ECに必須のSNS。運用方法とポイントを徹底解説

ECに必須のSNS。運用方法とポイントを徹底解説

スマートフォンの世帯所有率が86%を超えている昨今、SNSBtoCECサイトでの集客や販売促進のために積極的に活用するべきツールと言えます。

この記事では、ECに必須であるSNSの効果的な運用方法から、主なSNSサービス、アプリ毎の活用のポイントまで徹底解説します。

 

目次

EC事業者がSNSを活用すべき理由

商品を消費者に知ってもらうためには、テレビや新聞・雑誌といったメディア媒体を利用する広告が一般的でした。

しかし昨今ではスマートフォンの世帯保有率が86%を超え、またインターネット利用者のうちSNSを利用する人は全体で73%、20代では90%を超えています。

 

インターネットから商品を購入するという人も40代以下では60%を超えており、直接商品を手に取って見られない消費者にとって、商品の詳細や口コミなどの情報をSNSから得ることが当たり前という時代になりました。

 

EC事業者にとって、SNSは無視できない存在であると同時に、広告や最新情報の発信、集客やユーザーの声の収集を行うなど、マーケティングに広く役立てられるツールでもあります。

 

SNSの特性である拡散性や用途の広さ、そして低コストという強みを活用しない手はありません。

ECサイトの運営にはSNSの有効活用が必須といえます。

 

EC事業者がSNSを効果的に運用するポイント

ひとことでSNSを使う、と言っても闇雲に始めたところで集客効果は見込めません。

消費者が求めている情報をどのように、どのSNSに投稿するか、誰が発信するかなど、効果的に運用するポイントを押さえる必要があります。

 

ではEC事業者が効果的にSNSを運用するために押さえておくべきポイントを解説していきます。

 

お役立ち情報を中心に投稿する

EC事業者がSNSへ投稿する内容は「お役立ち情報」を基本とします。消費者が求めているのは、自分の役に立つ情報であり、ECの一方的な商品アピールではないからです。

 

商品の詳細とお役立ち情報は1対9、28くらいの割合とします。

まずはSNSユーザーが役に立つと思う情報を、そして関連する商品の詳細を補足するといったイメージです。

 

例えば、商品が腰痛にいいマットレスの場合、投稿内容は腰痛になる原因や腰痛を和らげるストレッチ、食事や生活習慣などの情報を主に提供します。

その後で、商品のマットレスをお役立ち情報のひとつとして提案していきます。

 

 

専任の担当者を付けて運用体制を構築

EC事業者のSNS運用体制は、専任の担当者を付けて構築することをお勧めします。

中小企業や小売業の場合は人手も限られるので、通常業務とSNS投稿が結び付くような無理のない運用とする工夫が必要となります。

 

チームの中で、個人的にSNSを使っていて慣れている人を投稿担当者として任せるのもひとつの方法です。

得意なことを担当することで本人のモチベーションアップになり、投稿内容の質が上がることも期待できます。

 

また複数の担当者で投稿するのも悪くありません。

投稿内容がワンパターンになるのを防ぎ、また担当者ごとのファンができればフォロワー増につながるかもしれません。

ただし、アカウントの印象が投稿ごとに乖離しすぎないよう、意識を合わせることも必要です。

 

目的に合わせてSNSを使い分ける

SNSのサービスは主要なものだけでも5種類あります。TwitterInstagramFacebookTickTokLINEが代表的なものです。商品のターゲットや訴求したい年齢層など目的に合わせてこれらのサービスを使い分けなければなりません。

 

例えばTickTok10代から20代向けのため清涼飲料水や菓子、ゲームなど、Instagram20代と30代では女性の利用者が6割にのぼるのでコスメやファッションにインテリアなど、Facebookは年齢層の高い男性をターゲットにしたブランド物など、それぞれSNSの特徴に合わせたマーケティングを行います。

 

それぞれの特徴を掴むことで、目的に合わせた効果的な使い分けが可能になります。

 

炎上のリスクに備える

ECSNS利用は良い面ばかりではなく、時に批判や反発のコメントが大量に集まり拡散される「炎上」に繋がってしまう場合もあります。

 

昨今は世間的にコンプライアンスやジェンダーへの関心が高いこともあり、投稿内容や発言に対しユーザーが不適切と感じた場合の反応は、人気の投稿以上に早く広く拡散される事例が多く見受けられます。

 

炎上はブランドや商品のイメージに大きなダメージを与え、その回復には多大な努力と労力が必要となります。

投稿前に必ず複数人でチェックをするなど、日常的な投稿でも注意しなければなりません。

 

注意をしていても、ささいな事で炎上してしまう場合もあります。

その時に対応が遅れたり、火に油を注ぐ対応をしてしまうことは絶対に避けたいところです。

過去の他社での炎上事例を元にして対処方法を研究するなど、不測の事態に備えておくことも必要です。

 

ユーザーの投稿に馴染ませる

SNSを有効に活用するために、発信をユーザーの投稿に馴染ませることも大切なポイントです。それぞれのSNSで投稿内容の雰囲気も違いますので、漫然と投稿するのではなく、投稿するSNSに馴染む工夫が必要です。

 

写真・動画の活用

ECSNS投稿では、インパクトのある写真や動画付きの投稿をすることで、ユーザーの目により留まりやすくなります。特にInstagramTickTokでは写真や動画の投稿が必須です。

 

撮影には、カメラ性能の高いデジタルカメラやスマートフォンを使います。

ピントや陰影など工夫してより綺麗な写真にしたり、ユニークな角度からの動画を投稿できるよう工夫します。

クオリティを保って投稿を続ければ、ファンが増える効果につながります。

 

ハッシュタグの活用

TwitterInstagramではハッシュタグ()を利用します。

特にInstagramではその使いこなしによって「いいね」やフォロワーの数に影響があると言われています。

 

ただ商品名にハッシュタグを付けるだけでは効果は見込めません。

商品の良さやベネフィットを連想させるキーワードを使う、またトレンドを取り入れるなどの工夫が必要です。

 

慣れないうちは無料のハッシュタグ検索ツール「ハシュレコ」(https://hashreco.ai-sta.com/)などを利用するのも有効です。

 

投稿時間、頻度を工夫する

SNSは投稿する時間や頻度の工夫も大切です。SNSの「タイムライン」は投稿やコメントが時系列で表示され、投稿直後が最もユーザーの目につきやすいタイミングとなっています。

 

ユーザーが投稿をよく見る時間としては、通勤時間帯の7時から9時、昼休みの12時から13時、終業直後の17時台、帰宅後の19時から23時が挙げられます。

 

最初はこれ以外の時間も含めて、いくつかの投稿時間や頻度をテストします。

いいねなど投稿への反応やECサイトへのアクセス数、売り上げのデータなどを確認し、効果の高い時間帯を探っていきます。

参考:Instagramのインサイトとは?見られるデータから注意点まで徹底解説!

 

  • 場合によっては自動投稿ツールも検討する

アクセスや売り上げの反応が良い投稿時間が分かっても、その時間帯の投稿が業務の都合で難しい、また早朝や夜など業務時間外の反応が良いという場合もあります。

そのような場合は、自動投稿ツールを利用することを検討します。

 

自動投稿ツールには無料のもの有料のもの、また個別のSNSに特化したもの、複数のSNSに対応するものなど様々なものがあります。

まずは無料のツールを試し、機能の過不足を確認します。

物足りなければ費用対効果を考慮し有料ツールを検討すると良いですね。

 

SNS別の活用方法

EC事業者がSNSを運用するためには、各SNSサービスで何かできるか、どう活用するかを把握することが重要です。

ここでは、SNS別の活用方法について解説していきます。

 

EC事業者のInstagramの活用方法

Instagram10代から20代、特に女性の利用が多く、写真や動画に特化したSNSです。 

投稿

写真や動画の投稿でユーザーへアプローチします。

Instagramのタイムラインには写真などの画像、または動画が並んでいます。 

ユーザーに投稿を見てもらうためには、投稿する写真や動画のクオリティを高める必要があります。

特に商品の説明やリンクなどを記載した本文まで読んでもらうには、まず写真や動画が「インスタ映え」していることがユーザーには必須条件なのです。

このように主に写真や動画を使って訴求するInstagramは、商品やブランドの魅力を視覚的なイメージで発信するツールとして活用できます。

Instagram企業アカウントの成功例!業種カテゴリー別に人気アカウントを17社紹介 

広告

Instagramでは広告を出すことができます。Instagram広告の強みは、直接購買(CV)につながるところです。

Instagramにはショッピング機能もあるため、広告から特定の投稿やECアカウントページへユーザーを誘導することが可能となっています。 

Instagramのビジネスやクリエイター向け「プロアカウント」のほか、Facebookのビジネスアカウントも必要です。

両アカウントを連携することで広告の出稿が可能となります。

Instagramのプロアカウント(企業用アカウント)とは?作り方から活用方法までをご紹介

 

販売

無印インスタグラムアカウント

Instagramの投稿した写真や動画に映っているアイテムに「商品タグ」を付けることで、投稿から直接販売することができます。

 

商品タグを使用するには、プロアカウント(ビジネスアカウント)をFacebookにリンクする、アカウント審査を受けるなどの事前準備が必要です。

ユーザーは投稿を見て気に入れば、投稿からタップすることで商品の購入へ進むことが出来ます。

ブランドや商品を認知してもらうのと同時にCVの獲得を図ることができます。

ECでは必須のInstagramショッピングとは?設定方法から事例まで 

EC事業者のLINEの活用方法

LINEはどの年齢層にも普及しているコミュニケーションツールアプリです。

商品やブランドの認知向上、集客や友だち追加など、目的により複数の方法で活用が期待できるサービスです。

 

トーク

LINE公式アカウントを開設し、ユーザーによって友だち登録されることにより、トークを利用してユーザー本人に直接アプローチできます。

家族や友人と普段から使用しているトーク画面からの発信のため、ただの広告だけでは邪魔に思われて開封率が上がりにくい側面もあります。

トークでは友だち限定のイベント情報やクーポンの配布、ユーザー参加型のアンケートなどを施策し、開封を促すようにします。

チャットボットの活用などでより有効に活用する事ができます。

EC事業におけるLINEの活用方法とは?具体的な施策や事例とともに解説

タイムライン

LINEのタイムラインには、写真や動画、テキストなどの広告コンテンツが投稿できます。

ユーザーへ11で情報発信をするトークに対して、友だち追加しているユーザー全員にアプローチできるのが、タイムラインの特徴です。

いいねや共有の機能があり、ユーザーに拡散してもらうことも可能です。

 

広告

LINEには広告を出稿するための「LINE広告」という広告配信プラットフォームがあります。

LINEの様々なサービス、タイムラインやLINE NEWSLINEマンガなど、LINEを使うすべてのユーザーに向けた広告を配信することが可能です。

 他のSNSと比べて、LINEは利用者数が8,600万人、ユーザーの月間アクティブ率は85%、日本の人口の約68%が活用しているという、ユーザー数の多さと年齢層の幅広さが強みです。

この国内最大数のユーザーへ、商品、ブランドの認知度向上を図ることができます。

 

販売

LINEが提供する「LINEショッピング」を利用してCV獲得につなげることができます。

LINEショッピングはユーザーにとってのポイントサイトです。

EC事業者はLINEショッピングに商品を掲載でき、ユーザーはLINEショッピングを通して購入することでLINEポイントを獲得できる仕組みです。

 

LINEショッピングは商品を掲載するだけ、いわば既存ECサイトへの集客チャネルで、商品の購入手続きや決済などは各ECショップサイト上で行われます。

 

また、ECサイトに無料のカートシステム「Shopify」を利用すれば、LINE公式アカウントと連携できます。友だち登録済のユーザーにはトークによる発信、またそれ以外のユーザーもLINEショッピングよりECサイトへ誘導し、CV獲得へ繋げていきます。

【企業向け】LINEを使ったビジネス利用の全手法を解説!

EC事業者のFacebookの活用方法

Facebookは実名の登録が原則のSNSです。ビジネスシーンで活用しやすく、30代から40代のユーザーが他の年齢層より多いのが特徴です。

 

投稿

Facebookは文章に写真や動画を合わせて投稿できます。

文章について文字数の制限がなく、投稿内容の自由度が高いこともFacebookの特徴のひとつです。

 

Instagram同様、クオリティの高い写真や動画、印象的なフレーズの投稿をすると集客に繋がります。

Instagramより「大人の雰囲気」を意識し、定期的に投稿するようにします。

 

投稿は商品やブランドのほか、自社の魅力をアピールできる内容とします。

Facebookのユーザーは友達のみならず、会社関係者や取引先の相手ともつながっています。投稿が気に入れば多くのユーザーにシェアされ、拡散されることが期待できます。

 

広告

Facebook広告」を利用することで、Facebookのニュースフィード、インスタント記事、インストリーム動画やストーリーズなどに広告が掲載できます。

 

ターゲティング手法も選択可能で、利用者データから抽出する「コアオーディエンス」、既存の顧客リストやサイト訪問者へリーチする「カスタムオーディエンス」、またカスタムオーディエンスに特性や行動が似ているユーザーを対象とする「類似オーディエンス」の3種類があります。

 

販売

投稿からECサイトへ誘導する以外に「Facebookショップ」を活用する方法があります。

ショップを設定し、カタログを登録することで、ユーザーはプロフィールの「ショップを見る」や、投稿コンテンツ内のショッピングタグなどからショップにアクセスできます。

 

現在、日本国内ではFacebookショップで直接決済ができず、ECサイトでの決済が必要です。

中小企業や小売業で既存のECサイトがない場合も「Shopify」や「BASE」など無料サービスを利用すればFacebookによる販売が可能になります。

 

EC事業者のTwitterの活用方法

Twitterは「つぶやき」を意味する「ツイート」を投稿できるSNSです。

基本は140文字以内の文章で、写真や動画を付けることができます。気軽に投稿できて、「リツイート」機能などによる拡散性の高さが特徴です。

 

ツイート

「ツイート」の投稿によって集客を行うには、140字の中で強いインパクトの発信を行うことが必要です。

じっくりとブランドを構築するというより、商品の最新情報やコアな魅力を気軽に発信し、認知を高めるツールとしての活用が向いています。

 

投稿が共有される「リツイート」機能や、いいね(ハートマーク)の数が増えることによる「トレンド入り」などにより、フォロワー以外のTwitterユーザーに瞬時に拡散される場合もあります。

 

いいねやリツイートは待つだけでなく、積極的に「いいね&リツイートで賞品が当たる!」などのキャンペーンを開催するのも有効です。

 

気の利いたツイートが話題になり拡散され、そこから商品やブランドの認知が広がる場合もあります。

ユーザーからの関連ツイートに反応したリツイートなど、気軽で洒落のある投稿をきっかけに商品やブランドの人気が高まることもあります。

 

広告

Twitterではツイートの投稿のほか、広告の出稿が可能です。

Twitter広告では、性別や所在地、興味を持つ特定分野のユーザーに限定するターゲティング、またTwitterユーザーのリツイートによる拡散性を強みとして、商品やブランドを露出し認知してもらう機会を増やせます。

 

EC事業者のTickTokの活用方法

TickTokは動画、特に隙間時間にちょっとずつ楽しめるショートムービーのプラットフォームです。

15秒の短い動画を、音楽やエフェクトで簡単に加工して気軽に投稿できるのが特徴です。

 

動画投稿

TickTok10代から20代の若い層がメインです。15秒という短い時間で、インパクトのある曲や歌、ユーザーが真似したくなるようなダンスやポーズで、動画そのものを印象付けることが大切です。

 

タレントやインフルエンサーを起用することで話題を集めるのも効果的です。

動画内のポーズや曲に乗せたフレーズが拡散され流行(バズる)すれば、世間の話題にのぼりユーザー以外にも認知してもらうチャンスとなります。

 

広告

TickTokは「Shopify」を利用することでTickTok For Businessへアクセスし、広告出稿が可能になります。

 

TickTok広告には、TickTok起動時に表示される「起動画面広告」、EC事業者側がテーマのハッシュタグを用意しユーザーがタグに沿った動画を投稿する「チャレンジ広告」、投稿欄のおすすめに表示される「インフィード広告」の3種類あります。

 

TickTokでは広告は出せても、直接販売できるわけではないので、投稿や広告イコール売り上げというわけにはいきません。

商品やブランドのイメージ戦略や、ユーザーとのつながりを深めるツールであることを理解し、効果的に利用したいSNSです。

よりSNSを活用するために

SNSは、チャットボットを組み合わせることで効果が倍増します。

LINEやInstagramのチャットボット活用についてまとめていますので、ぜひご覧ください。

Instagramのチャットボットとは?メリットや出来ることをご紹介(Messenger API)

EC事業におけるLINEの活用方法とは?具体的な施策や事例とともに解説

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