Shopifyによる国内・海外ECサイト事例14選

Shopifyによる国内・海外ECサイト事例14選

近年ECプラットフォームで世界No1と評判の「Shopify」をご存じでしょうか。

カナダで誕生したサービスShopifyが日本に上陸して数年が経ち、サービスを利用する店舗や企業が増えてきてい、日本のECサイトの導入事例も徐々に増えています。

Shopifyは海外発のサービスのため、導入事例も海外サイトが多く、日本のECサイトの導入事例を探すのは簡単ではありません。

そこで、今回は、日本のECサイトでShopifyを導入している事例を集め、一覧で紹介します。

 

目次

Shopifyとは?

Shopifyは「アマゾンキラー」の異名を持つ、カナダ発のEC事業者向けプラットフォームです。

月額US$29からのサブスクリプション形式でECサイトが開設できるという手軽さで、特に英語圏で個性的なD2Cブランドの定番プラットフォームになっています。

現在までに全世界175カ国・100万店舗以上のストアにて利用されています。

グローバルでの流通総額は、10兆円を超えています。

日本では、Shopify日本法人を201711月に設立し、国内ユーザー向けにローカライズを進めており、Shopifyを利用するEC事業者や開発パートナーも増え続けています。

料金の安さに加えて、Webに関する知識があまりなくてもデザイン性の高いECサイトが始められること、そしてD2Cブランドの運営をサポートする追加機能が充実していることが、人気の理由として挙げられます。

爆伸びしているShopifyとは?注目される背景から出来る事までを徹底解説

Shopifyが流行している背景

Shopifyは国内外でシェアの拡大を続けています。

その理由として、デザイン的にも機能面でも個性のあるEC事業を展開したいと考える企業が増えてきていることが挙げられます。

 

D2Cブランドが存在感を増している

D2Cとは、メーカーやブランドが自ら企画・製造した商品を、自社のECサイトを使って直接消費者に販売する仕組みです。問屋や小売業者を介さない、いわゆる直販ですが、スマートフォンやSNSの普及が、作り手のビジョンや思いをダイレクトに伝えること、そして一人ひとりの顧客の声を聞くことを可能にしました。

その結果、個性的で消費者の細かいニーズに応えるD2Cブランドが誕生しています。

これらのD2Cブランドの多くが、統一されたイメージのECモールに出店するよりも、メッセージを伝えやすい独自のECサイトを持つことを選んでいます。Shopifyは、こういったD2Cブランドに人気のあるサービスです。

 

OMOが導入され始めている

マーケティングにおいて、O2Oやオムニチャネルは欠かせないものとなりましたが、そこからさらに一歩踏み込んだ概念であるOMOに注目する企業が増えています。

OMOとはOnline Merges with Offlineの略で、「オンラインとオフラインが融合した世界」という意味の言葉です。

O2Oやオムニチャネルでは、オンラインの役割とオフラインの役割とを分けて考えていましたが、OMOでは、今や人々は常時オンラインで繋がっており、完全なオフラインは存在しないと考えます。

 

OMOの事例として良く紹介されるものに、シェアリング自転車やタクシー配車、デリバリーフードビジネス、そして無人スーパーがあります。ここでは、既存のインターネットとリアルな店舗・サービスの役割の境目が変化し、より流動的になっています。

 

マルチチャネル化の必要性が高まっている

チャネルとは商品を消費者まで届ける流通経路のことで、マルチチャネルとは様々なチャネルを用意すること(顧客との接点を多く用意すること)を意味します。

コロナ禍では多くの店舗が休業を余儀なくされましたが、これをきっかけに、販売チャネルの多様化や収益源の分散に対する意識が高まりました。

そして、実店舗やECサイトに加えて、FacebookInstagramEC機能を持たせたり、オウンドメディアにカートボタンを付けたりするといった、販売チャネルを増やす取り組みが増加しています。

そして、Shopifyでは比較的簡単に販売チャネルを増やすことが可能です。

また、アメリカでは、コロナ禍の影響で大手ECモールに注文が集中し、出店企業の商品が何週間も発送されないという事態が起こりました。

自社のECサイトを持たず、大手ECモールだけに頼ることのリスクも明らかになったと言えるでしょう。

 

Shopifyはこんな方におすすめ

  • 月商数百万円〜数千万円以上の事業規模を目指す人
  • 複数のECサイトを運営する予定の人
  • 海外向けの販売にも力を入れたい人

 

Shopifyは個人事業主、企業、実店舗を持っていない方、卸売業の方など、初めてECサイトを持つ初心者におすすめです。また、アパレルや雑貨、食品などの商材による向き不向きはありません。

3つのプランが用意されており、おすすめの人は以下の通りです。

 

ベーシック スタンダード プレミアム
月額費用 3,000 8,000 3万円
おすすめの人 ランニングコストを抑えたい小規模事業者

月商500万円以下

将来的に販路を拡大する

複数の従業員を雇う

月商5,000万円以下

売り上げ規模がお大きい

月商5,000万円以上

 

このように、 Shopifyは本格的にネットショップで収益を上げていく方(目安として月商300万円以上)に向いているサービスであり、月に数万円の収入があれば良い方にはオーバースペックです。

Shopifyは月々の使用料がかかるため、赤字になるリスクもあります。

本業や実店舗の収益がメインであり、とりあえず、お試し感覚でECサイトを始めたい方には初期費用・月額費用が無料の『BASE』や『STORES』をオススメします。

 

shopifyを利用したECサイトの国内事例

TOGA

https://store.toga.jp/

日本を代表するファッションハイブランド「TOGA(トーガ)」のECサイトShopifyで作られています。

印象的なデザインが、ファッショニスタたちの心を掴んでいます。

洋服のデザインが分かりやすいような商品詳細デザインが実現できるのも、Shopifyならでは。SNSTwitterInstagramFacebookと連携しており、お気に入りリストが作成できる機能などを実装しています。

 

RiLi(リリ)

https://store.rili.tokyo/

女性向けファッションメディアRiLi(リリ)が運営している「RiLi STORE(リリストア)」。韓国ファッションを中心に取り扱っており、10代~20代の女性に大人気のセレクトショップです。可愛らしい雰囲気のサイトデザインが、ブランドにとてもマッチしています。また、「予約」や「OFF」などのバッジをつけており、お客さんに分かりやすいサイトデザインが印象的です。さらに、在庫切れの商品が再入荷時にアラート(EメールまたはSMSテキストメッセージ)がなる機能も追加しており、お客さんのエンゲージメントとコンバージョンを高める設計になっています。

 

COHINA(コヒナ)

https://cohina.net/

Sサイズ女子のためのファッションブランド「COHINA(コヒナ)」。

自分に合うものの中から好きなものを選べると150cm前後の小柄な女性から人気のD2Cブランドです。

商品ページからボタン1つでwishリストを作成できる機能を実装しており、顧客満足度の高いサイト設計になっています。

また、お客さんにwishリストを作成してもらうことによりリマインダーメールを送れたり、割引コードでお客さんを再訪問してもらったりといったマーケティング施策も可能となります

Instagramとの連携機能で、サイト内でInstagramのフィード投稿を表示しています。これにより、ECサイトのコンテンツを最新の状態に保つことができます。

 

elmersgreen

https://elmersgreen.com/

大阪にお店を構えるカフェ「elmers green cafe(エルマーズグリーンカフェ )」の公式ECサイトです。

世界各地から集められたコーヒーを楽しめると人気で、ECサイトではコーヒ豆やコーヒーにまつわるアイテム、フードなどを販売しています。

ベストセラー順や価格順、最新順などの任意の並び替えができるソート機能を追加しています。

情報の分類・整理することにより、お客さんは求めている商品を探し出すことが簡単になります。

また、商品ごとのレビュー機能も追加しています。上記画像のようにレビューを見てもらうことで購入時の不安を解消し、お客さんの購買意欲を高めます。

ただの商品ページのみならず、コーヒーの歴史、種類・選び方等のコラム等も掲載されており、コーヒーの情報サイトとしても運営されています。コラムの更新が簡単にできるのはShopifyの魅力の一つでしょう。

 

ゴーゴーカレー

https://jp.gogocurry.com/

ひと際インパクトのある商品写真が目を引く、ゴーゴーカレー様の公式通販サイトです

サイト全体として、派手な印象がありながらも、サイト構成はシンプルで非常に使いやすい設計となっております。

特筆すべき点としては、固定ナビゲーションにお買い物ガイドが設置されていることが挙げられます。

お買い物ガイドには、配送方法や送料、お支払方法、領収書などに関して詳しく書かれており、「ネットショッピングが不安な方」にも安心感を与えられます。

また、クレジットカード、PaypalAmazon Pay、コンビニ払いなど様々な決済手段に対応しており、様々なお客様のニーズに応えられます。

このような、幅広い決済手段への対応はShopifyならではの強みの一つです。カレーの通販サイトでありながら、ゴリラの特徴的なロゴが印刷されたキャップやTシャツの販売も行っており、ブランドのファンをつけていきたいという思いが感じられます。

ブランドのファンを作ることで、お客様に継続して商品を購入していただける可能性が高まります。

 

ぬま田海苔

https://numatanori.com/

ぬま田海苔様は、1937年に創業された日本で唯一の『最高級初摘み海苔専門店』です。

「最高級の初摘み海苔」という希少性の高い商品のため、高級感に対する演出は非常に重要ですが、行き過ぎた高級感はユーザーの離脱を招きかねません。

そういった意味で、本サイトはいやらしくない高級感の演出が非常に丁寧です。

例えば、ファーストビューの「希少な海苔の味を伝えます」というメッセージ。

WEBサイトでは横書きが一般的とされていますが、あえて縦書きの行書を使用することで、サイト全体に『いやらしくない高級感』を与えています。

またサイトの配色についても、仄暗いパステルブルーを採用することで、直接的なゴージャスさではなく「エレガントなデザイン」を演出しており、商品の性質やペルソナを意識したデザインと言えるでしょう。

また多くのECサイトでは、検討から商品購入が完結できるよう作られていますが、本サイトの場合、商品の性質上ご年配の方による購入も考えられます。

そのため、メニュー内に「お電話での注文」を設置することで、ペルソナであるご年配の方でもご購入いただけるよう、ユーザーを意識した設計になっています。

 

むぎごころ

https://mugigokoro.organic/

主に、オーガニックコスメや無添加化粧品など美容系商品を取り扱うECサイトになります。

「無添加」を売りにしたオーガニックコスメが主力商品となりますので、イメージに合うようアースカラーの配色を採用し、文字フォントは柔らかく、さらに商品写真にも高級感が感じられるよう、花々などの小物を使用して、商品撮影を行っています。

また、ECサイトでは、ユーザーが実際に商品を手に取ることができないため、鮮明かつ、商品イメージを正確に伝える商品写真は非常に重要です。

そのためECサイトでは、できるだけ商品写真を大きく見せるのがセオリーとされていますが、商品画像を大きくするとユーザーにはスクロールをしていただく必要があります。

スクロールは昨今のWEBサイトにおいて、もはや当たり前のことですが、ユーザーにとっては手間であり、離脱を招く原因でもあります。

そこで本サイトでは、まずサイトを開いた際の画面で代表的な写真を大きく見せ、あえてその隣に商品カテゴリにあたるサイドバーを設置し、「具体的にどのような商品を扱っているのか?」を訴求することで、取り扱い商品を理解せずに発生してしまう離脱を減らせるようになっています。

 

shopifyを利用したECサイトの海外事例

Red Bull(レッドブル)

https://www.redbullshopus.com/

全世界で人気なエナジードリンク「Red Bull(レッドブル)」の公式ECサイト。

サイト内ではアパレルアイテムなどを取り扱っています。

このようなグローバル展開している有名ブランドも、Shopifyを利用しています。購入すると大胆な商品レコメンドが表示される機能を追加しています。

これにより、お客さんのLTVLife Time Value/ライフタイムバリュー)を向上させます。

 

サンリオ

https://www.sanrio.com/

日本発祥の代表的なキャラクター「サンリオ」のイギリスとアメリカのECサイトはShopifyで作られています。

サンリオの世界観を実現したデザインは、自由度の高いShopifyだからこそ実現しました。

SNSはTwitterInstagrampinterestYouTubeFacebookTikTokと連携しており、SNSマーケティングに力を入れているのが分かります。

また支払い方法はshopoayPayPal、クレジットカードなどに対応することで購入率を上げています。

 

allbirds

https://allbirds.jp/

サンフランシスコ発のスニーカーブランド「Allbirds(オールバーズ)」のECサイト。

履き心地・通気性・吸湿性の高さから、世界で最も快適なシューズと名高いブランドです。

企業価値は1500億円とも言われており、20201月に日本にも上陸しています。

サイトにはチャットボット機能が追加されており、顧客満足度を高めます。

また、全商品「30日以内であればどんな理由でも返品可能」というユーザーフレンドリーなD2Cブランドです。

 

CANNUKA

https://cannuka.com/

アメリカ企業Cannuka, LLCが運営する「CANNUKA」のECサイト。

麻の成分であるCBDと、マヌカハニーを活用したナチュラルスキンケア商品を販売しています。

TOPページに商品の特徴やストーリーを掲載することで、ユーザーをファン化することができます。

 

Haus

https://hauslondon.com/

家具や家庭用品を扱っているECサイト「Haus」。

ネットショップはモダンで洗練されたデザインで、扱う商品の世界観や美しさに非常にマッチしています。

ディスカウントのバッジを表示させることで、訪れたユーザーの購買意欲を高めます。

 

CITYDOG

https://citydog.jp/

ドッググッズブランドのCITYDOG様のECサイトです。ファーストビューの可愛い犬の写真が、大切な愛犬への愛情を掻き立てます。

一見シンプルに感じられるデザインですが、高級感のあるアニメーションが、洗練された商品の魅力を表しています。

また、アバウトページやトップページに配置されている職人さんの作業風景の動画から、製品に対する強いこだわりが伝わってきます。

このサイトでは、メニュー項目としてお客様スナップが配置されているのが特徴的です。

実際に、商品を使用している方の姿が見られることで、商品への「信頼感」や「安心感」が高まります。大切な愛犬の命を守る犬具を扱っているということもあって、お客様に「信頼感」や「安心感」を与えることは非常に重要です。

さらに、サイトの一番目立つ部分に、送料無料となる購入金額が表示されています。

この表示が、サイト訪問者の「もう一商品買えば無料になる」という心理を刺激して、追加購入の促進をしてくれます。

 

ELMES GREEN

https://elmersgreen.com/

各地から厳選されたコーヒー豆をメインとして、フードやコーヒー器具などの関連商品も取り扱っているECサイトです。ファーストビューに、コーヒー豆の写真を横幅いっぱいに配置していることから、素材へのこだわりが強く感じられます。

トップページは、主に注目商品とブログ記事の2つのコンテンツのみが配置されています。このようなシンプルなレイアウトによって、「何を伝えたいのか?」が明確になっています。

ページ下部には、最新ニュースやお得情報が受け取れる会員登録のボタンが配置されています。これにより、興味のある人がいつでも会員登録ができます。

さらに、本サイトでは、商品の購入ごとにポイントが付く仕組みとなっています。

本サイトを訪れる方は、コーヒーにこだわりをもった、「日常的にコーヒーを飲んでいる方」だと考えられます。

そのため、気に入ってもらえれば「リピーター」となってもらえる可能性が非常に高いです。

ポイント制度はリピーター確保が見込める施策といえるので、本サイトは「ペルソナ(誰が見るのか?)」を意識した施策が行われています。

 

まとめ

今回は、国内外のShopify導入事例と導入している機能をご紹介いたしました。

紹介した事例からも分かるように、海外では有名なブランドがShopifyを利用してECサイトを構築しており、国内でも利用は広まっています。

しかし、誰でも自社ECサイトを開設できるShopifyですが、ネットショップは作るだけでは効果は出ません。

売れるデザインをカスタマイズし、必要な機能・アプリを実装、適切なサイト分析・運用することで利益を最大化させます。

また、外部システムの連携や開発をするためにパートナーが必要となります。

Shopifyを使えば、ウェブデザインなどの専門知識がなくても、簡単に自分のイメージ通りのECサイトを作ることが可能です。日本でもすでにShopifyを使用したECサイトがたくさんありますので、是非、導入してみてはいかがでしょうか。

余談ですが、EC運用に合わせてSNSの運用は出来ていますでしょうか?

ECにおいて、SNSの活用は必須です

LINEやInstagramをECに活用した事例を下記にてまとめていますので、併せてぜひご覧ください。

EC事業におけるLINEの活用方法とは?具体的な施策や事例とともに解説

【国内外、媒体別]】D2CブランドのSNS運用事例

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