近年、webサイト上でよく見かけるチャットボット。
業務の効率化や接客の幅を広げるために、チャットボットの導入を検討している企業も多いのではないでしょうか。
webサイト上にチャットボットが設置してあると、気軽に質問ができるという点でユーザーから安心感と信頼感を得られ、webサイトからの離脱を防ぐことができます。
今回は、webチャットボットの効果的な設置場所と、利用率を上げるためにできることについて、事例も含めて説明していきます。
webチャットボットとは?
出典元:トヨタ お問い合わせ・よくあるご質問 – TOYOTA
そもそも、チャットボットとはどのようなものなのでしょうか。
チャットボットとは、「チャット(会話)」と「ボット(ロボット)」を組み合わせた言葉で、質問や疑問にチャット形式で自動的に答えてくれるツールのことです。
予想される質問に対し、あらかじめ決めておいた返答やメッセージのうち適切なものを自動で送信してくれます。
チャットボットの中でも、webサイト上に設置してあるものをwebチャットボットといいます。
webサイトに訪問したユーザーが、チャット内にサイトの使い方や商品、サービスなどについて質問すると、リアルタイムで回答が得られるようになっています。
問い合わせといえば、コールセンターやお問い合わせフォーム、FAQでの回答が主流でしたが、営業時間内でしか対応できなかったり、検索に手間がかかったりして、回答を得られるまでに時間がかかる場合が多くあります。
webチャットボットを導入することで、24時間年中無休で問い合わせに対応することが可能になり、回答も即時で得られるようになります。
さらにはカスタマーサポートやコールセンターの業務負担軽減やCVRの向上が期待できます。
得られる効果については後ほど詳しく説明していきます。
web以外のチャットボットの設置場所
webサイトで見かけるイメージがあるチャットボットですが、実は他にも色々な場面で設置してあります。
以下、webサイト以外のチャットボットの設置場所とそのメリット・デメリットについて説明していきます。
設置場所①SNS
LINEトーク画面やTwitterや facebookのチャットツール上に設置してあり、質問をメッセージで送るとすぐに返答がありますよね。
この手軽さはメリットとしても挙げられます。
逆にデメリットとしては、手軽に質問はできるが回答内容が不十分だと満足度が下がり、ユーザーが多く知名度が高い分、マイナスイメージにつながりやすいという点が挙げられます。
またチャットボットを導入するために、公開されたAPIとの連携が必要ですが、これがうまくいかない可能性がある、ということも懸念されます。
設置場所②社内チャットツール
Microsoft Teams、LINE WORKS、kintone、SharePointなど、社内コミュニケーションツールとして使われているものでもチャットボットは導入されています。
社員から寄せられる問い合わせも無視できない数になってくると対応がとても難しくなります。
チャットボットがあれば簡単な質問には答えられるので、スムーズに対応することが可能になります。
これはコスト削減にもつながるメリットのひとつです。
デメリットとしては、問い合わせの回答精度を高めなければ意味がないという点が挙げられます。
問い合わせ回答精度が低いと、担当者と直接やり取りした方が解決が早いと判断されるため、導入した意味がなくなってしまいます。
チャットボットをwebに設置する目的とメリット
チャットボットを設置する目的として、カスタマーサポートツールとしての利用と、web接客としての利用が挙げられます。
カスタマーサポート
SNSが普及浸透している今、手軽に早いレスポンスで疑問が解決できるチャットボットは、ユーザーのサポートツールとして非常に優秀です。
定型的な問い合わせなどは、ひとつひとつ対応しているととても大変です。
そういった業務をチャットボットで解決できるようにすれば、業務効率の向上にも繋がります。
web接客でCVRの向上
インターネット上で買い物や手続きなどが完結できるので、web接客ツールとしても多くの企業がチャットボットを利用しています。
チャット上で商品・サービスを提案し、購入前の悩みや懸念事項まで対応することができます。
クーポンやキャンペーンの配信などもweb接客ツール活用法のひとつです。
web接客ツールとは?種類やメリットの解説からおすすめツールまで
webチャットボットは過半数が全てのページに設置している
出典元:チャットはどのページに設置すればたくさん利用してもらえるの?
上のグラフをご覧ください。
チャットボットは半数以上の企業が全てのページにチャットボットを設置していると回答しています。
ページを遷移しても、ページの端にチャットボットページへ誘導するアイコンがあったり、ヘッダー部分に設置してあるのをよく見かけます。
チャットボットへの誘導アイコンがわかりやすい場所にあれば、質問すればすぐに回答が得られるという安心感につながります。
回答の精度が悪いと逆効果になる可能性も
チャットボットから質問しても回答が得られず、別のページやQ&Aに誘導されてしまった経験はありませんか?
はじめにも触れていますが、チャットボットは気軽に利用できる分、回答の精度が悪いと、すぐにマイナスのイメージに繋がってしまいます。
目的に合わせてページを絞ると効果を最大化できる
各ページでのチャット開始率について、以下のような結果があります。
《チャットボットの設置場所について》
- 全てのページにあった場合→4.4%
- TOPページ以外の特定ページにあった場合→13.6%
- 問い合わせ・FAQページにあった場合→27.6%
全てのページに設置すると安心感は得られるものの、チャットボットの利用率は問い合わせページの方が高いという結果でした。
やはり利用率から見ると、問い合わせページなどの特定のページでチャットボットを設置するとより効果的であることがわかります。
webチャットボットの活用事例
以下、チャットボットの活用事例を3つご紹介したいと思います。
神戸市
画像引用元:神戸市事例
神戸市では、検診の問い合わせページでチャットボットを活用しています。
チャットボット導入後、検診についての問い合わせが、1時間に3~4件だったのが1時間に1件あるかないかまで減少しています。
問い合わせ対応に割かれていた時間が大幅に削減されており、業務効率向上の成功例です。
不二精油株式会社
画像引用元:不二精油株式会社事例
不二精油株式会社では、社内での情報共有のためのコミュニケーションツールとして活用しています。
商品についての情報共有がうまくいっておらず、社内問い合わせで業務が滞っていたところ、チャットボットを利用することで業務効率が改善されています。
グッドルーム株式会社
画像引用元:グッドルーム株式会社事例
グッドルーム株式会社では、不動産管理会社や仲介業者向けに、オンライン申し込みができるサービスを展開しています。
新しいサービスのため、サイトの使い方についての問い合わせが多く、双方に時間のロスがありました。
チャットボットの導入により、質問にスムーズに回答することができ、双方に時間的業務効率を向上することができました。