メルマガ配信等のメールマーケテイングを進める上で、オプトイン・オプトアウトは重要な項目になります。
これらのルールを守っていないと、特定電子メール法違反になってしまい、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
この記事では、オプトイン・オプトアウトの解説をはじめ、特定電子メール法の解説・オプトインの取得方法・オプトアウトの注意点などについて詳しく解説していきます。
オプトインとオプトアウトとは
オプトインとオプトアウトとは、メルマガ等のメール配信でよく使用されている方式のことです。
オプトイン、オプトアウトの内容とそれぞれの違いについて詳しく解説していきます。
オプトインとは
オプトインとは、「参加する」「許諾する」「同意する」という意味の言葉になります。
メール配信などのマーケテイング施策を行う場合に、事前に顧客に対して同意を求めて、同意を得てから配信を行うことを「オプトインメール」といいます。
ECサイトで製品を購入する際、「ショップからのメルマガを受け取る」という項目が表示されているのを見たことがあると思いますが、こちらにチェックを入れるとメルマガ配信に同意したと判断されて、メルマガが届くようになります。
オプトアウトとは
オプトアウトとは、「脱退する」「身を引く」という意味の言葉になります。
企業がユーザーへ確認を行うことなく配信を行い、受信後にユーザーが受信拒否の設定を行うことをいいます。
受け取る側の人が「これ以上受け取る必要がない」を判断した際に、オプトアウトの設定を行えるようにしておくことが義務化されています。
オプトインメールにも、受信拒否を行うための導線の設置が必要となります。
オプトインとオプトアウトの違い
オプトインとオプトアウトの違いは、「事前に確認を行うかどうか」ということになります。
先程も説明しましたが、オプトインは相手に事前に確認を取ってからメルマガの配信を行いますが、オプトアウトは確認を取らずに配信を行い、相手が拒否したら配信を取りやめる方法です。
特定電子メール法
(総務省、「特定電子メール法」違反者に対する措置命令を実施 〜 施行より初めての命令 | RBB TODAY より引用)
特定電子メール法と呼ばれる法律がありますが、特定電子メールの送信の適性化に関する法律になります。
特定電子メールは、営業活動を目的として企業が顧客に配信を行うメールや広告のことを指します。
2008年12月にオプトアウト配信からオプトイン配信を原則とするように変更されています。
①本文中に記載しないといけない情報
配信を行うメールの本文内に「送信者の氏名・名称」と「住所」という配信者の情報を記載することが義務となっています。
URLなどのリンク先に記載する方法ではなく、本文中に必ず記載する必要があります。
2008年の法改正で、オプトアウト方式について本文内に記載することも義務化されました。
メルマガ・広告の配信の際には、「配信を停止する際に必要な連絡先や配信停止のフォームのリンク」を本文の分かりやすいところに記載することが必要になります。
他にも、問い合わせや意見を受け付けるための電話番号・メールアドレスも明記する必要があります。
②違反した場合
受信拒否を行っている人や同意を得ていない人に配信を行ったり、偽った送信者情報でメールを送信したりすると、法律違反になります。
違反者には送信方法の改善が通告されますが、これを無視して配信を続けますと、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
オプトインの取得
オプトインの取得を行うための方法、注意点等を解説していきます。
取得の方法
①個人情報取扱いに関する同意文に含める
自社Webサイト上のお問い合わせページ・資料請求時のプライバシーポリシーに関する同意文中に、メール配信についての同意を含める方法です。
必要項目中に「メール配信に同意」という項目を設置して、チェックして頂くことでオプトインを取得できます。
②メルマガ購読フォームの設置
メルマガ配信の登録フォームなどで、ユーザーが自分で配信を希望することでオプトインを取得できます。
ユーザーが「オプトインを許可した」と認識して頂けるように、分かりやすい表記にしておきましょう。
チェック欄はページの下部の設置を避けたり、チェック欄に自分でチェックを入れてもらえるような形式にしておくと良いでしょう。
取得時の注意点
オプトインを取得する際には、いくつかの注意点に気を付ける必要があります。
以下で詳しく解説していきます。
取得履歴の取り扱い
オプトインを取得した場合、ユーザーが同意したことを証明する記録の保管が必要になります。
保管期間は配信停止日~1カ月間と定められているため、顧客情報を取得したタイミングや取得手段等がすぐに分かるように保管しておく必要があります。
特定電子メール法による改善命令を受けている場合、1年間の保管義務を守る必要があります。
同意取得の視認性
オプトインを取得する際、「文字が小さすぎて読めない」「利用規約・約款が長すぎる」「背景に近い色で記載している」等の顧客から非常に見づらかったり、分かりにくいようなものは取得方法としては不適切です。
メール配信を同意した際にも、同意の通知の相手が特定されていないものは不適切になります。
このような不適切なオプトインを取得は「相手を騙して同意を得ようとしている」と疑われる要因にもなりかねません。
オプトアウトも同時に設置
オプトインの取得がルールで定められていますが、「オプトアウト」に関しても規定があり、相手がメールの受け取りをやめたいを考えた際に、メールの受信を拒否できる導線の設置が必要になります。
オプトアウトの表記では、分かりやすさを意識して記載を行うことが重要となります。
メール配信のストップが行えないもの、停止方法が分かりにくいメールは、スパムメールや迷惑メールという扱いになってしまうため、必ず受信を拒否できる導線を設置しておきましょう。
オプトインの取得が不要なケースも
基本的にはオプトインを取得して相手の同意を得る必要がありますが、以下の事例では取得が不要となります。
①自社と取引がある場合
取引・契約に関するメールを送る場合には、取引先に同意を得る必要はありません。
広告メールを配信する際には、事前の同意が必要になりますので注意してください。
②名刺・書面を貰っている場合
名刺や製品資料等に記載されたメールアドレスには、情報発信の許可を確認するステップは不要となります。
契約や取引関連の通知メール、広告宣伝が行われるメールでも事前の承諾は必要ありません。
③Web上にアドレスが掲載されている場合
公式のHPなどでメールアドレスなどの連絡先が公表されていることが確認できる場合は、オプトインを取得する必要はありません。
注意点としては、連絡先を公表している方が「企業の宣伝を目的としたセールス等のメール受信を拒否している」場合には、配信前に相手の同意を得る必要があります。
オプトアウトの注意点
オプトアウトの注意点は以下の通りです。
オプトアウトの方法の明記
オプトアウトの方法の明記を忘れないように注意してください。
獲得した受信者にはできるだけオプトアウトして欲しくないと考えることは自然なことではありますが、わざとオプトアウトの方法を分かりにくくするなどの不正を行うと、結果として顧客との信頼関係を損ねる可能性があります。
また、メールマーケテイングを進める上で迷惑メールと判断される可能性があり、特定電子メール法に違反したことになります。
メール配信を行う際には、必ず「オプトアウトの方法」を分かりやすく記載するようにしてください。
オプトアウトの例外も
メルマガ等は基本的に受信者の意思でオプトアウトできるようにする必要がありますが、例外も存在しています。
契約に伴う料金請求やサービス利用に必要なお知らせ、顧客からの問い合わせに対する返信などに広告が含まれるケースなどです。
宣伝・広告がメインではなく、付随的に含まれる場合は違法にはなりません。
契約・サービス内容の変更などの重要なメールにオプトアウトが行われてしまうと、本来の目的に支障が出てしまう可能性があるため、これらもオプトアウトの例外として認められています。