多くの企業がECサイトやECショップを開設して、ビジネスを展開する昨今。
その中で、一つの疑問を持っている方も多いかと思います。
それは、ECサイトで扱っている商品が多い方が良いのか、それともある程度商品数を少なくして、専門性に特化した方が良いのかという疑問です。
この記事では、ECサイトの商品数と売上などが、サイトの運営にどのように関係していくのかを紹介していきたいと思います。
ECサイトの商品数と売り上げは関係するのか
こちらでは、ECサイトの商品数とショップの売上が、どう関係していくかを説明していきたいと思います。
ECサイトを運営している企業にとっては、非常に気になる内容であると思いますので、是非参考にしてください。
商品数と売上は比例する
結論から言いますと、ECサイトの商品数と売上金額は比例していきます。
つまりは、商品数が多くなると、売上金額も多くなります。
商品数の増加=売上の増加と考えて問題ないと思います。
購入率の考え方
現実の世界での店舗では、耳にしたことがない「購入率」ですが、ECサイトを運営していく上では、必要不可欠な知識となってきます。
購入率とは、アクセスデータや解析ツールなどで得られる情報で、「訪問者の数と、その中での購入したお客様の比率」を表しています。
購入率が0.1%でも変わると、売上金額が大きく違ってきますので、購入率を上げることは、非常に重要となってきます。
訪問者が10万人、単価が1,000円の商品だったとして、購入率が1.4%であれば、1,400人が購入したことになります。
1,400人×1,000円=140万円が売上となります。
ですが、購入率が1.6%の場合、1,600人×1,000円=160万円が売上となります。
0.1%上がると、10万円の違いが出てきます。
ECサイトの商品数が多いメリット
ECサイトで、商品数が多いメリットを以下で説明していきます。
①商品数が多いと、検索で消費者に見つけてもらいやすくなる。
②検索で見つけてもらえる数が多くなれば、ショップの訪問者が増えていく。
③商品の数が多いと、複数買いをしてもらえる確率が上がる。
商品を購入してもらえる確率アップ
商品数が多くなると、ユーザーのニーズにマッチする確率が高くなりますので、結果として、購入してもらえる確率が高くなります。
ECサイトの商品数が多いデメリット
ECサイトにて、商品数が多くなることのデメリットも紹介していきます。
メリットとデメリットをしっかりと分析していき、規模を拡大するかを検討してください。
特徴を出すことが難しくなる
商品数を多く扱っているショップは、便利な反面、お店の特徴を出すことが難しくなるデメリットもあります。
結果として、専門性に特化しているショップの方が、単価が安い場合も多いです。
また、専門的な知識や商材も特化して多く扱っているので、この商品はあのショップで買おうと、違うショップに顧客が取られてしまうこともあります。
特徴のあるショップは、それだけで「強み」になるのです。
在庫を抱えるリスク
在庫を抱えてしまうリスクもあります。
これはデータとして分かっていることなのですが、商品数が多いショップの売上の約80%は、実は全体の20%の商品で売り上げています。
つまりは、残り80%もの商品は売上の良い商品ではないのです。
多くの在庫を抱えてしまう危険性もあります。
商品数が多い方が良い理由
こちらでは、ECショップの運営において、商品数が多い方が、良い理由を説明していきます。
欲しい商品を見つけてもらえる可能性が上がる
先程も少し触れましたが、多くの商品を扱っているショップですと、顧客の一人ひとりのニーズに合う商品を見つけてもらえる確率が高くなります。
流入が見込めるページが増え、SEOで有利
商品数が多いと、「検索」などでお客様にECショップを見つけてもらえる確率が上がり、結果として、サイトへの流入が見込めるようになります。
注意が必要となるのは、ショップを見つけてもらえるための「商品ページのSEO対策」をしっかりとしておかないと、上手く見つけてもらえない事態になってしまいます。
また、内容が間違っているようなSEO対策のページを作成してしまうと、ショップの評価が下がってしまう危険性もあります。
クロスセル・アップセル
クロスセルとは、顧客が継続的に購入を考えている際に、顧客の購入した商品の特徴から、合わせて購入したら便利であるような商品を表示していき、追加の購入を狙っていく販売方法のことをいいます。
アップセルとは、顧客のこれまでの購入情報を元に、今までの商品よりも、高い価格の商品を上手く宣伝することで、単価のアップを目指していく販売方法です。
こういった経営戦術も、商品数が多くなることで可能となります。
ECサイトで商品数を増やすポイント
こちらでは、ECサイトで商品を増やしていく際のポイントを解説していきます。
ついでや、合わせて買ってもらえる商品を作る
商品数を増やすのであれば、一緒に購入してもらえる商品を増やす方が良いです。
例えば、「髭剃り機」の場合であれば、替え刃のセットであったり、髭剃り後のスキンケア商品であったり、関連付けて購入してもらえる商品を増やすと良い結果が出ます。
商品のセット数を変える
ある商品の単体の販売だけでなく、他の商品とのセット商品も作ることで、商品数を増やす方法もあります。
数の違いのセット数も増やすのも、効果的です。
セット商品にすると、割引があるなどのサービスを展開すると、ユーザーの購入率が上がることも考えられます。
実店舗があればデータを参考にする
実店舗を運営している企業であれば、ECサイトで販売する商品も、実店舗での売上のデータを参考にすると良い結果が出てきます。
実際の店舗で売れている商品であれば、ECショップでも売れる可能性が高いと考えられます。
商品数を増やすにしても、実店舗でのデータを参考にしてください。
ECサイトで商品数を増やす注意点
こちらでは、ECサイトで商品数を増やしていく際に、注意しないといけない事項について、紹介していきます。
在庫管理に気を付ける
扱う商品数を増やしていくと、在庫管理の業務の負担が増えていきます。
先程も説明しましたが、ECショップの売上のほとんどは、商品全体の2割程度のしかありませんので、残りの商品は結果的に在庫を抱えてしまうことになります。
そうなりますと、管理業務の負担だけでなく、倉庫のスペースも必要となります。
倉庫管理を外注に委託している場合には、倉庫費用も掛かってくるため、人件費と一緒に計算すると、コストが多く掛かってしまうこともあります。
適当な商品・コンテンツを量産しない
適当に商品数やコンテンツを増やさない方が良い場合もあります。
やはり、商品数を増やすことばかりに気を取られてしまうと、商品ページがクオリティの低い仕上がりになりがちで、経費ばかりが増えていく中で、商品が売れないような状態になってしまいます。
商品登録の工数に気を付ける
商品の数が多くなれば、商品ページの作成、写真や説明文の掲載など、作業をしないといけない業務量が増えてしまいます。
使いまわしのページを作成しますと、サイト自体の評価に繋がり、顧客が離れてしまう危険性があるため、結果として、スタッフの作業量が多くなり、人件費が高くなってしまいます。
商品数を増やす場合には、メリットだけでなく、作業工数やコスト面のことも考慮していかないといけません。
商品数の少ない単品通販ECは
商品数の多いサイトとは対照的な「単品通販EC」ですが、これらは基本的に少ない商品量でビジネスを展開しています。
何故、商品数が少なくても、運営していけるかを解説していきますと、「定期購入」に特化していることが多いためです。
化粧品や健康食品など、消耗品で定期的に購入することを売りにしている運営方法であれば、定期購入だけで、売上を上がることが可能となります。
また、他のサイトで販売していないような専門性の高い商品が多いため、顧客のリピート率が高くなります。
商品数が少なくても売上を増やすポイント
こちらでは、商品数が少ないサイトでも、売上を上げていくポイントを説明していきます。
特定の商品ページを作り込む
単品通販などのECサイトでは、商品数が少ないので、しっかりと商品の魅力を伝えれるようなページ作りをしないと、購入率を上げていくことはできません。
逆に言えば、商品数の多いサイトであれば、顧客のニーズに合う商品を買ってもらえるので、単品通販ほどの商品ページを作成する必要はなかったりします。
引き付けるための商品を明確にする
先程も少し説明しましたが、単品通販などで売上を増やしていくためには、顧客を引き付ける商品を明確にして、積極的に売り出していく必要性があります。
「定期購入」を売りにしていくビジネスモデルの場合、売り出していく商品が決まっていないと、顧客にアピールしていくことができません。
「自社ブランド」の魅力のある製品を売り出していけるように、引き付ける商品をしっかりと決めていきましょう。
SNSなどで特定の商品を紹介する
今の時代、インスタグラムやフェイスブックなどのSNSで商品を宣伝していくことも、非常に重要となってきます。
特に、商品数の少ないサイトであれば、商品数の多いサイトに比べて、広告で反応してもらえる数も違ってきます。
そのため、多くの人に反応してもらえるような特定の商品をしっかりと決めて、宣伝していく必要性があります。
特定の商品のLPを作成する
単品通販サイトの成功の秘訣といって良いのが、LP(ライディングページ)になります。
商品紹介をはじめ、商品の素晴らしいポイント、オススメ理由、商品の効果、お客様の感想など、商品の魅力を詰め込んだページのことをいいます。
このページの出来がいまいちの場合、単品通販サイトでの売上の向上はできないと考えてください。
それだけ重要なページとなります。
購入率の改善も重要
序盤でも少し説明しましたが、「購入率」を増やすことが、ECサイトを運営する際には、重要となってきます。
例えば、アクセス数が1日100人から、200人に増えたとして、購入してもらえる顧客数が増えなければ、売上は上がっていきません。
サイトへのアクセス数を増やすことも重要ですが、購入率を増やすことを考えていかないと、売上には直結していきません。
購入率と同じくらいに、改善していかないといけないのが、「客単価」です。
これは、価格の高い商品を購入して頂けるだけでなく、複数の商品をまとめて買って頂ける場合にも、客単価は上がっていきます。
この二つをしっかりと考えていき、ECサイトの売上の向上を目指していきましょう。
EC運営に合わせて確認したいこと
EC運用に合わせてSNSの運用は出来ていますでしょうか?
ECにおいて、SNSの活用は必須です。
LINEやInstagramをECに活用した事例を下記にてまとめていますので、併せてぜひご覧ください。