されるケースがあるので、プラットフォーム先のホームページで事前に確認することが大切です。

チャットボットの設置場所の選定

機能を洗い出した後は、チャットボットをどこに設置するかを選定するフェーズに移ります。多くの企業ではECサイトなどのWebサイトにチャットボットを設置しています。

最近ではメッセンジャーアプリにチャットボットを設置する企業も増えてきました。LINEアプリのLINEボットを利用してユーザーからの問い合わせ対応や時間を指定してメッセージを送るなど、さまざまな場面で使われているのです。

LINEだけでなく、SlackやMicrosoft Teamsのチャットアプリと外部連携で業務システムと組み合わせてチャットボットを使用する事例も増加しつつあります。重要なことは企業が利用しているアプリやチャットツールによって外部連携できるか否かです。

導入目的を明確化するフェーズでチャットボットをどこに設置するのかを事前に決めておくことが大切なポイントになります。

チャットボットツールの比較

チャットボールツールを導入する前にそれぞれのツールを比較することが重要です。チャットボットツールを比較する際は以下の2点を注意する必要があります。

  • 自社に合った導入事例をピックアップする
  • 予算と納期などの条件を満たしたツールかどうか検討する

チャットボットツールを導入に失敗するケースで多いのは、情報収集をおろそかにして人気のチャットボットツールを選んでしまうことです。人気のチャットボットツールを選んでしまうことは悪いことではありませんが、自社に必要な機能がツールになく失敗に至る場合もあるのです。

また、高額なチャットボットツールであれば機能も豊富ですが、必要最低限の機能で十分であれば、低価格の予算に抑えることも可能です。予算とチャットボットを導入する納期をしっかり把握しておくことをおすすめします。

チャットボットのシナリオ構築

チャットボットを導入する上で一番大切なフェーズはシナリオ構築です。導入目的を明確化のフェーズに考えたシナリオが、いざ導入してシナリオを構築する際に想定していたこととかけ離れてしまうと、チャットボットの導入が失敗に終わってしまいます。

例えば、FAQ対応の目的でチャットボットを導入する場合であれば、ユーザーの悩みを解決に導くために、チャットボットからいくつかの選択肢を提示して問題の回答にたどり着くように誘導しなければなりません。

シナリオ構築を完璧にしなければならないわけではありませんが、事前に業務フローを作成した上でチャットボットにどう動いてほしいのかを検討する必要があります。もし、シナリオ構築を作成することが不安な方はベンダーに依頼することをおすすめします。

チャットボットの導入

チャットボットを導入して終わりではありません。以下の準備をする必要があります。

  • チャットボットの作り方
  • 併せて専任担当の準備も

チャットボットの作り方

チャットボットツールは直感的に作成できるシンプルなツールが増えてきました。ITツールに抵抗がある方はメーカーの操作マニュアルを見ながら作ることをおすすめします。ベンダーの操作レクチャーがプランに含まれているのであれば、事前に操作マニュアルに目を通した上で質問をしたほうがチャットボットを作成する工数を削減することに繋がります。

併せて専任担当の準備も

チャットボットツールを運用・メンテナンスを行う専任担当者を決めておく必要があります。専任担当者を決めておくことで、トラブルがあった際にも誰がトラブルを対処するのかといった手間がかかりません。余裕があれば、専任担当者が自社の業務フローやマニュアルを作成することも属人化を避けることができるのでやっておいたほうがいいですよ。

チャットボット導入までの期間

チャットボットツールにもよりますが、最短だと登録してからすぐに利用できるツールもあります。自社で一からチャットボットを作成する場合は遅くても数週間の導入期間を見ておけば問題ありません。

ベンダーに依頼する場合は数ヶ月程度を想定しておいたほうがベストです。チャットボットツールを導入する段階で準備することやトラブルが起こることも見込んで、余裕を持って導入期間を設定することをおすすめします。

チャットボット導入後の改善が必須

チャットボットを導入してからが本番です。導入後、あまり導入効果が出ていないようであれば改善する必要があります。チャットボットをどう活かしきれていないかをピックアップした上でPDCAを回すことが大切です。

PDCAを回して試行錯誤を繰り返した結果、チャットボットを導入して効果が出た企業もたくさんあります。効果が出ていないことで挫折せずに、ぜひアイデアや施策を試しながらチャットボットを導入して効果を出してくださいね。

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