ECサイトを運営していれば、フラッシュマーケティングという言葉を耳にすることも多いのではないでしょうか。
フラッシュマーケティングは現在多くのECサイトで実施されているマーケティング手法です。
今回は、フラッシュマーケティングとはなにか、メリットやデメリットについて、事例を交えてご紹介していきます。
フラッシュマーケティングとは
画像引用元:最安値挑戦中!コスメ通販 | ベルコスメ <公式>
フラッシュマーケティングとは、「フラッシュ(Flash)」という言葉の瞬間的なイメージの通り、期間や時間を限定して発行・実施されるクーポンやキャンペーンのことを指します。
「◯時から◯時間限定で最大90%オフ」などの宣伝を見た事がある人は多いのではないでしょうか。
ジャンルを問わず、割引額が大きいとまず目を引きますよね。
さらに実施期間が短いと、とりあえず行ってみようかな、この機会に買っておかなければという気持ちになります。
そういった顧客の心理を上手く利用したマーケティングがこのフラッシュマーケティングです。
フラッシュマーケティングのメリット
フラッシュマーケティングを取り入れる事で得られるメリットは、主に以下の3つです。
- 短いスパンで集客を強化出来る
- 購入率の向上に寄与する
- 在庫処理にも役立つ
それでは詳しく見ていきましょう。
短いスパンで集客を強化出来る
フラッシュマーケティングにおいての期間は、一般的に最長で72時間(3日間)程度とされています。
期間が短いということは顧客の意思決定までの時間も早く、短時間での集客効果を見込めます。
さらに、次のキャンペーンまでのスパンも短くすることが可能になり、より集客力をたかめることができます。
購入率の向上に寄与する
期間限定で低価格で購入できるというきっかけから、自社サイトに訪問したことはあっても購入まで至っていなかった顧客や、潜在的な顧客の獲得につながり、購入率の向上に貢献します。
フラッシュマーケティングの定期的な実施により、このサイトでは低価格で購入できるという付加価値をつけることができます。
在庫処理にも役立つ
期間限定で低価格で購入できるとあれば、損をしたくないので今まで購入まで至っていなかった商品や通常価格では購入しないような商品も、この機会に買ってみようと購入される可能性が高まります。
あまり売り上げが伸びていない商品や過剰に仕入れてしまった商品を対象としておけば、在庫処理にも役立てることができます。
フラッシュマーケティングのデメリット
逆に、フラッシュマーケティングを取り入れる事で起こりうるデメリットもここで述べておきます。
主に挙げられるデメリットは以下の通りです。
- 安価なブランドイメージが付いてしまう
- プラットフォーム利用による手数料が発生する可能性がある
- 景表法に抵触する可能性がある
- リピートされにくい
次に詳しく説明していきます。
安価なブランドイメージが付いてしまう事も
これまで提供していた価格を大幅にプライスダウンし、頻繁にフラッシュマーケティングを実施してしまうと、いつでも手に入りやすい安価なブランドイメージが付いてしまう可能性があります。
あまりブランドイメージに影響を与えたくない場合、フラッシュマーケティングの実施スパンや割引の割合を調整する必要があるでしょう。
プラットフォーム利用による手数料が発生する場合も
自社サイトの認知度が高く、クーポンの発行なども自社サイト内でできれば問題ありません。
ですが、認知度があまり高くなく、自社サイト内で完結できない場合、フラッシュマーケティングのプラットフォームを利用するという方法を取ることになるでしょう。
そうすれば高い集客力を見込めます。
ただし利用には手数料がかかるため、フラッシュマーケティングの内容や実施するための費用をよく検討することが大切です。
景表法に抵触する可能性
割引後の価格を定価として表示したり、期間限定セールの実施スパンが短すぎたりすると、景品表示法に抵触する可能性があります。
また、発行されたクーポンと実際の商品や価格の内容が異なると、顧客からの信用は一気に落ちてしまいます。
顧客の客層やサイトの利用者数などからきちんと戦略を立て、誇張表現に注意を払いながら、計画的にフラッシュマーケティングを取り入れると良いでしょう。
リピートされにくい
期間限定での割引や特典となると、その期間のみ購入する顧客が増えてしまうことは否めません。
フラッシュマーケティングにおいて、リピートされにくいというのは必ずついて回るデメリットと言えます。
サイトを知ってもらうきっかけとしては最適であり、期間限定割引を機に継続して利用してくれる顧客もいますが、対応や商品の質に問題があると、逆に敬遠されてしまう可能性もあります。
フラッシュマーケティングの成功事例
ここで、フラッシュマーケティングの成功事例として、以下の企業についてご紹介します。
・LOCONDO
・グルーポン
それぞれ詳しく見ていきましょう。
LOCONDO
画像引用元:LOCONDO公式
LOCONDOは、約4000ブランドを公式取扱としている、靴とファッションの通販サイトです。
季節や時間で定期的にセールを開催しており、割引率と豊富な商品数が特に目を引きます。
さらに、サイズ交換や返品が無料でできる「自宅で試着、気軽に返品サービス」や、今や欠かせない豊富な決済オプションを揃えており、顧客の満足度向上へつながる対策もしっかりと対応しています。
グルーポン
画像引用元:グルーポン、日本市場から撤退–クーポンは12月27日まで利用可能
グルーポンは、「共同購入型クーポン」の販売サイトを運営するシカゴで設立された企業です。
「共同購入型クーポン」とは、あらかじめ定められた時間内に規定購入数に達した場合に割引クーポンが発行されるというものです。
割引率が高く、クーポンを利用したい顧客が自発的に宣伝してくれるため、販売者にとってコストパフォーマンスの良い手法とされています。
この「共同購入型クーポン」の取扱いにより、グルーポンはフラッシュマーケティングの火付け役となりました。
ところが現在、2011年に起きた問題により、グルーポンは日本市場から撤退しています。
このグルーポンを利用した販売元の納品が追いつかず、配送遅延や商品内容の大幅な相違により、販売元への措置命令が下され、グルーポンは信用を失いました。
クーポンを発行する店舗の審査基準改訂や店舗へのサポート体制を見直し、業務改善を行いましたが、2020年9月に日本市場から撤退し、サービス終了となりました。
日本では、現在グルーポンはサービスを提供していませんが、フラッシュマーケティングの先駆けとなったことは間違いありません。
まとめ
フラッシュマーケティングは、集客力や購入率のアップ、在庫処理に大変大きな効果を見込めます。
ですがデメリットもよく押さえておく必要があります。
ブランドイメージに影響を与え、費用やリピーターについて、よく検討しなければならないからです。
フラッシュマーケティングを機に来てくれた顧客に対し、さらなる付加価値を見出してもらうため、どれだけ丁寧に対応できるかがリピーター獲得のカギとなります。
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フラッシュマーケティングを上手く活用しながら、自社のサイトを盛り上げていってくださいね。