社内データベースの情報とLINE IDを連携させることで、それぞれのユーザーに対して効果的なアプローチが行えるようになり、経営を進める上で非常に重要な項目となってきています。
この記事では、LINE ID連携の活用方法をはじめ、メリットや実装方法についても詳しく解説していきます。
LINEのID連携とは
既存の顧客情報である自社のデータベースの内容と、LINEで友だち登録している相手のLINE IDを紐づけることを「LINEのID連携」といいます。
LINEID連携の仕組み
自社の顧客データを保管しているデータベースとLINE IDを紐づけすることで、LINEアカウントの友だちが自社データベースのどの顧客・会員であるかが判別できるようになります。
ID連携を行わなければ、LINE上で友だちになっていてもどの顧客や会員であるかが分からないため、効果的なメッセージを送ることが困難となってきます。
LINEID連携のメリット
LINE ID連携のメリットは、LINEの友だちがどの顧客・会員なのかが分かることによって、効果的な宣伝メッセージを配信できるようになる点です。
簡単な例で説明しますと、「東京にある会社や店舗」が近くに住んでいる顧客に宣伝のメッセージを送りたいとなった際に、LINE IDが紐づけしてあれば、東京在住の顧客に絞ってメッセージを送ることができるため、効果的にアピールすることができます。
その他にも、個別のユーザーの購入履歴などを参考にして、ユーザーごとに効果的な内容のメッセージを送信できるようになります。
LINEのID連携で具体的に行える事
LINE IDを連携することでセグメント配信などの様々な配信を行い、ユーザーに対して効果的なアピールを行うことができます。
セグメントでメッセージ配信を行う
セグメント配信とは、年齢・性別・住居地などの会員の属性ごとの情報を元に宣伝したいターゲットを決めてメッセージを送ることをいいます。
例えば、VIP会員だけの特別クーポンを発行したり、実店舗の近くに住んでいるユーザーに対してのみメッセージを送るなどの配信が可能になります。
属性情報によるセグメント配信
従来であれば、性別・年齢・収入・家族構成・住居地・趣味嗜好などの多くの要素を活用してセグメント配信を行いますが、LINEでのセグメント配信ではあまり細かくセグメントに分けることができません。
先程も少し説明しましたが、LINEでは年齢・性別・住居地・友だち期間程度のセグメントにしか分けることができません。
VIP会員向け特別クーポン
セグメント配信を行うことで、VIP会員向けの特別クーポンを配信することが可能となります。
通常の会員とは違い、特別感を演出することが可能となり、VIP会員のみに対してのメッセージやプレゼントでエンゲージメントを高めることができます。
購入や申込などのアクションによるトリガー配信
トリガー配信とは、顧客がウェブ上で起こした行動に合わせて、自動でメッセージを送るシステムのことで、主に購入・予約完了の通知で利用することが多い配信の方法になります。
今までは購入・予約完了の通知をメールで送ることが多かったですが、人によってはあまりメールをチャックしない場合もあり、大切な情報を見落としてしまうケースが多い状態でした。
この問題はLINEを活用することで、すぐに確認されないメールで送るよりも、ユーザーが気付きやすいメッセージで通知を行うことで解決することができました。
また、LINE上であれば、購入や予約内容の変更・キャンセルもすぐに行えるため、企業にとっても機会損失を防ぐことに繋がっています。
カゴ落ちなどによるレコメンド配信
カゴに入れておいてしばらく時間が経ったためにカゴ落ちしたユーザーに「買い忘れがありませんか?」という通知や、お気に入りに登録している商品の値下げや再入荷を知らせる通知をリアルタイムで送るのが効果的な施策の一つではありますが、こちらについてもメールであれば見落とされる心配があります。
LINEのID連携ができていれば、ユーザーごとの情報に合わせたレコメンド配信も行うことが可能になり、ユーザーの見落としを減らすことができるため、効果的に宣伝を行うことができます。
お試しユーザーなどに向けたステップメッセージ配信
お試しサンプルやセミナー・イベントの来場などの申し込みなど、本購入・本契約に至ってはいませんが、自社製品やサービスに興味を示してくれている顧客に対してLINEからステップメッセージを送ることも可能となっています。
ユーザーのニーズに合わせて適切な情報を配信することが可能なため、定期購入に繋げることやリピート率を上げることにも効果が期待できます。
利便性を高めて顧客満足度を高める
利便性を高めることにより顧客満足度が高くなり、継続で利用して頂けるようになります。
利便性を高めることのできるサービスについて詳しく解説していきます。
本人確認を省略し顧客利便性の向上
LINE上で問い合わせを行いたい場合に、ID連携ができていれば本人確認を省略して問い合わせを行うことが可能になります。
ユーザーにとっても非常に利便性が良くなりますし、ID連携ができているのでスムーズなコミュニケーションが可能なため、解決までの時間がとても早くなります。
その他にも、チャットボットを導入して組み合わせることにより、LINE上で必要な情報を簡単に確認することが可能となります。
チャットボットに簡単なFAQ・サポートの内容を設定しておくことで対応を自動化することができるため、企業にとっても問い合わせ対応のための無駄な人件費を抑えることができるため、双方にとって利便性の高いサービスを提供することができます。
ポイントカードの代用
多くの企業がLINEのID連携を利用したポイントカードや会員カードの発行を行うサービスを取り入れています。
店頭に貼りだしてあるQRコードから読み込んでLINEで友だち登録を行い、そのまま続けて会員登録すると自動でIDが連携されて、ポイントカードも発行できるなどのサービスが増えてきています。
次回からの来店時にはLINEのアカウントトークにある「リッチメニュー」をタップするだけで簡単に提示が可能となり、ユーザーにとって使い勝手の良いサービスとなっています。
オートログイン
オートログインとはLINEのアカウントにログインする際に、LINEのアプリと連動して自動的にログインが可能になる機能のことであり、パスワードなどの情報を入力しなくても、一度タップするだけでログインできるようになります。
この機能を利用すれば、LINEにログインした際にLINE上で受け取ったメッセージ・リッチメニューのリンクをタップすると、ログインが済んでいる状態でECサイトに移動することができるため、ユーザーの手間を煩わせないですぐに購入や申し込みができるようになります。
そのため、CVRのアップやユーザーの離脱防止などの効果を期待できます。
予約や注文のリマインド
自社のデータベースの顧客情報とLINE IDを連携させることで、顧客情報に合わせた内容のリマインドメッセージを送ることができるようになります。
トリガーベースで自動のリマインドメッセージを設定すれば、以下の使い方が可能となり様々なメリットがあります。
来店予約等の無断キャンセルを改善
来店予約をしているにも関わらず、無断でキャンセルをしてくる顧客も一定数存在しています。
こういった無断キャンセルをされてしまうと、店舗にとっては大きな売上ロスとなり、飲食店などでは既に用意した食材が余ってしまい、費用だけ掛かってしまうことになりますので、経営を圧迫してしまう危険性があります。
美容室などでは、当日にリマインドメッセージを配信する取り組みを行ったところ、無断のキャンセルが3割程度減少するなど、売上ロスを削減することに成功した店舗も増加しています。
更新タイミングで解約抑止
更新のタイミングでお知らせを行うことで、解約を抑制することができるだけでなく、アップセルで売上を伸ばすことも可能となります。
車の修理工場では、車検の切れるタイミングで自動車の販売の営業を行うことで、売上を伸ばすことに成功しています。
リマインドで顧客満足度を高める
リマインドメッセージを上手く活用することで、顧客満足度を向上されることが可能となります。
ご案内などの定型文で良いメッセージについては自動化されたリマインドメッセージを活用し、より親切で温かみのあるリマインドメッセージについてはスタッフが対応することで、人件費や手間をなるべく削減しつつ、顧客満足度を高めることに繋げることができます。
LINEID連携の導入方法
LINE IDの導入方法には2つの方法が存在します。
以下で、それぞれの導入方法についてと、導入前の確認事項について詳しく解説していきます。
導入前に確認すべき事
LINE IDを導入する際には2つのポイントに注意して検討する必要があります。
①データベースにLINE IDの項目を追加し、データの取得や蓄積が可能であるか。
既に企業で取り入れている会員情報のデータベースは、基本的に基幹システムを連携していることが多いため、その場合にはシステム自体を改修しないといけないため、対応が難しい場合も多く存在します。
影響が多岐に渡ることが考えられるため、システム関係の部署の方と打ち合わせを重ねながら慎重に進める必要があります。
②データベースを変更せず、LINE IDを紐づける方法を探す。
Messaging APIツールなどを利用することで、ログインページでIDやパスワードを入力するフォームがある企業であれば、データベースを改修しなくてもID連携が可能となる場合もあります。
友だちを追加した後に、TRUE ConnectにLINE IDを蓄積していくのですが、同時に個別のトークン情報を発行して情報を蓄積していきます。
企業のログインページのフォーマットとTRUE Connectで発行したトークン情報を紐づける処理と、TRUE Connectに情報を返す処理が可能となれば実現することができるかもしれません。
データベースにLINE ID用のカラムを追加出来るか
先程も少し触れましたが、社内のデータベースにLINE ID用のカラムを追加することが難しい場合があります。
ちなみにカラムとは、「データ」のことであり、氏名・性別・年齢・住居地などのことを指します。
企業の状況によっては基幹システムの改修が難しい場合があり、IDの連携自体ができない場合もありますので、そうなった際にはカラムを追加できません。
LINEのリッチメニューからのみ行うID連携
LINEのトーク画面からリッチメニューを利用してID連携を行う方法があります。
リッチメニューを選択し、IDを連携するをタップ→LINEの認証画面→ID連携用のログイン・会員登録の画面→ログイン・会員情報の登録とIDの連携が完了という流れになります。
このID連携の方法では、会員IDとLINEアカウントを紐づけるための専用のフローを別で用意する必要がある点と、今現在友だち登録されているユーザーにしかID連携を促すことができない点がデメリットといえます。
サイトへLINEログインを実装するID連携
先程の方法ではID連携率が上がりにくいというデメリットがありますが、そういった問題点を改善できると注目を集めるようになった方法として、WEBサイトへLINEログインを実装する方法があります。
LINEログイン画面→ログイン実行→LINE認可画面にて友だち追加のチェックを行う→LINEログインID連携完了→自動で友達追加・完了通知という流れになります。
上記の流れのように、WEBサイトへ会員登録・ログインを行う際に、自然と友達の追加とID連携を行うことが可能となり、ID連携を促す場所はWEBサイト上で行うことができますので、より幅広いユーザーに周知することが可能となります。
弊社hachidoriはLINEの公式パートナーで、LINE ID連携の実装支援の実績も豊富にございます。
チャットボットの開発含め、相談等ございましたらこちらよりお気軽にご連絡ください。