インターネットの普及が進む中、顧客の消費行動も変化してきました。
情報収集の方法も多様化し、情報収集から購入までをオンラインで済ませる消費者が増えています。
このような流れから、オンライン接客の導入を検討する企業も多いのではないでしょうか。
ここでは、オンライン接客を導入するにあたって、事例やメリット、デメリットを詳しく説明していきます。
オンライン接客とは
まず、オンライン接客とはどのようなものなのでしょうか。
簡単に説明すると、その名の通り直接対面せず、オンライン上で顧客に接客をする事です。
オンライン接客はおよそ2種類に分けられます。
非対面形式で商品説明をする「接客を目的として購入に促す」ものと、オンライン上で完結する「サービス提供を目的とする」ものの2つです。
オンライン接客を受けたことのある人は全体の17.2%であり、約6人に1人がオンライン接客を受けたことがあるという統計があります。
出典:株式会社MS&Consulting
また、オンライン接客を受けてみたいという人は、受けたことがあるという人の約2倍の数値が出ています。
オンライン接客ツール
オンラインで接客をするために使われるのはどのようなものでしょうか。
- テキスト型チャットツール(チャットボット)
- ビデオ型ツール
- ポップアップ型
主に上記のものが挙げられます。
以下ひとつひとつ詳しく見ていきます。
テキスト型チャットツール
テキスト型チャットツールは、カスタマーサポートの用途でよく見られますが、ユーザーとチャットを通じてリアルタイムでコミュニケーションを取れるツールです。
チャットボットのように、あらかじめ想定される質問に自動で答えられるようにしておくと、人員の削減や人手不足の解消にも繋がります。
ビデオ型ツール
ビデオ型ツールは、顧客とビデオ通話を通してコミュニケーションをとるツールです。
映像と音声の両方でコミュニケーションがとれるため、より明確な情報交換が可能になります。
例えばオンラインで商品の紹介をする際には、素材や色、形なども映像を通して詳細を伝えることができます。
顔を見て対応することで消費者への安心感にも繋がります。
ポップアップ型
ポップアップ型は、顧客の閲覧履歴や検索履歴、オンライン上の行動から分析し、最適な商品や広告をスマートフォンやパソコンの画面に表示させるツールです。
消費者に合わせた最適なタイミングで表示することができます。
オンライン接客のメリット
オンライン接客の導入によるメリットとして、次のようなものが挙げられます。
- 顧客利便性
- 商圏の拡大
- 人件費の削減
- 購入率の向上
以下、詳しく説明していきます。
顧客利便性
オンライン接客であれば、時間や場所を選ばず、自宅や外出先にいながらでも利用できるため、顧客に移動の手間や待ち時間をかけさせることなくサポートやサービスを提供することができます。
移動や待ちの時間がかからないことにより、これまで利用を避けていた顧客の利用が増え、企業にとっても機会損失を減らすことが可能となります。
商圏の拡大
オンライン接客では対面する必要がないため、遠隔地にいる顧客に対してもサービスの提供が可能になります。
実店舗が限られている企業にとっても、より広いエリアで遠方にいる顧客を獲得することができます。
人件費の削減
オンライン接客ではオンライン上で対応するため、オペレーターが遠隔で対応することができます。
特に複数の店舗があるような企業では、店舗を挟んでの接客も可能となるため、接客の効率化が実現し、人件費の削減に繋がります。
先に触れているように、チャットツールでは自動化されたツールもあるため、より人件費が削減できます。
購入率の向上
オンラインショッピングなどで購入までのネックとなっているのは、その商品に対する情報や後押しの不足です。
本当に購入してもいいのか、どういった場面で使うのが最適なのか、金額が大きければ大きいほどその不安や疑問は大きくなり、購入の決断がしづらくなる傾向があります。
オンライン接客というサービスがあれば、接客のプロがその不安や疑問に回答し、購入までの後押しとなるため、購入率の向上にも繋がります。
オンライン接客のデメリット・課題
オンライン接客の導入によるデメリットはどのようなものが挙げられるでしょうか。
- 対面よりも関係性を築きにくい
- 顧客のリテラシー
- 通信環境
主に上記の3つが挙げられます。
それではひとつひとつ説明していきます。
対面よりも関係性を築きにくい
オンライン接客では顧客と直接対面しないため、小さな表情の変化や言葉のニュアンスが伝わりにくく、顧客との関係性を築くのが難しくなります。
顧客との関係性を重要視している店舗であれば、オンライン接客の導入はハードルが高くなってしまうかもしれません。
顧客のリテラシー
顧客のWebリテラシーによっては、オンライン接客に使用するツールの使い方がわからず、逆にマイナスの印象となってしまう可能性があります。
サービスを利用する顧客のリテラシーを事前によく調査することが重要です。
通信環境
オンライン接客は、通信環境にも依存します。スマホやパソコンなどでの音声や映像・画像・アプリを使用するため、通信環境が整っていなかったり、不具合が生じたりすると、接客がスムーズに行えないというデメリットがあります。
接客がスムーズに行えないと、顧客の満足度にも影響します。
マイナスの印象になってしまわないよう注意が必要です。
また、通信環境を整えるための設備などに費用がかかってしまうことも懸念事項です。
オンライン接客の事例
はじめに、オンライン接客には2種類あると述べました。
非対面形式で商品説明をする「接客を目的として購入に促す」ものと、オンライン上で完結する「サービス提供を目的とする」ものの2つです。
それでは、実際にオンライン接客を行なっている業種の事例をご紹介していきます。
英会話スクール
英会話スクールでは、入会前にオンラインでコンサルティングを行うものや、サービスの全てがオンラインで完結するものがあります。
オンライン上での相談と合わせて、プレ体験として無料期間を設けているスクールが多く、実際の習得の具体的なイメージや講師との相性、費用対効果に対するギャップを埋め、可能な限り顧客の不安を解消するような対応を行なっています。
ECサイト
実店舗ではなくオンライン上で展開されているショップでは、オンライン接客はより重要になってきます。
例えばファッションサイトでは、ZOOMを活用してプロのコーディネーターから直接アドバイスを受けながら、商品を購入することができます。
実店舗に足を運ぶ必要がなく、自宅にいながらプロの接客を受けることができるので、大きな顧客満足度に繋がります。
フィットネスサービス
フィットネスサービスは、オンライン接客の導入により、コロナ禍を経て、ジムに通うより自宅で気軽に取り組みやすいとして注目されています。
オンライン上で複数人での参加が可能なものもあり、リアルタイムでトレーナーとやり取りができ、臨場感や連帯感により継続する顧客を増やしています。
まとめ
ここまで、オンライン接客のメリットやデメリット、事例について触れてきました。
インターネット社会が進み、統計でもあるように、これからオンライン接客を利用したいと思っている顧客も一定数いるので、市場はどんどん広がっていくと予想できます。
導入を検討するには、ただ導入するだけではなく、費用対効果や通信トラブル対策、顧客のニーズにあったオンライン接客を検討する必要があります。
顧客のニーズをきちんと調査した上で、接客ツールを上手く利用して、オンライン接客を取り入れていくと良いでしょう。