チャットボットはメリットとデメリットをしっかりと理解して導入を検討する必要があります。
この記事では、チャットボットの導入のメリットやデメリットの説明だけでなく、導入に失敗しないためのポイントについても解説していきます。
チャットボット導入のメリット
チャットボットには「業務の効率化と社員の生産性向上」をはじめ、「24時間365日対応が出来る」「人件費のコストカット」「気軽に質問が出来る」「早いレスポンス」「ユーザーの声を収集出来る」などの6つのメリットがあります。
業務の効率化と社員の生産性向上
チャットボットを導入すれば「サポート業務の効率化」を図ることができます。
サポート業務とは「コールセンター」での顧客の問い合わせの対応業務であったり、総務や情報システムなどの「社内ヘルプデスク」の業務のことをいいます。
チャットボットを導入して顧客や別の部署の社員の問い合わせに対する電話対応などを減らすことができると、対応に圧迫されていた時間に別の業務を進めることができるようになるため、コールセンターや社内ヘルプデスクの業務の効率化を進めることができます。
また社員の生産性を向上されることもできます。
社内ヘルプデスクに問い合わせをする社員は最初に「マニュアル」や「手順書」をはじめ、「社内FAQ」などで調べても答えが見つからなくて社内ヘルプデスクに問い合わせをしている場合が多いです。
電話やメールで問い合わせを行っても他の対応のために回答まで待たされる場合もあり、業務が停滞してしまうこともあります。
社内ヘルプデスクであっても特定の社員に問い合わせが殺到して業務が圧迫されてしまう可能性もあります。
チャットボットでよくある質問であったり、ある程度の回答をすぐに提示できる環境を整えておくことで、問い合わせを行う社員が待たされて業務が停滞することもなくなり、社内ヘルプデスクの社員は問い合わせ件数が減ることで負担が軽くなり、社員全体の生産性が向上します。
24時間365日対応が出来る
ネット通販の場合ですと顧客が商品を購入する際には土日であったり、平日であっても夜間である場合が多いですが、その時間帯には問い合わせをしてもすぐに返事が返ってこない場合が多いです。
そのため、すぐに回答を得られない顧客が購入をやめてしまって「機会損失」が発生してしまう場合があります。
社内ヘルプデスクに問い合わせをしたい社員の場合でも同じです。
社内ヘルプデスクが対応できない時間帯があったり、時間内であっても問い合わせが集中している場合には電話やメールで問い合わせても、すぐに回答を得られないケースが多いです。
チャットボットであれば「すぐに回答を得る」ことができるだけでなく、24時間365日いつでも問い合わせが可能なため、利用者にとっては非常にメリットが大きいといえるでしょう。
人件費のコストカット
コールセンターにチャットボットを導入して、チャットボットが有人の問い合わせの5人分の件数を処理できる場合、チャットボット1つで5人分の人件費を削減することができます。
実際にチャットボットの導入で人件費を大幅に削減できた事例が数多く存在しています。
またチャットボットで解決できない場合には有人対応に切り替えることのできる機能を搭載しているチャットボットもあるため、顧客満足度を低下させる心配もありません。
社内ヘルプデスクの場合でも他の部署からの問い合わせ対応に業務が圧迫されて、残業しないと本来の業務を進めることができない状況が続いていると、「残業代」がコストとして掛かってきますが、チャットボットを導入することで問い合わせ業務の負担が軽減されれば、業務時間内で本来の業務を完結することができるようになり「残業代」を削減することができます。
気軽に質問が出来る
チャットボットは顧客や社員にとって気軽に問い合わせがしやすいツールであるといえるでしょう。
社員の場合には分からないことがあっても上司や社内ヘルプデスクに問い合わせがしにくいと考える人が一定数存在します。
勇気が出ない場合や上司の性格によっては相談しにくいと感じるなど様々な理由があります。
そのため、チャットボットであれば気軽に問い合わせができるだけでなく、自分で解決に至れるため社員にとって利便性が高いと感じてもらえることが多いです。
顧客の場合でも問い合わせが電話しかできない場合には「電話するほどでもない」と問い合わせを止めてしまうケースも稀にあります。
人によっては有人での電話対応を億劫に感じてしまう場合があるからです。
またメールであってもすぐに回答が来ないため、面倒に感じて問い合わせを止めてしまうケースもあります。
チャットボットであればその場ですぐに回答が得られるため、気軽に問い合わせをしてもらえるようになります。
早いレスポンス
先程も触れましたがチャットボットは24時間365日いつでも自分の好きな時間帯に問い合わせができるだけでなく、メールや電話に比べて非常に早く回答を得ることができます。
メールですといつ回答が返ってくるかが分かりませんし、電話をしても混雑している場合には非常に待たされる経験をしたことがある人も多いと思います。
チャットボットは基本的にレスポンスが早く、「知りたい回答がなかなか返ってこない」という不満が解消されるため、顧客満足度の向上にも繋がります。
ユーザーの声を収集出来る
ユーザーにとって気軽に問い合わせがしやすいチャットボットであるからこそ、「ユーザーの声を収集」することが可能となります。
チャットボットであれば疑問や質問を聞きやすいと感じるユーザーが多いため、離脱ユーザーをひろうことができます。
さらにユーザーが多くなるほど「ユーザーの声」が収集しやすくなります。
ユーザーの声を収集して分析することで「マーケティング戦略」を進める際に活かすことができるようになります。
チャットボットのデメリット
メリットの多いチャットボットですが、勿論ですがデメリットもあります。
以下で詳しく解説していきます。
全ては自動化出来ない
チャットボットはどんな質問にも回答できると思われがちですが、ユーザーから寄せられた質問の全てに回答できるわけではありません。
チャットボットはあくまで事前に登録されている内容の回答をユーザーに提示するものですので、登録されていない質問には回答できません。
AI型も自動会話プログラムで全ての質問に対応できると思われがちですが、長文や複雑な質問には対応できず、別途で有人対応が必要になるケースもあります。
またAI型であっても開発者が想定していない質問には適切に回答できないのが現状です。
ツールに任せるところ、有人で対応するところをしっかりと住み分けをして成果を出していきましょう。
接客要素が必要な問合せには不向き
チャットボットは接客要素が必要となる問い合わせには不向きといえます。
例えば、製品やサービスの購入のきっかけがユーザーとのコミュニケーションであることが多い場合や共感や親身な接客などの顧客との関係性構築によって高い成果を見込める商品やサービスの販売などがこれに該当します。
この場合ではオペレーターの配置の方が利益に繋がる可能性が高くなります。
チャットボットは顧客の「相談」や「悩み」を聞き、共感して親切な接客をするツールではありません。
企業は自社製品のニーズを理解して「チャットボット」と「有人対応」のどちらが自社のサービスに向いているのかを検討していきましょう。
同時に複数の質問には対応出来ない
チャットボットは同時に複数の質問には回答できません。
チャットボットは有人と違い、対応中にいくつかの内容を伝えると別の質問の途中でも回答を得られるといったことはなく、ユーザーは一つの質問を選択して解決したら次の質問に移っていくといった流れに沿って利用しないといけません。
同時に複数の質問に回答しないといけないといった事態が多い会社では、チャットボットよりもオペレーターの方が向いているといえるでしょう。
個別対応の質問が多いサイトには不向き
商品やサービスの性質上、「相談しながら質問したい」「自分の状況を聞いてほしい」といった個別対応が必要な質問が多いサイトには不向きといえるでしょう。
この場合でもオペレーター対応が向いているといえます。
導入を検討している企業は必要な質問や回答を用意・整理しておき、これらの内容がチャットボットに合うものであるのかを確認しておく必要があります。
導入までに一定期間と準備が必要
チャットボットを導入するためにはあらかじめ「FAQ(質問と回答のセット)」を用意する必要があります。
またシナリオ型のチャットボットはFAQの他にも「シナリオ(回答が状況によって分岐する場合のロジック)」も用意しておかないといけません。
AI型のチャットボットにおいても1つの質問に対して複数の類似表現を学習させる期間が必要となってきます。
FAQの作成や整理からはじまり、実際に導入できるまでに数カ月ほどの準備期間が掛かることが想定されます。
サービスの選定が大変
(「国内」チャットボットソリューションカオスマップ(2018年版) – チャットボットのhitobo(ヒトボ) | アディッシュのチャットボット(ChatBot)サービス より引用)
チャットボットと一言で言っても「AI型」「シナリオ型」「ハイブリット型」などの種類があり、ツールも様々な種類が存在します。
企業がこの数ある種類の中から自社のニーズに合うチャットボットを選定する必要がりますが、素人には判断が難しい場合があります。
「アクセス解析機能」「レポート機能」「有人対応への切り替え機能」「サポート体制の充実度」「コスト面」などの要素を比較することで、しっかりと自社に合ったチャットボットを選定していく必要があります。
チャットボットによっては無料のトライアル期間を用意している業者も多いため、導入前に利用して導入後のミスマッチが起きないようにしておきましょう。
導入後のチューニングが必要
チャットボットは導入したら終わりというツールではなく、導入後に定期的にメンテナンスやチューニングを行う必要があります。
ユーザーからの質問内容や会話履歴を確認して質問や回答を追加したり、シナリオを変更するなど、導入後や運用後の分析結果によってメンテナンスを行うことで、より回答精度の高いサービスに作り上げることができます。
逆にメンテナンスを怠ると回答精度が低くなり、最終的に利用して頂けなくなる可能性が高くなってしまいます。
導入に失敗しないためのポイント
チャットボットを導入する際に失敗しないためのポイントを3つご紹介します。
導入する目的の明確化
チャットボットを導入する際には必ず「導入の目的」を明確化しておく必要があります。
チャットボットは様々な課題を解決に導く一方で、課題や目的に適した機能のチャットボットを選定・導入していかないといけません。
「業務の効率化」「コスト削減」「顧客満足度の向上」「CVRの改善」などが主な目的として挙げられます。
また「社内向け」「顧客の対応」「マーケティング戦略」など、どの分野での課題について解決するべきであるかも見極めておく必要があります。
導入目的に合ったやりたい事を明確化
チャットボットのサービスや機能は種類によって異なるため、目的を達成するためにどんな機能が必要なのか?今足りない機能は何か?ということを洗いだしておくと導入後に失敗することがありません。
例えば、カスタマーセンターで人件費を削減したいと考えた際にはオペレーターの代わりにチャットボットがオペレーターの何人か分の対応をできれば人件費が削減できます。
この場合でも「よくある質問」のように同じような質問が多い会社では「シナリオ型のチャットボット」の導入で十分ですので、比較的コストを抑えて導入することができ、最終的には人件費の削減も行えます。
しかし、場合によってはAI型のチャットボットの導入が向いている場合など、企業の状況によっては必要な種類や機能・サービスが違ってきます。
どういった種類のチャットボットの導入して、目的を達成するために改善したい事(やりたい事)は何かをしっかりと明確化しておきましょう。
チャットボットの専属担当を用意する
チャットボットは導入後もしっかりとメンテナンスを行い、運用していかないと結果を出すことができません。
社内で導入後の運用スタッフを決めておく必要がありますし、できればそれぞれの部署の社員に対して役割分担を決めておくと良いといえるでしょう。
それぞれの部署の社員が携わることで、メンテナンスを行う運用担当者と業務を行うスタッフの連携がしやすくなります。
運用担当者が「問い合わせ内容にどんな類似性があるのか」「問題解決の割合はどれくらいだったのか」などの分析内容・変更内容を共有することで、現場スタッフは業務を進めやすくなります。
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