LINE広告とは、登録者数が日本で一番多いアプリであるLINEで12種類にも及ぶ配信面から企業に合った内容の広告を選択し、ユーザーに対して広告や宣伝を目的とした配信を行える運用型広告になります。
この記事では、LINE広告の課金方法をはじめ、特徴や配信面、運用開始手順について詳しく解説していきます。
LINE広告とは
LINE広告とは、コミュニケーションアプリの「LINE」を利用しているユーザーに対して広告を配信するサービスのことをいいます。
LINEは日本でも最大級のユーザー数を誇るアプリであり、2022年4月時点で9,200万人が登録しています。
国内でも最大級の巨大なコミュニケーションプラットフォームに広告を掲載できるため、他のSNS広告よりも高い費用対効果を期待できます。
LINE広告の課金方式
LINE広告の課金方法には、「クリック課金タイプ」「インプレッション課金タイプ」「CPF課金」の3つの種類があります。
①クリック課金タイプ
静止画枠の課金方法となり、ユーザーが広告をクリックしてリンク先のサイトに移動した時に料金が発生する仕組みになっています。
クリック課金の場合には、広告の表示回数で料金が発生しないというメリットがありますが、単価がオークション形式で決定するため、競合他社が多い場合にはクリック単価が上がってしまう可能性があります。
そのため、業界によって単価が変動します。
②インプレッション課金タイプ
動画広告枠の課金方法となり、ユーザーが動画広告枠を100%で表示した際に1回のインプレッションが換算されていき、表示回数ごとに費用が発生する仕組みになっています。
ちなみにですが、99%以下ではインプレッションは換算されない特徴があります。
インプレッション課金では、インプレッションが最大になるように配信を行うため、多くのユーザーに見てもらいやすいという傾向があり、予算もオーバーする心配がないというメリットがあります。
一方で、自社サイトへの誘導等が行いづらいというデメリットがあります。
③Cost Par Friends課金(CPF課金)
CPF課金は、静止画枠の課金方法となり、ユーザーが広告を通してLINE公式アカウントを友だち登録した際に料金が発生する仕組みになっています。
多数のLINE広告の広告フォーマット
LINE広告を出稿する際に使用できるフォーマットは5種類あります。
注意点として、配信面によって使用できるフォーマットに制限があります。
①Card
画像(1200×628ピクセル)と動画(16:9)の広告フォーマットであり、横長形式で表示され、あらゆる配信面に対応が可能なフォーマットとなっています。
②Square
画像(1080×1080 ピクセル)と動画(1:1)の広告フォーマットであり、多くの配信面に対応可能ですが、ウォレットへの表示はできないようになっています。
③Vertical
LINE VOOM、LINE広告ネットワークに掲載できる9:16縦長の動画広告のフォーマットとなっており、タイムライン上では3:4の比率で広告が表示されますが、クリックすると9:16のサイズで表示されます。
カット部分にメッセージやテロップが入らないように制作する必要がありますので、十分に注意して制作してください。
④Carousel
1つの広告枠に複数の静止画像をスワイプごとに切り替えて表示を行う広告フォーマットになります。
最大で10点まで表示が行えるため、複数の商品を表示したい場合やストーリー仕立ての訴求を行いたい際に使いやすいといえます。
20文字以内でタイトルや40文字以内で説明文も登録でき、「購入」などのアクションボタンも設置が可能です。
⑤画像(小)
(全ての画像 https://www.linebiz.com/jp/column/creative/20200318-02/より引用)
LINEトークリストの上部、LINE NEWS、LINE広告ネットワークで表示が可能なフォーマットです。
LINE広告の特長とは
LINE広告には、「豊富な配信面」「LINEのみでリーチ可能なユーザー層が存在している」「アクティブユーザーが多い」「競合が少ない」といった特徴があります。
豊富な配信面
(https://www.linebiz.com/jp/service/line-ads/より引用)
LINE広告には12種類の配信面があります。
トークリスト |
LINEトーク画面の最上部に表示される。 |
LINE NEWS |
LINEアプリ内のニュースタブ。 2020年4月時点で月間利用者は7,500万人に及び、潜在層の引き上げに活用できます。 |
LINE VOOM |
動画・フォロー中のコンテンツが表示されるLINE VOOMタブ。 |
ウォレット |
モバイル送金や決済サービスが利用できるウォレットタブ。 2020年9月時点で月間5,200万人が利用しています。 |
LINE マンガ |
スマホ向けの電子コミックサービス。 LINEマンガの一覧を広告に出稿することができ、利用数は10代が18%、20~30代が60%となっており、若年層へのアプローチが有効なサービスです。 |
LINE BLOG |
LINEのブログサービスであり、ブログ一覧の一部に広告を出稿できます。 利用ユーザーは女性が7割を占めており、年代的には40~50代が53%となっており、年齢が高い層へのアプローチが可能です。 |
LINE ポイントクラブ |
「友だち追加」をはじめ、「動画視聴」や「ミッション」などの条件をクリアするとポイントが貰えるサービスとなっています。条件のクリアを通してサービスのダウンロードや友だち数の増加を促進できます。 |
LINE ショッピング |
商品をLINEアプリ上で購入できるショッピングサービスです。 |
LINE チラシ |
地域の店舗のセールや特売情報が掲載されるデジタルのチラシサービスです。 LINEチラシ一覧ページ、商品ページに広告を表示できます。 |
LINE クーポン |
全国約50,000店舗で利用できるクーポンサービスです。利用者は女性が70%を占めており、40~50代の年齢層が比率を占めています。こちらも年齢が高い層へのアプローチが可能になります。 |
LINE マイカード |
お店のポイントカードや会員証を管理できるサービスです。 |
LINE 広告ネットワーク |
LINEやLINEサービスに加えて、幅広いジャンルの3rd partyアプリの広告配信面。 |
独自の友達追加メニュー(Cost Per Friends)
Cost Per Friendsとは、LINE公式アカウントの友だちを獲得する配信機能のことであり、「LINE VOOM」「LINE NEWS」「Smart Channel」に広告を配信し、アカウントの追加を促していきます。
LINEの友だち追加広告(CPF)とは?成功事例から運用の始め方まで
「オーディエンス配信」「デモグラフィック配信」で使用しているデータを利用して配信を行うため、顧客になる可能性の高いユーザーを狙って配信することができます。
費用は獲得した友だち数で計算されて請求されます。
LINEのみでリーチ可能なユーザー層
LINEの国内の登録者は9,200万人と非常に多く、国民の大多数が登録しているアプリと言っても過言ではないです。
Facebook・TwitterなどのSNSを利用していないが、LINEは利用しているというユーザーは40.6%、Yahoo!・YouTubeは利用していないが、LINEは利用しているというユーザーは19.9%となっており、他のSNSやサービスでは獲得できないユーザー層が存在していることが分かります。
LINE広告であれば、そういったユーザー層への配信も可能となります。
アクティブユーザーが多い
LINE登録者の9,200万人のうち、アクティブユーザー数は約83.2%である7,885万人となっています。
登録者数に比べると人数が少ないように感じるかもしれませんが、アクティブユーザーが7,800万人を超えているアプリは国内ではLINEしかありません。
競合が少ない
アクティブユーザー数の多いアプリであるLINEですが、まだ多くの企業が参入しているわけではありません。
過去には最低出稿金額が「100万円」に設定されていたり、出稿の審査が厳しく設定されているなど、広告を出しにくい現状がありました。
出稿の基準やハードルが下がってきていますが、未だに企業が参入しきっていない現状を考えますと、「競合が少ない」のに費用対効果の良さと新規顧客の獲得が可能という非常に素晴らしいサービスとなっています。
つまり、まだまだ「先行者利益」が得られる市場と言えるでしょう。
LINE広告のターゲティング
LINE広告では、ユーザーの登録内容やLINEアプリ内の行動や購入履歴などを元にして、どのようなターゲットに配信を行うのかを設定することが可能です。
以下で詳しく解説していきます。
デモグラフィックターゲティング
ユーザーの登録内容(性別・年齢・地域・OS)に基づいて配信指定が行えます。
性別 |
すべて、男性、女性 |
年齢 |
14歳以下~65歳以上まで選択可能 |
地域 |
都道府県、市区町村で設定可能 |
OS |
すべて、Android、iOS(バージョン別でも指定できる) |
興味関心ターゲティング
LINEユーザーの興味・関心・行動に基づいたターゲティングです。
趣味・関心 |
ゲーム、スポーツ、ファッション、インテリア、映画、音楽、書籍・マンガ、食べ物・飲み物、美容・コスメ、エンタメ、旅行等 |
属性 |
配偶者(未婚・既婚)、子供、推定年収、職業、携帯キャリア、アルバイト、専業主婦等 |
行動 |
テレビ視聴、キャリアの変更、ゲームプレイタイプ、ネットワークの利用状況、購買経験、転居等 |
オーディエンスターゲティング
サイトの訪問者、アプリ内のアクションデータや顧客情報、LINE公式アカウントの友だち情報などを元にターゲティングを行ったり、配信対象から除外も可能です。
ウェブトラフィックオーディエンス |
サイト訪問、購入済みなどのWebサイトの行動履歴を元に作成できる。 |
モバイルアプリオーディエンス |
アプリ内のイベント(初回起動・アプリ内課金)を元に作成できる。 |
IDFA/AAIDアップロード |
自社が持っているIDFA/AAIDをアップロードすることで作成できる。 |
電話番号アップロード |
電話番号を元にオーディエンスを作成する。 |
メールアドレスアップロード |
メールアドレスを元にオーディエンスを作成する。 |
LINE公式アカウントの友だちオーディエンス |
LINE公式アカウントの友だちを元に「有効友だち」「ブロック中の友だち」で作成できる。 |
類似オーディエンス |
オーディエンスターゲティングを元に「1~15%の範囲」、「自動」のどちらかを選択して作成。 |
動画視聴オーディエンス |
動画再生率や視聴したユーザーを指定してオーディエンスを作成。 |
画像クリックオーディエンス |
キャンペーンで使用されている画像をクリックしたユーザーのオーディエンスを作成。 |
クロスターゲティング
過去にはLINE公式アカウントとLINE広告は別のプロダクトとして位置づけされていましたが、2020年1月よりデータの横断的な活用が可能となりました。
クロスターゲティングとは、LINE公式アカウントやLINEポイントADで取得したデータを「LINE広告」の配信に活用できる機能となっています。
改めてLINE公式アカウントとは?具体的な使い方から事例まで解説
LINE広告の運用開始手順
LINE広告の運用開始までの手順は全てオンライン上で完結します。
運用開始手順について、順番に解説していきます。
LINEビジネスID発行
LINE上でビジネス向けのサービスを利用するには「LINEビジネスID」が必要になります。
LINEアカウントかメールアドレスがあれば、取得が可能です。
注意点としては、LINEアカウントの登録=個人のLINEアカウントと紐づけるということになります。
IDの発行の方法
①LINE公式サイトから「オンライン申込」を選択。
②メールアドレスで登録。
③登録用のURLがメールで届くので、利用規約の確認と管理画面にログインを行う。
広告アカウントの作成
広告を出稿するためには、「広告アカウント」を作成する必要があります。
広告アカウントは、商材・広告主ごとにアカウントを作成することになっています。
また、広告アカウントを作成するには「LINE公式アカウント」が必要になるので、予め作成しておきましょう。
広告アカウントの作成方法
①「+新しい広告アカウントを作成」を選択。
②請求先・広告主の情報を登録。
③商材の情報・LINE公式アカウントを入力。
広告配信準備
広告の配信を行うために「キャンペーン」「広告グループ」「広告」の設定を行い、アップロードしたクリエイティブを紐づけていきます。
LINE社の審査後、問題がなければ「広告」として配信が開始されます。
アカウントの作成~審査完了までは約10営業日ほどの時間が掛かるため、前もって準備を進めておきましょう。
LINE広告のキャンペーンの目的の種類
キャンペーンの目的の種類を決めておかないと、目的によって使用できる広告のフォーマットが異なってきます。
ウェブサイトへのアクセス |
ウェブサイトへのアクセス数を増やすことが目的。リンクをクリックしてもらえる可能性が高いユーザーに広告を表示。 |
ウェブサイトコンバージョン |
ウェブサイトサイト上でのコンバージョン数の増加が目的。コンバージョンする可能性が高いユーザーに広告を表示。 |
アプリのインストール |
アプリのインストール数の増加が目的。アプリをインストールして頂ける可能性が高いユーザーに広告を表示。 |
アプリのエンゲージ |
アプリの起動回数を増やすために配信を利用します。ユーザーのアプリ再使用を促したい企業に向いています。 |
動画の再生 |
動画の再生数の増加を目的。多くのユーザーに動画の視聴を促したい際に使用します。 |
友だち追加 |
LINE公式アカウントの友だち数を増やすことが目的。 友だち追加をしてくれる可能性が高いユーザーに広告を表示。 |
商品フィードから販売 |
ウェブサイトを訪れたり、アプリを利用したユーザーが興味を示した商品を広告で表示したい際に利用します。商品の購入を促します。 |
LINE広告の注意点
LINE広告では、掲載不可な業界・商材が多いため注意が必要です。
以下で詳しく解説していきます。
掲載不可な業種、商材が多い
以下の業種・商材は掲載ができません。
- 宗教関連
- ギャンブル、パチンコ(公営競技や公営クジは除く)
- アダルト関係
- 連鎖販売取引等
- 探偵業界
- 電子タバコやたばこ
- 武器関係、劇物毒物
- 政党
- 社団法人、NPO・NGO、公益法人(LINE社が認めた場合は除く)
- 生体販売
- 整骨院、接骨院、鍼灸院
- 未承認の医薬品や医療機器等
- 消費者金融の業界、質屋等(LINE社が認めた場合は除く)
- 情報商材や自己啓発セミナー等のネット関連ビジネス
- その他LINE社が不適切と判断した業種・業態や商品・サービス
次のサービスでは一部のクリエイティブな表現・表記ができない場合があります。
- 医薬化粧品などの医薬部外品、化粧品
- 食品、健康食品
- 医薬品、医療機器
- 美容関連器具、健康器具
- 通販サイト
- 中古品の販売や買取サービス
- 有料職業紹介会社、人材派遣
- コンタクトレンズ
- アルコール飲料等
- 公営ギャンブル
- 金融関係
- アフィリエイトサイトなどのメディアサイト等
LINE広告審査ガイド(https://www.linebiz.com/jp/service/line-ads/guideline/)に詳細が掲載されていますので、該当する場合には確認するようにしてください。
チャットボットツール「hachidori」
LINEを本格的にビジネスに活用するために、ぜひチャットボットの導入もご検討ください。 チャットボットとは?
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