webサイトの離脱率とは、webサイトを訪問した人が、特定のページを最後に別のページに遷移してしまった割合を指します。
この数値が高ければ高いほど、ユーザーがwebサイトや特定のページを訪問した後に、別のページを閲覧することなく去ってしまっているということになります。
そのため、離脱率を改善することで、webサイトをより多くの人に見てもらい、製品やサービスに関心を持ってもらう必要があります。
そこで、こちらの記事では以下のような内容についてご紹介します。
- webサイトの離脱率と算出方法について
- webサイトの離脱率が高くなってしまう原因について
- webサイトの離脱率を改善するべき理由と、改善方法について
こちらの記事を読んで、離脱率を下げて、webサイトをより多くの人に見てもらい、関心を持ってもらえるようにしましょう。
webサイトの離脱率とは
離脱率とは、webサイトを訪問した人が、他のページに移らずサイトを去ってしまったり、特定のページを最後に別のページに遷移してしまった割合を指します。
離脱率が高ければ高いほど、決まったページを見た後に、webサイトを去られてしまうケースが多いです。
離脱率は、webサイトを運営するにあたって、以下のような理由で重要な要素になってきます。
- webサイトのどのページに問題があるか、課題を発見するため
- CVR (Conversion Rate、顧客転換率)の向上に繋げるため
このように、離脱率はwebサイトや特定のページを見た後に、他のページを見ずにwebサイトを去ってしまった人の割合を指しており、webサイトの質を高めていくために重要な数値です。
離脱率の計算方法
離脱率には大きく分けて、「webサイト自体の離脱率」と「特定のページ単位での離脱率」の2種類があります。
webサイト全体の離脱率と、特定のページにおける離脱数は、以下のような計算式で求められます。
webサイト全体の離脱率(%)=webサイト全体の離脱数÷webサイト全体のPV数×100
特定のページの離脱率(%)=特定のページの離脱数÷特定のページのPV数
例えば、サイトを訪れた人が400人、webサイト全体のPV数が1600だった場合、以下のような計算式でwebサイト全体の離脱率を算出できます。
25%=400÷1600×100
よって、webサイト全体の離脱率は25%であり、サイトの訪問者のうち4人に1人がwebサイトをすぐに離脱してしまったと言えます。
また、AというページのPV数が200、離脱数が40だった場合は以下のような計算式になります。
20%=40÷200×100
よって、Aというページで離脱してしまった訪問者は、20%です。
このように、離脱率は計算で簡単に算出できます。また、Google Analytics等でも数値の確認は可能です。
直帰率との違い
直帰率とは、ホームページにアクセスした後に、最初にアクセスした1ページを見て、そのままホームページを去ってしまう人の割合を指します。
具体的には、以下のような計算式で算出可能です。
直帰率=直帰数÷セッション数
※セッション数とは1時間当たりなど、一定時間/期間内におけるユーザーのアクセス数を指します。
一方、離脱率は特定のページ単位で算出する値であり、webサイトの複数ページを閲覧したうえで離脱したページを示す割合であり、この中には直帰率も含まれています。
このように、直帰率と離脱率はwebサイトの1ページしか見ていないか、webページを1ページしか見ていない場合も、複数ページ見ている場合もあるかが異なります。簡単に言えば、離脱率の中には直帰率が含まれているということになります。
離脱率が高くても問題の無いページもある
ただし、離脱率が高くても問題のないページもあります。
具体的には、以下のようなページが挙げられます。
- サンクスページ
- 他サイトへの誘導ページ
サンクスページとは、以下のようなアクションを行った後に表示される画面を指します。
- 製品の購入後
- 資料請求、資料のダウンロード完了後
- お問い合わせ
上記のようなページは、ユーザーが実施した行動が行われた後に、お礼や内容の確認のために表示されるページのため、ユーザーに期待している行動はすでに実施されています。
また、他のwebサイト(特設ページ、ブログや動画サイトなどのオウンドメディアなど)への遷移を促すページも、そのページに移動してもらうことが目的となるため、離脱率は必然的に高くなる傾向にあります。
このように、ユーザーに期待している行動が行われた後に表示される画面や、他のwebサイトに遷移を促すためのページの離脱率は、高くても問題ありません。
離脱率を改善すべき理由
離脱率を改善するべき理由は、webサイトの最終的な目的を達成できるようにするためです。具体的には、以下のような目的が挙げられます。
- 製品やサービスを購入してもらう
- 製品やサービスに関する詳細な問い合わせを貰う
そのため、特に売上に繋がる購入手続きの画面や、製品やサービスの注文及び問い合わせを促すようなランディングページ(LP、ユーザーに特定の行動をしてもらえるように作成されたページ)から離脱されないようにしなければなりません。
※ただし、先の項目で説明した通り、離脱率が高くても問題のないページもあります。
このように、売上や問い合わせなど、製品やサービスの購入や契約などに繋がる重要な行動を促すためのページの離脱率は、利益に直結するため、離脱率を低くするための改善が必要となります。
一般的な離脱率は?
離脱率を改善するにあたって気になるのは、平均的な離脱率でしょう。しかし、結論としては離脱率の基準や目安となるようなデータは公開されていません。
以下のような点が理由として挙げられます。
- webサイトによってコンテンツが全く異なる
- ユーザーごとにサイトでの行動パターンが異なる
上記のような理由から、離脱率の平均を算出することができないため、重要なのは他のサイトと比較して判断するのではなく、「自社のページごとの離脱率の違いや変化」を定期的に確認していくことです。
このように、離脱率を改善するためには、自社のwebサイトの離脱率の変化を逐次チェックしながら、各ページやコンテンツの離脱率を確認し、何が良いのか、悪いのかを比較したうえで、課題を見つけて解決していく必要があります。
離脱率が高くなってしまう原因
離脱率が高くなってしまう原因には、様々なポイントが挙げられます。
そのため、原因を理解したうえで、離脱率を改善する必要があります。
以下の原因を確認したうえで、必要な対策を行っていくようにしましょう。
回遊しにくい
サイトが回遊しにくい(見て回りにくい)点が原因の一つとして挙げられます。
例えば、以下のようなwebサイトは回遊しにくいために、離脱率が上がりやすいです。
- 他のページへのリンクの場所が分かりにくい
- ページがカテゴリ分けされていない
- 目的のページがどこにあるのか分からない
上記のようなサイトは、目的のページが見つけられない、見たいページが探しづらいと感じられてしまい、離脱の原因になってしまう場合があります。
このように、リンクの位置や目的のページの場所が分かりにくく、サイトを回遊しにくい為に離脱されてしまうケースは原因の一つです。
回遊率に関しては、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
webサイトの回遊率を上げるには?サイトの改善方法 | Hummingbird
ユーザーが知りたいコンテンツと異なる
ユーザーが欲しているコンテンツと内容が異なると、離脱率が上昇する原因になります。
具体的には、以下のような点が原因になります。
・コンテンツの内容が、ユーザーの知りたい情報と違っている
(例、チャットボットの導入方法を知りたかったのに、内容はおすすめのチャットボットの紹介だった)
・特定のキーワードでユーザーが検索する意図を、コンテンツの作成者が分かってない
(例、「チャットボット 導入 コスト」で検索するユーザーが求めている情報は「チャットボットの導入にどれぐらいコストがかかるのか」であるにもかかわらず、チャットボットの導入手順を主に紹介しているような、意図をはき違えたコンテンツになっている)
このように、ユーザーが知りたい情報が掲載されていなかったり、はき違えたコンテンツになってしまっていると離脱率は高くなってしまいます。
そのため、コンテンツを作成する際は、ユーザーが何を知りたいのか、的確に分析したうえで、知りたい情報を知れるようなコンテンツを作成しましょう。
外部へリンクしてしまっている
外部リンクが多いのも離脱率が上がる原因の一つです。
外部リンクとは、自社のwebサイト以外のページへのリンクのことであり、外部リンクをクリックされると、ユーザーは別のサイトへと離脱してしまいます。
そのため、基本的には外部サイトに遷移させたい明確な理由がある場合を除いて、外部へのリンクは繋がないようにしましょう。
このように、外部リンクの設置によって、自社のwebページからユーザーが離脱してしまうのも原因の一つになります。
離脱率の改善方法
それでは、具体的にどのようにして離脱率を改善すればいいのか、その方法についてご紹介していきます。
webサイトや見てほしいページの離脱率の高さでお悩みの方は、こちらを参考にwebサイトやコンテンツの改善をしてみてくださいね。
入力などの操作工数を減らす
入力などの操作の手間を省くのは一つの手段です。
そのため、資料請求画面や購入画面、問い合わせフォームなどは以下のような工夫を施し、入力の手間を省くと良いでしょう。
- 入力項目数を減らす
- 郵便番号を入力すると、住所が自動で入力できるようにする
- 入力項目を選択式にする
上記のような工夫をすることで、ユーザーの手間を減らし、離脱率の低下に貢献します。特に、上記のような画面は、製品の購入や契約、関心を高める為に重要な役割を果たす為、可能な限り入力項目は減らし、入力が必要な項目についても、何を入力すればいいのか分かりやすくしましょう。
入力フォームの離脱率改善の工夫については、詳しくはこちらをご覧ください。
入力フォームの離脱率の改善方法とは?CVRを上げるための具体的な施策をご紹介 | HummingBird
検索語句とコンテンツの整合性を取る
また、検索語句とコンテンツの整合性を取るのも一つの手段です。
具体的には、以下のようなことをしてコンテンツの改善を行う必要があります。
- コンテンツのターゲットをしっかりと設定する
- ユーザーの検索意図を踏まえて、知りたい情報を記載する
- ページのタイトルとコンテンツの内容に齟齬が生まれないようにする
上記のような改善を行うことで、ページのタイトルと、ユーザーが求めている情報、ページにまとまっている情報に齟齬が生じないようにする必要があります。
このように、webサイトのターゲット層を正しく、明確に設定した上で、ユーザーのニーズに応えられるようにコンテンツの整合性を取る必要があります。
デザインの見直し
webサイトのデザインを見直して、サイトが見やすいようにすることも必要です。
具体的には、以下のようなものが悪い例として挙げられます。
- 文字が小さい
- フォントの色などが見づらい
- サイトのデザインがごちゃごちゃしている
上記のような点が原因で、サイトに対してマイナスの印象を抱かれてしまい、離脱されてしまう恐れがあります。また、スマートフォンから見た際にどのようにサイトが見えるか、見づらくないかも気を付けるようにしましょう。
このように、webサイトのデザインを見やすく、見た目の良いものにするためにフォントやフォントサイズ、文字の間隔や色などを改善していくようにしましょう。
内部リンク導線の見直し
内部リンクの導線の見直しも重要なポイントです。
とあるページを見て、次に見たくなるページはどこなのかを分析したうえで、的確な内部リンクを設置して、導線を構築しましょう。例えば、以下のような例が挙げられます。
- 製品、サービスについての概要のページに、料金についてまとめられたページの内部リンクを設置する
- FAQのページに、FAQで解決できなかった場合に備えてお問い合わせ先の内部リンクを設置する
導線のことを考えずに、内部リンクをむやみやたらと設置してしまうと、むしろユーザーはどのページに遷移すればいいのか分からなくなってしまい、離脱に繋がってしまう場合があります。
そのため、ユーザーがどのような経路でサイトを見て回るか想定したうえで、内部リンクを設置するようにしましょう。
ページの表示速度改善
ページの表示速度が遅い場合、原因を突き止めた上で改善が必要になります。
具体的には、リンクをクリックしてからページが表示されるまでに6秒以上かかると、ユーザーは離脱しやすくなる傾向があります。
そのため、画像やHTML/CSSなどのデータを圧縮して、サイトを軽くすることでサイトを軽くすることで、表示までの時間が短くなるようにしましょう。
このように、ページが表示されるまでに時間がかかる場合は、軽量化の工夫が必要です。
ページの表示速度の確認方法
ページの表示速度の確認は、以下のサイトを使えば可能です。
1.上記リンクより、「PageSpeed Insights」にアクセスしたうえで、以下の画像の赤四角のテキストボックスに、読み込み時間を調べたいページのURLを入力します。
2.「分析」ボタンをクリックします。
3.分析が完了すると、以下のような結果が表示されます。
基本的には、過去1か月分のデータに基づいた結果が表示されます。
特に重要になってくるのは、2枚目の画像の赤四角の部分の「パフォーマンス」という項目になります。
こちらが高ければ高いほど、ページの表示速度が速く、パフォーマンスの良いサイトと言えます。そのため、もしもこのスコアが低い場合は「改善できる項目」を参考に、表示速度が速くなるようにwebサイトやページの改善を行ってみてください。
離脱率を下げるためのツールの導入
画像引用:賢瓦ヒートマップ – 無料で使える神コスパのヒートマップツール
また、離脱率を下げるために以下のようなツールを導入するのもおすすめです。
- ヒートマップ
- webサイト離脱防止ツール
- チャットボット(以降の項目で別途ご説明します)
ヒートマップとは、サイトでユーザーが取った行動を色で視覚化して表現してくれるツールになります。ヒートマップを活用することで、以下のようなことが分かります。
- ユーザーが良く見ている部分
- ユーザーのページ内での行動
- ユーザーがどのあたりまで読んで離脱しているのか
このように、ヒートマップを活用すれば、ユーザーの行動や離脱位置を視覚的に確認できるようになります。そのため、離脱の現認を明確なデータを基に分析可能です。また、webサイトやページを修正した後のユーザーの行動の変化のチェックも簡単にできるようになります。
また、webサイト離脱防止ツールはユーザーごとのサイトへのアクセス情報や、過去の行動の情報を踏まえて、ユーザーに最適なコンテンツや情報がポップアップウィンドウで表示可能なツールです。
具体的には、以下のようなメリットが得られます。
- ユーザーのCVR向上に繋がる
- 回遊率の向上に貢献する
そのため。webサイト離脱防止ツールを導入することで、途中離脱を減らすだけでなく、ユーザーにもっとサイトを見てもらえる可能性を高めたり、CVRの上昇に繋げられます。
このように、離脱率を下げるために有用なツールも多いので、導入を検討してみるのもいいでしょう。
チャットボットで離脱率の改善
画像引用:hachidori(ハチドリ)| プログラミング不要のチャットボット開発ツール
離脱率の改善のために有効な手段の一つとして、チャットボットの導入が挙げられます。
チャットボットとは、チャット(chat)とロボット(robot)を組み合わせた単語であり、ロボットがHP上などで、自動で対話してくれるサービスになります。
ホームページにチャットボットを設置することで、以下のようなメリットを得られます。
- チャットボットと会話感覚でやり取りする中で、製品やサービスのアピールが可能
- チャットボットを手動対応に切り替えることで、そのページだけで満足いかなかった場合にもページを離脱されてしまうのを防げる
このように、チャットボットをwebサイトに設置することで、離脱率を改善可能です。
チャットボットについて、及びその活用法については詳しくは以下の記事をご覧ください。