マーケティング部門で見込み顧客を育成していて、以下のようなお悩みを抱えた経験はありませんか?
- 見込み顧客を増やして、営業部門にバトンタッチさせても契約に繋がらない
- 見込み顧客を受け渡す際に営業部門と上手に連携が取れない
上記のような悩みの原因は、MQLとSQLという顧客の関心度の違いによるものの可能性があります。
そこで、こちらの記事では以下のような内容をご紹介いたします。
- MQLとSQLについてとその違い
- マーケティング部門と営業部門の連携の課題
- マーケティング部門と営業部門の連携を強くし、売り上げを伸ばすためにおすすめな方法
こちらの記事を参考に、部門間の連携を円滑にし、購入や契約の数を増やしていきましょう。
MQLとSQLとは
MQLとSQLとは、どちらも見込み顧客を指す単語であり、それぞれどれくらい自社の商品やサービスに興味を持ってくれているのか、購意意欲が高いのかという点が異なっています。
それぞれどのような見込み顧客なのかについては、具体的に以降の項目で営業活動の流れと併せて、説明していきます。
営業活動の全体像
そもそも、営業活動の流れは以下のような流れで行なわれます。
1.見込み顧客を生み出す(リードジェネレーション)
リードジェネレーションとは?顧客獲得のための方法を解説 – HummingBird
2.見込み顧客を育成する(リードナーチャリング)
リードナーチャリングとは?手法や事例、ツールまで解説 – HummingBird
3.見込み顧客をふるい分けする(リードクオリフィケーション)
リードクオリフィケーションとは?概念から効果的な方法までを解説- HummingBird
まず、リードジェネレーションの段階で、以下のよな施策でユーザーに自社製品やサービスに興味持ってもらいます。
- メールマーケティング
- 展示会(オフライン/オンライン)
- オウンドメディア(コラム、動画)
次に、リードナーチャリングの段階で、興味を持ってくれたユーザーに対して、以下のような働きかけを行ない、購売意欲を強めていきます。
- パンフレット、導入事例
- ステップメール
そうして、購入を検討し始めてくれたユーザーに対して、以下のようなことを実施し、購意欲が特に高い見込み顧客のふるい分けを行ない、営業担当に引き継ぎをします。
・スコアリング (ユーザーの行動に対して点数化して、どれぐらい確度が高い顧客なのか数値化して判断する)
このような流れで、営業部門に見込み顧客が引き渡された上で、営業活動を行なってもらい、商談が購入や契約に繋がっていきます。
このように、営業活動は大きく分けて 見込み顧客の購意欲を高めていく→商談→契約といった流れで行なわれ、見込み顧客の確度を高めていくためにも、色々なアプローチを行なっていく必要があります。
MQLとは
MQL(Marketing Qualified Lead)とは、直訳すれば「マーケティングでふるい分けされた見込み顧客」という意味であり、リードナーチャリングを経て、興味を強く抱いている見込み顧客を指します。
具体的には、上記の営業活動の流れで説明したリードナーチャリングの施策によって、少しずつ購入意欲を高めていき、一定以上の興味を持ってくれたユーザーを指します。
MQLは営業活動を継続していくことで、顧客になる可能性は高いものの、持続的なアプローチが必要になってくるデメリットもあります。
このように、リードの育成を経て、購入意欲が強くなってきた、見込み顧客のことをMQLといいます。
SQLとは
一方で、 SQL (Sales Qualrfied Lead)とは、直訳すると「営業でふるい分けされた見込み顧客」という意味であり、自社製品やサービスへの感心が購入意欲の明確な顧客を指します。
具体的には、以下のような行動が見受けられる顧客はSQLとみなされます。
- 見積や概算について尋ねてくる
- 製品の導入イメージについて話して、そのような利用ができるか質問してくる
- 利用料金に対する問い合わせがくる
このように、SQLは導入を検討している意志が明確なニーズを指します。
MQLとSQLの違い
MQLとSQLには、以下のような相違点があります。
- 顧客側に購入後、導入後の明確な運用イメージや、導入を本格的に検討している様子があるか、ないか
- どれくらいのフォローが必要か
MQLはSQLに比べると、具体的な製品やサービスの活用イメージを抱いていないケースが多いため、その分製品の導入事例を紹介したり、商談を多く交わす必要があります。
一方で、SQLには明確な導入イメージを持っている場合が多いです。
そのため、営業サイドでどれくらいサポートが必要なのか、契約や購入に至るまでの時間が変わってきます。
このように、SQLとMQLでは、どれぐらいサポートが必要なのか、明確な購買意欲の有無といった点が異なっています。
マーケティング部門と営業部門で連携が難しい問題
このように、MQLもSQLも同じ見込み顧客に変わりありませんが、MQLを増やしていき、営業部門に引き渡マーケティング部門と、SQLを生み出し、営業活動を行なっていく営業部門の間で、上手な連携が取れず、結果的にMQLが購入契約に至らない…。というケースが多くあります。
それでは、なぜマーケティング部門と営業部門で上手に連携が取れないのか、その理由について説明していきます。
MQLは商談化が難しい
最初に、MQLは商談に至るまでの難易度が高い点が挙げられます。
MQLは商品やサービスに興味はあるものの、具体的な導入後の活用イメージが定まっていないため、購入にこぎ着くまで、SQLに比べて大幅に時間がかかってしまいます。
一方、SQLは明確にこのように商品やサービスを使っていきたいというイメージを抱いているため、購入や契約までに辿り着きやすいです。
このように、MQLはSQLに比べて購入や契約に辿り着くまでのコストや時間が必要な点が理由の一つとして挙げられます。
MQLは成約までのリードタイムが長い
また、MQLは成約までのリードタイム(所用時間)が長い点も理由の一つとして挙げられます。
SQLは顧客が商品やサービスの導入イメージを抱いているため、自発的に行動してくれるため、その分スムーズに成約に繋げられます。
一方で、MQLは商品やサービスの実際の利用イメージを持ってもらう→購売意欲を高めて、相手から「このようにしたい」という提案をしてもらえるところまで持っていく→成約まで繋げていく…と、長期的なアプローチが必要になります。
そのため、売り上げをコンスタントに出していかなければならない営業サイドは時間を割けず、SQLを優先するため、結果的に MQLに離れられてしまう…ということになりがちです。
このように、MQLを成約に繋げるための手間を加味すると、直接的な利益にするために時間がかかってしまうという点も課題の1つになります。
MQLとSQLの連携をする方法
営業部門とマーケティング部門の連携で課題を感じていたら、ぜひ導入を検討してみて下さいね。
商談フェーズと対応内容の設計
まず最初に、商談ステージごとにどのような対応を設計しておく必要があります。
MQLとSQLの連携がうまくいかない理由の1つとして挙げられるのが、商談を段階分けした上で、どのような対応を行なうのかしっかりと決めていないことです。
具体的には、マーケティング部門で顧客のステージをここまで引き上げたら、営業にバトンタッチするのか、しっかり決めておく必要があります。
例えば、「詳しい話を聞きたい」とお問い合わせが来たら営業にお願いする…といった明確な条件を設けた上で、営業に対応を依頼しないと営業の負担に繋がってしまいます。
このように、商談ステージの設定と、MQLがどのような行動をしたら営業に対応を任せるか、対応内容のルールをしっかりと決めておく必要があります。
SFAやCRMツールで連携強化
また、SFAとCRMツールを活用して各部門の連携を強化するのも一つの手段になります。
SFA(Sales Force Automation)とは営業支援システムと呼ばれるツールの一種であり、以下のようなメリットがあります。
- 営業活動の効率化、自動化
- 顧客情報や案件の現状、営業活動に関する各種データの管理および共有可能に
上記のような機能を活用することで、MQL/SQLの情報を部門問わず共有可能になるため、現在の関心度がどれほどのものなのか、部門問わず管理可能になります。また、業務の効率化にも利用できるため、上手に活用していきたいツールの一つになります。
また、CRM(Customer Relationship Management)とは顧客管理システムのことであり、主に「顧客の関係性を管理、構築」していくためのツールです。具体的には、以下のような機能があります。
- 顧客に関する情報の管理、共有、顧客の関心度などの分析
- 顧客の行動(過去の購入履歴、問い合わせ内容など)
CRMを導入することで、SFAと同様に顧客情報や過去の行動記録の共有が可能になります。それ以外にも、マーケティング施策の最適化に活用可能です。
このように、SFAやCRMを導入することで、マーケティング部門と営業部門で顧客情報の共有が可能になるため、顧客情報の共有や、部門間の連携を強めるための手段を検討可能になります。
どちらを導入しても良いですが、マーケティング部門に導入するならCRMが、営業部門に導入するならSFAがおすすめです。
MAツールでのリードスコアリング
MA(Marketing Automation)ツールを活用した、見込み顧客のスコアリングも有効な手段です。MAツ―ルはマーケティング施策を自動で行うためのツールであり、具体的には以下のような機能が搭載されています。
- 見込み顧客の関心度に応じたマーケティング施策を自動で行える(リードナーチャリングに使える)
- 見込み顧客の行動を数値換算したうえで、関心度を数値化できる(スコアリング)
上記の機能の内、スコアリングを行い、顧客の関心のレベルを数値で確認することで、特に関心の強いSQLをふるい分けしたうえで、営業部門へと受け渡しが可能になります。
このように、MAツールのスコアリング機能を活用することで、より確度の高い見込み顧客を営業部門に繋げられるようになるため、部門間の連携を強化できます。