チャットボットの使用で、生産性が向上することによって、働き方改革を進めることができます。
この記事では、チャットボットとは何か、どのように働き方改革に貢献するのかなどを実際の事例を交えて解説していきます。
働き方改革とは
働き方改革とは、働く人々がそれぞれにとって適切な働き方を選択できるようにする措置のことです。働き方改革をすることで、長時間労働などがなくなり、適切なワークライフバランスが実現可能です。
また、企業内における正規雇用、非正規雇用間の不平等を是正することで、労働者が不当な扱いをされることを防ぐこともできます。
働き方改革で魅力的な職場を作り出すことによって、人材確保がしやすくなります。それが業績の向上につながり、結果的に企業の利益を増加させる、という好循環を作り出すことも可能です。
働き方改革が推進される理由
働き方改革が進められる最も大きな理由として挙げられるものが、労働力不足。
内閣府によると、労働力になりやすい生産年齢人口（15～64歳）は減少傾向にあり、現在2023年時点では約7400万人とされているものが、2065年には約4500万人まで減少するとされています。
労働力の不足を改善するうえで、出生率を高める、生産性を向上させることが重要です。
働き方改革によって、長時間労働が改善し、出産・育児の余裕ができます。それが結果として出生率の上昇につながるわけです。また、働き方改革による労働環境の改善により、労働者のモチベーションが上がることで、生産性の向上も期待できます。
働き方改革の企業の現状
働き方改革の重要性を解説しましたが、企業内で改革をうまく進めることができないという側面があるのが現実です。長時間労働の減少は実践できている企業は多いですが、業務の生産性を高めることを困難に感じている企業が多い傾向があります。
生産性を高めることが難しい要因は、すでに作られた業務体系を新しい形に変化させることが困難である点です。長期的にみて生産性を高めるものであっても、変化を起こした直後は混乱が生じる可能性もあり、一時的な生産性の低下も考えられます。
そのため、業務体系の変化をスムーズにすることが大切です。すでに生産性の向上に成功した事例を見て、どのように変化を起こしたのかを分析することで、効率の良い方法を選択することができます。
チャットボットで働き方改革を推進
働き方改革には生産性の向上が重要であると書きましたが、チャットボットを使用することによって、生産性の向上させることが可能です。
チャットボットは問い合わせなどに対応することができ、人間がしなければならない労働量を減少させることができます。つまり、労働量が減るということになるため、その分ほかの業務を進めることに注力でき、生産性の向上につながるという結果につながります。
そもそもチャットボットとは
チャットボットとは、「チャット」と「ロボット」を組み合わせた言葉で、ロボットとかいわすることができるプログラムのことを言います。チャットで機械とやり取りできるということが最も大きな特徴です。チャットボットは大きくシナリオ型、AI型の2種類に分類可能です。
チャットボットとは？AIとの違い・種類・選び方など、総まとめ
シナリオ型チャットボット
シナリオ型のチャットボットは、事前に作成されたシナリオに沿って、ロボットが回答をします。いくつかの選択肢をチャットボットがユーザーに提示し、どれをユーザーが選択したかによって、枝分かれした回答を用意するというしくみ。
シナリオ型のメリットとしては、導入費用が安価である点が挙げられます。最初からシナリオを作っておけばよいので、AI型と比べて安価で、導入しやすい点が魅力的です。
デメリットとしては多様な質問に対して答えることが難しいという点が挙げられます。最初からシナリオを作成しておくため、イレギュラーな質問をされても対応することができず、柔軟さに欠けるというところが懸念点です。
AI型チャットボット
AI型チャットボットは、その名の通りAIが搭載されているチャットボットで、質問の意味や文脈を判断して回答を返すという特徴があります。そのため、シナリオ型と比べて、複雑な質問にも対応することが可能で、より柔軟な対応が可能です。
AIチャットボットのメリットには柔軟性が高い点が挙げられますが、デメリットとしては費用が高い、学習のための良質なデータを必要とすることが挙げられます。
AIを搭載しているため、費用が高くなる傾向にあります。また、AIに学習させるためのデータが必要となり、かつそのデータは良質なものである必要があります。AIは良くも悪くもデータから学習するため、不適切なデータを与えられると期待した働きをしてくれません。
適切に機能しているかどうかのメンテナンスを行う必要があるという点も考慮しておく必要があります。
チャットボットが働き方改革に有効な理由
チャットボットは人間の仕事を代わりに行ってくれるツールとして機能。つまり、働き方改革に有効であるといえるわけです。
チャットボットが人の代わりに行うものは多岐にわたり、多くのことを代行可能です。代表的なものを以下で取り上げていきます。
バックオフィスの工数削減が出来る
人事、経理などのバックオフィスには、何度も同じ内容の問い合わせがある場合があります。そのような場合にチャットボットを利用することで、バックオフィスで働く人々の余計な手間が減り、生産性の向上につながります。
問い合わせ窓口の対応を代替
問い合わせ窓口では、担当者が不在の場合など、必ずしも迅速な対応が可能ではありません。チャットボットの利用により、24時間365日対応可能で、担当者が時間をとられることもなくなり、別のタスクに労力を割くことができます。
マニュアルの代わりになる
社内のマニュアルとしてもチャットボットは活用できます。FAQのような情報を検索する必要があるものの場合、求めている情報を探すのに時間がかかりかねません。しかし、チャットボットは質問に対して回答するため、求めている情報にすぐにアクセス可能です。つまり、時間短縮につながり、生産性を上げることができます。
社内のさまざまなツールとの連携
チャットボットは、質問に対して回答を返すというのが基本的な使い方ですが、それを利用することで、社内のさまざまなツールとの連携が可能です。チャットツールなどとの連携することで業務を効率化し、生産性を高めることが可能です。
チャットツールと連携することで、勤怠管理を自動化するなど、人間の力に頼ることが減り、業務の効率化に繋がります。それが結果として、働き方改革になるというわけです。
社内で改善を繰り返すことが出来る
チャットボットは社内で改善をすることが可能で、より精度の高い回答を得ることが出来るようになります。
チャットボットの改善を繰り返すことができると、今まで適切な回答を返すことができなかった質問に対して適切な対処をできるようになります。
その結果より多くの質問に答えることができ、生産性が上がります。
つまり、社内でチャットボットの改善をすることは、業務の効率化につながるといえます。
チャットボットで働き方改革をする方法
働き方改革をするにあたって、生産性の向上や、業務の効率化などの点で困っている企業が多いというのが現状です。チャットボットはさまざまな方法で生産性を上げることができます。
また、新型コロナを機にリモートワークを導入したのはいいものの、生産性が上がらず困っている企業もあるかもしれません。チャットボットはリモートワークを効率化するのにも役立ちます。チャットボットを使ったリモートワークについて詳しく知りたい方は以下のURLを参考にしてください。
チャットボットでリモートワークの効率化！導入メリットから注意点まで
ここからはチャットボットで働き方改革を進める方法を紹介します。
社員の問い合わせへの対応速度UP
社内で社員から問い合わせがあった場合、担当者が常駐しているケースばかりではありません。チャットボットを導入することで、24時間常に問い合わせに対応することが可能となり、待ち時間も減少するので、問題解決するまでの時間短縮につながります。
ヘルプデスクの効率化、生産性UP
上記のように、問い合わせに対する反応速度を高める以外にも、チャットボットは業務の効率化が可能です。
例えば、ヘルプデスクには何度も同じ内容の質問が寄せされる場合がありますが、その対応をチャットボットで代用することができます。また、ロボットが相手であれば、何度でも質問がしやすくヘルプデスクを使用する側の業務効率化も可能です。
チャットボットで働き方改革をした事例
実際にチャットボットで働き方改革を成功させた事例を見ることによって、自社でどのようにチャットボットを利用するかをイメージしやすくなります。
神戸市
神戸市では、検診の問い合わせ対応を効率化するため、チャットボットを導入しました。その結果、導入以前は1時間に3，4件の電話対応をしなければならなかったものが、2，3時間に1件ほどまで減少しました。
神戸市の働き方改革の事例は、チャットボットに問い合わせ対応をさせることによって、大幅に業務の効率化が図れた良い例と言えるでしょう。神戸市の改革について詳細を知りたい方は以下のURLをご参考ください。
https://casestudy.hachidori.io/hyogo-kobe
古野電気
古野電機は、経費精算システムを導入する際にチャットボットを利用し、業務を効率化しました。社内に新しいシステムを導入した際、社員はシステムの操作や手順に慣れていないため、それらに関する問い合わせが増えることが予想されます。
増えることが予想される問い合わせに対して、チャットボットを使用することによって本来生まれていたはずの余計な業務を減らすことができた事例です。
チャットボットで働き方改革を成功させるポイント
チャットボットは非常に便利なツールではありますが、やみくもに使用しても働き方改革に役立てることはできません。導入にあたって、意識すべきポイントを紹介します。
導入目的の明確化
働き方改革を成功させるには、チャットボットを導入して、どのような業務を効率化するのかを明確にする必要があります。チャットボットにもさまざまな種類があり、効率化させたい業務によってどのチャットボットが適切なのかを選択することが大切です。導入目的の明確化によって、最適なものを選ぶことが可能です。
利用してもらえるように工夫、改善をする
チャットボットを導入したとしても、それが利用してらえなければ業務の効率化につながりません。チャットボットの回答の精度を高めるため、定期的にチューニングをしたり、UIの改善をしたりなどの工夫が重要です。
使いやすいチャットボットにすることを心がけることで、使用率が高まり、結果的に生産性の向上につながります。
使いやすいツールの導入
チャットボットの利用率を高めるには、使いやすいツールを導入することが大切です。使いやすいものを使用できるようになれば、社内にチャットボットが普及し、より広い範囲の業務を効率化することができます。