コミュニティマーケティングとは?実施のメリットから成功させるポイントまで

コミュニティマーケティングとは?実施のメリットから成功させるポイントまで

 

コミュニティマーケテイングとは、ユーザー同士が交流を持てる場所を提供するマーケテイング手法のことであり、人口減少が進む現在において熱狂的なファン数の増加と売上拡大を図ることができます。

ヤッホーブルーイングやレゴなどの有名な企業も多く取り入れています。

この記事では、コミュニティマーケテイングについての説明をはじめ、コミュニティマーケテイングの具体的な手法・コミュニティマーケテイングを行うメリット・コミュニティマーケテイングを成功させるポイント・実際の成功事例について詳しく説明していきます。

目次

コミュニティマーケティングとは

コミュニティマーケテイングとは、ユーザーとユーザー、もしくはユーザーと企業が交流することができるコミュニティを通じて、商品・サービスのPRや販促を行うマーケテイング手法のことをいいます。

コミュニティマーケテイングは、共通の興味を持つユーザー同士を結びつけることで、企業や商品に対する信頼を高めていき、最終的にLTVを最大化させることを目的に行います。

その他にも、商品のPR・商品開発などの多方面で効果を期待できる手法であるといえます。

従来のマーケティングとの違い

従来のマーケテイングとの違いについて解説していきます。

この2つの最大の違いは「ターゲット」の違いが挙げられます。

従来のマーケテイングの場合、企業が初めにアプローチを行う相手は潜在顧客であり、商品・サービスに興味がある・関心があると考えられる層を見込み顧客として判断してきました。

一方で、コミュニティマーケテイングの対象者は既存顧客になります。

商品やサービスについては既に知っており、実際に使用している・使用したことのある層がターゲットになります。

企業・ブランドのファンとなった既存顧客にアプローチを行い、既存顧客の存在を知った見込み顧客や潜在顧客へとアプローチを広げていくという特徴があります。

コミュニティマーケティングが注目される背景

コミュニティマーケテイングが注目される理由として、「人口減少による市場の縮小」が挙げられます。

国内では生産年齢層は1995年からずっと減少傾向にあります。

生産年齢層が少ないと商品を消費する人口が減ることになりますので、顧客獲得の難易度も高くなってしまいます。

そのため、ユーザー1人あたりの収益を上げることが重要になります。

ユーザー1人あたりの収益を上げていくためには、満足度を高めて、商品や企業のファンになってもらう必要があります。

コミュニティマーケテイングは、ユーザーの満足度に直結する手段であることから沢山の企業に注目されるようになりました。

インターネットが発展した現在では多くの情報が行き交うため、商品情報を幅広いユーザーに伝えることが困難になっています。

自社のコミュニティがあれば効率的な情報のやり取りが可能になり、ユーザーとの関係が深まることで、長期的な利益の獲得を期待できます。

コミュニティマーケティングの具体的な手法

コミュニティマーケティングの具体的な手法として、「ライブ配信」「オンラインコミュニティ」「SNSコミュニティ」「イベント」などの4つの手法が挙げられます。

以下で詳しく説明していきます。

ライブ配信

(引用:(244) 【米国株】雇用統計ライブ!チャンネル20万人記念!!! – YouTube )

ライブ配信は、ライブ動画を配信して視聴者からリアルタイムでコメント等を受け取る手法になります。

企業がコメントに返信することで、企業とユーザー間で双方向のやり取りを行うことが可能です。

ライブ配信を見ることで、ユーザーは企業・ブランドをより身近に感じることができ、リアルタイムにコメントを受け付けてもらえることで、次回も視聴したいと思ってもらえます。

ライブ配信では、消費者の疑問にその場ですぐに回答できますので、その即時性の高さから新たな物販の手法として知られています。

実店舗で店員と会話をしながら購入する商品を決めていくように、消費者の購買心理の揺れを捕えることができます。

コミュニティマーケテイングの中でも、即座に売上へ直結しやすい施策の一つといえるでしょう。

オンラインコミュニティ

コミュニティサイトを運用する方法もよく知られています。

ユーザー専用のコミュニティサイトを作成し、相互の交流を促す手法が多くの企業で活用されています。

コミュニティサイトの一部だけが外部から閲覧できる場合や、全てのコンテンツが公開されている場合など、運用している企業ごとに方針は異なります。

コミュニティサイトは、コンテンツ投稿型・課題解決型の2つに分けることができます。

コンテンツ投稿型それぞれのユーザーが商品の活用方法を投稿して、別のユーザーが参考にするもの

課題解決型ユーザーが投稿した不明点・疑問点に対して、他のユーザーが回答してくれるコミュニティ

コミュニティサイトがあれば、コミュニティに参加していないユーザーもカスタマーサポートの代わりに活用できます。

詳細な情報が欲しいユーザー・継続的に情報を得たいユーザーは、積極的にコミュニティに参加してきます。

カスタマーサポートの労力が軽減する点もメリットといえるでしょう。

SNSコミュニティ

(引用:あつまれみんなのポケカコレクション コミュニティ / X (twitter.com)

SNSコミュニティも、コミュニティマーケテイングの手法の一つといえます。

TwitterInstagramのハッシュタグ等を利用して、商品・サービスの関連キーワードに興味のあるユーザーを集めることができます。

ユーザーはハッシュタグを活用して、SNS内のコンテンツを横断的に検索できますので、潜在的にアプローチしやすい手法といえるでしょう。

企業側もハッシュタグ付きの投稿を検索して、シェア・いいねといったリアクションをユーザーに積極的に届けていきましょう。

商品名・会社名のハッシュタグを使用した投稿を呼びかけることで、顧客同士が共有の話題で盛り上がり、コミュニティの深化に繋がります。

イベント

顧客を集めて開催するオフラインインベントも、コミュニティマーケテイングの手法の一つとなります。

展示会・即売会などではなく、純粋にファンが集まって交流する場を設けることがポイントになります。

お気に入りの商品・ブランドといった共通の話題がありますので、オフラインイベントを通じてファン同士の新しい交流が生まれることも珍しくありません。

ハッシュタグ発信と組み合わせることで、オフラインイベントの認知度を高めることができます。

企業・ブランドよりもオフラインイベントのことを先に知り、そこから商品・サービスを購入するきっかけに繋がる事例が数多く存在します。

コミュニティマーケティングを行うメリット

コミュニティマーケティングを行うメリットとして、「熱狂的なファンの獲得」「口コミによる新規顧客の獲得」「ユーザーボイスのマーケティングへの活用」などの3つのメリットが挙げられます。

以下で詳しく説明していきます。

熱狂的なファンの獲得

商品・企業の熱狂的なファンが増えると、1人あたりの単価が上がりますので、結果的に全体の売上向上に繋がります。

商品を購入する際に関連商品を合わせて購入する、より高価な商品を求める・同じ商品をリピートするといった行動をするのが、熱狂的なファンの特徴といえます。

イタリアの経済学者であるビルフレッド・パレートが提唱した「2080の法則」では、全顧客のうちの20%(熱狂的なファンの比率)が売上の80%を生み出すと提唱しています。

口コミによる新規顧客の獲得

熱狂的なファンは「商品の良さをもっと知ってほしい」という気持ちを持っている方が多いため、商品に関する良い口コミを積極的に拡散してくれます。

良い口コミが増えると、その口コミを見たユーザーが商品を購入してファンとなり、新しい顧客が増えるという好循環が生まれます。

SNSが普及した昨今では、口コミによる商品情報の拡散力が増大しています。

口コミが広がるごとに新規顧客が増えていき、さらなる売上の向上が見込めます。

ユーザーボイスのマーケティングへの活用

ユーザーボイスを拾うことで商品開発の際に活かすことができ、よりニーズに見合った商品を誕生させることに繋がります。

ファン同士で形成されたコミュニティは企業と顧客の距離が近いため、その他のマーケテイング手法よりも本音を聞き出しやすいといえるでしょう。

コミュニティのメンバーである顧客は、他の顧客よりも積極的にアイデアを出してくれる場合が多いといえます。

コミュニティマーケティングを成功させるポイント

コミュニティマーケティングを成功させるポイントとして、「目的の定義」「時間がかかる施策であることを理解する」「専任の担当者を付ける」「適切なKPI設計」「一方的な情報提供ではなくファン同士の交流を優先する」「広告や宣伝を行わない」などの6つのポイントが挙げられます。

以下で詳しく説明していきます。

目的の定義

コミュニティはユーザーによる自治運営となりますが、初期段階では企業がコミュニティの目的を打ち出す必要があります。

ユーザー同士で交流を深めようとしても、漠然とした目的でコミュニティペースを設置すると、コミュニティ内で何を発信すべきかが分からず、ユーザーが困ってしまいます。

コンテンツ投稿型の場合は、商品の便利な活用方法を共有するなどの目的が考えられます。

課題解決型の場合であれば、商品の操作方法や活用方法に関する質問・回答を共有するなどの目的が挙げられます。

自分の目的にそぐわない発言が多くなると、ユーザーはコミュニティを離脱してしまう可能性が高くなります。

コミュニティの目的が複数ある場合には、目的ごとにルームを分けるようにすると効果的です。

コミュニティマーケティングの主な目的

コミュニティマーケテイングの主な目的は以下の通りです。

顧客インサイトの取得

リファラルの強化

顧客エンゲージメントの増強

④LTVの向上

カスタマーサポートの効率化

時間がかかる施策であることを理解する

コミュニティマーケテイングは、ユーザーに商品や企業のファンになってもらってから「コミュニティに参加したい」「商品・企業の良さを他の人にも知ってほしい」という気持ちを持って頂く必要があるので、成果が出てくるまでに時間がかかる施策であることを理解しておきましょう。

その中でも、できる限り早く成果を出していくためには、参加するメンバーにとって有意義なコミュニティ作りが必要となります。

専任の担当者を付ける

コミュニティを運営していく専任の担当者を決めておく必要があります。

ただし、専任の担当者にコミュニティを盛り上げるスキルがないと、ユーザー同士の交流も盛り上がらないため、熱狂的なファンの形成に至らないことがあります。

ユーザーを巻き込んで商品・サービスの魅力を伝える力があること・ユーザーの声をしっかりと聞き取る力が必要になります。

その他にも、時代の変化に合わせて柔軟にコミュニティに反映するスキル、メンバーの間に入って問題解決に取り組んだり、交流を促すようなスキルも必要になります。

適切なスキルを持つ担当者を選ぶようにしましょう。

適切なKPI設計

コミュニティマーケテイングの目標達成実現には、適切なKPIを設定することが大切です。

しかし、月々の売上をKPIに設定してしまうと、コミュニティの活気と売上アップは相関関係にない場合が多いため、設定する意味がなくなってしまいます。

コミュニティマーケテイングにKPIを設定する場合、イベント実施拡大数・実施エリア数・イベント新規参加者比率・コミュニティから生まれたコンテンツの総量等、コミュニティ運営に関する内容で選択する必要があります。

一方的な情報提供ではなくファン同士の交流を優先する

企業としては積極的に情報提供を行いたいと考えてしまいますが、一方的な情報提供ではなくファン同士の交流を優先する必要があります。

ユーザー同士が仲良くなれる場所を提供することで、自然と交流が始まって、企業側が介入しなくてもコミュニティが盛り上がりやすくなります。

コミュニティが盛り上がることで商品への熱量も高くなり、熱狂的なファン層の形成にも繋がります。

例を挙げますと、コミュニティ内に掲示板・チャット機能を搭載することで、ユーザー同士の交流の場を作る方法があります。

初期段階ではすぐにコミュニティが盛り上がることは難しいと考えられますので、管理者がユーザーへ積極的に返答を行ったり、新しく参加したユーザーを丁寧にサポートするなどの工夫が必要です。

広告や宣伝を行わない

コミュニティ内では広告・宣伝を行わないことも大切なポイントといえるでしょう。

企業側から新商品等のPRをコミュニティ内で行ってしまうと、一方通行の売り込みとなってしまいます。

売り込みが行われてしまうと、コミュニティは結局企業の売り込みのために用意されたものであると判断されてしまい、信頼性が損なわれる原因となってしまいます。

先程も述べましたが、コミュニティはあくまでも「ユーザー同士・企業とユーザー間のコミュニケーションの場」として運用するべき場所といえるでしょう。

双方向性が失われないように、広告宣伝は行わないようにしましょう。

コミュニティマーケティングの成功事例

コミュニティマーケティングの成功事例として、「ヤッホーブルーイング」「AWS」「レゴ」などの3つの成功事例をご紹介していきます。

ヤッホーブルーイング

 

(引用:ヤッホーブルーイング コーポレートサイト (yohobrewing.com)

ヤッホーブルーイングはクラフトビールメーカーです。

オウンドメディア・SNSなどでの積極的な交流やファンが一堂に会するイベント「超宴」の開催等の施策を打ち出しており、コアなファンに支持されています。

ヤッホーブルーイングは、SNSを活用したオフラインイベント等でファンコミュニケーションを継続していき、ファンの声を活かす取り組みを行っています。

AWS

(引用:JAWS-UG(AWS Users Group – Japan)

AWSAmazonが提供しているクラウドコンピューティングサービスのことです。

日本国内向けのユーザー会の「JAW-UG」があり、ボランティアによる勉強会・交流イベントが開催されています。

会員登録・企業登録を行わなくても、気軽に参加できるオープンな仕組みになっているのが特徴といえます。

オフラインミートアップは年に300回近く開催されており、延べ1万人以上が参加していることで話題となっています。

2010年の立ち上げ当初は、初期メンバーは20名しか居ませんでした。

初期メンバーがリーダーとフォロワーとしての役割を持って、コミュニティの基礎作りに寄与したことにより、現在の発展に繋がりました。

レゴ

(引用:レゴ アイデア – ホーム (lego.com)

レゴはブロック玩具で知られているおもちゃメーカーです。

オンラインコミュニティである「LEGO IDEAS」を提供しています。

このサイトには、LEGOで作られた精巧な作品画像が沢山掲載されており、これらは全てユーザーが制作した作品となっています。

各ユーザーが自分の作品を発表し合い、優れた作品には投票やコメントができる仕組みとなっています。

LEGOは子供向けの玩具となっていますが、オンラインコミュニティを見てみますと成人のユーザーも多いことが分かります。

視覚で訴える作品ですので、言語の壁を超えて世界中のユーザーの作品を拝見することができます。

年齢・国籍に関係なく、幅広いユーザーの獲得を行うことができた成功事例といえるでしょう。

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