CtoCとは、メルカリ・ラクマなどの消費者から消費者に商品やサービスを販売するビジネス形態のことをいいます。
コロナウイルスの流行などが要因となり、BtoCだけでなくCtoCの市場も大きく成長しています。
この記事では、CtoCの説明をはじめ、CtoCと別のビジネスモデルの違いについて・CtoCの市場規模・CtoCのメリット・CtoCのデメリットやリスクなどについて詳しく説明していきます。
CtoCとは新しいビジネスモデル
(引用:メルカリ – 日本最大のフリマサービス (mercari.com) )
CtoCは「Consumer to Consumer:個人間取引」のことであり、消費者が消費者に対してモノ・サービスを販売する形態のビジネスのことをいいます。
CtoCは近年、巨大なマーケティングを形成しているため、多方面から注目を集めています。
例を挙げますと、雑貨・コスメ・洋服・家具・家電などを個人間で手軽に取引可能なメルカリ、空き部屋を探すユーザーと宿泊先を提供する側をマッチングさせる民泊サービスのAirbnbなどがこれに該当します。
メルカリを代表とするCtoCサービス
(引用:Airbnb | バケーションレンタル、ログハウス、ビーチハウスなど )
先程も少し説明しましたが、メルカリをはじめとするCtoCビジネスは「シェアリングエコノミー」と呼ばれています。
シェアリングエコノミーとは企業が生産したモノ・サービスを販売するものではなく、個人が所有する資産を商品として提供することに着目した概念のことです。
メルカリやラクマといったフリマサービス、空き部屋を提供する際に利用するマッチングサービスのAirbnbなどがシェアリングエコノミーの代表的なサービスといえるでしょう。
シェアリングエコノミーは様々な市場において破壊的なイノベーションを起こしているため、今までの市場の常識が変わりつつあります。
他のビジネスモデルとの違い
国内外に問わず、ビジネスシーンでは企業間取引である「BtoB」や消費者向け取引の「BtoC」など、いくつかのビジネスモデルが存在します。
以下でそれぞれについて詳しく説明していきます。
BtoB
BtoB(Business to Business)は、企業が企業相手に行うビジネスモデルのことを指します。
ビジネス用途の業務システム・事務用品・商品のパッケージや広告デザインの作成等、企業向けにモノ・サービスを提供するビジネスモデルはBtoBに含まれます。
近年の傾向として、ネットビジネスの分野でもBtoB企業が跳躍しています。
BtoB向けのECサイトを開設して、企業がいつでも商品・サービスを購入できるサービス形態が増加しています。
BtoC
BtoC(Business to Customer)は、企業が販売する商品・サービスを消費者に提供するビジネスモデルのことを指します。
ECサイト等、消費者向けに提供されるものは全てBtoCのビジネスモデルに該当し、市場拡大が堅調なため、BtoCを展開している企業はデジタル戦略を取り入れていく必要があるといえるでしょう。
越境ECも盛んであり、海外市場に日本の商品を販売する企業も増加しています。
BtoE
BtoE(Business to Employee)は、企業が自社の従業員を対象とした商取引のビジネスモデルのことを指します。
例を挙げますと、事務用品・生活用品等を割安で従業員に向けて販売したり、自社サービスの費用を割引で利用できるようにする施策などがこれに該当します。
BtoEのメリットは以下の通りです。
①従業員をターゲットにするため、確実に顧客を囲い込める
②社員割引等で商品・サービスを提供することで、福利厚生を充実させることに繋がる
BtoG
BtoG(Business to Government)は、企業が行政向けに商品・サービスを展開しているビジネスモデルのことを指します。
消耗品・道路工事・経営コンサルティング等、様々なモノやサービスがBtoGとして取引されています。
このビジネスモデルでは、行政が主導権を握っている場合が多く、取引を行う企業も固定化されています。
そのため、新規参入が難しい業態ではありますが、固定概念に囚われずに斬新なアイディアを出して行政にアプローチを行っていくことで、「行政」という固い顧客とのビジネスを展開することができるかもしれません。
GtoC
GtoC(Government to Customer)は、行政から消費者に行われるサービスのことをいいます。
行政が個人に対して提供するサービスで代表的なものは以下の通りです。
①住民票
②戸籍謄本
③パスポート
④e-Tax・インターネット上での確定申告
⑤スポーツ施設・図書館等の電子予約
⑥オリンピックなどのチケット販売等
CtoCの市場規模
CtoCの市場は凄い勢いでイノベーションが起こっているため、市場規模も大きく成長しています。
経済産業省の「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」の内容によると、国内のCtoCの市場規模は2021年で2兆2,121億円にまで伸びており、今後も成長が予想されています。
2020年の新型コロナウイルスの影響を受けて家の中の整理に伴う出品、SDGsの達成をはじめとする社会課題の解決のための取り組みなども加わって、利用人口が拡大しています。
CtoCのターゲット層は主に10~30代のネットユーザーであり、若年層がCtoCビジネスの発展に貢献しているといえるでしょう。
CtoCのメリット
CtoCのメリットとしては、消費者が安く購入できること、販売側は手軽に利益を得ることができる点、プラットフォーマー側としては余計な在庫を持つ必要が無い点などが挙げられます。
以下でそれぞれについて詳しく説明していきます。
買い手は安く購入出来る
CtoCの買い手側のメリットとしては、市場価値よりもモノ・サービスを安く購入できる点が挙げられます。
メルカリ・ラクマ等、「安く購入したい」という需要に基づいて、売り手側もリーズナブルな価格に設定しますので、買い手側も驚くような安い価格で購入できる場合があります。
売り手は手軽に対価を得られる
売り手側のメリットとしては、手軽に対価を得ることができる点が挙げられます。
売り手側は不要なモノ・資産を出品できますし、空いた時間を活用して手軽に対価を得ることができます。
また、個人取引になりますので消費税がかからない点もメリットといえるでしょう。
プラットフォーマーは在庫を持つ必要が無い
CtoCサービスの提供者であるプラットフォーマーのメリットとしては、在庫を抱える必要が無い状態でビジネスをスタートできる点が挙げられます。
利用者の手数料によって成り立つビジネスであるため、新たに在庫を仕入れる必要がありません。
在庫を多く抱えてしまい、赤字になってしまうというリスクがありませんので、新しいビジネスをスタートする際の足枷が少なくなります。
CtoCのデメリット、リスク
CtoCのデメリット・リスクとしては、トラブルが発生した場合には自分で対処しないといけない点が挙げられます。
急なキャンセルや振り込んだのに商品が届かないなどのトラブルが稀に発生しますが、これらの対応を売り手側・買い手側で話し合いを行って解決しないといけません。
また、プラットフォーマー側も商品が発送されない場合に、決済料金を保証しないといけない場合がある点が挙げられます。
それぞれについて以下で詳しく説明していきます。
トラブルが発生した際の責任
CtoCサービスの売り手側・買い手側のデメリットとして、トラブルが発生した場合に自分で対処しないといけない点が挙げられます。
「急なキャンセルが発生した」「お金を支払ったのに商品が届かない」「届いた商品が破損していた」等、予期しないトラブルは稀に発生してしまいます。
これらのトラブルは、基本的に売り手側・買い手側で話し合って解決する必要があります。
事業者はトラブルを防ぐため、利用者向けのルール・ガイドラインの整備、サポート窓口を設置するなどの対策を行っていますが、個人間取引では当事者同士のモラル・自己解決に委ねられてしまうケースも少なくありません。
決済保証
その他にも、決済時の保証がない点もCtoCのデメリットといえるでしょう。
BtoBビジネスと違い、取引相手は一般消費者のため、決済を行っても商品が発送される保証はありません。
悪質な出品者の場合、商品が送られてこないケース・中身の違う商品が送られてくる・商品が壊れていたというトラブルが発生してしまいます。
そのため、決済時にプラットフォーマー側が仲介し、買い手側の入金→売り手側の発送を確認してから料金を支払う「エスクロー方式」を採用するなどの対策を行っています。