チャットボットの利用率を低いままにしておくと、チャットボットのメリットを受けることができず、費用対効果を期待できません。
そのため、利用率を向上させるためにチューニングを行う必要があります。
この記事では、改めてチャットボットの説明をはじめ、チャットボットのチューニングが必要な理由・チャットボットの利用率を向上させる方法や活用事例などを詳しく説明していきます。
チャットボットとは
チャットボットとは、「会話(チャット)」と「ロボット(ボット)」を掛け合わせた言葉であり、人間相手ではなくロボットと会話ができる技術やサービスのことをいいます。
公式LINEアカウントにメッセージを送ると自動で返信が返ってきたり、Webサイトを見ていると「吹き出しマーク」と「チャット画面」が出てくることがあると思いますが、そのようなシステムの裏側にチャットボットが導入されています。
チャットボットについてさらに詳しく知りたい方は、以下のURLの記事をご覧ください。
チャットボットとは?AIとの違い・種類・選び方など、総まとめHummingbird (humming-bird.info)
チャットボットの利用率が低いとチャットボットのメリットが得られない
運用が上手くいけば、様々なメリットのあるチャットボットですが、利用率が低い状況ですとチャットボットのメリットを得ることができません。
それだけでなく、以下のデメリットが発生します。
①カスタマーセンターなど、顧客からの問い合わせ窓口の業務負担を減らすことができない。
②社内ヘルプデスクの業務効率化が図れない。
③顧客のニーズ分析を行えない。
基本的にチャットボットツールはランニングコストや運用担当者の人件費が常に発生しますので、効果が出せないと費用対効果を得られなくなります。
また、チャットボットを使用して頂けないと「ユーザーに必要なFAQが設定できているのか」「登録した回答がユーザーの役に立っているのか」を確認することができなくなります。
前提としてチャットボットにはチューニングが必須
導入前に必ず把握して頂きたいのですが、チャットボットは前提としてチューニングが必須になります。
チューニングが必須になる理由には、以下の2つの理由があります。
①ユーザーに対して適切な回答を行うため
②ユーザーの離脱を防ぐため
この二つの理由はチャットボットを運用する上で非常に重要な項目となりますので、チャットボットの運用を成功させたいと考えている企業は必ずチューニングを怠らないようにしてください。
チャットボットのチューニングについてさらに詳しく知りたい方は、以下のURLの記事をご覧ください。
チャットボットの運用にはチューニングが重要!ポイントや背景を解説 | Hummingbird (humming-bird.info)
チャットボットの利用率を向上させる方法
チャットボットの利用率を向上させる方法には、「チャットボットができることを伝える」「回答精度のチューニング」「答えられいないQAの拡充」「有人チャット等でハイブリッドに運用する」「ユーザーの目に触れやすい場所に設置する」「選択肢や入力例の用意」などの6つの方法があります。
以下で詳しく説明していきます。
チャットボットができることを伝える
導入する側・運用する側の担当者や企業がチャットボットがどんなツールなのかを把握していたとしても、利用者・ユーザーがチャットボットで何ができるのかを把握していない場合が多いといえるでしょう。
例えば、「下のテキストボックスに質問を記入して頂きましたら、自動的に回答を提示いたします」といった内容を表示しておくと、スムーズに利用して頂けるようになります。
回答精度のチューニング
ユーザーがチャットボットを利用してみて、必要な回答を得られるツールだと思って頂けると次回からも利用して頂けます。
しかし、回答数にこだわり過ぎて回答精度が下がっている場合ですと、利用者にとっては使いにくいツールとなってしまいます。
初めのうちは問い合わせの多い質問から用意していきましょう。
ユーザーから寄せられる質問の中でも、問い合わせの多い質問・ジャンルのものから順に拡充していきましょう。
また、専門用語が多すぎてユーザーが理解しにくい内容になっていないか、誤解を発生させる内容になっていないかなども確認しておいてください。
上記の内容に注意しながら回答精度のチューニングを行っていきましょう。
答えられいないQAの拡充
導入当初に利用率が高かったチャットボットが徐々に利用率が下がってしまった場合、ユーザーが求めているQAが不足している可能性があります。
チャットボットに質問しても情報が得られない場合、「次も利用しよう」とは考えてもらえません。
社内チャットボットの場合でも同じで、欲しい情報が得られないと「最初から担当者へ聞いた方が早い」と判断されてしまい、社内ヘルプデスクへの問い合わせ件数は削減できません。
チャットボットの多くには分析機能がついており、「回答できなかった質問」を集計することが可能です。
それらの情報を元にして、ユーザーが求めるQAを追加していきましょう。
有人チャット等でハイブリッドに運用する
チャットボットの利用率が向上しない原因の一つに、ユーザーが「チャットボットの利用では疑問は解決できない」と考えている方が一定数いらっしゃるからだと考えられます。
対策として、チャットボットから有人チャットに切り替えることのできる「ハイブリッド」で運用すると良いでしょう。
チャットボットの種類によっては、チャットボットから有人チャットに切り替えることのできる「ハイブリッド型」と呼ばれるチャットボットツールも存在します。
ユーザーの目に触れやすい場所に設置する
チャットボットは導入目的に合った場所に設置しておかないと、ユーザーが必要なタイミングで利用して頂けなくなります。
例を挙げますと、自社サービス全般に関する消費者の疑問を解決したい場合→Webサイトのトップページに設置。
購入手続きに関する疑問を解決したい場合→カートページに設置。
ユーザーの目的に合わせて「目に触れやすい場所」に設置したとしても、チャットボットの存在を知って頂かないと利用してもらえません。
ユーザーの目につきやすいデザインや配色にしておく方法や、サイト内の「よくある質問ページ」や「問い合わせページ」を開くと自動でチャットボットが起動する設定をしておく方法などがあります。
選択肢や入力例の用意
起動数が多いのに利用率が低くなっている場合、ユーザーがどのように質問すればいいのかが分からないため、離脱している可能性が考えられます。
このような場合では、ユーザーが離脱する前に「質問をできるようなサポート」を行うことで利用率は向上します。
例を挙げますと、「〇〇にお困りの方はこちら」と選択肢を提示したり、「配送料はいくらか?」「支払い方法は?」といった入力例を掲示しておくことで、ユーザーの離脱を防ぐことができます。
チャットボットが利用された事例
チャットボットの利用事例についてご紹介していきます。
今回は「神戸市」と「わかさ生活」で利用された事例です。
以下で詳しく説明していきます。
神戸市
神戸市がチャットボットの導入を決めた理由は、以下の2つの理由が挙げられます。
①時間と場所を選ばずにスマホで健診の内容を確認することができれば市民サービスにつながるため。
②それにより電話での問い合わせ件数が減ることで担当部署の業務が効率化できるため。
導入前は平均で1時間に3~4件の電話が入り、誰かが対応に追われていました。
いくつかのベンダーの中から「hachidori」を導入しましたが、以下の3つの理由でhachidoriに決められました。
理由①初期費用・月額利用料が他社より安いため。
理由②月額の利用料が固定されているため。
理由③自治体・大学への導入実績があるため。
チャットボットを導入して、電話での担当者に代わって「年齢」「健診内容」「受診券の有無」など簡単な質問を行い、当該する健診に関する手続きの案内や回答を行っています。
チャットボットを導入した結果ですが、1時間に3~4件掛かってきていた問い合わせの電話を2~3時間に1件にまで削減でき、電話が混雑して発生していたクレームを大幅に削減できました。
担当者の負担も軽減され、新しい事業の提案などのコア業務に取り組めるようになりました。
わかさ生活
わかさ生活は、サプリメントおよび化粧品等の商品企画・研究開発・販売を行っている企業です。
元々、公式LINEアカウントの運用や定期的なお客様への情報配信を行っていましたが、アカウントの活用目的・お客様のメリットが不明確という課題を抱えていました。
わかさ生活としては、公式LINEアカウントを「お客様の悩みを解決し、縁を深めるためのツール」として活用したいと考え、チャットボットの導入を決めました。
いくつかのベンダーの中から「hachidori」に決めましたが、一番の決め手になったのは「コストの低さ」です。
さらにわかさ生活からの修正対応を柔軟に聞き入れて頂けた点も魅力ですし、導入前から導入目的の達成のために親身になって相談に乗ってくれたのもhachidoriの魅力だと考えています。
実際の活用事例ですが、シナリオを用いてLINEのリッチメニューをWebコンテンツのように見せることで、毎月新しい情報を発信しています。
また、健康上のご相談の対応をチャットボットのよくある質問と有人オペレーターにより対応しています。
hachidoriを導入した結果としては、リッチメニューのタップ数は約1.3倍、リッチメニューからの売上は約2倍になりました。