突然ですが、ECサイトを運営していて、物やサービスを販売するにあたってこのようなお悩みを抱えた経験はありませんか?
- カートに商品を入れてもらえるものの、その後の購入手続き~購入完了まで至ってもらえないために利益が上がらない
- 購入手続きの途中でページを抜けてしまうユーザーが多い
このような現象を「カゴ落ち」といい、ECサイトの売り上げを下げてしまう原因になります。
売上UPのためにも、カゴ落ちが発生してしまう理由を知って、解決のために施策を施していきましょう。
カゴ落ちとは
そもそも「カゴ落ち」(カート放棄、カート離脱)とは、ECサイトで物やサービスを購入する際に決済を完了する前にサイトから抜けてしまう現象を指します。
このような現象はサイトの売り上げDOWNにつながるため、原因を分析したうえで減らしていく必要があります。
平均的なカゴ落ち率
カゴ落ち率に関しては様々な組織によって調査が行われています、
アメリカでオンライン関係の調査を行っているBaymard Institute社の独自の統計方法に基づく、ECサイトのカゴ落ちの割合は「69.82%」と報告されています。
また、国内でも上記のような統計が行われています。株式会社イー・エージェンシーによって実施された自社のMAツール「CART RECOVERY」の利用状況について調査を行った結果、「68.2%」程度の人間がカゴ落ちをしていると明らかになりました。
これらの情報から、ユーザーの70%程度が商品を購入する前にサイトから離脱してしまっていると分かります。
【参考】
46 Cart Abandonment Rate Statistics
ECサイト、売上の約2.5倍がカゴ落ちによる機会損失 ~ イー・エージェンシー
カゴ落ちが発生する理由とは
それでは、カゴ落ちが発生してしまう理由について分析していきましょう。
以下の画像は先ほど紹介したBaymard Institute社の統計記事の中でまとめられていたアメリカ人4500人程度の解答に基づいてまとめられた、「カゴ落ちが発生してしまう理由」についての調査結果になります。
こちらの結果をもとに、カゴ落ちが発生してしまう理由をみていきましょう。
【画像引用】
46 Cart Abandonment Rate Statistics
送料や手数料が高い
送料や手数料の存在に後から気づき、やめてしまうというのが一つの理由です。
試しに購入しようとして、購入したもののページを確認したら料金が想定以上にかかるのに気がつき、そこで「手数料と送料でここまでの値段になるならいいや」と辞めてしまう人も多いです。
このように、高い送料や手数料が必要なのに後から気づき、離脱してしまうというのが原因の一つになります。
購入完了までのプロセスが長い
次に、購入までの手続きで断念してしまうのも原因に挙げられます。
購買意欲が非常に高くないケースの場合、買うまでの手続きの段階で心が折れて、「まあいいか」と思い離脱してしまいます。
そのため、カゴに入れてから手続きをするまでのプロセスを簡単にして、カゴ落ちを避ける必要があります。
よく利用している決済手段が使えない
また、使いたい決済方法が使えず断念してしまうケースもあります。
例えば、普段使っているクレジットカードの会社が使えない、引き落としの口座に普段使いの口座が対応していない…。
そのために、お金の支払いができないならいいや、とカゴ落ちに繋がってしまうケースもあります。
決済するのにアカウント登録が必要
決済時にアカウント登録が必要になるのも理由の一つになり得ます。
アカウント登録のために入力するべき情報が多く飽きてしまったり、購入したかったけどアカウントを登録してまで欲しいわけではない…。という方もユーザーさんの中には多くいらっしゃいます。
そのため、ユーザー登録が必須であるというのを見かけた時点で辞めてしまう人も少なからずいるでしょう。
合計金額が予想よりも高かった
合計金額の高さを見て断念してしまう人もいます。
ユーザーの中には「興味がある」という理由や、「初回割引あり、お買い得」というワードに惹かれて値段を見ないで購入しようとする人も少なからずいます。
しかし、いざ支払い画面で金額を確認すると、予算に対して手数料や送料といった金額が加算されて、予算オーバーしていたのに気がつき断念する…というケースもあります。
このように、金額をあまり見ないで買い物する人にカゴ落ちはよくあるケースです。
クレジットカード情報を登録・入力したくない
また、個人情報をあまり出したくないためというのも理由になります。
あまり知らない会社にクレジットカードや個人情報を渡すと流出や横流しされる不安があるため、購入をやめてしまうなんてケースもあります。
このような「個人情報の管理に対する不安」のために購入をやめてカゴ落ちに至る人もいます。
決済の途中でエラーやクラッシュが発生し、うまく決済できなかった
これ以外にも、決済途中のエラーで決済処理ができておらず、購入できていなかったという理由もあります。
そのため、初めから購入までの手続きをやり直す必要が生じ、再度手続きをやり直すのが面倒なためにカゴ落ち…という理由もあります。
このように、カゴ落ちは様々な理由で生じます。
カゴ落ちを防ぐための対策
それでは、カゴ落ちを減らしてECサイトの売上をアップさせるためにはどのような施策が必要なのでしょうか。
一つ一つ、方法を見ていきましょう。
おすすめのツールなどもご紹介していきますよ。
送料などの追加費用をできるだけ下げる
最も分かりやすいのが追加費用の削減です。
手数料や送料だけで1000円、2000円と取られるのは非常にユーザーとしても気が引けます。
特に新規顧客は手が出しにくくなってしまい、顧客増加の機会損失に繋がります。
そのため、上記のような追加費用を少しでも抑えるのは分かり易い手段と言えます。
初回無料クーポンや一定金額以上なら送料、手数料なしのようなサービスを取り入れるのがおすすめです。
多くの決済に対応する
次に、決済方法を増やすのも重要です。
支払い方法は現在様々なものがあり、以下のようなものが一例になります。
- クレジットカード
- コンビニ支払い
- 口座引き落とし
- 配送時に直接支払う
- ショッピングクレジット
などなど…。
そのため、ネットで買い物をする人がどのような決済方法を利用しているか調査した上でなるべく多くの支払い方法を導入するのが良いでしょう。
会員登録の手間をなるべく減らす
会員登録が必須の場合、その手間を減らすのも重要です。
そこで、おすすめなのがチャットボットというツールを導入して「手間を感じさせないようにする」という方法です。
チャットボットを用いれば対話形式で会員登録の手続きを進めていけるため、普通に登録作業を進めるのに比べてお話し感覚で進められるため、スムーズにかつ、作業感なしで進められるようになります。
実際にチャットボットをECサイトに導入し、成功している事例も多数あるため非常に有効であるといえるでしょう。
決済前に合計金額を確認できるようにする
また、購入前に金額を表示できるようにするのも重要な施策になります。
購入中に現在の金額が確認できれば、予算内に収まるように買い物を行うためカゴ落ちのリスクを減らせます。
一方で、合計金額が確認できない仕様だと購入前のページで合計金額を確認して、予算オーバーで断念してしまうというケースもあります。
そのため、買い物中の画面や、かごに商品を入れたタイミングなどで現在の金額を表示してあげるのがおすすめです。
このように、視覚的に支払金額が確認できる、かつしやすい点も重要になります。
ECサイトの表示スピードやUIを改善する
サイトの表示スピードやUIの見づらさがストレスの元となり、カゴ落ちに繋がっているケースがあります。
これを改善するためにも、「見やすい」「スマホからでも操作にラグが生じない、サイトが落ちない」などのユーザビリティが高いサイトになっているか確認し、いまいちな点は改善するのが大切です。
このように、ECサイトで買い物するにあたってフラストレーションとなる障害を取り除いていく必要があります。
カゴ落ちフォローメールなどでお客さまにアプローチする
カゴ落ちフォローメールとは、「途中で買い物をやめてしまったユーザーさんへメールなどで購入へのアプローチを仕掛ける方法」です。
例えば、メールにクーポンなどを添付したり、カゴにいれた商品を買い忘れてないかリマインドするメールを送信する方法になります。
このように、カゴ落ちしてしまったユーザーにアプローチを仕掛ける方法も有効な手段の一つです。
返品や交換の条件を明確にし、目立つ場所に掲示する
返品や交換の条件の明確化も重要なポイントです。
特に新規のユーザーさんの場合、返品や交換の条件がサイトを見ても分かりにくく、条件から外れてしまい、それがクレームや低評価に繋がる…なんてことも大いにあります。
そのためにも、返品や交換の条件はサイトの分かりやすい場所に明確に記載しておくようにしましょう。
上記の項目で紹介したチャットボットを導入して、質問されたら返答できるようにしておくのも一つの手段ですね。
入力アシスト機能の導入
入力アシスト機能を購入までの流れに組み込むのもおすすめです。
入力アシスト機能とは、入力内容が誤っている部分や必須にもかかわらず情報が入力されていない部分に警告を表示する機能です。
購入の流れでの入力ミスやそれに伴るエラーなどによって、購入手続きが途中でダメになってしまい、やり直しになる原因になる場合があります。
そのため、入力アシスト機能を導入して、上記のような原因でカゴ落ちの現象を防ぐのも有益な手段と言えますね。
セキュリティ対策をアピールする
セキュリティ対策が十分であるとアピールするのも重要な要素です。
クレジットカードの情報提供を懸念する、個人情報の取り扱いについて信頼できない…といった理由でのカゴ落ちの対策として、サイト内にSSL(Secure Sockets Layer)やTLS(Transport Layer Security)を導入し、情報の暗号化をしているとアピールするのがおすすめです。
そうすると、自社のECサイトの個人情報取り扱いの安全性をアピール可能になります。
このように、個人情報を奪われる、IDやパスワードといった個人の特定に伝わる情報を隠せるため、個人情報の提供が懸念だったお客様の信頼度アップにつながります。
ツールを導入し分析・改善を繰り返す
カゴ落ち対策ツールを導入して、カゴ落ちのタイミングやページなどを分析したうえで、改善していくのも大切な手段の一つになります。
ツールによって機能は様々ですが、カゴ落ちしそうなユーザーへ自動でのアプローチを行ったり、カゴ落ちユーザーに関するデータ収集・それを用いての分析が可能になります。
ツールによって機能が異なっているため、自分たちのニーズに合ったツールを導入するようにしてください。
EC運営に合わせて確認したいこと
EC運用に合わせてSNSの運用は出来ていますでしょうか?
ECにおいて、SNSの活用は必須です。
LINEやInstagramをECに活用した事例を下記にてまとめていますので、併せてぜひご覧ください。