働き方改革や生産性向上を建設的なフローをどう考えるか?

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働き方改革や生産性向上を建設的なフローをどう考えるか?


政府主導でもある「働き方改革」。この働き方改革という意識はそれぞれの企業は浸透していると思うが、実際にどういうところから着手して良いのか、担当者は頭を悩ませていることであろう。最近では社内チャットボットを導入することで、管理部門への直接問い合わせを減らし、管理部門の生産性を上げるといった方法を模索している企業もある。しかし働き方改革につながるような生産性向上などを建設的に取り組めている企業は少ないはずだ。考え方の問題ではあるが、チャットボット導入など建設的に進めて行くための捉え方などを紹介したい。

リモートワーカー専門のキャスターという企業

キャスターという企業を知っているだろうか。「リモートワークを当たり前に」を掲げているスタートアップ企業だ。秘書から経理まで、会社の基本機能をまるごと請け負っており、受託した事務をこなす約100人の社員の95%は自宅で働く。週に1日も出社する必要がなく、仕事はチーム単位ではあるが、やり取りはネット上で完結する。働きやすさが評判を呼び、毎月1千人以上の応募者のなかで採用するのはわずか10人しかいない。この人手不足時代に「買い手優位」という形で採用できているという。
出展:日本経済新聞社

ここで見落としがちな部分というのが、リモートワークを行なうことによる「時間」だ。
通勤時間に片道1時間かけているとしよう。往復では2時間。これが平日の月曜日から金曜日までの5日で、月に4回あるとすると、40時間となる。そもそも欧州に比べるとこの日本の通勤時間は5割ほど多いらしいのだが、リモートワークにすることで、この通勤時間を浮かすことができる。且つ、都内で就業している人に当てはめていくと何万時間が浮くという。浮いた時間を各家庭の時間に割くことができ、これまで介護や育児を理由に離職していた人材も、その企業に安定的に雇用され続けることができるのではないだろうか。

このキャスターという企業は、従来の固定概念を壊し、積極的にリモートワークを推し進めている。人材企業に在籍していたことがある筆者にとっても、このキャスターのリモートワークは非常に刺激的だ。遠くない将来、もしかすると企業というのは最低限の企画部門や管理部門しか持っておらず、営業部門などは全て業務委託という社会が当たり前になるかもしれない。そうなると終身雇用の時代は終わりを告げ、本当の意味での高い能力やスキルを持った人材だけが生き残るといったとてもシビアな世の中になるだろう。話を元に戻すがこのようなリモートワークというスタイルも働き方改革であると言えよう。結果的に通勤時間短縮だけでも生産性向上につなげることができている。

働き方など生産性向上のために必要な建設的なフロー構築

働き方を改善する方法や生産性向上させるためのツールを探るという傾向が最近非常に多い。その注目されている打表的なツールが「チャットボット」だ。管理部への社内問い合わせをチャットボットで自動化することで生産性向上に繋げる。しかし、チャットボットというツールを導入することで生産性が上がるというわけではない。まずは「社内の整理」が必要だと考える。その整理というのは、よくある質問をまとめるというものではなく、チャットボットを利用するのであれば、チャット内で発言される利用者の生の声を集計するということだ。これは「電話」に入ってくる言葉(文章)と「チャットボット」に入ってくる言葉が異なっている可能性があり、電話だと人間相手に話をするため、気を遣って発言する言葉を選ぶ傾向にあるが、チャットボットだと人間ではない、いわゆるAIや人工知能のため、発言する言葉を選ぶ必要がなくなる。この「選ぶ必要がなくなった言葉」こそ利用者の生の声であり、アンケートなどでは得られない本物のデータと言えよう。このデータを集計するということが、「社内の整理」につながり、それらを集計するためにまずはチャットボットを導入するという考え方が必要だと筆者は考える。ここから建設的なフロー構築が始まる。

余談だが、有名な三国志演義(創作色が強いのだが・・・)に諸葛亮孔明という聡明な軍師がおり、10日間で10万本の弓矢を調達するように命令された。大量生産技術がない時代に10日間では到底無理な話であるが、諸葛亮孔明は3日間で調達すると言い切った。そして諸葛亮孔明は10万本の弓矢を本当に調達することができたのが、どのように調達したか。
諸葛亮孔明は大量の船を用意し、船には藁人形を多数乗せて夜出発した。なんと敵陣営に夜襲と見せかけて船を出したのだ。当然、夜襲ということで敵からは大量の弓矢が発射され、船に乗せている藁人形に刺さる。もうお分かりだろうが、藁人形に刺さった敵の弓矢をそのまま調達したというわけだ。三国志演義によると10万本以上集まり、三国志における諸葛亮孔明の名声は広がっていく。
という昔の中国の創作話ではあるが、このチャットボットを利用して、利用者の生の声を集めるということは、この三国志演義の弓矢の調達に置き換えることができると考える。つまり「藁人形で集まった弓矢」というのが、「チャットボットで集計できる利用者の生の声(データ)」ということだ。
FAQデータを作成のに苦労していた人は、チャットボットを利用して集まった利用者の声(データ)を元にFAQを作れば良いだけの話だ。したがってチャットボットに実装するFAQデータは最初はなくても問題なく、日々の中で発言されるデータを参考に構築していけば良い。

チャットボットというのは、ただ問い合わせを自動化するだけでなく、利用者の発言を集計するツールとしても利用できる。FAQを作成する時間も惜しいのであれば、チャットボットを利用することで作成時間も短縮できるだろうし、そういう意味でも生産性向上に役立つことができるのではないだろうか。いづれにしても、考え方次第ではチャットボットというツールはすぐに導入できるわけで、建設的なフロー構築をするためにも必要なのではないだろうか。

弓矢