Instagramでキャンペーンを行うことで、企業アカウントはフォロワーを増加させたり、エンゲージメントを向上させたり、UGCを増やすことに繋がるといった効果を期待できます。
この記事では、Instagramキャンペーンの説明をはじめ、Instagramキャンペーンのメリット・Instagramで実施するキャンペーンの種類・Instagramでキャンペーンを実施する方法・Instagramキャンペーンの成功事例・Instagramキャンペーンの注意事項などについて詳しく説明していきます。
Instagramのキャンペーンとは
Instagramキャンペーンとは、ユーザー参加型の集客・認知拡大を目的に行うプロモーションマーケテイングの手法の一つになります。
複数ユーザーの閲覧・ハッシュタグ投稿を促すことにより、エンゲージの向上またはコンバージョンの達成を目指す施策になります。
Instagramでのキャンペーンは規約違反にあたるのか
Instagramでのキャンペーンは規則違反ではないのか?と考えている方も多いのではないでしょうか。
実は完全にキャンペーンが禁止されているわけではありません。
実際に多くの企業がInstagramキャンペーンを投稿しており、アカウントも問題なく運営できています。
「フォローやエンゲージメントの見返りとして、現金や現金同等物を提供する」ことが違反になりますので、フォローしてくれた方の中からプレゼントが当たります!のような直接的な内容は違法になってしまいます。
しかし、「フォロワー限定キャンペーン」や「4つの中から欲しい商品をコメントしてください」といったような内容であれば、直接的な表現に該当しませんので、問題なく実施できます。
また「自社商品」「サンプル」「体験」等も、プレゼント内容が現金等にあたりませんので、実施が可能です。
Instagramキャンペーンのメリット
Instagramキャンペーンを行った際に得られるメリットは、フォロワー数を増加させることができる点・多くのエンゲージメントを獲得できる点・ユーザーがUGCを自ら拡散してくれる点・認知拡大が期待できる点などが挙げられます。
その中でも、最大のメリットはフォロワー数を増加させることができる点です。
自社アカウントでキャンペーン告知を行い、ユーザーに様々なアクションを取ってもらうことで参加を促していきます。
ユーザーに促すアクションはフォロー・いいね・コメント・ハッシュタグになりますが、自社アカウントのフォローをキャンペーンの参加条件にしますと、一気にフォロワー数を増加させることが可能です。
それぞれについて以下で詳しく説明していきます。
Instagramで実施するキャンペーンの種類
Instagramで実施するキャンペーンには、フォローで応募するキャンペーンをはじめ、いいねで応募するキャンペーン、コメントで応募するキャンペーン、投稿で応募するキャンペーン、複数の方法を組み合わせる方法などの種類が挙げられます。
それぞれについて以下で詳しく説明していきます。
フォローで応募するキャンペーン
Instagramキャンペーンの参加条件が、指定するInstagramアカウントのフォローである場合のキャンペーンになります。
コミュニティガイドラインには、フォローしてくれたらプレゼントというプロモーションは禁止されていますので、フォロワー限定キャンペーン等の名称にするなど、フォロー=インセンティブの付与という構図にならないようにしないといけません。
メリットとしては、応募が簡単でユーザーが参加しやすい点・企業がフォロワーを獲得しやすい点などが挙げられます。
デメリットとしては、既存フォロワーが勝手に応募者になってしまう可能性がある点・自然増の部分もありますので、正確な応募数が把握しにくい点などが挙げられます。
いいねで応募するキャンペーン
キャンペーン投稿にいいねを付けることで応募が完了できるパターンのキャンペーンになります。
先程と同様に、いいねしてくれたらプレゼントのように、いいね=インセンティブの付与という構図は禁止されていますので注意が必要です。
メリットとしては、いいね数=応募数なので結果が分かりやすい点・エンゲージメント向上に繋がる点などが挙げられます。
デメリットとしては、いいねしたユーザーのリストが抽出できないので、公平な抽選が難しい点・抽選に時間がかかる点などが挙げられます。
コメントで応募するキャンペーン
(引用:#コメントキャンペーン – Instagram | ハッシュタグ )
キャンペーン投稿にコメントをすることで応募が完了するパターンのキャンペーンです。
コメントを書き込んでもらう必要がありますので、ユーザーから見ると少し応募のハードルが高くなりますが、メリットと工数で考えますとオススメの手法といえるでしょう。
自由にコメントしてもらうということではなく、好きな商品を選択してもらう、指定の絵文字をコメントしてもらうといったように、簡単なコメントで参加できる工夫を行っている企業が多いことが分かります。
メリットとしては、コメント数=応募数なので結果が分かりやすい点・コメントでアルゴリズムが優位にはたらきますので、リーチが広がりやすい点・コメントしたユーザーの一覧はインサイトからダウンロード可能な点などが挙げられます。
デメリットとしては、応募のハードルが高くなる点・手作業でのフォローチェックや抽選に時間がかかる点などが挙げられます。
投稿で応募するキャンペーン
(引用:#投稿キャンペーン – Instagram | ハッシュタグ )
ユーザーのフィードにテーマに沿った投稿を行ってもらうことで応募できるパターンのキャンペーンです。
UGCを増加させたい場合に向いている手法といえるでしょう。
応募のハードルが最も高い手法といえます。
その代わりに、ブランドに愛着を持っているアカウントに投稿して頂けることが期待できますし、口コミ投稿を増やすことで製品・ブランドの認知拡大に繋がります。
メリットとしては、UGCを増加させることができる点・応募者のフォロワーに情報を届けることができる点などが挙げられます。
デメリットとしては、応募のハードルが高いため、応募数が増えにくい点・投稿の集計やフォローチェックに時間がかかる点などが挙げられます。
複数の方法を組み合わせる形も
(引用:#フォローキャンペーン – Instagram | ハッシュタグ )
先程まで説明した応募条件を組み合わせる方法もあります。
例えば、いいねとフォローを組み合わせると非常に効果的だといえるでしょう。
企業の投稿にいいねとフォローをすることで、抽選でプレゼントが当選するといった施策も存在します。
その際にも、先程と同様にいいね+フォロー=インセンティブの付与とならないように、表現に気を付けましょう。
Instagramでキャンペーンを実施する方法
Instagramでキャンペーンを実施する際には、フォロワーを増やす・エンゲージメントを高めるといった目的を定める必要があります。
次にその目的を達成するための企画を検討する必要があります。
UGCを増加させることが目的なのに、フォローすることが応募条件ですと、キャンペーンの意味がなくなってしまうからです。
企画が決まりましたら、抽選・当選の通知方法を検討します。
全ての内容が決まりましたら、キャンペーンの応募対象となる投稿を作成していきます。
一目でキャンペーンの内容が分かるものにすると効果的です。
順番に細かく説明していきます。
キャンペーンの目的を定める
キャンペーンを実施する目的について、フォロワー数の増加・エンゲージメント向上・新商品の認知拡大など、どういった目的でキャンペーンを実施するのかを決めておく必要があります。
目的を定めましたら、目的を達成するためのKPIを定めておくと良いでしょう。
目的に沿った企画を検討する
キャンペーンの目的が決まりましたら、具体的な施策の内容・予算・開催期間等の企画内容を決めていきます。
参加の方法・賞品の内容なども詳細に決めていきましょう。
参加条件とユーザーが得られるメリットを比較しながら、適切な応募条件・企画内容を検討していきましょう。
参加条件の例
①フォロワー数増加が目的:フォロー+コメントで応募のキャンペーン
②ユーザー投稿を増やしたいことが目的:投稿で応募のキャンペーン
抽選や当選の通知方法の検討
キャンペーン企画が決まったら、事務局まわりについても決定していきます。
どの様な抽選を行うのか、どの様に当選連絡をするのか、担当者を誰にするのか等を決めていきます。
基本的にキャンペーン終了後に抽選を行う後日抽選が主流といえます。
後日抽選ですと、キャンペーン開始までにかかる手間が少ないため、手軽に実施できます。
ただし、キャンペーン終了後に抽選作業・当選通知などの作業がまとめて発生します。
一方で、近年増加しているのが即時抽選になります。
応募するとその場で抽選が開始され、抽選結果が自動で返信される仕組みとなっています。
応募リストの作成・フォローチェック・当選連絡の手間がかかりませんので、対応リソースが少ない場合にはオススメです。
抽選や当選にはツールも検討しよう
抽選・当選にはツールを導入することで効果的な運用を行うことが可能となります。
後日抽選の場合でも、Instagramに対応したキャンペーンツールを導入しておくと安心です。
即時抽選の場合には、即時抽選機能を搭載したツールの導入は必須といえるでしょう。
どちらにしても、Instagramキャンペーンに対応したツールを導入することで、事務局作業が軽減されますので、実施するキャンペーン形式に対応したツールの導入を検討してみましょう。
キャンペーン投稿の作成
内容が決まりましたら、キャンペーンの応募対象となる投稿を作成します。
ポイントとして、画像を見た時に一目でキャンペーンの内容が分かるものにすることです。
応募規約・応募要項を忘れずに作成してください。
Instagramキャンペーンの成功事例
Instagramキャンペーンの成功事例として、ダンス動画の投稿で応募するキャンペーンを行って、4,000件以上も投稿された東京ディズニーリゾートの事例をはじめ、#Galaxyカメラ部というハッシュタグを使用したフォトコンテストのキャンペーン終了後も、ファンの間でハッシュタグをずっと使って頂くことができるほど話題になったサムスン電子ジャパンの事例、似顔絵メーカーである「ウォーリーになって絵本の世界にとびこもう!」を活用したユニークなキャンペーンを実施した雪印メグミルクの事例など、計13社の事例をご紹介していきます。
東京ディズニーリゾート
(引用:「47都道府県レッツ・ご当地!ジャンボリミッキー!」キャンペーン開催中!応募方法は? (castel.jp) )
東京ディズニーリゾートは、ダンス動画の投稿で応募するキャンペーンを行いました。
ダンス動画の投稿ですので、応募のハードルは高くなっていますが、ダンスは簡単な内容ですので、誰でも応募できるようになっています。
抽選で400組800名に東京ディズニーリゾートのパークチケットが当選するなど、プレゼントも非常に豪華です。
テーマを「ご当地」とすることで、企業・団体をはじめとする大人の参加しやすさにも配慮しています。
ディズニーのオリジナル音源が使用できること含め、独自のコンテンツ力があることが要因となって、結果的には投稿が4,000件以上にのぼりました。
Galaxy
(引用:#galaxyinstagramフォトコンテスト – Instagram | ハッシュタグ )
サムスン電子ジャパンは、Galaxy Instagram フォトコンテストと題したキャンペーンを実施していき、成功しました。
このキャンペーンは、Galaxyで撮影した風景や季節の写真を「#Galaxyカメラ部」というハッシュタグを付けて投稿を行うことで参加できます。
入賞者には、Galaxyがもっと楽しくなるプラスαなアイテムが贈られました。
キャンペーン終了後も、#Galaxyカメラ部のハッシュタグはファンの間で頻繁に使用されており、認知度やエンゲージメントの向上に繋がっています。
ユーザーからの反響も大きく、2回目の開催も行われました。
マルホン胡麻油
マルホン胡麻油はフォロー&コメントで応募し、すぐに抽選結果が届くキャンペーンを行いました。
このキャンペーンは当選連絡までのタイムログがないので、当選連絡を装ったなりすましアカウントの対策としての効果も期待できます。
画像を使用しながら今すぐ食べたい料理を問い、番号で答えてもらうようにしておき、参加ハードルを下げています。
美味しそうな料理の画像も、一目でユーザーの目を引くことができます。
小田急電鉄
(引用;#my下北沢キャンペーン – Instagram | ハッシュタグ )
小田急エージェンシーでは、下北沢の地域や文化の認知拡大を目的としたInstagramキャンペーンを行いました。
公式アカウントのフォロー+以下の3つのお題に合わせた写真を「#my下北沢」というハッシュタグを付けて投稿を行うことで、キャンペーンに参加できます。
①お店で撮ったで賞:キャンペーン参加店で撮った写真を投稿
②シモキタらしいで賞:下北沢の風景や街並み、人を投稿
③しもっきーで賞:街中にいるしもっきーを撮影して投稿
入賞者には、オリジナルグッズ・ヴィレッジヴァンガード下北沢店の詰め合わせセット等がプレゼントされました。
タカラトミー
タカラトミーはフォロー&コメントで応募できるキャンペーンを実施しました。
自社商品の玩具セットを4種類用意して、欲しい玩具をコメントして頂くことで応募ができるキャンペーンです。
応募条件にコメントが必要になりますが、単にコメントを頂くのではなく、プレゼントに関する選択肢を設けることで欲しい気持ちを盛り上げることで、答えやすくなる工夫を行っています。
amazon music
amazon musicはフォロー&コメントで応募のキャンペーンを行いました。
JO1のファンをターゲットとして、自分の好きなものを他の人に勧めたいという「推し」心理を上手く活用したキャンペーンとなっています。
同じキャンペーンはX(旧Twitter)でも同時に行われていました。
雪印メグミルク
(引用:#雪印スライスチーズ – Instagram | ハッシュタグ )
雪印メグミルクは、似顔絵メーカーである「ウォーリーになって絵本の世界にとびこもう!」を活用して、販促用パッケージの認知拡大・ブランド価値の向上を目的としてInstagramキャンペーンを行いました。
ユーザーの間で多くの反響を呼んで、1週間の利用回数は15万回以上、10万のユニークユーザーの獲得に繋がりました。
作成したアイコン・壁紙の画像については、自由にダウンロードが可能なため、Instagramを通じてシェアされていき、国内外で大きな話題となりました。
Balmuda
Balmudaはフォロー&コメントで応募できるキャンペーンを行いました。
新製品の名前を当てた人に、新製品が当たるといったユニークな条件のキャンペーン。
機能性の高さが人気のブランドであり、その点を生かしながら新製品に対する期待を高め、新製品の発表への盛り上がりに繋げていきます。
穴埋めクイズ形式・賞品の豪華さがコメントへのハードルを低下させています。
コメントでは、GRILL・PLATE・TEPPANといった色んな意見が見られました。
富士サファリパーク
(引用富士サファリパーク – Instagram投稿キャンペーン(7月21日~9月30日)開催!… | Facebook :)
富士サファリパークでは、認知向上・顧客ロイヤリティ創出を目的としてInstagramキャンペーンを行いました。
「#富士サファリパーク」というハッシュタグを付けて投稿を行うと、キャンペーン内のスロットゲームに参加できる仕組みになっています。
スロットゲームで当たりが出ると、園内でプレゼントが頂けます。
動物園にただ来園してもらうだけでなく、園内でより楽しんで頂くために徹底的に考えたInstagramキャンペーンの事例です。
niko and
niko andは複数のプレゼントを準備して、欲しいプレゼントをコメントに書いて頂くことで応募ができるInstagramキャンペーンを行いました。
アウトドア用品ブランドのDODとコラボしたキャンペーンで、投稿内容もコラボ仕様となっています。
プレゼント内容が非常に豪華で、キャンプ初心者でも「全部のせセット」が当たれば、すぐにキャンプができそうな内容となっています。
実際にコメント欄では、全部のせセットを希望する人が沢山のコメントを書き込んでいました。
ダンロップ
(引用:#実はやさしい – Instagram | ハッシュタグ )
ダンロップは、新商品の認知向上・試打会への誘導を目的にInstagramキャンペーンを行いました。
公式アカウントのフォロー+自分のスイングしている写真に指定のハッシュタグを付けて投稿を行うことで、キャンペーンに参加できます。
キャンペーンに参加したユーザーの中から20名にボール・クリーナー等のプレゼントが贈られました。
森永製菓
(引用:甘酒|おすすめシーン|森永製菓株式会社 (morinaga.co.jp) )
森永製菓は若者をターゲットにしたフォトコンテスト型のTwitter・Instagramキャンペーンを行いました。
本企画は「甘酒は健康に良い」という認識拡大を目的としており、商品を持っている写真を「#森永甘酒 #30日チャレンジ フォトコンテスト」というハッシュタグを付けて投稿を行うことで、エントリー完了となります。
30日間自社製品を試して頂き、製品の良さを体感して頂くだけでなく、UGCの獲得にも繋がった成功事例です。
2,500件を超えるハッシュタグを集めることができ、商品を試した若い女性層のユーザーからは自然な口コミが集まったため、親近感を感じてもらいやすい傾向にあることから、エンゲージメント向上にも繋がりました。
Loacker Japan
Loacker Japanは、フォロー+コメントで応募後、DMで届くアンケートに回答を行うと当選確率が上がるキャンペーンを実施。
チャットボットを活用したキャンペーンであり、すぐにその場で抽選が行われて結果が分かるようになっています。
応募条件のコメントも絵文字一つだけですので、参加ハードルも低めだといえます。
投稿内容を確認しても、「フォロワー限定」「結果がすぐわかる」というように、キャンペーン内容が分かりやすくなっています。
Instagramキャンペーンの注意事項
Instagramキャンペーンを展開していく場合、Instagram公式のプロモーションガイドラインに違反していないかを必ず確認しておきましょう。
また、応募条件のハードルが高い場合にも、ユーザーの反応が悪くなってしまい、効果が期待できなくなる場合がありますので、その点にも注意してください。
それぞれについて以下で詳しく説明していきます。
プロモーションガイドライン
Instagram公式のプロモーションガイドラインは、キャンペーン・コンテストを含むプロモーションをInstagram上で行う際の規則が掲載されたページのことをいいます。
Instagramキャンペーンを行う場合には、こちらの内容を参照して概要を把握しておきましょう。
またガイドラインについては改訂されることがありますので、定期的に確認を行い、違反にならないように気を付けてください。
キャンペーンのプレゼント内容を決定する際には、ガイドラインだけでなく景品表示法にも気を付けましょう。
応募条件とインセンティブのバランス
Instagramキャンペーンの応募条件のハードルが高すぎる場合には、誰からも応募して頂けないという状況になってしまう可能性もあります。
例を挙げますと、一眼レフを使用した商店街のフォトコンテストといった内容にしてしまうと、応募者は少なくなりますし、一眼レフ販売企業には効果があるかもしれませんが、全く関係のない企業・団体が実施しても意味がないといえるでしょう。
基本的には誰でも簡単にキャンペーンに応募できる条件にしておきましょう。
また、Instagramではインセンティブを付与してエンゲージメント向上させる行為を推奨していません。
これらの行為はエンゲージメントベイトと言われており、ページ投稿の表示順位を下げてしまうことに繋がります。
キャンペーン応募条件が該当しないかを確認して、インセンティブとのバランスを考えながらプレゼントを決めていきましょう。