昨今ではD2Cが一般的になっているように、EC事業者においてはSNS、特にInstagramはとても重要なチャネルの1つとなっています。
ECサイトとInstagramをどう掛け合わせて、どのように運用していけば良いのか、具体的な運用方法について解説していきます。
Instagramの特徴
今、なぜ、Instagramがこれほど注目されており、ECサイト運用にも取り入れられているのでしょうか?
それを知るためには、まずは、Instagramの特徴を抑える必要があります。 主な特徴は、以下の3点です。
- 若年層のユーザーが多い
- 多彩な画像加工ができる
- 撮影から拡散までがシームレス
では。それぞれ詳しく解説します。
若年層のユーザーが多い
Instagramの特徴は、何と言っても利用者層の若さです。 近年、若者のFacebook離れがニュースにもなりましたが、それに対してInstagramはユーザーの8割以上が35歳以下です。
- スマホやタブレットブレットなどのモバイル端末利用を想定している
- 写真や動画を使った視覚に訴えるコミュニケーションに特化している
この2点が若者の心を捉えており、結果として若年層ユーザーの利用が増えています。
かつてFacebookも若年層から利用が開始されましたが、流行するにつれてやがて上の年齢層のユーザーも増えてきて、若年層は自分たちだけのコミュニティではないと感じるようになりました。
そこに、テキストよりも気軽で、デバイスの進化により綺麗に撮れるようになった画像、つまりビジュアルでのコミュニケーションツールとして出てきたInstagramに多くの若年層が移行しました。
また、若年層独特の画像加工文化などがあることから、若年層以外のユーザー層は参入が難しく、Facebook等他のメディアに留まっているという構図になっているため、Instagramは若年層のコミュニティとして成立しているのです。
補足ですが、画像のビジュアルでの文化以外にも、ハッシュタグという「#」を付けて特徴を表示するという文化も若年層特有の文化です。(こちらは元々Twitterから発現した文化ですが。)
多彩な画像加工ができる
Instagramの真骨頂は、その画像加工の多彩さにあります。
アプリでは画像加工を標準で行うことができますが、加工の種類が豊富で、かつ操作は簡単なので、誰でも手軽に本格的な写真加工をすることができることも特徴です。
写真のエフェクトは、タップ1つでガラリと変えることができます。 レトロ調の写真からモード系のオシャレな写真まで、その表現力は無限大です。
外部の画像加工アプリも多く登場しており、そちらを使用するユーザーも多数ですが、どちらにせよレベルの高い綺麗な画像が並んでいることが特徴です。
こうしたことから、テキストよりも情報量が多いと言われる画像や動画にて、商品の特徴やメリットを訴求しやすくなった事が特徴です。
撮影から拡散までシームレス
「カメラアプリで撮影して、加工アプリでエフェクトを変えて・・・」といくつもアプリを横断すると面倒だと感じる人も多いのではないでしょうか。
この点、Instagramであれば「写真撮影」「加工」「投稿」「拡散」、これらを全てワンストップで行うことができます。
さらに、TwitterやFacebookなどのSNSと連携させることもできます。つまり、1つの写真を一括で、複数のSNSへ投稿することも可能になります。
そもそもInstagram自体のユーザー数も多いことに加えて、他のSNSヘも同時に拡散されるため、その拡散力は目を見張るものがあります。
インフルエンサーと言われる影響力を持つ人たちも、Instagramを主戦場としているのは皆さんも感覚としては持っているかと思います。
最近ではtiktokなどでもビジュアルで表現できるためインフルエンサーは増えてきていますが、後述するSNSからショッピング可能な機能などは現状ではInstagramの方が優れており豊富なため、数あるSNSにおいて商品購入まで至る可能性のある拡散力という点では、Instagramが抜けているといっても過言ではありません。
販促ツールとしての活用法
ここまで、Instagramの大まかな特徴をご紹介しました。
Instagramのユーザー層、写真加工に特化して、簡単かつオシャレな投稿をできること、拡散力に優れている事がお分かり頂けたかと思います。
ここからは、InstagramをどうやってECサイトの販促ツールとして活用していくべきなのかを、具体的に説明していきます。 ポイントは以下の3点です。
- ”インスタジェニック”な投稿をする
- ハッシュタグを活用する
- 統一された世界観を表現する
ポイント①インスタジェニックな投稿をする
※reluxより引用
Instagramで人気の投稿は、オシャレなものがほとんどです。
それは利用者の中心は流行に敏感な若者という背景があります。
彼らに注目されるためには、ユーザー層に合わせた、そこに溶け込むようなオシャレな投稿をすることが必須となります。
「インスタ映え」という言葉が流行ってから久しいですが、いわゆる”インスタジェニック”な投稿を心掛けることが大切です。
構図・シチュエーションの美しさを意識し、雑誌の1ページのような写真を作るイメージを持ってみてください。
ただし、あまり広告チックな投稿は嫌われる傾向にあるので注意が必要です。あくまで一般消費者の投稿によって形成されるInstagram全体の雰囲気に溶け込ませることがポイントです。
様々な投稿を試して、どんな投稿が好まれるのか、テストを繰り返して勝ちパターンを見つけることが定石となっています。
ポイント②ハッシュタグを活用する
InstagramでECサイトの情報を拡散させるには、ハッシュタグを用いることが必要不可欠です。
投稿に対して「#」から始まる言葉を、情報として与えるのがハッシュタグです。
例えば飲食店であれば、「#東京グルメ」や、独特なハッシュタグとして「#グルメ好きと繋がりたい」などのハッシュタグがよく利用されます。
これにより、投稿した写真をアプリ内の検索で登場させることができます。
最近のデータでは、Googleなどの検索エンジンでの検索よりも、Instagram上によるハッシュタグ検索で情報を探すユーザー層も増えてきています。
このときに、ただ商品名をハッシュタグにするのではなく、流行を意識すると効果的に拡散することが可能です。
あくまでハッシュタグでの検索時に表示がされないと意味がないので、自社に適しており、かつしっかりと検索されるハッシュタグを見つける事が重要になります。
その際、Instagram上で実際に参考になりそうな投稿を見て探すでも良いですし、様々なツールを使うと実際にどんなハッシュタグが検索されているのかを調べる事ができます。(Instagram上だとハッシュタグの検索数までは分かりません。)
例えば、Tokyo Trend Photo Proいうサービスを使えば、今どんなハッシュタグが注目されているのかをチェックできるのでおすすめです。
ポイント③統一された世界観を表現する
商品の紹介としてInstagramを利用することもできますが、ECサイトの世界観・コンセプトを表現するときにもInstagramは有効です。
なぜなら、ビジュアルで表現できるため、テキストよりもイメージを湧かせやすいからです。
世界観を好きになってもらえると、ユーザーはファンになるため、そのまま商品を購入してくれたり、リピーターになってもらいやすいです。
ユーザー目線で考えてみても、商品写真ばかりの単調な投稿より、ブランドの統一された世界を楽しみたいはずです。
基本的には商品が見たくてフォローされたりいいねされるのではなく、投稿自体を楽しみたいユーザーが大半だからです。
そのため、Instagramは商品販売のために使うよりも、ECサイトのブランディングに使用するといった方が良いです。
ショップのファンを作り、売上を伸ばすための第一歩としてInstagramを位置づけることが大切です。
もちろんブランディングも大事ですが、直接購買にも繋げる機能がInstagramには存在している(詳細は後述)ため、Instagramから売り上げを生むことも可能です。
ここでお伝えしたいのは、売り上げを上げるためだけの投稿などのInstagram運用はユーザーに嫌われてしまうため良くないのですが、きちんとブランディングをしてブランドを好きになってもらうことを優先すると、相乗効果で売上も上げる事ができるという点です。
Instagramが消費者行動に影響をもたらす背景
では、Instagramは消費者行動にどのような影響をもたらしているのでしょうか。
2020年から流行した新型コロナウイルスの影響を受け、世界中で様々な変化が起きました。
特に、感染症拡大抑制を目的として、リモートワークの推進、実店舗での買い物自粛など外出自粛が推奨されたことでインターネット上での売買やコミュニケーションが当たり前のものとして、これまで以上に生活の一部に溶け込むようになりました。
他者との直接的な交流を避ける新しい生活様式が一般化する中で、消費者の購買行動にも変化が起きています。
特に、今まで以上に「EC」でモノを買うことに抵抗がなくなり、生活者に浸透しています。
「EC」の利用拡大に並行して、ユーザーの声が多く集まるSNS、特にInstagramの情報を参考にしてECサイトでの購入を行う消費者も増加しています。
ネット上に様々な情報が溢れる世の中だからこそ、今まで信用されていた企業の情報が受け入れられにくくなり、同じ消費者から発せられた“他のユーザー口コミ”を参考にする人が多いことも明らかになっています。
ユーザーの顔が見えない口コミは信頼性がないと言われて久しい中で、自分の信頼するフォローしているユーザーや、世界観や趣味が共通していると感じるユーザーのクチコミ投稿などは信頼性が高いと感じるユーザーが多いです。
そのため、Instagramの投稿は消費者が物事の購入や意思決定の参考情報として存在感をとても強めているのです。
ECサイトがInstagramを活用すべき理由
ここからは実際にECサイトがInstagramを活用するための背景を解説していきます。
商品の利用シーンを写真で表現できる
FacebookやTwitterといった文字による投稿が中心のSNSと異なり、Instagramは写真や動画の投稿がメインのSNSです。
文字ではなく写真による投稿なので、ユーザーに対して視覚的に訴求することができます。
例えば、ファッションコーディネートの実例や実際に商品を使っているシーンをInstagramに写真として投稿すれば、ユーザーは利用シーンを具体的にイメージしやすくなり、商品に興味を持ちやすくなるでしょう。
低コストで認知度拡大
広告出稿などには大きなコストと手間がかかりますが、Instagramの場合、アカウントで写真を投稿するだけならコストは掛かりません。
ハッシュタグを上手に活用すれば、フォロワー以外のユーザーにも情報を発信することが可能です。
また、投稿が話題になった場合はユーザー間のクチコミなどでさらに情報が拡散していくことも考えられます。
マーケティングに掛かるコストを抑えながら、自社やブランドの認知度を拡大できるのは、Instagram をはじめとしたSNSの持つ強みです。
スムーズに商品の購入へ繋げられる
Instagramには、写真や動画、ストーリーズの投稿にECサイトの商品タグを設定できる「ショッピング機能」という機能が搭載されています。
ユーザーがタグをクリックすると商品詳細が表示され、そのまま商品購入ページに移動できます。
従来だと、Instagramで気になった商品を見つけた際は、「Googleなどの検索エンジンで検索する、ネットショップを閲覧する、商品ページを見つける、商品を購入する」という工程が必要でした。
しかし、ショッピング機能を活用すれば、ユーザーはInstagramから商品購入ページまでスムーズに移行できます。離脱を防ぎ、機会損失を減らすという点でも、Instagramは有効なSNSといえます。
Instagramショッピング機能
先に紹介した「ショッピング機能」とは何か、そのメリットや活用方法を紹介します。
Instagramショッピング機能とは?
Instagramのショッピング機能は2017年にアメリカから導入されました。
2018年から日本にもショッピング機能が導入され、各販売サイトも各機能を活用し始めました。 Instagramのショッピング機能は、簡単に言うと、商品をタグ付けし、そのまま購入サイトに進めることのできる機能です。
フィード投稿から商品を見つけ、価格や商品を見て検討し、画像に付いているリンクから販売サイトに遷移して購入できます。
また、今まで自社のコンテンツに触れてこなかったユーザーにそのまま商品の詳細を伝えることもできます。 ユーザーが「欲しい!」と思った感情が消える前に商品ページに繋げることができるので、購入してもらえる可能性を高めてくれる機能になっています。
ECでは必須のInstagramショッピングとは?設定方法から事例まで
Instagramショッピング機能を利用するメリット
Instagramショッピング機能の最大のメリットは、商品の認知から購入までの流れをInstagram内で作れるということです。
ショッピング機能が導入される以前は、ユーザーが投稿された画像の商品に魅力を感じても、購入するには一度Instagramを離れ、自分で商品の販売ページを開き購入手続きを行わなければなりませんでした。
しかし、Instagramに導入されたショッピング機能は、投稿した商品画像に付箋のようにリンクを付けることができます。
ユーザーが商品に魅力を感じた瞬間にそのまま商品の詳細を見せることができるので、より購入に繋がりやすいです。
また、Instagramのショッピング機能には、あからさまな広告っぽさがないのも特徴です。
Instagramは写真や動画投稿必須のSNSです。
投稿される写真や動画は他の投稿に埋もれないようにオシャレな加工を施されます。 ユーザーに商品の魅力を伝える投稿であるならなおさらです。
Instagramのショッピング機能は、投稿される写真にそのまま付けることができ、また、写真をタップしなければリンクが表示されないため、カタログのような感覚で魅力を伝えることができます。
ショッピング機能を上手く活用する方法
ショッピング機能の立ち位置は、「ただ投稿に商品ページをリンクさせる」だけでも、「Instagram上でECを構築してそこで販売できるようになる」でもなく、その中間に位置します。
そのため、当面の使い方は「Instagramの個別の投稿から、ECサイトの個別商品ページにお客様を呼び込むもの」となります。
個別の投稿は、タイムライン、ハッシュタグ検索、発見フィードなどでユーザーと繋がっており、フォロワー以外の流入も見込めます。
つまり「個別の投稿で魅力を伝えて、興味を持ってもらう」という視点が重要です。 また、いくら商品詳細をリンクできるからといって、自社商品の写真を次々と投稿してはいけません。
商品の活用シーンをオシャレに切り取り、「これを買うことで、どんな体験ができるのか」を想像させることが重要です。
例えば、コスメなら、アイシャドウそのものの写真ではなく、それを使ってメイクした人の写真を載せ、目元にタグを付けるなどです。 この「活用シーンに溶け込ませる」というのを念頭に、色々な見せ方を試していくのが良いでしょう。
Instagramを運用するECサイトの成功事例
実際に、Instagramを運用して成功したECサイト事例を紹介します。
GU
「GU」は、2021年4月時点で137万人フォロワーのアパレルブランドです。
1日に平均して3本〜7本の投稿を行っており、単に自社の商品を紹介するのではなく、自社商品を着ているアカウントを取り上げて、コーディネートとともに商品をさりげなく合わせて紹介している点が特徴です。
これまで商品紹介だけでなく、ユーザーのメリットとなる投稿をすべきというポイントをお伝えしてきましたが、しっかりと実践しているアカウントです。
商品情報だけを見たいユーザーはそこまで多くない一方で、プチプラファッションが流行っているように、コーディネートを参考にしたいユーザーは多数いますし、しっかりとブランド感が構築されているGUの公式アカウントから提案されているコーディネートは多くのユーザーが参考にしたいはずです。
更に、紹介するコーディネートは全てがGUの商品という訳ではなく、カバンや靴に関しては他社製品なのにも関わらず、自社アカウントで取り上げている点が他にはない投稿の方法といえるでしょう。
また、投稿内容には紹介している製品の価格や特徴、何を意識したコーディネートなのかも詳細に掲載されているため、ユーザーはコーディネートに意図を把握した上で購入可能です。
さらに、ストーリーズでは、投稿した内容を表示するのと同時にショッピング機能も用いており、タップするだけで商品購入ページに遷移できます。
そのため、投稿を確認し気いったユーザーは、ストーリーズから商品の購入が可能です。
ブランディングと売上の両方を達成できている綺麗な成功事例と言えるでしょう。
Rakuten Fashion
大手ECサイトとして知られている「Rakuten Fashion」も、Instagramを活用し集客に成功しているアカウントの1つです。
Instagram公式アカウントでは、自社のECサイトで購入できるファッションアイテムを使ったコーディネートを多数掲載しています。
写真の中の世界観を壊さないように、写真には金額や不要な文字、詳細情報などを掲載しないという工夫も見られ、統一感のあるInstagramです。 (金額や装飾の多い広告チックな投稿が嫌われる点は冒頭で紹介した通りですよね。)
また、1つの投稿に複数枚の写真を掲載し、ページをめくるほど、詳しい商品の様子が見られるという工夫も施されていました。これによって1つの投稿でユーザーに刺さりやすい商品が見つかる可能性を高め、ファン化の確率を上げることにも繋がっていると考えられます。
長い文字で説明するのではなく、アイテムを多方面から捉えた写真、見えにくい部分の写真を掲載するなど、Instagramの特徴である写真にこだわった商品説明となっています。
最終ページには、ECサイトへの導線が用意されているため、消費者にストレスを与えることなく自然な宣伝を行っていること、そしてECサイトまでスムーズに移行できることなどが優れた部分だといえます。
サイトへの導線をどのように置くべきか悩まれる方は、ぜひ参考にしてみてください。
無印良品
「無印良品」は、生活を豊かにする雑貨や食料・オリジナルの家具家電を販売している企業で、2021年4月現在で274万人以上のフォロワーを擁するアカウントです。
1日に5本〜10本程度と多くの投稿を行っており、自社で新たに出す商品の紹介や既存商品について投稿しています。
投稿の多さからは、専任の運用担当を置いてしっかりと運用を行なっていることが伺えます。
また、販売している小物の使い方や食料品をうまく活用したレシピなども投稿しています。
さらに、無印良品の各店舗のスタッフが、実際に販売しているおすすめの商品について動画で紹介しており、おすすめの使い方や理由・特徴などを詳細に解説しています。
商品自体の良さを訴求するのではなく、生活上の課題解決と、商品使用のメリットを伝えるという使い方でよりユーザーに好かれやすい形となっています。
ストーリーズは頻繁に投稿しておらず、3日に1回程度ショッピングタグ機能を用いて投稿しています。
GUなどはECサイトへの誘導の売上部分にも重きを置いていますが、無印は店舗自体も無目的でも楽しめる一種のアトラクションになっているので、どちらかというとブランディングに注力していることが伺えます。
SNS運用の目的をしっかりと定めた運用をすることが大切です。
katespadeny
「katespadeny」の公式Instagramは、世界観のある投稿写真が魅力となっていました。
自社商品だけではなく、実店舗の様子、起用しているモデルたちの姿など、多くの人々を惹き付ける魅力的な写真が多数投稿されています。
katespadenyは、レディースファッションブランドというイメージが強かったものの、Instagramの投稿をきっかけに、メンズアイテムやインテリア、カトラリーなど様々なアイテム展開があったことも、周知させることに成功しました。
さらに、Instagramのショッピング機能であるShop Nowを取り入れ、さらにECサイトへの顧客及び売上を増加させます。
Shop Nowがリリースされるまで、Instagramでは、投稿にECサイトのリンクを表示させることはできても、URLに変換することができず、プロフィール欄からECサイトへ向かうか、別途検索ツールでECサイトを探す必要がありました。
このような煩わしさを解消したのが、Shop Nowであり、いち早く取り入れ大きなメリットを得たのが、katespadenyなのです。
kaldicoffeefarm
「kaldicoffeefarm」は、輸入雑貨を取り扱う店です。
Instagramを活用する前から、コアなファンや利用者がいました。
しかし、購入できる商品は異国の物が多く、使用説明も当然多言語だったため、利用方法が分からず購入を躊躇する人も少なくありませんでした。
様々な海外商品を購入できるという大きな強みを、活かしきれていなかったのです。
しかし、Instagramを取り入れ、マーケティングを行った結果、これまであった問題が解決します。
kaldicoffeefarmでは、Instagramを使い、自社で取り扱っている様々な商品を紹介するようにしました。
商品単体だけではなく、商品同士を組み合わせ、美しく飾った写真や、食品系商品を多数使用し、食事風景を作り出すなど、美しさと情報量にこだわった様々な写真を投稿します。
このような工夫により、フォロワーは現在、50万人を突破しました。
写真を活用し、使用方法を明確にしたことにより、消費者の不安を解消し、購買行動に結び付けることに成功します。
また、ショッピング機能を追加し、ECサイトへの導線も分かりやすく整えたことにより、ECサイトへの集客及び売上増加にも繋がりました。
ECサイトでInstagramを運用する際のポイント
これまで見てきたように、Instagramを上手に使いこなせばECサイトの売上アップも期待できまし、ブランディングにも繋げることが可能です。
しかし、多くのブランドが実際に少し運用してみたがあまり効果が見られずアカウントを放置してしまっていたり、始めたいが社内に運用ノウハウがないために中々着手できていないというのが現状かと思います。
そこで、ECサイトがInstagramを活用する際に押さえておくべき運用方法について解説していきます。
運用方法①運用体制を整える
Instagramを運用するにあたっては、運用のコンセプトを設定し、投稿する内容・写真の見せ方などのテンプレートを作成する事がおすすめです。
また、前提としてどんな業界やターゲットにも刺さる、100%の正解というものは存在しません。そして、事例でも多く見てきたように、成功している多くのアカウントは投稿頻度が多いです。
私たちの運用実績からも、最低1日に1回投稿することが重要です。(ただ数を増やしても質が伴いにくくなるためあまり意味がありません。)
そのため、投稿の頻度を確保し、成功するための投稿内容や運用方法のPDCAを図るためには専任の担当を置かなければなりません。
成功に至っていない多くの企業が、少しだけ試してみたものの上手くいかないから辞めてしまう原因の多くがこれです。
Instagramを活用し成功している企業が多数ある事から、しっかりと運用体制を作る事ができれば、改善を重ねていくことで徐々にファンや売り上げを増やしていく事ができるのです。
Instagramアカウントの運用の社内体制が整っておらず、活用する目的や目標もあやふやな場合、アカウントのフォロワー数やECサイトの売上を伸ばすことは難しいでしょう。
運用方法②ターゲット層を明確にする
例えば、Facebookはユーザーの年齢層が高い傾向にあり、Twitterの場合は10~20代の若年層の利用者が多い傾向にあります。
Instagramは幅広い年齢層から利用されているSNSですが、その中でも特に若年層や女性ほど利用している傾向にあります。
こうしたSNS、Instagramの特徴を踏まえた上で、具体的なユーザー層の設定が重要です。
例えば30代女性主婦をターゲットにするのか、20代男性大学生をターゲットにするのかでは投稿の内容や構築すべき世界観も変わってきます。
ターゲットを決める際は、そのターゲット層がどのようなことに困っていて、投稿内容で何を解決してあげたいのかまで詰める事が大切です。
ターゲットを決めたあとでおすすめなのは、同じターゲット層を狙っている競合アカウントの分析です。
同じ業界でなくても良いですが、成功している競合アカウントの投稿内容などの戦略をまずはトレースすることで、最低限失敗しない形からスタートする事ができます。(前述の通り、改善していかなければ成功には至り難い点は注意が必要です。)
大元のターゲットの設定がないと、全てがブレてしまうため、まずはターゲットを明確化することが重要です。
運用方法③投稿の表示はスクエア
Instagramは複数のサイズパターンで投稿が可能ですが、基本的に写真はスクエア(正方形)がデフォルトの表示です。
少し前に縦横の比率やサイズが自由に選べるようになったことで、長方形の写真を投稿する事ができるようになりました。
しかし、統一感やInstagram全体の雰囲気に合わせた投稿をするのであれば、依然スクエア型の使用をお勧めします。
運用方法④投稿に統一感を持たせ、アカウントの世界観を作る
写真全てに統一感を出すことで、アカウントの世界観を作る事ができます。
統一感の出し方は方法は多数ありますが、例えば投稿全体のトンマナを統一したり、背景を統一したり、フォントの統一などです。
事例で紹介したアカウントは世界観の統一が優れているアカウントも多いので、ここは色々なアカウントを見て自社ブランドに合いそうな方法を模索してみることをお勧めします。(これまでお伝えしてきた事と同様に、世界観の出し方についても絶対の正解はありません。)
具体的な撮影方法としては、例えばいつも同じテーブルの上で商品を撮影する、背景を白の壁で統一するなどの方法があります。
イメージは自社アカウントのプロフィールページにて「商品カタログを作っている」と思ってアカウントを運用していきましょう。
運用方法⑤ユーザーが求める投稿内容を意識する
商品・商材によって、ユーザーのニーズに合致する見せ方は変わってきます。
Instagramを利用しているユーザーは「自分が使っているイメージ」や、「その商品が生活を変えているイメージ」など、自分が体験しているイメージを知りたいと思っています。
- ファッション系の場合、商品単体ではなく全身のコーディネートを載せる
- コスメ系の場合、商品画像ではなく使用した際のビフォー・アフターなどの変化を載せる
- インテリアの場合、実際の部屋に置いているイメージを伝える
などのように、商品単体写真だけではなく、使用をイメージできる投稿を心がけることが重要です。
とユーザーが「見たいもの」を意識することが大切です。
運用方法⑥プロフィールにURLを記載しECサイトへ誘導
Instagramでは通常投稿にURLを記載することができません。
自身のアカウントのプロフィールにはURLを記載できる項目がありますので、ECサイトへのURLをプロフィールに載せることがおすすめです。
ただし、プロフィールにURLを載せているだけでは効果が薄く、特にやって欲しいのが投稿の最後の一枚や、投稿と一緒に記載するテキストにて、プロフィールからECサイトに飛べることを伝えると言うことです。
事例で紹介したrakuten fashionなどでは投稿の一番最後の画像でサイト遷移を促しているため、1度目を通してみるとよいかと思います。
ちなみに、ストーリーズの機能ではアカウントのフォロワー数が1万人以上いる場合にURLを記載することできるようになります。
アカウントを開設したばかりのタイミングではプロフィールのURLを活用していき、ある程度アカウントが育ってきた場合にストーリーズからのサイト遷移の導線を追加していく戦略がお勧めです。
運用方法⑦最適なハッシュタグを活用する
より多くのユーザーに知ってもらうために、検索でヒットさせる事が重要です。
そのためには自社のブランドや商品名などのハッシュタグは必ずハッシュタグに付けると良いです。
また、ハッシュタグの細かい記載方法にも気を配る必要があります。
例えば、チョコレートのハッシュタグをつけたい場合、「#チョコレート」と「#chocolate」では検索結果が大きく変わってきます。
Instagramではユーザー同士がコミュニケーションを取るための特有のハッシュタグが使われる場合もありますし、商品名やジャンルだけでなく、どのように検索されるかを意識したハッシュタグをつける事が重要です。
自社と競合となる会社のInstagramアカウントをチェックして、どのようなハッシュタグを使用しているか参考にするのもお勧めです。
参考情報ですが、ハッシュタグは1つの投稿に対して30個まで付けることが可能ですので、投稿のテンプレートを作成する際に上限数までパターンを作っておくと良いです。
運用方法⑧投稿のキャプションにメンションを活用する
投稿のキャプション(投稿と一緒に載せられるテキスト)には「@」から始まるメンションを記入しましょう。
メンションは「@+ユーザーネーム」で、アカウントのそのプロフィールページに遷移させることができる機能です。
細かいテクニックですが、キャプションにメンションを入れることで、投稿を読んでもらいながらプロフィールページへと遷移してもらえる確率を上げることができます。
例えば、ヴィレッジヴァンガード(@village_vanguard)の場合、「@(半角)」にユーザーネームの「village_vanguard」を付けることで作成できます。
Instagramの投稿を見てくれた人をプロフィールへ誘導するための貴重な導線の1つになりますので、忘れずに付けておきましょう。
運用方法⑨ユーザーと積極的にコミュニケーションを取る
Instagramのいいねやコメントといった機能を活用して、ユーザーとのコミュニケーションを増やすのも、ファンを獲得する方法の1つです。
Instagramでは基本的に交流(ユーザーからのいいねやフォロー、保存数など)が多いほどアカウントが評価されます。
そのためにはこちらのアカウント側からも積極的に交流を図り、ユーザーとの関係性を構築することが重要になります。
Instagramからのアカウントへの評価だけでなく、ユーザーとの関係性を構築してファンを育てていくことで、リピーターの獲得や売上の増加にもつなげる事ができます。
まとめ
本記事では、ECサイトにおけるInstagramの運用方法をメインに紹介してきました。
写真や動画の投稿・閲覧がメインのInstagramは、アイテムの利用シーンを視覚的に見せることができる、ECサイトとの相性が良いSNSです。
また、申請が許可されてショッピング機能を使えるようになれば、ユーザーを簡単に商品ページへ誘導することもできます。
ECサイトにおいて、重要な集客手段であり、ブランディングツールともいえます。
さらに広告費用を掛けることなく、ユーザーに対して自社で販売している商品の訴求も可能です。
ECサイトのアクセスを伸ばしていくためには、Instagramの活用が必要不可欠と言えるでしょう。
実は、Facebook社よりInstagramで使用できるMessenger APIのアップデートを発表されました!(2020/10/19)
チャットボット等の外部ツールと連携し、よりInstagramをビジネスに活用しやすくなります!
詳細は以下の記事で紹介しておりますので、Instagramをより活用したいと考えている方はぜひご覧ください!
Instagramのチャットボットとは?メリットや出来ることをご紹介(Messenger API)
hachidoriでは、経験豊富なコンサルタント・カスタマーサクセスが貴社のビジネスに伴走する形で支援します。
この記事を読んで興味を持たれた方は、ぜひインスタオートDMサービスサイトよりお問い合わせください。