LINE DEVELOPER DAY 2017 で見たLINE BOTのこれまでとこれから

LINEの古巣Hikarie Hallにて、2017年のLINE Developer Dayが開催された。 (詳細は こちら)

昨年2016年9月29日にLINE社がLINE Messaging APIを公開してほぼ丸1年。LINE BOT はどのように使われて来たか。そして、今後のアップデートによって何がどう変わるのか。

 

LINE Messaging APIのこれまでの1年

まず、はじめに、正式公開から約1年の間でLINE Messaging APIはどれだけ使われてきたのか。

130,000のボットが作られてきた。その全てのボットの友達数の総計は20億人であり、累計100億のメッセージのやり取りが行われている。

この数字を見ると、LINEのMessaging APIがいかに浸透しているのか分かるだろう。

またこうした中で開催されたLINE BOT AWARDで優勝した&HANDは東京メトロなどの事業体と実証段階に入っている。

 

LINE Messaging APIの新機能

Messaging API + LINE Login

新しくなったLINE Loginを利用した時、今までと違った体験を産むことができる。

今までは、LINEの中でMessaging APIとして閉じたコミュニケーションを行わないといけなかったが、LINE Loginと一緒に使うことによって、Webの方が使いやすい、グラフなどのデータだけ、Webで表示することができるようになる。

例えば、下記のような体重の遷移を表示したい時、テキストデータMessaging APIで使えるテンプレートで表現しようとすると、どうしても見にくくなってしまう。

このグラフ部分をWebで出してあげる、という使い分けをすることによって、よりユーザーフレンドリーなサービスを作ることが出来る。

User IDの取得

今まで、グループの中で各個人のUser IDの取得はできなかったが、今回のアップデートで可能になる。

実例紹介では、ゼミの先生とのやり取りが映し出されていたが、

各個人のポジションや状態に合わせてグループの中に入っているボットがアクションを出し分けられるようになった。

Flexible Rich Menu

今回、見た目の部分で一番大きな変化はRich Menuだろう。

今までは、上のように指定されたエリアにアクションを入れる形式だったが、

このように、Imagemap Messageと同じく、好きな座標/エリアにアクションを指定できるようになった。

上のように、牛肉の部位を選択したり、よりユーザーがタップしたくなるようなクリエイティブを配置することができるようになった。

また、今回から新たに

Half-size

が追加された。

今までは、このようにユーザーの表示領域の半分近くを占めるリッチメニューによって、ユーザビリティが下がることがあったが、

このように、従来の1/2のサイズのリッチメニューの登場によって、常に表示していても邪魔にならないリッチメニューの実施が可能となった。

動的なRich Menu

また、今回のリッチメニューは後述するようにAPIでの制御が可能であるため、ユーザーごとにリッチメニューの出し分けが可能となった。

例えば、上のように、アカウント連携をしたユーザーとしていないユーザーでの出し分けや、問い合わせ前のユーザーと問い合わせ後のユーザーで出し分ける、といったことが可能となる。

キーボードの制御

従来では、リッチメニューが表示されていることによって、キーボードへの遷移が難しく、ユーザーを戸惑わせることがあった。

今回、キーボードの制御ができるようになったことで、ユーザーのステータスごと、アクションごとにキーボード/リッチメニューの表示分けができるようになる。

このことで、ユーザーは迷うことなく、次のアクションを起こせるようになるだろう。

Rich MenuのAPI制御

従来、管理画面上で設定する必要があったリッチメニューだが、今後がAPIから制御できるようになる。

また、APIについては未公開とのことで、公開され次第、また使用感や使い方などを書かせていただく。

LINEのチャットボットのこれから

LINE Bot Studio

LINEがBotのプロトタイピングツールを提供予定。

もともと、Botはプログラムであることから、デベロッパーとのコミュニケーションの中にプログラミングが介在することが多かった。

詳細は未公開だが、デザイナーやクリエーターなど、プログラミングに触れない人が気軽にデザインプロトタイプをするにはかなり便利なツールとなるだろう。

こちらも続報があり次第、使用感などをお伝えしていきたい。

LINE API Expert

LINE社と共に、LINE APIを育てていくデベロッパーを募集するとのこと。

  • SNSなどでの拡散
  • 新しいAPIの試用/フィードバック

などなどがプログラムの中に含まれるようだ。また追って応募ページが公開される模様。

 

 

新しいLINE LoginとMessaging API

今回、Messaging APIに関連するセッションは、もう一つあった。

新しいLINE Loginの機能として“Friending with bots”というものが追加されたのだ。

従来のLINE Loginの活用

今までは、ログインした人のメールアドレスを使って、マーケティングメッセージを送っていた企業が多かったと思う。

だが、今の世代ではプライベートな会話以外もEmailよりも、チャットを好んでいる。

Emailは見られることも少なくなり、配信した情報をクリックすることも少なくなって来ている。

そこで、そうした情報をLINEのチャットで送ることによってクリック率は4倍に跳ね上がる。

 

だが、今まで、これを実現するためのLINEの”Login&Profile” と”Messaging API”という二つの大きな柱をシームレスで使える機能が不足していた。

新しい LINE Loginの機能(抜粋)

しかし、今回のアップデートによって、BOT_PROMPT=NORMALというパラメータを入れるだけで

LINE Loginを行なったユーザーに対して、”自社のボットアカウントと友達になって欲しい”、という画面を表示することができるようになった。

botのアカウントをブロックしているユーザーに対しては、unblock(ブロック解除)を促すメッセージへと変わる。

 

また、この機能では、aggressiveというパラメータを置くことによって、

より、自社のボットと友達になってもらうことを強く推し出すインターフェースに変えることができる。

LINE loginの進化によって、LINE ボットの立ち位置はどう変わるのか

今まで、独立していたLINE LoginとLINE messaging APIとが融合された。

このことによって、

今後は、Webサイト上をどのように閲覧したか、という要素をフックとしてLINE botからメッセージを送るような、LINEでのチャットを使用したよりインタラクティブなMAツールのような使い方もできるようになるだろう。

LINE loginで友達になってもらい、その後ボットとのコミュニケーションによってユーザーのリテンションを上げる。

Web上に独立していたデータと、LINE上でのコミュニケーションが極めてシームレスに行き来することによって、LINEボットは企業にとって欠かせない存在となりそうだ。

一方で、ボットの設計が重要になってくるとも言える。

Emailのように、メッセージを乱発してしまっては、嫌気がさしたユーザーにブロックされる恐れが高まる。

そうしたリスクを軽減するために、ボットによるプル型マーケティングを上手く設計する必要性がより一層高まるだろう。

 

考察・さいごに

LINEのMessaging APIの公開から1年が経ち、クロネコヤマトのLINEボットのように、生活に根ざしたチャットボットも沢山産まれた。

そうした中で、130,000のボットが作られ、友達数の総計は20億人であり、累計100億のメッセージのやり取りが行われている、という事実はかなりインパクトがある。

LINEという使い慣れたプラットフォームを使って、より便利に、よりスムーズにユーザーとコミュニケーションが取れるように、という点でチャットボットは無視できないだろう。

また、今回からLINE Loginとの連携が強固になったことで、”メッセージ”というインターフェースが最適でないものも、Webとシームレスに繋がることによって、より幅広い活用ができるようになりそうだ。

 

また、今回やはり気になったのはImagemap型のRich Menuであるが、

テキストを打つ、というハードルを下げる流れはどんどん来るだろう。

テンプレートやImagemapによって、テキストを打たないチャットボットが増えることは自明であり、今後、LINEというプラットフォームの上にミニアプリのような形で使い勝手の良いチャットボットが増えると考える。

 

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