いまが熱いビジネスチャット!企業×チャット×ボットで生産性向上を考える
SlackやTeams、Chatwork、LINE WORKSなどのビジネスチャット市場が盛り上がりを見せている。
これまでC向けだったチャットはビジネス利用へと広がっており、電話やメールでの業務上のコミュニケーションがチャットというフランクなものに変わりつつある。
日本でもチャットツールの見直しがされ、ビジネスチャットを導入する企業が増えてきているが、この中でチャットボットを1つの要素として取り入れることで、生産性向上を目指すべきだと筆者は考える。今回は、企業×チャット×ボットのソリューションを深く考えることで、劇的に労働生産性を上げる方法を紹介しよう。
ビジネスチャットとは?
ビジネスチャットとは言わずもがな、ビジネス利用のチャットツールのことを指す。2020年現在では、SlackやTeamsの台頭によりビジネスチャットはだいぶ馴染みのあるツールとなってきた。
内線電話やメールよりも簡単に社内コミュニケーションがとれるわけだが、「業務上の報告や電車・バスなどの公共機関の遅延報告などは、電話で行うべき」という固執した悪しき習慣が日本企業には根深くつきまとう。ビジネスチャットという枠組みが完成しつつある中で、このような悪しき習慣を打破してようやく業務の生産性向上などの働き方改革として動き出せるのではないだろうか。
日本の労働生産性は極めて低い
日本の労働生産性は世界の国から見ても非常に低いというデータがあり、OECD(経済協力開発機構)加盟国の中でも毎年20〜22位をキープしている。G7(日本・フランス・アメリカ・イギリス・ドイツ・イタリア・カナダの先進国)中で最下位でもある。この労働生産性が低いというデータに関しては賛否両論あるものの、過剰な残業時間や1時間あたりの生産性を考えれば世界的に見ても低いものであり、改善していく(=生産性を上げる)必要がある。
ビジネスチャットにおけるチャットボット導入パターン
業務の効率化・生産性向上を考える上で、ビジネスチャットの導入は重要だ。
どんな状況でもチャットなら簡単に連絡することができ、また、電話による業務報告は可視化できないが、ビジネスチャットによる会話履歴やデータのやり取りが全て残るので、後追いすることも容易である。
しかし、このビジネスチャットはあくまでもOne to Oneによるチャットである。つまり人間が2人以上いて初めて成立するツールなわけだが、ここにチャットボットを導入することで社内の生産性は劇的に変化する。
チャットボットで管理部門への問い合わせを自動化
総務部・経理部・情報システム部など、企業には管理部門が存在するが、各管理部門への問い合わせをビジネスチャットボットが自動応答することで、管理部門の生産性は確実に向上する。
「産休・育休について」
「経費精算の方法を知りたい」
「リーガルチェックをしてほしい」
「PCパスワード忘れた」
「カードキーを紛失した」
よく来る上記の問い合わせに対する回答は決まりきったものだ。
各管理部門が日常的に行っている管理業務は、作業的なものも含めて多種多様である。
ここで、管理部門の人間が何か作業中の時に営業部門の営業マンから「経費精算の方法を忘れたので、教えてほしい」と問い合わせが来た瞬間を想像してほしい。
⑴ これまでの作業が中断され
⑵ 営業マンの問い合わせに対して回答し
⑶ 作業を再開しようとするも一時的に何をしていたか忘れてしまい
⑷ 思い出して作業再開する
この要素を並べただけでも生産性が下がっていると想像できるであろう。1日1件程度の社内問い合わせであれば問題ないが、比較的規模の大きい企業だと1日何件も社内問い合わせがくる。考えただけでもうんざりである。
管理部門への問い合わせをビジネスチャットに集約させた上でチャットボットに答えてもらう仕組みを作ることができれば、管理部門の生産性は劇的に変わるはずだ。
各種申請をチャットボットが自動誘導
また上記の関連ではあるが、管理部門などに申請しなければならないフローを自動化することも重要だ。
例えばリーガルチェックに必要な項目をビジネスチャット上で埋めるだけで申請できる仕組みを作れば、営業マンが訪問先からでも行うことができるため営業部門と管理部門の両方にとってメリットがある。
チャットボットは問い合わせに対してただ自動で回答するだけでなく、必要事項を順番に沿ってユーザーを誘導することが可能だ。属人的な対応とは違い確実にユーザーを誘導するため、間違いが少ない結果となり、間違いが少ないがゆえに無駄な時間を費やすこともなくなる。
受発注内容をチャットボットで自動受付
チャットボットの特性を活かせば、営業マンが受注してきた案件をビジネスチャットボット上にアップロードすることで受注データを完成させ、発注までワンストップで行うことができる。帰社してから発注内容をまとめたり、データにする作業を行うケースが圧倒的に多いと思うが、その場で受発注データをビジネスチャットボット上に送信するだけで自動管理できる仕組みをとれば、管理部門だけでなく営業部門の生産性も劇的に向上する。
社内コンプライアンス ホットラインの受付窓口
最後は若干脱線するが、社内コンプライアンスの一環として、パワハラ・セクハラ・モラハラなどの問題をビジネスチャットボットが自動で受け付けるという窓口もある。従来の窓口は当然人間が対応しているわけだが、人間だからという理由で遠慮がちになり、訴えが埋もれてしまうケースもある。
しかし、チャットボットという人間ではないロボットが自動受付してくれるという安心感から、問題を顕在化させて社内コンプライアンス徹底へとつなげていくこともできる。
■社内問い合わせチャットボットに関しては、是非下記の記事も参照いただきたい。
社内問い合わせチャットボットとLINEWORKSで労働生産性は上がる
ビジネスチャット!企業×チャット×ボットのまとめ
用途は挙げ始めるときりがないほど、ビジネスチャット、そしてチャットボットは大きな可能性を秘めている。企業がビジネスチャットを導入し、チャットボットの技術を活かすことで、労働生産性向上に期待できる。
筆者は、チャットボットは社内での利用が最も適しているという個人的な考えがある。日本の生産性の低さは今後労働人口が純減していく中でも大きな課題となる。
「ビジネスチャットを利用する=解決」ではなく、「ビジネスチャットを汎用的に利用し、社内生産性を改善することに努める」ということが結果的に日本経済を救うかもしれない。
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